雪やこんこん
 
 
「すっげぇ、真っ白っ!!」
ハボックが窓から顔を出して叫ぶ。昨日から降り続いた雪は外を一面の銀世界へと変えていた。そこいらじゅうのもの
を真っ白く彩りながら、それでもまだ足りないと言うように空からは綿のような雪が次々と降ってくる。
「たいさっ、外行きません?外!」
子供のように空色の瞳を輝かせてそう言うハボックに、だがロイは思い切り顔を顰めた。
「なんでわざわざ雪の降る寒い中に出て行かねばならないんだ。行くなら一人で行け。」
素っ気なくそう言うとブランケットを巻きつけて暖炉の前に陣取る。「ひでぇ」「冷たい」とひとしきりハボックは喚いたが、
それでもロイが一緒に外に出てくれる気配がないのを察すると一人で庭に出ていった。
暫くしてハボックの声とともに犬の吠え声が聞こえる。どうやら一人で遊ぶのはつまらないと考えたらしいハボックが
隣の家の犬を連れ出したようだった。
「…犬が2匹。元気なものだ。」
ロイはそう呟いておそらくは雪まみれになっているであろう、2匹の犬を思い浮かべると暖炉の前で手足を縮めた。
その時、コンコンと窓ガラスを叩く音がして、ロイは迷った末に立ち上がると窓辺に近寄る。外から「開けて、開けて」
と合図するハボックに顔を顰めると仕方なしに窓を開けた。途端に入り込んでくる冷気に首を竦めてハボックを睨む。
「寒いじゃないか。用があるなら中に入って――」
「大佐、これ。」
プレゼント、と言ってハボックが差し出したのは紅い南天の目をした雪ウサギ。
ロイにそれだけ渡してしまうとハボックは再び庭へと駆け戻ってしまう。紅い瞳で見上げてくる白いウサギを見下ろして
ロイは小さく息を吐いた。
「こんなのを貰ったら窓が閉められんだろうが。」
暖かい部屋の中に雪ウサギを連れて行くわけにも行かず。
ロイは優しい笑みを浮かべて窓辺に置いたウサギと一緒に、雪の中駆け回るハボックを見つめていたのだった。
 
2008/1/31
 
雨ネタに詰まって雪ネタ第二弾です(苦笑)勿論ネタの元は「ゆきやこんこん」で始まるあの歌です。ハボややっぱり雪でも外を駆け回ってるイメージですよね。
最近は雪ウサギを作ることもなくなりましたがやっぱりあの南天の目の雪ウサギ、かわいくって大好きです。