| 続ハイムダール国物語 第五十八章 |
| 「ロイ」 低く掠れた声でハボックはロイを呼ぶと痛いほどに張りつめた楔をロイの蕾に押しつける。熱く堅い塊が押し当てられる感触にロイが瞳を見開いたその瞬間、戦慄く蕾にズッと熱い凶器が押し入ってきた。 「あ」 ズブズブと狭い肉筒を押し開いて熱い塊が突き進んでくる。酷い圧迫感に息が詰まるように感じながら、ロイは腕を伸ばしてハボックを引き寄せた。 「あっあっ……ハボック……ッ」 「ロイ……っ」 自ら腰を突き出すようにしてロイはハボックを迎え入れる。苦しくて、だがそれ以上に幸せで、ロイは笑みを浮かべた。 「好き……ッ、好きだ、ハボック!」 「ッ、オレも、ロイ、オレも!」 熱く切なく互いを呼ぶ声に胸が熱くなっていく。それと同時に突き上げる動きも激しくなって、ロイは熱い肉襞をこすり奥を穿つ楔に喉を仰け反らせて喘いだ。 「アッ、んああッッ!!」 ガツガツと激しく突き上げられて、ロイの躯が無意識に逃げるようにずり上がる。ハボックはロイの細い腰を掴んで引き寄せると同時にガツンと突き入れた。 「ヒィィッッ!!」 最奥をきつく抉られてロイの唇から悲鳴が上がる。ハボックはロイの脚を高く抱え上げ、激しくガツガツと突き上げ前立腺をゴリゴリと押し潰した。 「ヒ……ィッ!ッッッ!!」 突き抜ける快感にロイは喉を仰け反らせて大きく躯を震わせる。高々とそそり立った楔からロイはびゅるりと熱を吐き出した。 「あ……あ……」 黒曜石の瞳を大きく見開き、ロイはゾクゾクッと背筋を震わせる。熱を吐き出し弛緩する躯を快感の余韻に委ねようとした時、ハボックが一際激しく楔を突き入れた。 「ひゃうッ!ヒャアアッッ!!」 達したばかりの躯を強引に押し開かれ貫かれて、ロイは嬌声を上げて身悶えた。 「ヒィッ!待っ……ッ!アヒィッ!!」 瞬く間に快楽の頂に放り上げられ、ロイはガクガクと躯を震わせる。ハボックは大きく震えるロイの躯をベッドに押さえ込み、激しく腰を突き入れた。 「ロイ……ッ、ロイッッ!!」 「ひゃああんッ!アッ、アアアッッ!!」 ガツンと楔が奥を穿つと同時に、ロイが再び熱を迸らせる。キュウウッと締め付けてくる蕾に、ハボックは顔を歪めて込み上がる快感のままにロイの躯の奥深くに熱を叩きつけた。 「ッ!ッッッ!!」 「くぅぅ……ッ!!」 ド クドクと躯の奥底に注ぎ込まれる熱に、ロイが大きく目を見開いて躯を震わせる。声もなく喘ぐ唇をハボックは乱暴に塞いだ。 「ん……ん……」 熱い吐息ごと甘い唇をハボックは貪る。半ば酸欠になったロイがぐったりとシーツに沈み込む頃になって漸くハボックは唇を離した。 「ロイ……ロイ……」 甘く己を呼ぶ声に、ロイはゆっくりと目を開ける。そうすれば愛をたたえて見つめてくる空色に、ロイはそっと手を伸ばした。 「ハボック……」 「愛してます……これまでもこれからも、ずっとずっと」 そう囁く空色に、ロイはうっとりと笑って愛しい相手を抱き締めた。 「若?」 朝早くコンコンとノックする音に扉を開ければ、廊下に立つ主の姿にティワズは目を軽く瞠る。とりあえず中に招き入れ熱い茶を出した。 「どうかなさいましたか?」 椅子に腰掛けカップを両手で包み込み茶を啜るハボックにティワズは尋ねる。すると決まり悪そうに逸らされる空色に、ティワズはピンときて紅い目を細めた。 「若」 「だって仕方ないじゃん!やっと取り戻したんだもん!ちゃんとここにいるって確かめたいだろッ!」 見つめてくるティワズにハボックはムキになって声を張り上げる。ギュッとカップを握り締めてハボックは言った。 「怖かった……本当に怖かったんだ。もしこのままロイを取り戻せなかったらって。そんなことになったらオレは……ッ」 「若」 振り絞るように告げられる言葉にティワズは目を瞠る。それからやれやれとため息をついた。 「仕方ないですね。まあ、今回ばかりは若の気持ちも判りますし」 「ティ」 「それで?ロイ様はまだお休みなのですね?」 「うん。元々限界だったのに無理させちゃったから……」 首を竦めてハボックは申し訳なさそうに言う。そんなハボックにティワズはクスリと笑って手を伸ばすとその金髪を掻き混ぜた。 「判りました。ロイ様は休養が必要だとカウィル王にはお伝えしておきます」 「ありがとう、ティ」 「その代わりもうこれ以上ご無理をさせないで下さいよ。ハイムダールに帰れなくなってしまいます」 「わ、判った」 ハボックはコクコクと頷く。それから残りの茶を飲み干して立ち上がると「ありがとう」と礼を言って部屋を出ていった。 「やれやれ……。まあ、流石に大目に見るしかないか」 一歩間違えれば無惨な殺され方をしていたかもしれないのだ。そんな二人が無事を喜び愛を確かめあったとしても無理はない。ティワズは汚れたカップを手早く片づけると部屋を出る。まだ早い時間ではあったが、王への言伝を頼むには問題ないだろうと廊下を歩いていけば、曲がり角で向こうからやってきたリザと鉢合わせしそうになった。 「ッと!────これは失礼」 よけた弾みにふらついたリザの手をティワズは咄嗟に掴んでリザを支える。「ありがとうございます」と礼を言って、リザは首を傾げた。 「随分お早いですのね」 「それはリザ様も同じでしょう?」 リザの言葉にティワズはクスリと笑う。それからカウィル王への言伝を頼もうと思ったのだと言えば、リザが「ああ」と言う顔をして頷いた。 「それでしたら私からお伝えしておきますわ」 「ありがとうございます」 それならもう用事も済んだと部屋へ戻ろうとするティワズをリザは引き留める。見つめてくる紅い瞳を見つめ返して、リザは言った。 「私、ずっと心配でしたの。お兄さまはハイムダールに嫁いで本当に幸せだったのかと。手紙にはいつも楽しく幸せに過ごしていると書いてありましたけど、お兄さまは我慢強い人だから。ハボック様からの手紙も、カウィルを安心させるために嘘を書いているのではと疑っておりました。ハボック様ご自身の事も本当にハイムダールの次期国王として、お兄さまの伴侶として相応しいのかと疑っていたんです」 「それで?お二人を見て、どう判断されましたか?」 そう言うティワズにリザは笑みを浮かべる。 「これまでずっと心配していたことが馬鹿だったと思いましたわ。あの二人を見たらもう、他人が入る余地などないほどにべったりで。ハボック様の王としての資質についても」 と、リザはティワズを真っ直ぐに見つめた。 「きっとハボック様は良い王になられるでしょう。なによりお兄さまと貴方がついているのですから、そうならざるを得ませんわ」 そう言って笑みを浮かべるリザにティワズも笑い返す。 「今度はリザ様がハイムダールへいらして下さい。ご案内いたしますよ」 「ええ、是非」 リザがそう答えた時、二人の横の窓から朝日が射し込んできた。朝日に照らされたカウィルの景色を、ティワズとリザは黙ったまま長いこと見つめていたのだった。 2015/02/10 |
| 第五十七章 ← ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ りみ吉さまから「ハイムダール国物語の設定で、親睦(対外的アピール目的とか)のためロイさんの国に里帰りする話をお願いできますでしょうか??ほのぼのラブラブで始終のろけていても、事件があってさらに仲を深めるでも…」というリクエストでした。 ハイムダール国物語は私としてもとても好きな話なのでリクエストして頂けてとっても嬉しかったです。でも、例によって勢いで書いていたら、ロイを追い掛ける過程で「船のっちゃったよ、どうやって追いかけようかなー(滝汗)」ってなことになってたりして自分でもハラハラしておりました(コラ)最初はHのない予定だったのですが、ハボロイでもHが読みたいとのお声がありましたので、今回久しぶりにHなど書いてみました。もうすっかり出来あがっているカップルなのでこんな感じかなぁと思いつつ書いてみましたが如何でしたでしょう。久しぶりにお気に入りのティも書けたし、とっても楽しく書かせて頂きました。りみ吉さま、リクエストありがとうございましたv |