体格
「フュリー曹長、ちょっとここへ。」
司令室の中へ入ってくるなりロイがそう言った。昼休みで皆と話していたフュリーは訝しげな顔をしたがそれでも
言われるままロイの側へとやってくる。
「なんでしょう、大佐。」
そう聞いてくるフュリーをロイは暫く見つめていたが、おもむろに発火布を外すとフュリーの胸にピタリと手のひら
を当てた。
「なっ…?!」
突然触れられた本人も、周りで見ていたハボック達も驚きに声を上げたまま固まってしまう。ロイはそんな皆の
反応などどこ吹く風でペタペタとフュリーの体を触っていた。
「ふむ。なるほど。」
散々に触ったところで満足したのか、ロイは一つ二つ頷くと執務室の方へと歩いていく。真っ先に我に返った
ハボックが部屋に入ろうとしたロイの腕を掴むと言った。
「なんスか、今のっ!なるほどってなにっ?!」
だれもが聞きたかったことを代弁するハボックにロイがなんでもないように答える。
「ああ、今そこでフュリー曹長と似たような体格の男が居たんだがな、こいつが軍人にしては随分貧相な体で、
だからフュリー曹長はどうなのかと思ったんだ。」
フュリー曹長はしっかり鍛えてあるようだな、と笑うロイにハボックが言った。
「なにもそんな触らんでも『脱げ』って言やいい事でしょうがっ」
「いきなり『脱げ』だなんてヘンタイみたいだろうっ」
「いきなり触る方がヘンタイっスよっ」
どちらがよりヘンタイかでぎゃあぎゃあと言い合いを始める二人を見ながらブレダが言う。
「おい、あんなこと言ってるけど、いきなり『脱げ』と言われるのといきなり触られるのとどっちがいい?」
「どっちもイヤですよっっ!!」
聞かれてフュリーはそう答えると自分の体を両腕でギュッと抱いた。
「でしょうなぁ、どっちもどっちだって気がつかないんでしょうか。」
「言うだけムダだろ。」
ブレダはウンザリとそう言うとフュリーとファルマンに言う。
「バカは放っといてコーヒーでも飲みに行こうや。」
「そうしましょう。」
3人は頷き合うとげっそりとした顔で司令室を出て行ったのだった。
2008/8/28
→ 「体格その後」(R20)