| 迎え |
| 珍しく脱走もせず大人しく執務室の机に向かっていたロイは、走らせていたペンを止めてふと視線を上げる。 見上げた窓の外では昼過ぎから振り出した雨が雪に変わっていた。 「音がしなくなったと思ったら雪になっていたのか…」 そう呟いて今はここにいない金髪の男を思い浮べる。今日は朝から先日の豪雨で決壊した河川の修復に出かけて いた。きっと今頃は雪の降りしきる中、部下たちの先頭に立って懸命に立ち働いていることだろう。 「適当なところで切り上げて戻ってくればいいが。」 そう思ったもののいい加減そうな物言いに反して責任感の強いあの男が、市民の生活の妨げになっているものを 多少の障害で打ち棄ててくるはずもないことはロイが一番よく知っていた。 しばらくの間音もなく降り続ける雪を見ていたロイは立ち上がると執務室の扉を開ける。途端に向けられた鳶色の瞳 にロイは小さく笑うと言った。 「迎えに行ってくるよ。」 その言葉にホークアイは窓の外に目をやりため息をつく。 「仕方ありませんわね。無理は危険ですし。」 「そうだろう?」 そう言って司令室を出ていくロイの背にホークアイの声が飛んだ。 「寄り道はなさらないでくださいね。」 しっかりと釘をさすことは忘れない副官に、ロイは苦笑すると雪の降りしきる外へと出ていったのだった。 2008/1/6 |
| 拍手御礼ss、ずっと雨ネタで統一してきましたが、流石にちょっと息切れ。冬なので雨が凍って雪になりました(苦笑) 相変わらずの土木屋ハボック隊。この後きっと大佐からあったかいコーヒーの差し入れなんぞがあるのではないかと。 |