はじめのいっぽ  後編


ハボックの指が、濡れた舌が、ロイの体を這い回っていく。その刺激に時折ロイはびくりと体を震わせるが、それが
痛みなのか快感なのか、ロイ自身にもよく判らなかった。ロイの心を占めているのはただ、行為を無理強いする
ハボックへの怒りと、抱かれることへの本能的な恐怖だけだった。ハボックの手がロイの中心に触れた時には
それまで我慢してきた涙がロイの瞳からぽろりと零れ落ちる。中心を扱きあげられて強引に引きずり出される快感に
ロイは怯えて泣きじゃくった。
「やだ…あ…ハボ…やめ…」
そんなロイの様子はむしろハボックの怒りを誘い、ハボックはますます乱暴にロイの体を開いていく。きつく数度扱くと
ロイは熱を吐き出してしまった。
「あああっっ」
ハボックは手に受けたロイの熱を奥まった蕾へと塗りこめる。つぷりと指を差し入れればロイの体が強張った。ハボック
の指を拒むようにきつく閉ざそうとするソコに、ハボックは小さく舌打ちするとぐりぐりと強引にかき回す。
「いたっ…ハボっ…いたい…っ」
痛くて怖くてなんとかやめて欲しいと、ロイはハボックに訴えようとした。だが、見上げたハボックの瞳の獰猛さにロイは
恐ろしくてぎゅっと目を瞑った。どうしたらハボックの怒りを静められるのか判らなくてロイは涙を零す。大きく脚を開か
されて、熱い塊りがロイの蕾に宛がわれるとロイの恐怖は頂点に達した。我武者羅に暴れるロイの手がハボックの
頬をはたく。その痛みがハボックの怒りを更に煽り、ハボックはロイの体を一気に貫いた。
「うああああっっ」
引き裂かれる痛みにロイの唇から悲鳴が上がる。痛みと圧迫感がロイの体を支配して、喉から内臓が飛び出るのでは
ないかという錯覚に襲われた。
「や…も、たすけ…」
ロイは自分を引き裂く男に助けを求めて縋りついた。ぼろぼろと涙を零しながら縋りついてくるロイの体をハボックは
ぎゅっと抱きしめると、乱暴に抽送を繰り返す。ぶるりと体を震わせたハボックが体の奥へ熱を放つのを感じて、
ロイは気を失った。

どの程度意識を失っていたのか、ロイが目を開いた時にはまだ辺りは薄闇に包まれていた。ぎしりとベッドが軋む音
に、びくっとしてロイが音のした方を見るとハボックがベッドに腰掛けて煙草を吸っていた。ロイの視線に気づいたのか
振り向いたハボックの顔は決まり悪そうな表情を浮かべており、その顔を見た途端、ロイの頭に怒りがこみ上げてくる。
ロイは痛む体を物ともせず、ハボックの背中を蹴飛ばした。
「たいさっ」
「ばかっ!お、お前なんて…っ」
泣きながら何度も蹴り上げてくるロイの体をなんとか押さえ込むとハボックはロイを真上から見下ろした。
「放せっ、ばかっっ!お前なんてキライだっ…!」
「たいさ…」
ひくっ、ひくっと子供のように泣きじゃくるロイの体をハボックはそっと抱きしめる。嵐のような怒りが通り過ぎてしまえば
後に残ったのはどうしようもない後悔の念だけだった。
「ごめんなさい、たいさ…オレ…」
「ひど…なんで、こんな…」
「だって、アンタ、キス以上のこと、ちっともさせてくれないし、この間なんて言い訳に中佐のこと持ち出してくるし、
 もう、アンタにとってオレってなんなのかって思って…」
ロイの体を抱きしめながらハボックは呟くように言った。ロイの髪をそっとかき上げてやると、ロイの瞳から新たな涙が
零れる。ロイが何か言いたげに唇を震わせるのに、ハボックはロイの口元に耳を寄せた。
「怖い…」
殆んど聞き取れないほどの声にハボックがハッと目を見開く。
「ずっと怖くて…お前が何をしたいかは判ってたけど、でも怖くてどうしていいか判らなくて…さっきのお前も…」
その言葉にハボックは呆然とロイの顔を見つめた。涙を零しながら目を引き瞑るロイがずっと怯えていたのだと、そんな
ことは考えもしなかった。いくら女性と経験があるとはいえ、男の自分と体を繋ぐということをロイがどう思っているか
などと言うことは思いも浮かばなかったのだ。自分が好きでロイを欲しいと思うのと同じように、ロイも自分を欲しがって
くれるものと単純に思い込んでいた。ロイの気持ちを考えもせずに苛々を募らせ、昂った感情のままにロイを抱いて
しまった自分を、ハボックは殴りたい気持ちでいっぱいだった。今も怯えて縮こまったロイの体をそっと抱きしめて
ハボックはロイの耳元に囁いた。
「ごめんなさい、たいさ。オレ、アンタがどう思っているかなんて考えもしないで、自分のことばっか考えて…。挙句の
 果てにはこんな、アンタを傷つけるようなマネ…」
ハボックはそう言うとロイの頬を撫でる。ぴくんと震えるロイの髪を優しく撫でてハボックは言葉を続けた。
「もう一度、やり直させてください。オレ、アンタが好きです。アンタのこと気持ちよくさせてあげたい。今度はこんな
 怖い思いさせないから…。たいさ、お願い…」
真剣に見つめてくるハボックの瞳にロイはどうしてよいか判らず、ただハボックを見つめた。今でもハボックのことが
少し怖い。でも、あんな抱き方をされた今でさえ、ハボックをキライにはなれずにいた。暫くの間ロイはハボックの青い
瞳をじっと見つめていたが、やがてゆっくりとハボックの首に腕を絡めた。そっと引き寄せるとその肩口に額を寄せる。
「や、さしく、して…?」
やっとの思いでそう呟くとロイは恥ずかしそうにハボックの胸に顔を埋めた。そんなロイの様子にハボックの胸を
温かいものが満たしていく。ハボックはそっとロイの顔を上向かせた。
「たいさ、だいすき…」
そう囁くとハボックはロイに優しく口づけていった。

ハボックの唇がロイの肌を滑っていく。時折強く吸い上げられてロイはびくりと体を震わせた。最初は痛いと思えたその
感触が快感に変わっていくのに、さほど時間はかからなかった。ただ貪るだけだったさっきと違って、ハボックはロイを
怯えさせないように何度もロイの名前を呼び、瞳を見つめながら愛撫を加えていく。ハボックの唇がロイの胸の突起を
捉えた時、思わず零れた甘い声にロイはびっくりして口を手で覆った。ハボックの舌がロイの乳首を押しつぶすように
こね回し、もう一方のソレも指先で引っ掻くようにして玩ぶ。胸を弄られることがこんなに快感を呼び起こすなんて、
思ってもいなかったロイはどうしてよいか判らずにふるふると首を振った。
「あっあっ」
押さえようとしても零れてしまう甘ったるい声にロイはいたたまれずに唇を噛み締める。ハボックはそんなロイの顔を
覗き込むとうっとりと笑った。
「ここ、気持ちいいの?」
涙を滲ませながら頷くロイにハボックは胸への愛撫を更に強める。ロイは堪らずハボックの髪を握り締めると必死の
思いで囁いた。
「も、ヤダ…気がヘンになる…っ」
ハボックはくすりと笑うと胸をいじるのをやめて舌先を更に下へと滑らせていく。ロイの脚をぐいと開かせると、とろとろと
蜜を零してそそり立つ、ロイ自身に舌を這わせた。
「ひあっ」
びくんと跳ね上がる体を押さえつけて、ハボックはロイ自身を口中深く迎え入れる。じゅぶじゅぶと唇でこすり、舌先で
柔らかい先端をぐにぐにと押しつぶす。とろりと零れる蜜をちゅるりと吸い上げて棹をしゃぶった。
「いっ…んっ…んんっっ」
びくびくと面白いように体を震わせるロイの中心をハボックは思う存分味わっていく。ロイは高まる射精感にハボックを
引き離そうと必死にハボックの髪を掴んだ。
「ハボっ…も、ダメっ…でちゃう…っ」
「いいっスよ、だして。」
ハボックはそう囁くとロイの蜜袋を揉みしだきながら強くロイを吸い上げた。その刺激に耐えかねてロイはびゅるびゅる
と白濁を迸らせた。
「あああああっっ」
口中に吐き出されたロイの熱をすべて飲み込んでしまうと、ハボックは荒い息を吐くロイの頬をそっと撫でた。優しい
感触にロイが目を開くと、ハボックが熱の籠った瞳で見下ろしていた。
「アンタの中に入ってもいいっスか?」
その言葉に先ほどの痛みと恐怖がロイの心によみがえってくる。不安そうなその黒い瞳にハボックは苦笑すると囁いた。
「嫌ならやめます。」
もう、怖がらせたくないから、と言って体を離そうとするハボックをロイは慌てて抱きしめた。ロイはハボックの顔を見ずに
小さな声で告げる。
「大丈夫、だいじょうぶだから…」
シテ、と消え入りそうな声にハボックはロイをぎゅっと抱きしめた。その唇にそっとキスを落とすと、ロイの脚を大きく
開かせる。奥まった蕾をそっとゆびで押し開くと舌先を中へ潜り込ませた。
「ひっ」
びくんと震える体を宥めるように撫でながら、ハボックは唾液を送り込みながらロイの蕾を解していった。しっとりと
濡れてきたソコに指を一本、ゆっくりと沈めていく。途端に強張るロイの中心にハボックは舌を這わした。
「あっ、やっ」
宥めるように中心を愛撫し、ゆっくりと蕾を解していく。優しく与えられる快感にロイはぴくぴくと体を震わせた。
ハボックの長い指がロイの奥まった一点をくいと擦ったとき、ロイの体を電撃のような快感が駆け抜けた。
「ひああっっ」
飛び上がるその体に、ハボックはうっとりと微笑む。
「ココが悦いの?」
そう囁かれて、ロイはがくがくと頷いた。これ以上されたらどうにかなってしまうのではないかという想いに、ロイは
ぽろりと涙を零した。それを見たハボックが咄嗟に引き抜こうとした指をロイの入り口が無意識に逃がすまいと締め
付けた。
「たいさ、イヤなら…」
「イヤじゃない…っ」
ロイは荒い息の合間に囁く。
「イヤじゃ…ああっ!!」
言葉を交わす合間にもいたずらに動く指に翻弄されてロイの唇から嬌声があがった。ハボックはロイが嫌がっている
のではないと判ると、更にぐちぐちとロイの中をかき回した。
「んんっっ…んあっ…ぅんっ」
ロイは声を抑えるためにあてていた筈の自分の指をしゃぶりながら喘ぎ続ける。涙と唾液に濡れて身悶えるロイの
姿にハボックはぞくりと身を震わせた。沈めていた指を引き抜くとロイの脚を抱え上げて己の欲望を押し当てる。
「挿れますよ、たいさ…」
熱い吐息と共に囁くと、ハボックはぐっとロイの中へ体を進めた。
「ひあっ」
びくりと震える体を押さえ込んで、ハボックはゆっくりとロイの中へ体を沈めていく。
「あ、あ、あ」
目を大きく見開いて、ロイはハボックの熱を受け入れていく。狭い器官をいっぱいいっぱいに押し広げられる苦痛に
ロイは浅い呼吸を繰り返した。
「わかります?全部はいりましたよ?」
そう、耳元で囁かれてロイはハボックにしがみ付いた。そんなロイにハボックは優しく微笑むと額に口付ける。ロイ自身
に指を這わせると、ゆっくりと抽送を始めた。
「一緒にキモチよくなりましょ?」
ずちゅっ、ずちゅっとハボックが動くたびイヤラシイ水音が響き渡る。それと同時に前を扱かれて、ロイは前と後ろから
与えられる快感に体中が熔けていくような錯覚を覚えた。女性としていた時にはとても得られなかった凄まじいほどの
快感が体を突き抜けていく。ロイはハボックに揺さぶられるままに体を震わせて嬌声を上げた。
「ああっ…あんっ…あっあっ」
「たいさ…たいさ」
「ああっ…や、すご…あっ、キモチ、いいっっ」
思わず零したロイの言葉にロイの中のハボックがぐぐっと嵩を増す。
「あっ…や…おっきく、しない、で…っ」
「アンタが可愛いこというから…っ」
たまんないっス、と囁きながらハボックはがんがんとロイを突き上げていく。体がぐずぐずに溶けてしまいそうな快感に
ロイはあられもなく声をあげた。
「やあっ…ああっ…も、ダメっ…」
ロイはびゅくと熱を吐き出すが、ハボックに突き上げられて瞬く間に追い上げられていく。体中の神経がハボックの
与える快感を追いかけているようで、ロイは苦しくて苦しくてゆるゆると頭を振った。
「あっ…また、イク…っ」
何度も熱を吐き出させられてロイは快感のあまり、何も考えられなくなっていく。ただハボックが欲しくて、メチャクチャに
乱して欲しくてロイは与えられる快感のままに体を震わせ、嬌声を上げ続けた。

気がつけばもうすっかり陽は昇ってカーテンの隙間から光が零れていた。いつのまにか清められた体をハボックの
腕に預けて、ロイはホッと息をついた。その仕草にロイが目を覚ましたと気づいたハボックがロイの目元にキスを落とす。
「たいさ…」
そう囁くとロイがうっすらと微笑む。その唇に触れるだけの口付けをするとロイがぎゅっとしがみ付いてきた。
「ハボ…だいすき…」
そう囁く声にハボックは泣きそうになる。ハボックはぎゅっとロイを抱き返すと、その黒髪に顔を埋めて瞳を閉じた。


2006/10/9


拍手リクで「ハボロイで、女は百戦錬磨だけと男相手は初めてで、嫌がってなかなかHさせてくれないロイが読みたいですv そのせいで自宅にも呼んで
くれず、ハボの家にも行きたがらず、2人きりになってもキスまでで上手く逃れてしまうロイ…を、強引に部屋に連れ込んで犯してしまうハボック。翌朝謝り
倒してエッチのやりなおし…とか」でございました。うーん、なんかもう、ハボは勝手だし、ロイは乙女だし、いいのかな、こんなんで。あんまり謝り倒して
ないしなー(汗)ど、どんなもんでしょ〜??