黒き瞳の見つめる先を  第八章


ロイの家のソファーに向かい合わせに座ってロイはハボックを見つめた。居心地悪そうに身じろぐハボックにロイ
は口を開く。
「お前に確かめたいことがあったんだ。」
そう言えばハボックが視線を彷徨わせた。
「以前、私にキスしたことがあったろう?あの時お前が忘れてくれと、それを望んでいるというから私はその理由を
 お前に聞くことが出来なかった。」
「だったら今でも聞かないで下さいよ。」
怒ったように答えるハボックをロイは睨みつける。
「イヤだ。お前が聞くなと言っても私は聞きたい。どうして?どうして私にキスをした?」
思いつめたような声でそう聞くロイにハボックは唇を噛み締める。出来ることなら答えたくなかった。答えてしまったら
もう後戻りできないのは判りきっていたから。だが、逸らしていた視線をロイに向けた途端飛び込んできた黒い瞳に
ハボックはもう、誤魔化すことなど出来ないのだと覚った。
「たいさが好きです。初めて会ったときからずっと。」
そう言って見つめてくる空色の瞳に、ロイは胸が熱くなるのを感じる。
「どうして言わなかった?」
「アンタの迷惑にはなりたくなかったから。だからずっと言わないでいるつもりでした。でもあの時。アンタを失って
 しまったかもしれないと思ったとき、ずっと押さえ込んでいた気持ちの箍(たが)が外れちまった。」
すみませんでした、と呟くハボックにロイは声を荒げた。
「どうしてそこで謝るんだっ?!」
「だって、アンタは女の方がいいでしょ?」
そう言って苦く笑うハボックにロイはガタンと立ち上がった。
「勝手に決めるなっ!」
そう言ってテーブルを回るとソファーに座るハボックの側に立つ。
「私は、私だってお前を…っ」
「たいさ。」
言いかけるロイを遮ってハボックが言った。
「一時の感情に流されちゃダメっスよ。」
「一時の感情なんかじゃっ」
「たいさ。」
「忘れてくれと言われた時、尋ねることを拒絶された時、私は酷く傷ついたんだ。どうしてかその時は判らなかった。
 でも、お前が死んでしまったかと思ったあの時、私は、どうして自分の気持ちをきちんと見つめようとしなかった
 のかと、死ぬ程後悔した。もう後悔するのはごめんだ。私はお前が好きなんだっ!」
黒い瞳をきらきらと輝かせてそう言い切るロイを、ハボックはただ見上げた。そうしてゆっくりと口を開く。
「好きだって意味、判って言ってます?オレがアンタに何したいか、判ってるんスか?」
ハボックは立ち上がるとロイをまっすぐに見つめた。
「オレはアンタを抱きたいんスよ?」
いつの間にか欲望に色を深めた瞳を見返してロイは微笑む。
「抱かれたい、と言ったら?」
「後になってイヤだと言っても聞きませんよ?」
「言うもんか。」
そう答えた途端、ロイはハボックに噛み付くように口付けられていた。

ベッドに押さえ込まれて引き裂くように服を剥ぎ取られる。恥ずかしいと思う間も与えられず体中を弄られていた。
いつも背中に感じていた強い視線を正面から受け止めて、ロイの心が喜びに震える。何度も角度を変えて
与えられる口付けにロイは涙がこみ上げてくるのを止めることが出来なかった。
「たいさ…すき…すきです…」
「んっ…ハボ…」
ロイはハボックの頭を両手で抱え込むと一層深く口付ける。その深い蒼に染まった瞳を覗きこんでロイは囁いた。
「スキだ…スキだ、ハボック…ッ」
途端に深く口付けられてロイは微かに悲鳴を上げた。その悲鳴ごと貪られて息が出来なくなる。息苦しさに開いた
唇にすぐさま舌が忍び込んでくる。舌をきつく絡め取られ、歯茎を舐められ、ハボックの舌が思うままにロイの口中
を蹂躙した。息苦しさに滲む涙で視界が曇る。力なくハボックの肩に縋る手を取られてベッドに押さえ込まれた。
「はっ…うふ…」
ようやく解放された唇からどっと空気がなだれ込んで、ロイは荒い息を零す。散々に貪られた唇は赤く色づいて
唾液で濡れて光っていた。
「んっ…あっ」
ハボックの唇がロイの首筋をすべり、所々きつく吸い上げる。そのたびにロイの唇から喘ぎ声が上がった。白い
肌に幾つも紅い花びらを散らしながら滑り降りた唇がロイの胸の飾りにたどり着く。既にぷくりと立ち上がったソコ
をハボックの舌がぺろりと舐めあげた。
「ひあっ」
ビクッと体を震わせてロイが胸を仰け反らせる。ハボックは片方を舌と唇を使ってねぶり、もう片方を指の腹で
ぐりぐりと押しつぶした。
「ひ…あっ…んあっ」
びくびくと震える体を押さえ込んで、ハボックは何度も何度も乳首を攻めたてた。
「やっ…も、やめ…っ」
緩く頭を振って逃れようと身を捩るロイの乳首をくわえ込んだままハボックが言葉を発する。
「どして?こんなに膨れ上がって…触ってほしいって言ってるのに…」
「ひっ…あっ」
喋るハボックの唇の震えがそのままロイの体に響いて、ロイは嫌々と首を振った。ギリと突然歯を立てられて
ロイの唇から悲鳴が上がった。
「ひいっ」
薄っすらと血の滲むソコをぺろりと舐められて、ロイの喉がヒクヒクと震える。ハボックの手がするりと滑り降りて
既に高々と反り返ったロイ自身をそっと撫で上げた。
「胸いじられただけで、感じてるんだ…」
「ちがっ…」
「こんなとろとろ…」
「言うな…っ」
恥ずかしくても感じる体をどうすることも出来ない。真っ赤な顔で涙を滲ませるロイの顔を見下ろしてハボックは
うっとりと笑った。
「可愛いですよ、たいさ…」
そうしてロイの腿の内側をそっとなでてハボックはロイの耳元に囁いた。
「どうして欲しいですか…?」
低く掠れた声にロイの背筋をゾクリと悪寒に似たものが走り抜ける。ロイは唇を震わせると消え入るような声で
囁いた。
「さわって…」
「どうやって?」
「あ…」
羞恥にぎゅっと目を閉じるロイにくすりと笑うとハボックはロイの耳の中に舌を差し入れた。
「ひっ」
耳たぶを甘く噛み、ぬらぬらと舌を耳に差し入れて舐めまわす。それだけでそそり立つロイの中心からとろりと
蜜が零れ落ちた。
「言わないとこのままっスよ…?」
直接耳の中に響く声にロイはハボックの肩にしがみ付くと囁いた。
「口で…口でシテ…っ」
そう言うロイにハボックは満足げに笑うとロイの脚を押し開く。とろとろと蜜を零すロイ自身をくわえ込むとじゅぶ
じゅぶと唇ですりあげた。指先出やわやわと双丘を揉みしだき、舌を棹に絡める。筋に沿って舐めあげ、喉奥で
締め上げれば、ロイの唇から絶え間なく喘ぎ声が上がった。
「あんっ…あっ…ふぅ…んふぅ」
もどかしげに揺れる腰にハボックは薄く笑うとひくつく蕾に指を突き立てた。
「ひああっ」
びくんと跳ね上がって逃げようとする腰を、咥えた棹をきつく吸い上げて引き止める。
「ひっ…ひああっ」
小刻みに震える脚がロイの限界を伝えていた。
「あっ…や…やめ…も、でるっ」
だが、ハボックは喉できつく締め上げるとジュッと吸い上げた。
「ひああああっっ」
腰を突き出すようにしてロイはハボックの口中へ熱を放つ。ハボックは吐き出されたものを一滴残らず飲み干すと
ようやく唇を離した。
「あ…は…はあ…っ」
胸を上下させて荒い息を吐くロイの脚を大きく開かせるとひくつく蕾に舌を這わせた。ぺろぺろと入り口を舐めたと
思うとぬるりと舌が蕾の中にもぐりこんでくる。肉厚のそれに熱い襞を嘗め回されてロイの中心が再び頭をもたげ
始めた。
「あひぃ…っ、や、やめ、て…っ」
そんなところを這い回る舌の感触に恥ずかしくてロイはハボックに懇願する。だが、ハボックはそれを綺麗に無視
するとたっぷりと唾液を流し込み、舌で穴を押し広げた。そうして指をいきなり2本、ぬらぬらと濡れて光るそこに
差し入れた。
「ひぃっ…ああっ」
ぐちぐちとかき回されてロイの唇から悲鳴が上がる。だが、それに構わずハボックは指でロイの穴を押し開くと
中を覗き込んだ。
「すげぇ、ひくひく蠢いてる…」
「やだぁ…っ」
ハボックは既に再び高くそそり立っているロイ自身に舌を這わせると囁いた。
「たいさ…中に入っていい…?」
その言葉にロイは唇を震わせる。
「…いれてっ」
強請るロイにハボックはうっとりと微笑んでロイの脚を高く抱えなおす。熱く滾る自身を蕾に宛がうと一気に突き
入れた。
「アッアア―――――ッ!!」
無意識に逃げをうつ体を引き戻してハボックは思い切り突き上げる。ぎりぎり入り口まで引き抜くと再びガツンと
突き上げた。情け容赦なく突き上げ、ロイの体を揺さぶる。ロイは自分を貫く熱に翻弄され、悲鳴を上げ続けた。
「ひあっ…ああっ…んあああっっ」
喉を仰け反らせたロイの中心からびゅるりと熱が迸る。それにも構わず、ハボックは一層深く突き入れた。
「ひぃっ…ま、待って…あひぃっ」
達したばかりで敏感なソコを深く抉られて、過ぎる快感にロイが啼く。その声にハボックはぞくぞくと背筋が震える
のを感じた。
「たいさ…たいさ…」
「あ…や…また、イくぅっ」
どくんと白濁を迸らせてロイはビクビクと体を震わせた。ハボックの背に腕を回して必死に縋りつくと、震える唇
をハボックのそれに押し付けた。
「ん…んふ…」
自ら舌を絡ませ、突き入れられたハボック自身を更に迎え入れようとするようにハボックの腰に脚を絡める。
ロイはうっすらと目を開くとハボックの耳元に囁いた。
「ハボ…すき…もっと、ホシイ…っ」
その言葉にハボックの顔が泣き出しそうに歪んだ。
「オレも…オレもスキですっ…」
そう囁くと共にぐんと突き入れる。熱く絡みつく襞を擦り上げロイの最奥まで押し込むとぶるりと体を震わせて
ロイの中に熱を叩きつけた。
「あああっ…あついっ」
悲鳴を上げたロイの爪がハボックの背に傷をつけて、だが、そのピリピリとした痛みすらハボックの心に喜びを
与える。
「もっともっと…アンタがもういらないって言うまで、いくらでも…あげますよ…」
ハボックが耳元で低く囁けば、ロイは嬉しそうに笑ってハボックの背を強く抱きしめたのだった。


2007/2/16

拍手リク「ロイが東方司令部に着任したところから始まるハボロイ話が見たいです。 (ハボ→ロイからv)最後にはR18か20希望」でしたー。
なんかもう、展開が遅くて自分で書いてて「まだかー」とか思ってしまいました(苦笑)その割に後半駆け足だし…。とりあえずR18or20だけは
クリアしたかと思うんですケド(←そこだけかいっ)お待たせいたしましたがお楽しみいただけたらよいのですが。