カラフル
 
 
「へぇ、今はずいぶんカラフルで可愛らしい柄のがあるんスね。」
通りすがりに目に入った店のウィンドウを見てハボックが言う。なんだと思って振り向いたロイの目に飛び込んで
きたのは色鮮やかなレインシューズだった。
「オレがガキの頃にはせいぜい青とか黄色くらいでしたけどね。」
ハボックはそう言うと羨ましそうにシューズを見つめる。
「オレ、青いのが欲しかったんスけど親が買ってくれたのは真っ黄色のヤツで。」
髪の色とあうし目立つからと強引に決められてしまったのだと、まるで今し方の事のように悔しそうなハボックの様子
にロイはくすりと笑った。ちょっと不貞腐れた様子で雨の中傘を肩にしょって、黄色いレインシューズで水溜りを
蹴飛ばす金髪の男の子。あまりに鮮やかにその姿が目に浮んで、ロイの笑いはくすくすと大きくなっていく。
「なんスか、突然。」
気持ちわりぃと身を引くハボックの肩をグイと引き寄せた。
「買ってやろうか、黄色いレインシューズ。」
「オレの話聞いてました?青いのが欲しかったっつったんスよ。」
「黄色限定だ。」
「なんスか、それ。大体この年でレインシューズなんていりませんよ。」
「土木作業の時に使うっていうのはどうだ。」
ロイがそう提案すればハボックが思い切り顔を顰めた。
「ハボック隊全員、黄色いレインシューズ。」
市民に親近感を持ってもらえるぞ、と言えばハボックが眉間の皺を深める。
「アンタが言うと冗談に聞こえません。ほら、もう行きますよ。」
マジで買われたら敵わんと言わんばかりにロイの手を掴んで歩き出すハボックに引かれながら振り向いたロイの目に、
色とりどりのシューズの中でチョコンと鎮座した黄色いレインシューズが一際色鮮やかに飛び込んできたのだった。
 
 
2007/11/2
 
 
 
 
最近のレインシューズってホントに色とりどりですよね。花模様だったり水玉模様だったり、私が子供の頃は長靴と言えば赤か黄色か黒だったような気がします。
あんな可愛らしい柄のレインシューズだったら雨の日が楽しみだろうなぁってちょっと羨ましい(笑)