第十四章 |
夕食を済ませそれぞれに部屋に引き取って、ロイはドサリとベッドの上に腰を下ろす。目の前にはハボックの手をそっと撫でるヒューズの姿が浮かんで消えなかった。 (ただのスキンシップだ。ヒューズがハボックを小突いたりなんなりするのは、前からずっとそうだったじゃないか) ロイは必死にそう自分に言い聞かせる。だが、そう思いこもうとすればする程全てがうそ臭くて、ロイは頭を抱え込むとクシャクシャと髪をかき混ぜた。 「くそ…ッ」 ハボックが好きだと言うことをロイは何度もヒューズに伝えていた。部下としてではなく恋愛の対象として、同性であることも厭わぬほどハボックが好きだと言うことを何度も。そしてロイはハボックもまた自分をそういう対象として好きでいてくれることを確信していた。はにかむ様に笑う仕草や一緒にいる時の安らいだ顔が、これまで幾多の恋愛をしてきた自分にそうだと告げていたから。だからこそロイはハボックに気持ちを告げることを焦らなかったし、自然な流れの中で互いの気持ちを確かめられればいいと思っていた。だが。 ハボックを見つめるヒューズの瞳が、ヒューズを前にしたハボックの態度がロイをたまらなく不安にさせる。 「何をバカなことを考えてるんだ、私は。ヒューズは私の気持ちを知ってるんだぞ」 押さえ込もうとすればする程湧き上がる疑念にロイの心は侵食されて。 ロイは低く呻くとギュッと頭を抱え込んだのだった。 「カボチャサラダ、美味かったか?少尉」 ハボックに宛がわれた寝室のベッドに腰掛けてヒューズが聞く。にやにやと楽しそうに笑う顔を睨みつけてハボックは言った。 「もう、十分でしょ?オレ、本気で休みたいんです。出てってくださ――……ッ?!」 早く一人になりたくてそう言いかけたハボックの腕をヒューズは表情を険しくすると力任せに引き寄せる。不意を突かれて倒れ込んできた長身を容易くベッドに押さえ込むと言った。 「十分?ちっとも十分なんかじゃねぇよ。何度言ったら判るんだ?俺はお前をメチャクチャにしてやんなきゃ気が済まねぇって言ってんだろ?」 「十分メチャクチャっスよ、オレはッ!もう、何もかも…ッ、全部ッ!!」 ヒューズの言葉にハボックがカッとなって言い返す。こんな風に言い返されることなど考えてもいなかったヒューズは顔を歪めると思い切りハボックの頬を張った。 「ちっとも十分じゃねぇな……もっともっとメチャクチャにしなきゃいけねぇらしい」 ゾッとするような低い声でそう囁くと、ヒューズはハボックのボトムに手をかける。 「ヤダッ……嫌だ、もう…ッッ」 抵抗して暴れるハボックの体を押さえつけるとヒューズはハボックのボトムを下着ごと剥ぎ取ってしまった。曝け出された中心をグッと握り締めるとハボックの抵抗がやむ。急所を握られて身動きの出来ないハボックの耳元にヒューズは唇を近づけると吹き込むように囁いた。 「もっともっと……いたぶって苛んでボロボロにしてやる…お前がこの中にしまい込んでるロイへの想いも何もかもな」 「……ッ!!」 ハボックの胸元を指差してそう言うヒューズの言葉にハボックは信じられないと言うように目を大きく見開いたのだった。 「アッ…アアッ」 ズブズブと蕾を割り開いて押し入ってくる異物にハボックはシーツを握り締めて喘ぐ。衣服を全て剥ぎ取られたハボックはベッドに上半身を預ける形でヒューズに向かって尻を突き出していた。ヒューズはどこから持ち出したのか、大小の突起を無数につけた太いバイブをハボックの蕾に押し込むとハボックから離れ大きな窓へと歩いていく。出窓に体を預けるとベッドに縋りつくようにして跪いているハボックを見つめた。 「あ……」 ハボックは熱に潤んだ瞳で窓辺の男を見上げる。ヒューズは楽しそうにハボックを見るとポケットから小さな四角いカード状のものを取り出した。 「これ、なあんだ?」 まるでなぞなぞ遊びでもするように楽しげにそう言う男をハボックは力なく見つめる。答える気力すらないハボックにヒューズは薄く笑うと言った。 「答えはこういうものでーす」 そう言うと同時にカードの上のボタンを押し込む。その途端、ハボックの中に埋め込まれたバイブが低い振動音と共に動き出した。 「……ッッ?!ヒッ…ッッ!!」 柔肉を抉るようにのたうつバイブにハボックは歯を食いしばって身悶える。ヒューズは暫くの間ハボックをじっと見つめていたが、口を開くと言った。 「止めて欲しけりゃここまで来な。さっさと来ないとどんどん振動が酷くなるぜ?」 「アンタ……ッ」 シーツを握り締めながらハボックはヒューズを睨みつける。その挑戦的な色にヒューズはムッと顔を歪めるとリモコンのスライドを強の方へと動かした。 「ヒッ、アアッ!!」 途端に仰け反って喘ぐハボックの瞳から反抗的な光が消えるとヒューズは満足そうにスライドを元に戻す。ハアハアと荒い息を零してベッドに縋りつくハボックに向かって言った。 「早くしないともう一度やるぜ。さっさとここまで来なきゃもっともっと酷くなる。まあ、それがお望みってんならそこで蹲ってりゃいいけどな」 冷たいヒューズの言葉にハボックの瞳に涙が滲む。よろよろと立ち上がろうとしたハボックは、だが脚に力が入らずそのまま床に倒れ込んでしまった。 「ゥんっ……クゥッ」 その拍子に緩く振動するバイブが肉を抉り、ハボックは切なく喘ぐ。もう、立ち上がる事もままならず、ハボックは四つん這いになって這うようにしながらヒューズへと近づいていった。 「いい格好だな、少尉。素っ裸で尻にバイブ咥え込んで、ペニスおっ勃てて…。発情期の犬だってもう少しまともだろうよ」 蔑むヒューズの言葉がハボックの胸を抉る。だが、言い返すことも出来ずにハボックは必死に手足を動かすと窓辺のヒューズのところまで辿り着いた。ヒューズの脚に縋りついて見上げると震える声で言った。 「来たっス……も、抜いて…ッ!」 綺麗な空色の瞳に涙を浮かべてそう懇願するハボックの姿にヒューズはゾクゾクとした昏い喜びを感じる。足先でハボックのそそり立つ中心を嬲ると言った。 「俺はここまで来りゃバイブを止めてやってもいい、って言ったんだぜ。誰が抜いてやるって言ったよ」 「そ、んなっ」 絶望に染まる瞳を楽しそうに見つめてヒューズは囁く。 「抜いて欲しけりゃ俺のをしゃぶりな。上手く出来たら抜いてやる」 「……ッッ!!」 低い声で告げられた言葉にハボックの瞳から涙がほろほろと零れ落ちた。 2008/08/31 |
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