大丈夫


「わあ、もうっ!なんだよ、突然!」
図書館からの帰り道、突然振り出した雨にロイは慌てて軒下へと駆け込む。借りてきた本が無事なのを確認すると、
本日休業の札がかかった店のシャッターに寄りかかった。
「夕立なんてついてない…。」
ロイは呟いてため息をつく。祖母の家に遊びに来ていたロイは、新しく出来たという図書館を暇をつぶしがてら
覗きに行った帰りだった。ずっと読みたいと思っていた錬金術師の本を見つけて、こちらに滞在中に読み終えようと
急いで祖母の家に戻る途中だったのだ。
「もう少し待ってくれてもいいのに…。」
空の神さまのバカ、と恨みがましく口にした途端。
カッ――!!
ガラガラガッシャン!!
世界が真っ白になって数瞬後、凄まじい音と共に雷が落ちる。
「ひ…神さまが怒った…」
悪口を言ったのを聞き咎められたように思えてロイは身を竦ませた。
「どうしよう、ここに雷が落ちたら…。」
すっかり怯えきったロイが泣きそうになった時、バチャバチャと水を跳ねあげて男の子がロイのいる軒下に駆け
込んできた。ロイより5つ6つ年下であろう金髪の少年は、水色の瞳に涙をいっぱいに湛えて震えている。
ピシャーーン!!
ガラガラガラ!!
その時再び落ちた雷に飛び上がると、その子はワッと泣きだしてしまった。ロイは驚いてその様子をみていたが、
やがて小さく笑うと男の子の肩に手を置く。驚いて見上げてくる空色の瞳に微笑むとロイは言った。
「大丈夫だよ、僕が一緒にいてあげるから。怖くないよ。」
そう言えば男の子は縋りつくようにロイの手をギュッと握る。その空色の瞳にロイは雨が通り過ぎた後の青空を
見た気がしてにっこりと笑ったのだった。


2007/7/22

ちっちゃい時のハボはそりゃさぞかし可愛かったろうなぁ、と。ロイじゃなくても守ってあげたくなると思いますv
でも、家の外で見る雷は大人でも怖いですよね(笑)