年末年始
「大佐、新年はどう過ごす予定っスか?」
ハボックが食後のコーヒーをロイの前に差し出しながら聞く。ロイは読んでいた本を脇に置くとコーヒーを受け取り
ながら答えた。
「新年?と言っても休みは3日間だけだろう?どうせどこへ行っても混んでるし、家でのんびり本でも読んで
過ごすさ。」
普段の休日と変わらぬ過ごし方を提案するロイにハボックが遠慮がちに言う。
「特に予定がないんだったらオレの田舎行きませんか?」
「田舎?家に帰るのか?」
意外そうに聞くロイにハボックが言った。
「まあ、行ったってとんぼ返りなんスけどね。31日の最終に乗って3日の夜帰ってくるって形で慌しいっスけど
よかったら。」
「だが、新年になんて迷惑じゃないのか?家族水入らずでのんびり過ごしたいものだろう。」
「大佐ならいつでも大歓迎っスよ。それに実はもう、お袋には連れてくって言っちゃったんスよね。」
「お前なぁ…。」
自分の了承を取るより前に話を進めているなんて、と思いもしたが、そう言う風に言ってくれるのが嬉しいと思う
気持ちもホントで。何よりご主人の返事を待つ犬のようにペタンとロイの前に座り込んで見上げてくるハボックに、
冷たい返事など出来るはずもなく。
「そうだな、それじゃあお邪魔させてもらうかな。」
「ホントっスかっ?」
「ああ、久しぶりにアニタやビリーにも会いたいし。」
「お袋はともかくビリーは関係ないっしょ。」
「でも帰ってくるんだろう?」
普段、学校の寮に入っているビリーのことを聞けばハボックが思い切り顔を顰めた。
「ハボック。」
「やっぱり行くの、やめましょう。家でのんびり過ごした方がいいっス!」
「ヤダ。アニタやダンやビリーに会いたい。」
「たいさぁ〜っ」
情けない顔をするハボックに楽しげに笑うと、ロイは楽しい新年の予定に心をウキウキと弾ませたのだった。
2007/12/18
→ 「年末年始 その後」(ハボロイ)