シッポ2


「なんスか、これ。」
ハボックは手渡されたグラスを透かし見て聞く。ピンクの液体の向こうに見えるロイがにっこりと笑って答えた。
「カクテルなんだ。なかなか貴重なシロモノなんだぞ。」
「へぇ…。」
クンと匂いを嗅いでみているハボックにロイが言う。
「私も試しに飲んでみたんだが、これが結構なかなかでな。是非お前にも飲ませてやりたいと思ったんだ。」
ニコニコと無邪気な笑みを浮かべてそう言うロイを胡散臭げにハボックが見つめた。綺麗な空色の瞳でじっと見つめられて、
居心地が悪くなったロイが思わずハボックを睨む。
「なんだ、私の言うことが信じられないのか?」
そう言われてもハボックは暫くロイを見ていたがやがて肩を竦めると言った。
「すんません、オレってば一瞬アンタを疑っちゃいました。アンタがオレを騙すなんて事あるわけないのに。」
そう言うとハボックはにっこりと笑う。その微笑みに流石に良心の呵責を感じたロイが止めるよりも早く。
「じゃ、遠慮なくいただきます。」
ハボックはそう言うとクッとグラスの中身を飲んでしまう。
「あ、れ…?」
眩暈を感じたように額を押さえて蹲ってしまったハボックの体から淡い光が零れだして。
暫くして光が消えた後、ロイの目の前にいたのは淡い金色の尖った耳と毛並みの長い尻尾をつけたハボック。
「ハ、ハボック…?」
「たいさ、オレ…。」
まじまじと見つめるロイの前でハボックは立ち上がると言う。
「なんかオレ、今すっごく狩りがしたい気分、つうか、ウサギとかネズミとか、追っかけまわして嬲りたい気分なんスけど。」
そう言って物騒な笑みを浮かべるハボックに生えていたのは狼の耳とシッポだった。


2008/3/11


→ 「シッポ2 その後」(ハボロイ・R20)