見えないキモチ


「ん…」
カーテンの隙間から差し込む光に眠りを妨げられてハボックは目を覚ました。ごろりと横を向いて隣に眠る人に気がついて
ぎくりとする。さらりとした黒髪、滑らかな白い肌。こちらに背中をむけて眠るその人の顔を確かめるまでも無く、それが
あの傲慢な上司だということは判りきっていた。
「ええと…」
ハボックは額に手をあてて夕べのことを思い出そうとした。確か昨日はみんなでしたたか飲んだ後、ロイを送ってここまで
やってきた。どういう切っ掛けだかは思い出せないが、女性に振られるのはセックスがヘタなんじゃないかとか言われて、
だったら試してみろと言い返して…。
「…やば…」
売り言葉に買い言葉で勢いで上司を抱いてしまったらしい自分にハボックは思わず頭を抱えた。起きたら何を言われるかと
眠っている上司を見やり、ハボックはそっとベッドから降りる。脱ぎ散らかした服を拾いあげると手早くそれを身につけ、
ハボックは逃げるようにロイの家を後にした。

「う…」
ロイはパタンと扉が閉まる音に目を開いた。身を起こそうとしてぎしりと軋む体に眉をひそめる。あらぬ所に感じる違和感に
ロイは夕べのことを思い出そうとした。浴びるほど飲んだ後、ハボックに家まで送らせる間にどうして女性にふられるのかと
いう話になったような気がする。実はセックスがヘタなんじゃないのかと言った自分にハボックがムキになって、じゃあ試して
みるかという話になって…。
「なんてことだ…」
下肢に残る違和感は確かにハボックとそういう行為をしたことを証明しており、しかもそれを楽しんでいたような…。ロイは
思わず夕べのことを思い出しそうになって慌てて首を振った。隣をみてもすでにハボックは姿を消しており、恐らくはハボック
も思いがけずベッドを共にしてしまった上司にどういう態度をとっていいか判らず、慌てて逃げ出したのだろう。ロイはため息
をつくとベッドから足を下ろした。途端にずきりと痛む腰とまるで粗相をしたように零れ出るモノにびくりと身をすくめる。
「アイツめ…」
ロイは心の中で金髪の部下に悪言を吐くとバスルームへと向かった。

「はよーす…」
そっと扉を開けてこそこそと司令室に入ってくるハボックに、すでに出勤していたブレダが怪訝そうな顔をした。
「…何やってんだ、お前。」
「え、あ、いやその…」
慌てて答えて、ハボックは執務室の扉をちらりと見る。
「大佐、もう来てんの?」
「ああ、さっき来てたぜ。なんかしんどそうだったけどな。」
流石に飲み過ぎたもんなぁ、とのんびり言うブレダにハボックは苦笑した。結局逃げるように帰ってきてしまったが、ロイは
大丈夫だったのだろうか。男とヤルのは初めてだったし、知識としては多少知っているものの酔った勢いでどれくらい実践
できたのか怪しいものだ。
(できればイレる前にお互いつぶれてたらいいんだけど…)
ハボックが情けないため息をついているところにガチャリと執務室の扉が開いてロイが顔を覗かせた。ハボックの顔に視線を
合わせると無表情のまま「コーヒー」と命じてすぐに引っ込んでしまう。ハボックは渋々立ち上がると給湯室へと向かった。

「失礼しま〜す」
取り敢えずノックをし、囁くように言いながらコーヒーを持ってきたハボックをロイはソファーに座ったまま見上げた。
「コーヒー、お持ちしました」
そう言ってハボックはロイの前にカップを置くと恐る恐るロイの顔をうかがった。
「夕べはお互い随分飲んでたな。」
「はあ…」
ハボックはコーヒーを飲むロイの顔を見られずに目を逸らした。
「あの、オレ…夕べは最後まで…?」
「覚えてないのか?」
「あ、えと、覚えているような、いないような…」
しどろもどろになるハボックを睨みつけてロイは呟いた。
「腰が痛い…」
「すっ、すみませんっっ」
慌てて平謝りするハボックを見つめてロイはだが、にやりと笑った。
「悪くはなかったがな。」
「へ?」
豆鉄砲を食らったような顔で見つめてくるハボックにロイはくすくすと笑う。
「だが、まだ及第点には程遠い。」
「な、なにが?」
訳がわからず目を瞬かせるハボックの耳元に口を寄せてロイは囁いた。
「セックス」
ばっと耳を押さえて飛び退るハボックを楽しそうに見つめてロイは言った。
「練習に付き合ってやってもいいぞ。」
ロイの言葉にハボックは何と言っていいか判らずぽかんとしてロイを見つめていた。

酒の勢いで関係を持って以来、ハボックとロイは時折一緒に過ごすようになった。だがそれは決して甘いものでなく。
「お前な、そんなことを言ったら興ざめだぞ。」
「…んなこと言ったって、大佐みたいにはいかないっスよ。」
ハボックは拗ねたように言ってロイを睨んだ。そしてロイの上に覆いかぶさる。
「大体セックスするのにそんなにしゃべってたら出来ないじゃないっスか」
「女性はムードに弱いものだよ。」
むーっとするハボックにロイはくすくす笑ってハボックを引き寄せた。唇を合わせてゆっくりと舌を絡める。
「ん…ふ…」
ロイの唇から零れる甘い吐息にハボックはくらりとする。そして大体どうして自分達はこうしているんだろうと思う。最初は
酔った勢いだった。でも今は?練習だと大佐は言ったけど、でも。唇を離してロイを見つめる。その黒い瞳に吸い込まれる
ように、ハボックはロイの体に身を寄せていった。

ロイは目の前の女性ににっこりと微笑んだ。今日も今日とて日替わりで女性とのデートに励むロイだった。以前はこうして
デートしたり、一夜を過ごしたりするのがとても楽しかった。だが、最近はどうもなにかが違う気がする。何か物足りないと
思うのはなぜだろう。目の前に座る女性が酷く遠く感じる。ここにこうしている自分に違和感を覚えて仕方が無い。あの日
以来、ハボックと時折肌を重ねるようになった。練習だとかこつけてハボックを誘う自分の真意は何だろう。そしてそんな
自分を抱くハボックの真意は?
「マスタングさん?」
女性の声に我に返ってロイは慌てて女性に意識を向けるのだった。

「また今日もデートっスか?」
それも昨日と違う相手と…と呟きながらハボックはハンドルを握る手に力をこめた。ロイが日替わりで女性と付き合うなど
いつものことなのに最近はどうもそれが癇に障って仕方が無い。
(別にオレがとやかく言う筋合いは無いのに)
ハボックはそう思いながらロイの指定した店の前に車をつけた。花束を抱えて店に入っていく綺麗な後姿にハボックは
居た堪れずにぎゅっと目を閉じた。暫くして目を開けてもうそこにロイがいないことに小さく息を吐く。ハボックはエンジン
をかけると車を司令部に戻すべくアクセルを踏んだ。

アパートの居間でちびりとウィスキーを口にして、ハボックはため息をついた。今頃ロイは綺麗な女性と楽しい時を過ごして
いるのだろうか。ベッドの中ではこうしろだの何だのと言っていたことを、女性相手に実践しているのかもしれない。そう
考えて、ハボックはダンッとグラスをテーブルに叩き付けた。
(なんで、オレ、こんなにイラついて…)
ハボックの頭の中にロイの顔が浮かぶ。司令室での厳しい横顔。ちょっと傲慢だが自信に満ちた、指示を与える時の顔。
酔った時の少し赤くなった顔。そして―――。
抱いているときの快楽にとろりととけた顔…。
とくりと不規則な鼓動を刻む心臓に、ハボックはぎゅっと目を閉じる。
「オレ…大佐のこと、スキなんだ…」
直接の切っ掛けは酔った勢いで肌を合わせたことだろう。でも多分、本当はずっと前から惹かれていたに違いない。ただそれ
がこの間のことで表に出てきただけで。きっとあんなことが無ければ気づかずにいた想い。ハボックは突然自覚した想いに
どうしてよいか判らず、ぬるくなったグラスをぎゅっと握り締めた。

「ではここで。」
デートをした女性を送り届けてロイはにっこり笑って暇を告げた。以前なら食事をしてムードが盛り上がればそのまま一夜
を過ごしたりしたものだ。そうでなくても少なくても別れ際に優しく口付けることくらいはしていたものを、今では全く
そんな気にならない。ロイは女性と別れて歩きながら清々したと感じている自分に気づき、思わず足を止めた。
(いったいどうしたんだ、私は)
首を振って歩き出そうとして、その時ふと青い瞳が脳裏を掠めた。それが切っ掛けでロイの頭の中に次々と金髪の部下の姿
が思い浮かぶ。ふてぶてしく煙草を咥えたまま喋る横顔。フラれたと騒いではしょげる顔。ちょっとしたことで笑ったり
怒ったり、ころころとよく変わる表情。そして―――。
自分を抱くときの欲に満ちた男の顔。
ぞくりと背筋を駆け上がるモノにロイは唇を噛み締めた。練習だと称して肌を合わせた自分。だが、もしハボックがその練習
の成果とやらを他の女性に実践したとしたら…。
(きっと、耐えられないだろうな、私は)
そう思う根源にある自分の気持ちに気づいて、ロイは愕然とする。酔った勢いだったはずなのにいつの間にこんなに惹かれて
いたのだろう。
(いや、違うな…)
きっとずっと前から惹かれる気持ちはあったのだ。そうでなければいかに酔った勢いとはいえ男の自分が男の部下に抱か
れることを良しとするはずなど無い。あれはただの切っ掛けに過ぎなかったのだ。突然突きつけられた事実に、ロイはどうして
よいか判らず、呆然と立ち尽くした。

それまでは練習と称して週に2度は肌を重ねていた2人だったが、気がつけばもう10日も一緒に過ごす時間を持っていなかっ
た。ロイはまるで女性との恋愛を手助けするような行為として行われるソレを続ける気になれず、ハボックもまた自分の気持ち
に気づいてしまった今となっては、簡単にロイに触れることも出来ず、ただいたずらに時を過ごしていた。へたに体の関係を
持ってしまった故に自分の気持ちを素直にうちあけることも出来ない。ロイはむなしく女性と過ごす時間を重ね、ハボックは
飲みたくもない酒をあおる事で時間をつぶしていく。ただ静かに胸に降り積もっていく想いを抱えて、ロイとハボックは
背中合わせの日々を送っていった。

会議を終えてロイが司令室に戻ってくるとハボックの姿がなかった。
「ハボック少尉はどうした?」
今日は外出の予定があったろうかと首を傾げるロイにブレダが答えた。
「先日の爆弾テロの瓦礫の撤去作業。今日出るはずの部隊に欠勤者が多くて手が足りないとかで、さっき出て行きまし
 たよ。」
風邪、流行ってるらしいっスよ、と言うブレダの言葉にロイは思わず苦笑した。
「軍人だと言うのに体調管理もできんとは情けない。」
「全くですね。」
頷くブレダの机の上で電話がリンと鳴った。手を伸ばして受話器をとったブレダの顔がさっと緊張する。
「爆弾がまだ残ってたってどういうことだ?!えっ、爆発?!爆発したのか?!それで被害は?!」
ブレダの言葉にロイは司令室を飛び出した。司令部の前に止めてあった車から運転手を引き摺り出すと車のキーを回す。
「マスタング大佐!その車、これから使う…」
「緊急事態だっ!」
ロイは叫ぶと車を急発進させた。市街地を猛スピードで走り抜けていく。行く手に黒く立ち上る煙を見つけてロイはぞっとした。
近くまで行くと憲兵やら民間人やらがごった返していて、ロイは車を止めると現場へと走っていった。手近に居た憲兵を捉ま
えると怒鳴る。
「被害は?!」
「マスタング大佐!」
相手はロイだと判ると慌てて敬礼する。そんな憲兵にちっと舌打ちしてロイは「報告!」と促した。
「さほど大きな爆弾ではなかったようですが、それでもすぐ近くに居た数人が死亡した模様です。まだはっきりしたこと
 までは…。」
そこまで聞くと、ロイは爆発地点と思しき方向へと向かう。途中、ハボックの隊のメンバーを見つけてその胸座を掴んだ。
「軍曹!ハボック少尉はどこだ?!」
「マスタング大佐?!」
ここに居るはずもない上司に胸ぐらを掴まれた軍曹は目を見開く。それでもロイの勢いに慌てて言葉を続けた。
「隊長なら…」
「大佐?!」
答えようとする軍曹の言葉にかぶせる様にして響いた声にロイはハッとして振り向いた。
「ハボック!」
「アンタ、なんでこんなところに?!」
「お前、ケガは?!」
「ありませんよ。オレの隊は近くにいなかったんで皆無事です。第7小隊のヤツが何人か巻き込まれたようですけど。」
ロイはハボックの襟首をぐっと引き寄せてその肩口に額を押し付けた。安堵のあまり全身からどっと汗が吹き出てくるのと
同時に、体から力が抜けるような気がして、ロイは思わずハボックに縋り付いた。
「そんなことよりなんでアンタがここに…って、ちょっと大佐?大丈夫っスか?!」
様子のおかしいロイをハボックは慌てて支える。その汗の浮いた顔を見てハボックは顔をしかめた。そうしてロイをひょいと
抱えあげると、軍曹を振り返って言う。
「悪い。オレ、大佐を司令部に連れて行くわ。後、頼めるか?」
「勿論です、隊長!」
敬礼を返してくる相手に頷いて、ハボックはロイを抱えたままごった返す現場を抜け出した。ロイが乗ってきた車を見つけると
後部座席にロイを乗せ、運転席に回り車を発進させる。ぐったりと横たわるロイをルームミラーで見つめて、ハボックは
アクセルを踏み込んだ。

「一人で歩ける。」
司令部の前につけた車の中からロイを運び出そうとしたハボックにロイは言った。相変わらず顔色の悪いロイにハボックは
心配そうに言った。
「医務室に…」
「必要ない。」
そう言って歩き出すロイにハボックは手近にいた警備兵に車を頼むと慌てて後を追った。ロイの後に続いて司令室に入って
きたハボックにブレダが声をかけた。
「ハボ!大丈夫なのか?!」
心配するブレダに軽く手を上げてハボックは執務室に入っていくロイの後を追って入っていった。
「大佐。」
どさりとソファーに腰を下ろすロイにハボックは声をかける。
「大丈夫っスか?」
「ああ…」
膝の上に肘をついた手の中に顔を埋めて答えるロイにハボックは苛々と言った。
「アンタ、なんだってあんなところに。爆弾がもしまだ残っていたりしたら…」
「爆発があったと聞いて居ても立ってもいられなかった。」
ロイの言葉にハボックは口をつぐむ。
「お前が巻き込まれたかもしれないと思ったら、じっとしていられなかった。」
そう言って顔を上げるロイの黒い瞳にハボックは息を呑む。
「私は…」
ロイは目を伏せて囁いた。
「私はお前が好きだ。」
何もいわずに目を見開くハボックを見上げてロイは自嘲気味に笑う。
「お前には迷惑だろうがな。」
ロイはゆっくりと立ち上がるとハボックを見つめていった。
「すまない。言うつもりはなかった。忘れてくれ。」
練習とやらも終わりだ、と苦々しげに笑うロイをハボックは突然何も言わずに抱きしめた。
「ハボッ…?!」
ハボックはぎゅっと抱きしめたロイの髪に顔を埋めた。忘れたくても忘れられないロイの香りにハボックの胸がとくりと鳴る。
「オレもたいさのことが好きっス。」
驚いて見上げてくるロイの顔を見返して、ハボックは泣きそうな顔で微笑んだ。
「たいさがスキです。でも、ずっと言えなくて…」
信じられないという顔をするロイにハボックはそっと唇を寄せた。びくりと震えて逃げようとする体を抱きしめてハボックは
囁く。
「好きです…」
その言葉にロイの黒い瞳が苦しげに細められた。
「私は…っ」
「たいさ…」
スキ、という囁きと共に唇が合わせられる。啄ばむような口付けはやがて貪るようなソレに変わり、二人は互いを抱く腕に
力をこめていった。

爆発事件の事後処理を終えて、二人がロイの家に戻ってきた時には夜もだいぶ更けていた。寝室に入ると服を脱ぐのももど
かしく唇を合わせる。
「ふ…う、ん…」
口付けを交わしながらお互いの服を脱がせていく。焦れて震える指先にうまくボタンが外せず、殆ど引きちぎるようにハボック
はロイのシャツを肌蹴た。現れた白い肌に無我夢中で舌を這わせていく。
「あ、あん」
ロイの唇から漏れる甘い声にハボックは煽られて、ロイの乳首を強く吸い上げた。もう片方をきつく指でこねるとロイの体
が大きく跳ねた。
「あ、はあ…っ」
ロイは自分の肌に舌を這わせるハボックの髪に指を差し入れ、くしゃりとかきまわした。これまでも肌を合わせてきたのに
今までとは違う甘い疼きがロイの体を支配していく。
「ハボック…ハボ…」
うわ言のように名を呼んでくるロイにハボックはうっとりと微笑んだ。白い肌に舌を這わせ、ところどころきつく吸い上げれば
綺麗な赤い印が残った。ハボックが印を一つ刻むたび、ロイの肌がほんのりと色づいてピンク色に染まっていく。そんなロイを
ハボックは愛しそうに見下ろした。
「たいさ…」
手を滑らせてロイの中心へと這わせると、ソコはすでにとろとろと蜜を零して硬く張り詰めていた。ゆっくりと扱くとロイの
体が綺麗にしなった。
「あ、ああ…っ」
眉をひそめて唇を震わせるロイの表情をじっと見つめながらハボックはロイの中心を愛撫していく。ハボックの指の動きに
面白いように体を震わせ、声を上げるロイにハボックは熱を煽られていく。爪の先で先端を刺激するとロイが耐えかねて
ハボックの手の中に白濁を放った。
「んああああっっ」
びくびくと震える体を愛しげに抱きしめてハボックはロイに口付ける。ロイの舌を絡めとりながらロイの放ったものをその
蕾へと塗りこめていった。そうして長い指をつぷりと中へ沈める。びくんと跳ねる体を押さえつけて、ハボックは指をぐちぐち
とかき回した。
「あっあ、あっっ」
ぴくぴくと震える体にハボックはくすりと笑う。ロイはそんなハボックを恨めしげに見上げると、その首に腕を回して唇を
寄せた。増やされる指に体を震わせながら、ロイは懸命にハボックに口付ける。ぴちゃぴちゃと音を立てて舌を絡ませる
ロイにハボックは沈めた指を思い切り突き上げた。
「ひあっっ」
体を仰け反らせるロイの中を乱暴にかき回せばロイの瞳から涙が零れた。
「ひっ…ああっ…ハボっ…」
ふるふると首を振るロイの蕾から指を引き抜くと白い脚を大きく開かせ、たぎる自身を押し当てる。ぴくりと震える体に
かまわず、ハボックはロイを一気に貫いた。
「あああああっっ」
逃げを打つ体を引き戻し、強引に最奥まで貫くと今度はギリギリのところまで引き戻す。柔らかな中を乱暴に抜き差しされて
ロイはびくびくと体を震わせた。ハボックの熱い塊で押し開かれる快感にロイはぼろぼろと涙を零した。
「あっ…ひあ…あ、あ…イイっ…っ」
あられもなく声を上げ悶えるロイにハボックは煽られてますます抽送を激しくする。
「たいさ…たいさ…っ」
呼ぶ声にロイは必死にハボックに口付けた。ハボックの舌に口中をかき回され、繋がる下肢で熱い中を掻き乱されて、ロイは
何もかも忘れて体を駆け抜ける快感に身を任せていく。
「ああっ…ハボっ…もっと…もっとシテ…っ」
淫らな言葉を呟いて身をくねらすロイをハボックはがんがんと突き上げた。熱い二人のあえぎとぐちゃぐちゃと身を交える音
が部屋の中に広がっていく。ハボックはロイの脚をぐっと持ち上げると更に奥を突き上げた。
「いやあっ…ああっ…やああっ」
悶えるロイの奥を思い切り犯してハボックは熱いしぶきをロイの中へと放った。

何度ロイの中へ熱を吐き出しても、ハボックに熱を引き出されても、足りなくて足りなくて求め合って、気がつけばカーテンの
隙間から朝の光が零れていた。ロイはもう、すっかり腰が抜けてしまって殆んど身動きすることも出来なかった。優しく髪を
梳いてくる手にうっとりと身を寄せる。ゆったりと笑う気配がしてロイは目を開けた。見下ろしてくる青い瞳にロイは目元を
染めてゆっくりと腕を伸ばした。そっと口付けるとハボックがぎゅっと抱きしめてくる。
「たいさ…スキです」
「ああ…」
私もだ、と囁く声にハボックは心が満たされてロイの黒髪に唇を寄せた。



2006/8/2


拍手リク「酔った勢い か何かでお互いに気持ちのない身体だけの関係だったのがいつの間にか本気になってしまってでも言えな くて…でも最終的にはラブラブなオトナなハボロイ」でございます。オトナ?よくわからないですが〜…。「気持ちのない」ってことだったのですが、意識してなかっただけで実は元から惹かれていたってことにしてしまいました。やっぱそうでないと酔った勢いとはいえ男同士でそう簡単にエチには行かないだろうと思ったもので…。どうでしょ?別バージョンの
ハボロイ初めて物語です。