第十六章 |
「どれだけ体に教え込めば判るんだ、お前は?ああ?!俺を咥え込んでいやらしく喘いでやがるくせにまだロイを物欲しげな目で見るなんて、どこまで恥知らずなヤツだッ」 ヒューズはそう罵りながらハボックの中心を掴む。グイとねじ上げればハボックの唇から悲鳴が上がった。 「ヒィッ…!いたぁ…っ、アアッ」 「痛いだけじゃねぇだろ?ぐちゃぐちゃじゃねぇか。俺のこと、キュウキュウ締め付けてくるぜ?お前みたいのがロイを好きだなんて、絶対に赦さねぇっっ!!」 ヒューズは低いがよく通る声でそう言うと激しくハボックを突き上げる。手にしたハボック自身を握り潰さんばかりに手に力を込めればハボックが苦痛に呻いた。 「アッ、アッ……も、やめ…ッ」 力なく首を振りハボックが弱々しい抵抗を見せればヒューズは乱暴にガツガツと突き上げる。大きく開いた白い脚の間を赤黒い牡が出入りするのがはっきりと見え、ロイは息を飲んだ。 「ヒゥッ!……ゆるし…アアッッ!!」 「うるせぇよ、さっきから言ってるだろう?メチャクチャにしてやるって。恥ずかしくて二度とロイのことを好きだなんて欠片も想うことができないようにしてやるよ……とことん汚してやるッッ」 そう言った男の牡がハボックの中で膨れ上がる。ハボックはヒューズの解放が近いのだと察すると猛烈に暴れだした。 「ヤダッ……出すなッ、もうオレん中に出さないでッ」 泣きながらもがくハボックの体を絡め取りながらヒューズは低く笑う。二、三度軽く突き上げると最後に思い切り奥を穿った。それと同時にハボックの最奥に熱を叩きつける。 「たっぷり味わいな」 「ヤダアアッッ!!」 ドクドクと注ぎ込まれる熱に体の奥底を汚されて、その衝撃の強さにハボック自身も弾けてしまう。びゅくびゅくと熱を迸らせるハボックを見つめながらヒューズは低く笑った。 「なんだ、嫌だとかいいながらイっちまったんじゃねぇか。いやらしい野郎だなぁ。そんなヤツがロイを好きだなんて、聞いて呆れるぜ」 そう言うと同時にヒューズは熱を吐き出して尚硬度を保つ己でハボックを突き上げる。もう、声を上げることも出来ず、ただ涙を零しながらヒューズの動きに合わせて体を震わせるハボックの姿を目の当たりにして、ロイの中で何かが切れる音がした。 バンッと叩きつけるように扉を開け放つと部屋の中へと飛び込む。突然の侵入者にギョッとして動きを止めるヒューズの腕の中からハボックの体をもぎ離した。 「アアッ!」 ずるりと力任せに蕾に埋め込まれた牡を引き抜かれてハボックが悲鳴をあげる。ロイはぐったりともたれかかってくるハボックの体をベッドに横たえるとブランケットで覆ってやった。そうしてヒューズに向き直ると無言のまま殴りかかる。思い切り頬を殴られてヒューズは切れた唇に滲む血を手の甲で拭うと笑った。 「どうした?想い人を寝取られてキレたか?ロイ」 「ヒューズ…ッ、貴様ァッ!!」 最初は愛し合っているのだと見えた二人の行為が、罵るヒューズの言葉でハボックがロイへの想いゆえに一方的に嬲られているのだと気付いてロイは怒りに体を震わせる。信じていた男の裏切りと大切に想っていた相手を傷つけられた怒りに突き上げられて、ロイはヒューズの襟首を掴むとグイと締め上げた。 「私の気持ちを知っていながら、よくもハボックを…ッッ!!」 そう呻くように言うと満身の力を込めてヒューズを殴りつける。2度3度と殴るとヒューズを睨みつけて言った。 「どうしてだ、ヒューズッ、どうしてこんな事をッ?!」 自分の知っているヒューズはこんな事をする男ではなかったはずだ。怒りと共に信じられない気持ちがこみ上げてそう尋ねればヒューズが薄く笑った。 「お前は誰のものにもなっちゃいけねぇんだよ、ロイ。お前は孤高の存在であるべきだ。誰かを愛する事なんてあっちゃいけねぇんだ…」 「何を勝手な…。私はただの男なんだぞっ、誰かを愛する事もあればその誰かを欲しいと思うことだってあるんだっ」 「……ハボックはお前を受け入れねぇよ、よっく言い聞かせたからな。お前に惹かれていればいるほどお前を受け入れられねぇ。なあ、少尉!」 昏い笑みを浮かべながら言ったヒューズはハボックに向かって声を張り上げる。ロイが肩越しにベッドを振り向けば半身を起こしてブランケットを引き寄せたハボックがビクリと震えた。ロイはヒューズを振り返ると渾身の力を込めてもう一発ヒューズを殴る。思い切り床に叩きつけられて呻くヒューズに平坦な声で言った。 「出て行け。二度と顔を見せるな…ッ」 ヒューズはゆらりと立ち上がるとうっそりと笑う。それから何も言わずに出て行った。 暫くして玄関の扉が開閉する音が聞こえるとロイはハボックに向き直る。近づこうとすればハボックが悲鳴のような声を上げた。 「来ないでッ!」 「ハボック…っ」 その声に仕方なしに足を止めたロイが何か言おうとする前にハボックが震える声で言う。 「見てたんでしょ?全部……オレが中佐に何されてたか…ッ、オレがどんだけ浅ましいか…ッ!!」 「ハボック!!」 悲鳴のように叫ぶハボックに腕を伸ばすとロイはその体を抱き締めた。 「嫌だッ、離せッ、離してくださ…ッ!!」 「ハボックっ、ハボ…ッ!」 もがくハボックの体をロイはギュッと抱き締めると強引に口付ける。歯列を割って舌を差し入れると逃げるハボックのそれを絡めとり、きつく吸い上げた。 「ンッ……ンッ」 震える体を宥めるように撫でながら口付けを繰り返せば徐々に力が抜けていく。気がつけばぐったりとロイにもたれかかる様にして嗚咽を零すハボックをロイは優しく抱き締めた。 「ハボック…ハボック……」 「ひ、くぅ…っ、…ぅんっ」 はらはらと涙を零すハボックをロイは、ただ言葉もなく抱きしめていた。 2008/09/20 |
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