オトナなあなた、お子様なボク


「よお、元気でやってるかぁ」
バンっと平手で背中を叩かれてオレは顔を顰めて振り返った。するとそこには大佐の大親友、ヒューズ中佐がにやけた
顔で立っていた。
「よ、どうよ、調子は?」
そう言ってオレの肩に腕を回してくるこの人は、何かにつけてはここイーストシティにやってきてはオレと大佐にちょっ
かいをかけていく。
「別に、普通っスけど。」
「ふぅん、また青臭い我が儘言ってロイのこと困らせてんじゃないの?」
「なんスか、それ。」
オレは中佐の言葉を聞き捨てならないと聞き返す。すると中佐はしまった、と言う顔をしてオレから腕を放した。
「ま、それは置いといて。」
「置いとけません。なんスか、大佐のこと困らせてるって。」
ジロリと睨むオレに中佐は苦笑した。
「いやいや、若いからね、少尉どのは。」
中佐の言っている意味がよく判らず、だが馬鹿にされていることは判る。オレは思い切り眉を顰めると中佐に言った。
「それって、オレがガキだって言いたいんスか?」
「別にそこまでは言ってないだろ。」
中佐はそう言って煙草を取り出すと火をつける。ぷかりと煙を吐き出すとオレの目を見て言った。
「曲がりなりにもロイ・マスタング大佐の隣りに立ってるんだ。子供じみた事言ってアイツの邪魔しようとするヤツらに
 足元掬われるようなマネすんなよ、って言ってんの。」
「…大佐が何か言ってたんスか?」
そう聞いたオレに中佐は答えなかった。ただ、頑張れよ、とオレの肩を叩くと行ってしまう。オレは中佐の背中を睨み
つけると唇を噛み締めた。
確かにアンタに比べたらオレはガキだよ。気も利かないし、大佐の足をひっぱろうと手ぐすね引いてる連中を上手く
あしらうことだって碌にできやしない。そんなこと百も承知だ。だからって。
「あんな言い方しなくたっていいじゃん…。」
オレはぼそりと呟いて、その言い方こそが子供っぽく思えてオレはますます気分が悪くなった。

「なんだとっ、そんな言い方…っ」
オレは大佐に対して失礼極まりないことを平気で口にする相手を睨みつけて思わず叫んだ。図体のでかいオレに
凄まれてソイツがびくりと身を竦ませたのがわかる。大佐はオレの前に腕をあげるとオレを制するようにして言った。
「ハボック、失礼だろう。」
そう言って大佐は相手に詫びるように目を伏せた。そんな大佐の様子に相手は気を取り直して尊大に言い放つ。
「部下の躾がなっていないのではないのですか、マスタング大佐。」
「まだ若くて血の気が多いもので…。ご不快に思われたのなら申し訳ありません。」
相手の嫌味をさらりと交わしてそう答えた大佐に、ソイツもそれ以上言えずに押し黙った。もごもごとなにやら口の中で
呟くとそそくさと立ち去ってしまう。大佐はやれやれという体で1つ息をつくとオレを見上げた。
「あんなヤツの言うことをいちいち真面目にとるな。」
「だって、大佐っ!」
「もう少し大人になれよ、ハボック。」
ため息をついてそういう大佐にオレはぐっと押し黙る。
なんだよ、それってなんだよ。
オレは悔しくて泣きそうになる目を瞬かせると唇を噛み締めた。

夕食を済ませてオレは、キッチンでがちゃがちゃと食器を洗っていた。なんだか胸がムカムカしてシンクの中の食器を
乱暴に扱ってしまう。あんまり乱暴に扱っていたらつるりと手が滑って、コップを床に落としてしまった。
ガチャンッ!
と音がして、床に当たったコップは砕けてしまう。オレはひどく情けなくなってため息をつくと割れた破片を拾い始めた。
「どうした、大丈夫か?」
ガラスの割れる音に大佐がキッチンに顔を出す。オレはちらりと大佐の顔を見ると、黙って破片を集め続けた。そんな
オレの様子に大佐はため息をつくとリビングへと戻っていく。
また、ため息つかれた。
大佐のため息がオレのことをダメな子供だといっている気がして。
オレはかあっと頭に血が上ってキッチンを飛び出していた。足音も荒くリビングに飛び込むと驚いてオレを見上げる
大佐の腕を掴んだ。
「ハボック?」
びっくりしてオレの名を呼ぶ大佐に答えずに、オレは大佐を引きずるようにしてリビングを出ると、寝室へと向かった。
大佐の体をベッドの上に放り投げるとその上に圧し掛かる。
「ハボックっ?!」
「オレってそんなにウンザリするほどガキっスか?」
「なに言って…」
「ヒューズ中佐にグチっちゃうくらいウンザリしてるんスか?」
「馬鹿言ってるんじゃ…っ」
オレを押し返そうとする大佐の動きを封じ込めて、オレは大佐のシャツに手をかけた。ボタンを外すのももどかしく
左右に開けばぶちぶちとボタンがいくつか弾け飛ぶ。目の前に晒された白い肌に唇を寄せようとすると、オレの腕
から逃れようと暴れる大佐の掌がオレの顔に当たった。ハッとしてオレを見上げる大佐の黒い綺麗な瞳に、オレは
責められている気がして、益々頭に血が上るのを感じる。オレははだけた大佐のシャツを大佐の腕ごと後ろに回すと
ぎゅっと縛り上げてしまった。
「ハボックっっ!!」
悲鳴のような大佐の声が酷く心地よく聞こえる。オレは薄く色づく大佐の乳首に唇を寄せると舌でこね回すようにして
嘗め回した。もう一方のソレも指でぐりぐりと押しつぶすと、大佐の唇から吐息が零れた。
「や、だっ…」
堅く立ち上がったソコをぐりぐりとしつこく指と舌先で愛撫し続けると、木の実が熟すように赤く濃く色づいていく。オレは
軽く歯で噛み付くようにして甘いソレを味わった。
「やめ…も、い、たい…っ」
あまりに弄られた所為だろう、大佐は痛いと呟きながら涙を滲ませる。オレはその声にうっとりと微笑むとようやくソレを
解放してやった。ホッと息をつく大佐のズボンを剥ぎ取るとその脚に手をかけ大きく左右に開かせる。小さく叫んでなん
とか脚を閉じようとするのを許さず、オレは奥まった蕾に顔を寄せた。ぺろりと舐めると大佐の体がびくんと震える。
何度もぺろぺろと舌を這わせると、まるで物欲しげにヒクヒクと蠢いた。
「ヤラシ…すげぇヒクついてる…」
わざと聞こえるように言ってやれば、大佐の体が大きく震えた。ふぅっと息を吹きかけるとびくんと跳ねる体を押さえ
つけてオレは大佐の双丘を押し開く。オレの頭上で大佐が息を飲むのが判り、オレはくすくすと笑った。
「オレの、入れて欲しい?」
強請って欲しくてそう囁けば、大佐がふるふると首を振った。そんな大佐にオレはムッとして言ってやる。
「素直じゃないっスね。」
オレはナイトテーブルの引出しからテーピングテープを取り出すととろとろと蜜を零している大佐自身にぐるぐると巻き
つけた。
「素直じゃない人には御仕置。」
「やだっ、やだあ」
オレの囁きに大佐はぽろぽろと泣き出してしまう。オレは大佐の体を俯せに反すと白い双丘を押し開いた。つぷりと
指を差し入れてぐちぐちとかき回すと苦しげな息を漏らす。オレは強引に指の数を増やしていくと乱暴に解していった。
「ねぇ、入れて欲しい?」
「あ…」
ぴくんと体を震わせてシーツに顔を埋める大佐の髪を掴むと、オレは大佐の顔を覗き込んだ。
「ここにオレの、入れて欲しい?」
何度も聞くオレに大佐の瞳からぱたぱたと涙が零れた。強請って欲しくて、セックスと仕事は別だって判ってるけど
それでもオレが必要だって言って欲しくて、オレは何度も大佐に言葉を強請った。
「ねえ、たいさ…」
涙に濡れた黒い瞳がオレを見つめる。
「ハボ…」
「ねぇ、言ってよ、たいさ…」
熱に浮かされたように掠れた声で囁くオレを大佐はじっと見つめてきた。数度瞬くと不自由な体を起こそうとするので
抱き抱えるようにその身を引き起こす。向かい合うようにベッドに腰掛けて、大佐は目元を紅く染めながら囁いた。
「ハボ…じっとしてて…」
何が言いたいのか判らなくて、思わずじっと見つめるオレの視線の先で大佐は腰を浮かせると後ろに縛られた手で
オレのモノを自らその蕾に宛がった。
「なっ…たいさ…っ」
「ぅん…」
大佐がしようとしていることがようやく判ってオレは身を引こうとした。だが、大佐はそれを許さず自重でオレ自身を
飲み込んでいく。
「あ、あ、あ」
「た、いさっ」
熱い大佐の中に包まれて、ぎゅっと締め上げてくるソコに堪らない快感が押し寄せる。オレの上に跨る大佐を見つめ
れば、濡れた瞳がオレを見つめていた。
「ハボ…う、で…ほどい、て…」
そう囁く声に、オレは腕を伸ばして大佐の腕を戒めるシャツを解いた。ホッと息をついた大佐がオレの首に腕を回して
口付けてくる。その仕草にオレは泣きたくなった。しなやかな体をぎゅっと抱きしめると、大佐自身に巻きつけたテープ
を解く。そうしてぐっと突き上げてやれば大佐は背中を反らせて艶やかな声を上げた。
「あ…ああっ…ハ、ボ…っ」
「たいさ…たいさ」
ガンガンと昂る気持ちのままに大佐を突き上げれば一際大きな声を上げて熱を放つ。それでも解放してやれずに
更に奥を穿てば、大佐は続けざまに白濁を吐き出した。
「ああっ…ハボっ…も、ムリっ」
ゆるゆると首を振って涙の滴を散らす大佐はとても綺麗だった。オレは大佐を抱きしめるとその最奥へ熱い想いを
放った。

「たいさ、オレ…」
子供じみた怒りに任せて強引に大佐を抱いてしまった事に、オレは消え入りたい気持ちでいっぱいだった。何か言おう
と思うけど、何を言っていいかわからず口ごもるオレの頬に大佐はそっと口付けてくる。
「お前が何に腹を立てていたのか判らないが、私はお前をガキなどと思ったことはないし、ましてやヒューズにグチった
 こともない。私がヒューズに言ったのは…。」
そこまで言って大佐は言葉を切った。その先をなかなか言ってくれないので、よっぽど言いにくいことなのかとオレは
居た堪れなくて顔を伏せた。そんなオレの耳に届いたのは。
「素直でまっすぐで、側にいて安心するって。」
ハッとして顔を上げたオレの視線の先で大佐が目元を染めて、それでもオレをまっすぐに見つめていた。優しく微笑む
綺麗な人に、オレは敵わないと思う。子供ですぐカッとなって目の前のことしか見えなくなって。早くもっと大人になって
この人に追いつきたいって。そう思っていたら。
「お前はそのままでいいんだ。そのままのお前が好きだ。」
大佐がそんなことを言うから。思わずぽろりと涙が零れた。そんなオレを大佐が優しく抱きしめてくる。
「たいさ、すき…」
「うん。」
「だいすき…」
「うん。」
早くもっとこの人にふさわしい人間になりたいと思う一方で、まだ少しこのままでいていいのかと、このままの自分で
今の自分なりにこの人を好きでいたいとも、オレは思いながら大佐をぎゅっと抱きしめた。


2006/10/24


拍手リク「年下扱いされて拗ねるハボだけど、やっぱりロイは大人だと思わされることがあって、悔しくて夜にベッドで鳴かせて啼かせて泣かせて悔しさを
ぶつけるハボ…というハボロイが読みたいですvそんな自分を赦してくれるロイに、やっぱりこの人は大人だなーと思ったり…でもガキなりにロイが好きなんだ
と思ったり…」でございました。ちょっと泣かせ足りなかったですね、短いし(汗)しかし、このリクを頂いた時、「大人だと思う人ってどういう人??」とすご〜〜く
悩みました。結局思いつかずに「他人に流されずに冷静に対処できる人」ってことにしちゃったんですけど、何せ自分が子供なもので…。「えーーっ」と
思われた方、スミマセン(滝汗)