オブシディアンの虜囚  第十章


「ぐぅッ……んぐ……ッ!!」
 喉奥に叩きつけられる青臭い液体にハボックは大きく目を見開く。それでもゴクリと喉を鳴らして飲み込むハボックの唇の端から、飲みきれない白濁がたらりと糸を引くように垂れるのを見れば、ロイはゾクゾクしてハボックの舌を楔で突いた。
「ん……ふ……」
「ほら、一滴残らず綺麗に舐めろ。欲しかったんだろう?」
 金色の髪を撫でながらそう囁けば欲に蕩けた空色の瞳がロイを見る。言われるまま楔をペロペロと舐めるハボックの髪を、ロイは愛しげに引っ張った。
「イイコだ」
「ん……たいさァ……」
 ロイの言葉にハボックが嬉しそうに鼻を鳴らす。ハボックは綺麗に舐めた楔に頬をすり付けてロイを見上げた。
「ねぇ、たいさ……ぁ」
 腰をもどかしげにくねらせてハボックがロイを呼ぶ。尻から響くイヤラシイ音を聞きながらロイは言った。
「ハボック、おねだりははっきり言えといつも言っているだろう?」
 言いたいことなど百も承知で言う意地悪な男をハボックは恨めしげに見つめる。それでもはっきり口に出さなければ欲しいものを与えては貰えないことも判りきっていて、ハボックはロイを見つめて言った。
「大佐の、ください……こんな玩具じゃなくて、大佐の挿れて欲しいッ!オレもう……大佐でないとイけない……大佐のでイかせてッ」
 切なげにそう言ってハボックはロイの楔に頬をすり寄せる。さっき熱を放ったにもかかわらず、既に高々とそそり立つ男根にうっとりとした表情で頬を寄せる様がどれほどイヤラシイか、おそらくは全く思ってみたこともないであろうハボックの姿に、ロイは楽しそうに言った。
「だったらまず、お前のそのイヤラシイ穴をこちらに向けろ。大好きな玩具を抜いて見せるんだ」
 まるで好き好んで玩具を咥えているかのようなロイの口振りに、ハボックは顔を歪める。それでも大人しくロイの前に脚を広げて座ると、低い音を立てて震える玩具を埋め込んだ蕾を晒した。
「……たいさっ」
 抜こうと手を添えたものの激しく震える玩具はガッチリと秘肉に食い込んで、すぐには抜けてこない。苦しげに眉を寄せてロイの名を呼ぶハボックに、ロイは首を傾げた。
「どうした?ああ、もしかしてそのまま抜かずに突っ込んで欲しいのか?」
「えっ?」
 思いもしない言葉にハボックは驚いて目を見開く。ロイは無惨にも玩具に割り開かれたハボックの蕾に指を這わせると、いきなり玩具に沿うようにして指を一本ねじ込んだ。
「ヒィィッッ?!」
 玩具だけでいっぱいの蕾に強引に指をねじ込まれて、ハボックの唇から悲鳴が上がる。喉を仰け反らせてビクビクと震えるハボックの蕾にねじ込んだ指を、ロイは容赦なくグチグチと動かした。
「指一本でもキツイな、こんなところに私のを挿れて欲しいのか?」
「ちが……ヒアアッッ!!」
 否定する言葉を紡ごうとする唇から悲鳴が上がる。縋るようにロイを見つめてハボックは痛いと訴えた。だが、ロイはそんなハボックの訴えにも楽しそうに笑うばかりだ。
「痛いのが好きだろう?お前は」
「そんなことないっス!」
「だったらこれはどういうことだ?」
 ロイはそう言ってハボックの楔を指で弾く。そこは酷い仕打ちにもかかわらず腹につくほどそそり立ち、イヤラシイ汁をたらたらと垂れ流していた。
「ああんっ」
 弾かれた楔から更にとろりと蜜を零してハボックが身悶える。小さな蕾をいっぱいに開いてグロテスクな玩具と指を咥えるハボックの淫猥な姿に、ロイはクスクスと笑った。
「こんな姿、お前の部下たちは想像したこともないだろうな。アイツら、お前をオカズに抜いてるんだろうが、まさかこんなイヤラシイ躯だなんて思ったこともあるまい」
「あ……ふっ、ん……ッ」
 揶揄するようなロイの言葉にすらハボックは興奮してしまう。ハアハアと息を弾ませてハボックはロイを見た。
「や……こんなの嫌っス!大佐の欲しいよォ……っ」
 ハボックはそう言ってロイに手を伸ばす。ロイの頭を抱え込み舌を差し出すとロイの口元をぺろぺろと舐めた。
「くくっ……お前は」
 犬が甘えるようなハボックの仕草にロイは楽しそうに笑う。そんなロイに不満げに鼻を鳴らしてハボックはロイの唇に己のそれを押しつけた。
「好き……大佐、好きぃ……ッ、あんっ、アアッ!!」
 想いを紡ぐ唇を押しつける間にもロイの指が秘肉を抉る。最初は痛みが先に立っていたその動きも、今では快感が上回っているのがその甘ったるい声からも察せられて、ロイはにんまりと笑った。
「ほら、もう一本挿れてやろうな」
 ロイは優しくそう言って指を更に一本ねじ込む。痛いと上がる悲鳴とは裏腹に蕾はロイの指を引き込むように蠢いた。
「あっ、んっ……あふぅ……ッ」
 ガクガクと震えながらもハボックは腰を揺らめかす。ロイはそんなハボックを見つめながら強引に埋める指の数を増やした。
「ヒィィッッ!!痛ァ……ッッ!!」
 ハボックは喉を仰け反らせて高い悲鳴を上げる。痛みに顔を歪めているにもかかわらず、ハボックの楔は相変わらず高々とそそり立ったままだった。
「たいさ……ッ、たいさァ……ッッ!!」
 ボロボロと涙を零しながらハボックはロイのしがみつく。涙に濡れた頬をロイのそれにこすりつけ、ハボックはロイを強請った。
「そんなに私が欲しいか?ハボック」
「欲しいッ!!欲しいっス!!」
 泣きながらハボックは玩具をロイの指を咥え込んだ尻を振る。ロイは濡れた頬にキスを降らせながら言った。
「それなら言ってみろ。酷くされるのが好きだと。めちゃくちゃにされてイきたいと言ってみろ」
「ッッ」
 そう言われてハボックは目を見開く。そんな被虐的な趣味はないと言いたかったが、今の自分を前にすればそう言えるはずもなく、なによりハボックはロイが欲しくて堪らなかった。
「……酷くされるのが好きっス……めちゃくちゃにされたい……大佐のでめちゃくちゃにされてイきたいっス!!」
「……イイコだ」
 震えながらも大声で叫ぶハボックにロイはにんまりと笑う。叫ぶ唇にキスを落とすと埋めていた指を乱暴に引き抜いた。
「ヒィッッ!!」
 衝撃に悲鳴を上げるハボックをロイはベッドに押し倒す。長い脚を胸につくまで押し上げると、玩具を咥えたままの蕾に己の楔を押し当てた。
「お前の欲しかったものだ。しっかり喰えッッ!!」
「大───」
 見開く空色にゾクリと背筋を震わせて、ロイは玩具に割り開かれた小さな唇に己を無理矢理ねじ込んだ。


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