| オブシディアンの虜囚 第一章 |
| 「もっと脚を開け、ハボック」 聞こえてきた声にハボックは引き瞑っていた目を開ける。うっすらと涙に曇る視界の向こうに自分を見下ろす強い黒曜石の輝きが見えて、ハボックはおずおずと長い脚を開いた。 「もっとだ」 「ッ!」 容赦ない言葉にハボックの躯がビクリと震える。そんなハボックを見て、ロイは低く笑って言った。 「欲しくないのか?」 「……欲しいっス」 意地悪く聞かれてハボックが答える。欲に濡れた声にロイが促すように長い脚の内側を撫でれば、ハボックは腿に手を当てた。グイと手で脚を左右に引いて大きく開く。顔を羞恥に染めながらも恥部を晒すハボックを見つめてロイは言った。 「イイコだ」 その言葉と同時に腿を撫でていた指が晒された蕾につぷりと差し込まれる。 「あ」 ググーッと押し入ってくる長い指にハボックは目を見開いて背を仰け反らせた。 「んああっ!!」 押し込まれた指がくちゅくちゅとイヤラシイ水音をたてて蕾を掻き回す。荒い息を零して仰け反らせた躯をビクビクと震わせるハボックを見おろして、ロイは更にもう一本指を押し込んだ。 「ふぅッ、んッ!!」 ロイは押し込んだ指をVの字に開いて抜き差しする。三本目の指を指で開いた隙間に押し込めば、脚を持つハボックの指が腿に食い込むほど力が入った。 「キツイか?」 「……平気、っス」 顔を覗き込むようにして尋ねられてハボックは答える。グチグチと三本の指を蕾に抜き差ししながら、顔を寄せたハボックの首筋に舌を這わせるロイにハボックは言った。 「大……さっ、ください……」 「ん?」 「お願い……ッ」 掻き回す指に息を弾ませながら言うハボックを、ロイは首筋から顔を上げて見下ろす。すっかり蕩けきってイヤラシイ表情を浮かべる部下の顔を見つめて、ロイは言った。 「まだ十分解れていないだろう?」 「ッ、もう平気っス!欲しいッ、大佐の……挿れてッッ!!」 大声で叫んでハボックは強請るように腰を突き出す。その拍子に感じる部分をロイの長い指で抉られて、ハボックは高い悲鳴を上げた。 「ひゃあんッッ」 「……指だけでイけるんじゃないのか?」 そそり立った楔からじゅわりと蜜を滲ませるハボックを見てロイが言う。からかうような声音にハボックはふるふると首を振った。 「ヤダッ!!大佐のが欲しいっス!!お願いだから……ッッ!!」 脚を支えていた手を離してロイに腕を伸ばしてくるハボックにロイはクスクスと笑う。その指先に口づけてロイは言った。 「仕方のない奴だ」 ロイはそう言って沈めていた指を乱暴に引き抜く。短い悲鳴を上げるハボックの脚を抱えたロイは、猛る自身をたった今まで弄んでいた蕾に押し当てた。 「挿れるぞ……たっぷり味わえッ!!」 唸るように言うと同時にロイは楔を突き入れる。戦慄く蕾は一瞬の躊躇いの後、悦ぶように楔を飲み込んでいった。 「ヒャアア───ッッ!!」 ズブズブと一気に押し入ってくる熱い塊にハボックの唇から嬌声が迸る。それと同時に腹につくほどそそり立っていたハボックの楔がびゅるりと白濁を吐き出した。 「アアアッッ!!」 「……なんだ、もうイったのか?」 挿入しただけで呆気なく果てたハボックにロイが呆れたように言う。一気に突き入れた自身を絡みつく内壁に逆らうように揺すりながら、ロイは涙に濡れたハボックの顔を見下ろした。 「まだ挿れただけだぞ」 「だ……だって……」 「だって、なんだ?」 喉を仰け反らせ喘ぎながら言うハボックにロイは尋ねる。トロンと快楽に蕩けた空色の瞳でロイを見上げて、ハボックが言った。 「気持ちイイ……大佐の、……おっきくて、熱くて……」 そう言うハボックの言葉に答えるように、ロイを咥えた蕾がきゅうきゅうと締め付けてくる。下に目を向ければ熱を吐き出したばかりのハボックの楔が既に勢いを取り戻しているのを見て、ロイは楽しそうに笑った。 「イヤラシイな、ハボック」 こんなにして、とロイは立ち上がった楔の先端をクニクニと捏ねる。そうすればハボックが身悶えてロイの首に腕を回した。 「動いてッ、大佐……ッ、オレん中、グチョグチョにしてッッ!!」 日中、明るい司令部の大部屋で、仲間たちと楽しげに話す唇が吐き出すイヤラシイおねだりにロイは低く笑う。 「まったく……お前がこんな事を口にするなんて、誰も思っちゃいないだろうな」 「大佐ッ、早くゥ」 からかうような口調にも余裕なく強請るハボックに、ロイは目を細めてハボックの長い脚を抱え直した。 「望みのものを与えてやる……覚悟しろ、ハボック!!」 「───ッッ、ヒィッ!ヒィィッッ!!」 その言葉通りに与えられる目も眩むような快楽に、ハボックは身悶え、嬌声を上げ続けた。 (恥ずかしい……またヤっちまった……) ハボックは湿度の高いため息をついて、広げた書類の上に突っ伏す。昨夜の自分の醜態を思い出して、ハボックは羞恥のあまり消えてしまいたい気持ちでいっぱいだった。 ハボックがロイとつき合い始めたのは一ヶ月ほど前からだった。元々憧れに近い尊敬の念を抱いていたロイに好きだと告げられた。つき合えと言われ断る理由もなく、むしろどこか嬉しいなどと可愛らしい気持ちを抱く間にあれよあれよと関係は進展し、気がついた時にはロイに押し倒されていた。受け身になる事を悩む暇も与えられず、半ば強引に受け入れさせられ───最初は痛みばかりが先行していた行為が、快楽に塗り潰されるようになったのはいつからだったろう。ベッドに入る前は抱えている羞恥心も、服と一緒に剥ぎ取られ、今ではハボックは行為の度あられもなくロイに強請るようになっていた。もっとも熱が冷めてしまえば自分のはしたない様に、死にたくなるほど落ち込むのが常だったが。 「どっか具合でも悪いのか?ハボ」 「えっ?」 いきなりかかった声にハボックは驚いて顔を上げる。そうすれば向かいの席に座ったブレダがハボックを心配そうに見つめていた。 「顔、赤いぜ。熱でもあんじゃねぇのか?」 言って手を伸ばしてくる友人に、ハボックは慌てて机に懐いていた躯を起こす。ひきつった笑みを浮かべて、ハボックは答えた。 「い、いや、夕べ飲み過ぎちゃってさ。そんだけ!別にどこも悪くねぇよ」 「そうか?ならいいけど」 あはは、と笑って言うハボックに、ブレダはどこか釈然としない表情を浮かべながらも手元の書類に目を向ける。友人の関心が自分から逸れた事にハボックはこっそりため息をついた。 (やべぇ……) こんなところで考えて、ついうっかり妙な事を口走ったりしたら目も当てられない。 (今度スる時は絶対気をつけよう……) ハボックがそうとだけ心に決めて頭を切り替えようとした時、ガチャリと執務室の扉が開いてロイが顔を出した。 |
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