| 抱かれる視線 第四章 |
| 突然、内側から思い切り壁を叩かれてハボックは目を丸くして壁を見つめた。こんな事は初めてだ。何か拙い事でもしただろうか。特別客を怒らせるような妙な事をした覚えはない。ハボックは突然の事にどうしてよいか判らず、立ち尽くしていた。するとその時。ガチャリという音と共に部屋の扉が開いてサングラスをかけた男が入ってきた。その男を見るなり、ハボックは凍りついてしまう。信じられないものを見るように、空色の瞳が見開かれ、震える唇から聞き取れない程の囁きが零れた。 「た、いさ…」 無意識に後ずさった体が壁に当たったのにも気づかず、ハボックはロイを見つめたままいやいやと首を振った。ロイは片手をあげてサングラスをむしり取るように外すと、床に叩きつける。目を瞠ったままじっと自分を見つめるハボックの前に立つと、手を伸ばしてハボックの後ろ髪を鷲掴んだ。そのまま乱暴に引き寄せると、噛み付くように口付ける。身動きできないハボックの口中を思う存分味わうと、ロイはハボックをベッドの上に突き飛ばした。ベッドサイドのテーブルの引き出しから紐を取り出すと、ハボックの腕を後ろ手に縛り上げてしまう。 「やだっ…なにを…っ」 もがくハボックの体を俯せに押さえつけると、ロイはハボックのジーンズを剥ぎ取った。ハボックの腰を高く抱え上げると顔を寄せ、蕾に舌を這わせ始める。たっぷりと濡らしたソコにつぷりと指を差し込むと、ぐちぐちとかき回した。 「いやっ…」 逃げようとする体を押さえつけて、沈める指を増やしていく。強引に深く差し入れて奥まったしこりをカリと引っ掻けばハボックの体が大きく跳ねた。 「ひ…っ」 2度3度と同じ所を刺激されてハボックは溜まらず熱を吐き出してしまう。 「あああっ」 びくびくと体を震わせて熱を吐き出すハボックをロイは冷たく見下ろす。引き出しから張型を1つ取り出すと、ひくつく蕾へずぶりと差し込んだ。 「いやあっ」 逃げる体を引き戻して一気に奥まで突き入れる。乱暴に抜きさしすると、ハボックは声も上げられぬまま熱を放った。 「いやらしいな、ハボック…」 荒い息をついて涙に濡れた顔をシーツに埋めるハボックの耳にロイの声が届く。 「こんなものでかき回されるのがそんなにイイのか?」 冷たい声音にハボックはふるふると首を振る。ロイは張型を奥まで差し入れると、リモコンを手に取りスイッチを入れた。 「ひああああっっ」 自分の中で突然蠢きだしたソレに、ハボックの唇から悲鳴が迸る。 「それとも、誰ともわからぬ男どもに見られることが嬉しいのか?」 ロイはそう言うとリモコンを強の方へとスライドさせた。 「あああああっっ」 自身から白濁を迸らせびくびくと体を震わせるハボックを冷たく見下ろすロイにハボックは赦しを乞うた。 「ゆるして…とってくださ…」 必死に言い募るハボックの髪を掴むとロいはその耳元に囁いた。 「よくも、こんな私を裏切るような真似を…」 搾り出すようなロイの声にハボックは涙に濡れた瞳を見開いた。 「ち、ちが…っ」 「違わないだろうっ、こんな姿を私以外の男どもに見せるなんて…っ」 肩越しに見上げたロイの顔が嫉妬に歪むのにハボックは息を飲んだ。 「そんな、つもりじゃ…っ」 ロイはハボックに埋め込んだ張型を乱暴に引き抜く。衝撃に悲鳴を上げるハボックの腰を引き寄せると、滾る自身を宛がい一気に貫いた。 「あああああっっ」 白濁と共に悲鳴を迸らせ、ハボックはシーツに顔を埋める。容赦なく突き上げられてハボックは息も絶え絶えに口を開いた。 「ごめ…なさ…ごめん…」 はらはらと涙を零しながらそう呟き続けるハボックの姿に、ロイはまだ怒りが収まらないまでも、ほんの少しハボックを責め立てる力を緩める。ロイはハボックの腕を戒める紐を解くと、繋がったままハボックの体を反した。 「ひああっ」 悲鳴を上げるハボックの髪をかき上げて、ロイはハボックの顔を両手で挟むとその空色の瞳を見つめて囁いた。 「答えろ…お前は誰のものだ…?」 じっと見下ろしてくる昏い瞳を見つめて、ハボックは微かな声で答える。 「たいさの…ぜんぶ…」 そうして僅かに微笑むと言葉を続けた。 「なにもかも…ぜんぶ、アンタの…からだも…いのちも…」 そう言ってハボックはロイに腕を伸ばすとロイの体に縋りつく。ロイはそんなハボックに噛み付くように口付けると乱暴に突き上げ始めた。ずりゅっずりゅっと濡れた音が部屋に響き渡り、ハボックの喘ぎ声がその上に覆いかぶさっていく。ロイはハボックの最奥を穿つと、どくりと熱を吐き出した。体の中を焼かれる感触にハボックの唇から高い悲鳴が上がり、ロイは一度自身を引き抜くとハボック諸共、ベッドの上に身を起こした。 「ヤツらにみせつけてやろう…お前が私だけのものだということをな…」 ロイはそう囁くとハボックを背後から抱きかかえ、ベッドに座る自分の中心へとゆっくりと下ろしていく。じわじわと割り開かれる感触に、ハボックは背を仰け反らせて喘いだ。 「あ、あ、あ…」 いやらしい口をいっぱいに開いて、ロイの熱い塊りを飲み込んだソコはひくひくと蠢いてロイに絡みついている。なかなか動き出さないロイに、ハボックは焦れて腰を揺らめかせた。 「どうした、ハボック…」 笑いを含んだ声でそう聞くロイに、ハボックは苦しそうに囁いた。 「いじわる…しない、で…っ」 「御仕置もしないとな…」 楽しそうなロイの声に、ハボックは唇を噛み締める。 「ああっ、おねが…っ」 ねっとりと絡んでくる幾つもの視線の中、熱いロイを含まされてハボックは身悶えた。早くかき回して欲しくて、無意識に腰が揺れてしまう。見られている事で体中が酷く敏感になっていて、息をするだけでも繋がる部分からロイを感じてハボックは気が狂いそうになっていた。 「たいさっ…はや、く…っ」 あられもなく腰を揺らめかす姿にロイは満足そうに笑うと乱暴にハボックを突き上げ始めた。 「あんっ…あっあっ…ふあっ」 突き上げられて喘ぐハボックの乳首を背後から捻り上げると、喘ぐ声が悲鳴交じりの嬌声に変わる。 「イイのか、ハボック…」 「あんっ…イイっ…もっと…ッ」 ロイの肩口に頭を預けるようにして身悶えるハボックの胸を弄りながら深く穿つと、ハボックの中心から熱が迸った。 「あああっっ」 くくっと笑いながらロイはハボックを揺すりあげる。しどけなく開いた脚の奥にロイのモノを深々とくわえ込んだ姿を曝して、ハボックは中心から続けざまに白濁を撒き散らした。身も心もロイだけに支配されて、ハボックはここが何処だかも判らなくなっていく。食い入るような視線の中で、ハボックはロイだけを感じて喘ぎ続けた。 目を覚ましたハボックは、自分が見慣れた天井をぼんやりと見つめている事に気がついた。重たい体を何とかベッドの上に起こすと、ハボックは辺りを見回す。薄暗い寝室にはロイの姿はなく、ハボックは不安に駆られてベッドから下りた。 歩き出そうとして力の入らない体は、がくりと床にくず折れてしまう。ハボックは這うようにして壁までたどり着くと壁に手をついて立ち上がった。壁に縋りながらゆっくりと歩を進め部屋の外へ出るとロイの姿を探す。物音1つしない家の中で、ハボックは耐え難い恐怖に駆られて必死に階段までたどり着いた。足を踏み出そうとして回る視界に、そのまま階下へ転げ落ちそうになる体を、力強い手が引き戻した。 「馬鹿…っ、何をやってるっ?」 ロイの胸元に引き寄せられて、ハボックは安心したように微笑んだ。 「もう少し休んでいないとダメだろうっ?」 怒りを滲ませてそう言うロイの胸に顔を寄せてハボックは囁いた。 「だって…たいさがいないから…」 ハボックの言葉にロイは目を瞠るとハボックを抱きしめた。 「ここにいる…」 うっすらと笑うハボックをロイは抱き上げると寝室へと連れて行った。ベッドにその体を横たえると金色の髪を撫でる。 「もう、何も心配しなくていい。全部終わらせた」 ロイの言葉にハボックは顔を歪めた。 「ごめんなさい…」 「最初から素直に話せばいいものを」 「だって…」 散々恥ずかしい思いをし、ロイを怒らせた挙句、結局ロイの手を煩わせてしまったことにハボックは唇を噛み締めた。そんなハボックの頬を愛しげに撫でるとロイは言った。 「お前の全ては私のものなのだろう?だったらもっと縋ってこい。私のものの為に支払う代価をケチるようなことをするつもりはないぞ」 そう言われてハボックは決まり悪げに顔を赤らめると瞳を伏せた。ロイはハボックにそっと口付けると囁く。 「2度と私以外のヤツにあんな姿を曝してみろ…」 殺すぞ、と耳元に囁かれてハボックは一瞬目を瞠ったが、次の瞬間幸せそうに微笑んだ。 「たいさ…」 ハボックは腕を伸ばすとキスを強請るようにロイを引き寄せる。薄闇の中、二つの影がゆっくりと重なっていった。 2006/11/29 第三章 ← |