He can hardly wait any more.
後もう少しで満たされると思ったその時、ずるりとロイの中からハボックが身を引いた。
「あっ…なんで…っ」
不満を漏らすロイをため息混じりに見下ろしてハボックが言う。
「時間…」
「え…?」
「アンタ、これから会議デショ?」
シテル最中に中尉に踏み込まれたくありませんからとハボックは手早く衣服を整えるとロイの体を引き起こした。
「ハボ…っ」
「絶対終わんないから今はダメだって言ったのにアンタが聞かなかったんでしょうが。」
自業自得っスよ、と言いながらハボックはロイのズボンを引き上げベルトを締める。とろりと溶けた表情のまま見上げてくる
ロイの頬にキスをするとその黒髪をかき上げた。
「ツライのはお互い様なんスからね。そんな顔、将軍たちに晒さないでくださいよ。」
ロイは唇を噛み締めて震える指でハボックの腕を掴んだ。
「きちんと会議を済ませたら後でご褒美にたっぷりシテあげますから。」
ポーカーフェイスは得意でしょ、とハボックはロイの手をそっと外すと執務室を出て行ってしまった。
ハボックと殆ど入れ替わりにホークアイが入ってきたとき、ロイは机にひじを突いて手の中に顔を埋めていた。
「大佐、ご気分でも?」
そんなロイの様子にホークアイが心配そうに声をかける。
「いや、大丈夫だ。」
そう言って、ロイは立ち上がったが一瞬つらそうに顔を歪めた。
「大佐?」
「なんともない。第3会議室だったな?」
「はい、そろそろ参りませんと。」
「ああ。」
呟くように返事をしてゆっくりと部屋を出て行くロイをホークアイは首をかしげて見つめた。
くだらない連中のくだらない内容のくだらない時間潰し。ロイは会議室の席で小さくため息をつく。さっきまでハボックと
繋がっていたソコは満たされないままに放り出され、ヒクヒクと熱を求めて蠢いていた。ロイは落ちつかなげにもぞもぞと
座りなおす。何度座りなおしたところで収まるはずも無く、ロイは思わず場所柄もわきまえず後ろに回してしまいそうに
なる手を会議室の机の下でぐっと握り締めた。普段からくだらない内容は右から左へと通り過ぎていくのだが、それでも
いつもなら過ぎる内容から必要な場所だけは拾ってなんとなく会議の進行を把握している。しかし、今日のロイの耳には
まわりの出席者たちの声はまるで入ってこなかった。聞こえてくるのは必死に押さえようとする乱れた自分の息遣いと
ドキドキと脈を刻む音、そして実際には聞こえるはずもないハボックの熱を求めて淫猥に収縮を繰り返すイヤラシイ唇が
たてる水音だけだった。こんな状態の自分を放り出すなんて、と、ロイは今ここにいない金髪の部下を恨めしげに思う。
確かにどうしても我慢が効かなくなって強請ったのは自分だったかも知れないが、それに応えたのはお前じゃないか。
大体、出張だ夜勤だと1週間もまともに顔を合わせる時間が取れなかったのに、いきなりキスなどしてくるからいけない
んだ。必死に押さえていた自分の気持ちをかき乱しておいてこんなのっぴきならない状態に追い込むなんて。ロイが
ぐるぐると回る思考に落ちかけて細く息を吐いたとき、ロイの耳にようやく声が届いた。
「…マスタング大佐?」
「え、ああ、はい。」
「…ご気分でも優れませんか?先程から何度も呼んでいたのですが。」
怪訝そうに見つめてくる相手にロイは体を苛む熱以外からくる熱さに頬を染めた。
「すみません、ちょっと疲れているようで。」
あわてて答えるロイを相手はしげしげと見つめる。
「そういえば顔色がよろしくないようですな。大丈夫ですか?」
「はい。申し訳ない。」
会議室中の視線が向けられる中、ロイは自分の失態に小さく舌を鳴らした。こんなことは初めてだ。何時だって駆け引きには
長けていたはずなのに。ロイは会議の内容について聞いてくる相手に当たり障りのない答えを返しながら心の中で自分を
叱りとばした。だが、意識をそこから背けようとすればするほど、体の中の小さな熱はどんどんと膨れ上がってロイの息を
乱そうとする。ロイは思わず叫びだしそうになる唇を噛み締めてぎゅっと目を瞑った。
「――― 10分間休憩いたします。」
突然耳に入ってきた声にロイははっとする。あわてて顔を上げれば会議の出席者達ががたがたと席を立ったり、その場で
寛いだりしていた。
「ずい分お疲れのようですな。」
背後からかけられた声に振り向けばそこには南方司令部からこの会議のために来ていたヴァン・フリート大佐が立っていた。
ロイは椅子に腕をかけて相手を見上げると薄く笑った。
「どうも、みっともないところをお見せしたようで。」
「やはりマスタング大佐ともなればいろいろ任される仕事も多くて大変なんでしょうな。」
嫌みったらしく言う相手にロイは小さく笑うと席を立った。
「どちらへ?」
「ちょっと風に当たってきます。」
そう言って会議室を出るロイにフリートが付いてきた。ロイはちらりと視線を向けると足を速めて外へと続く扉をぬける。
続いて出てくるフリートにロイは振り返った。
「何か用事が?」
そう聞きながらロイは眉をしかめた。正直早く一人になりたかった。なんとかこの休憩時間の間に体勢を整えないことには
この後どんな醜態をさらすか、ロイは不安でならなかった。
「いや、せっかくの機会なのでかの有名なマスタング大佐と話ができればと思っただけですよ。」
フリートはそう言うとロイの体を上から下までじろじろと見つめた。
「しかし、とても色々と聞こえてくる勇猛な話からは想像がつかないような線の細い方ですな。」
そう言って図々しく見つめてくる男を睨み付けてロイは言った。
「そういうお話ならお断りしたいのですが。」
「ご気分を悪くされたなら謝りますよ。」
ロイのきつい視線にも怯まずフリートはにやりと笑った。そしてロイの腕にそっと触れて言う。
「なんだか妙に色のある視線をしているなと思ったのでね。」
そう言いながらロイの腕に指を這わせる相手の手をばっと振り払ってロイはフリートを睨みつけた。怒鳴りつけようと
ロイが口を開こうとしたとき、会議の再開を告げる声が聞こえてロイは唇と噛み締めると足音も荒く建物の中へ戻って
行った。
席に戻ってロイは深くため息を吐いた。正直、もう会議どころではなかった。明らかな意図を持って触れられた腕から
伝わる感触が必死に押さえ込もうとしていた熱を刺激して、ロイは下肢に集まっていくものに必死に唇を噛み締めた。
一刻も早くこの場を立ち去りたくて、なんとか落ち着けようと浅い呼吸を繰り返す。とても顔を上げていられなくて
ロイは指を組んだ手に額を押し当てた。まわりの声などもうロイには全く届いておらず、まるで耳鳴りのような自分の
激しい鼓動が聞こえてくるだけだ。ぎゅっと目を閉じた自分の耳をこじ開けるように聞こえてきた名を呼ぶ声にロイは
ハッとして顔を上げる。
「マスタング大佐、この件に関してご意見を伺いたいのですが。」
呆れたような視線を向けて聞いてくる相手にロイは慌てて言葉を捜した。だが、この件と言われたところで全く聞いて
いなかったロイには答えようがない。どう答えたものかとロイが逡巡していた時、コンコンと扉をノックする音が
響いた。許可をする声に開いた扉の先に金髪の部下の姿を見つけてロイの体がぐらりと傾げた。
「失礼します。将軍にこちらの書類を預かってきたのですが。」
そう言ってハボックは会議室に入ってくると将軍へ手にした書類を渡す。頷いた将軍から視線を逸らしてロイの姿を
見つけたハボックは僅かに目を見開いた。それから目を細めると徐に口を開く。
「それから、マスタング大佐にセントラルから至急の電話が入っています。」
ハボックの言葉にぽかんとした表情を浮かべたロイにハボックは小さく舌打ちして、もう一度ロイの名を呼んだ。
「マスタング大佐。」
その声に弾かれるように立ち上がったロイはぼそぼそと謝辞の言葉を呟くと、敬礼して退室するハボックの後を追った。
会議室から出て廊下の角を曲がった途端、ハボックはロイの腕を掴んで引き寄せるとその耳に囁いた。
「アンタ、何て顔してるんですっ?そんな顔して会議に出てたら何言われると…っ」
怒りを顕にするハボックを呆然と見上げていたロイだったが、次の瞬間むっと唇を曲げると言い返した。
「お前がこんな状態で私を放り出すからだろうっ!」
「オレのせいっスか?!」
「そうだ、全部お前が悪いっ!」
「アンタね…っ」
ハボックは開き直って責めてくるロイを睨みつけたが、次の瞬間、はああっと脱力した。
「そりゃ誘いに乗ったオレもいけなかったっスけどね…。」
そう言ってロイの手を引いて歩き出す。
「おい、セントラルからの電話っていうのは…」
「ウソに決まってんでしょ。」
あんな色っぽい顔したアンタを他のヤツに見せとけますか、とちょっと怒った様な顔をしてぐいぐいと腕を引っ張る
ハボックを見上げてロイはなんとなく胸の中に暖かいものが広がるのを感じた。
「…色のある視線をしてるって言われた。」
そうポツリと呟けばハボックが怒りも顕に振り返る。
「誰に?!」
その剣幕に一瞬たじたじとなって、ロイは答えた。
「え、あ、南部からきたフリートとかいうヤツ。」
「くそっ、そいつ、八つ裂きにしてやる…っ」
忌々しげに言い捨てるハボックにロイがくすりと笑うと途端に睨まれた。ハボックはロイの腕を引いて廊下を通り抜け
人気の少ないところまで来ると小さな会議室にすばやく潜り込んで扉に鍵をかけた。
「まったくもう、アンタのおかげで仕事も手につきやしない。」
ハボックはロイの顎に手をかけるとロイの顔を上向かせて言った。
「あんな会議、戻らなくてもいいでしょう?」
囁くように唇の中に吹き込まれる言葉にロイは笑った。
「中尉に怒られるな。」
「アンタが言い訳してください。」
そう言ってハボックはロイに噛み付くように口付けた。
「ん…」
待ちわびたように開かれる唇に舌を絡めあって貪るように口付けを交わす。ロイがハボックの首に腕を回して更に深く
口付ける間に、ハボックの手が乱暴にロイの衣服を寛げていく。シャツの前を肌蹴られ、ズボンを引き摺り下ろされて
ロイは会議室の床にその身を横たえられた。
「たいさ…。」
ハボックがゆっくりと指と舌をロイの白い肌に這わせていく。待ちわびたその感触にロイの体が震えた。乳首を摘まれて
大きく背をしならせる。
「あ、ああ…」
零れる熱い吐息にハボックは笑ってロイの乳首に舌を這わせた。唇で甘く噛み舌で押しつぶすようにすれば硬く立ち
上がったソコは瞬く間に色を濃くしてぷっくりと膨れ上がる。執拗に繰り返される愛撫にロイは苦しくて首を振った。
「あっ…はあっ…ハボっ…」
立ち上がってとろとろと蜜を零す中心をロイはハボックの腰に押し付ける。早く弄って欲しくてロイは腰を揺らめかせた。
「は…やくっ」
「我慢できないんスか?」
笑いを含んだハボックの声にロイは視線をきつくする。
「もう、散々我慢した…っ」
拗ねたようなロイの様子にハボックはくすくすと笑って、それでもロイの中心に手を這わせた。
「んあっ」
途端零れるロイの声にハボックは気をよくして硬くそそり立つソレをゆっくりと扱き出した。ぐちぐちと刷り上げて
やわやわと袋を揉みしだく。先端をぐりぐりと捏ね上げるとロイはびくびくと体を震わせて熱を吐き出した。
「あああああっっ」
ハボックは手に吐き出された液をぺろりと舐めながらロイの顔を覗き込んだ。
「悦かった?」
欲に深く染まった青い瞳を見上げてロイは薄く笑った。
「はやく…」
お前を寄越せと囁いてロイはハボックを引き寄せた。布越しに張り詰めたハボックのソコへ手を這わせるとベルトを
緩める。震える指でボタンを外すと中へと手を滑り込ませた。硬く滾ったソレに指を這わせて熱いため息を零す。
「濡れてる…」
そう呟くロイにハボックは笑った。
「そりゃ、アンタが欲しいっスからね…」
「そんなに欲しいのか…?」
「すげぇ欲しいっス…」
そう言って口付けてくるハボックにロイは傲慢に笑った。
「くれてやる…」
そう言うロイにハボックは嬉しそうに笑ってロイを抱きしめた。己を取り出すと、すでにしっとりと解れたそこへ
宛がう。ロイの脚を押し開くとぐっと一気に身を沈めた。悲鳴を上げるロイの唇を自分のそれで塞いでがんがんと
突き上げる。ハボックの背に回されたロイの手が軍服の布地を握り締めた。ぐちゃぐちゃと掻き乱す淫猥な水音と
二人の熱い喘ぎが狭い会議室に満ちていく。もっともっと深く交わりたくてハボックは強引にロイの奥へ体を進め
ロイの中はハボックを引き込むようにイヤらしく蠢いた。激しい突き上げにロイの中心がびゅるりと白濁した液を
吐き出す。それでも瞬く間に集まってくる熱にロイは自ら腰を振った。
「もっと…もっとだ…ハボ…」
どんなに深く犯されても足りなくて、もっとハボックで満たされたくてロイはハボックに縋りついた。乱れるロイに
ふかく穿ったハボック自身が嵩を増す。熱い塊に押し広げられてロイは息苦しさと同時に快感を感じて小さく
呻いた。身のうちに広がる熱を感じてハボックが己の中に吐き出したのに気がつく。濡らされているのは体の中の
ごく一部のはずなのにまるで全身をハボックで濡らされたように感じてロイはうっとりと目を閉じた。
ずるりと抜かれる感触にロイは微かに呻く。ハボックはそのままロイを抱きしめるとロイの肩口に額を寄せた。
「ダメだ…」
呟くハボックにロイが不思議そうに問う。
「何がダメなんだ?」
「欲しくて欲しくて止まんないっス…」
どうしようと、情けない声を出すハボックにロイはくつくつと笑った。
「まだヤルのか?」
「…中尉に殺されます。」
未練たっぷりに体を離していくハボックを見上げてロイは笑う。
「何笑ってるんですか。」
さっきは全然余裕なかったくせに、とぼやくハボックにロイは素早く口付けた。
「煽らんでくださいよっ」
ごしごしと唇を擦って喚くハボックを見ながらロイはにやりと笑った。
「見てろ。」
そう言ってロイは膝立ちになると自分の後ろに指を差し入れハボックの注ぎ込んだものを掻き出していく。
「ん…はあ…」
とろとろと白濁した液体を垂れ流しながら甘い息を漏らすロイをハボックは息を呑んで見つめていた。すっかり掻き出して
しまうと、手早く片付けてロイは衣服を整える。
「随分たくさんだったな。」
そう耳元で囁けばハボックの顔がみるみるうちに真っ赤になった。
「たいさ…っ」
「次は夜にな…。」
そう言ってロイはハボックに軽く口付けると会議室を出た。後に取り残されたハボックは呆然としてロイの出て行った扉
を見つめていたが、ハッと我に返ると悔しそうに呟いた。
「夜に、ね…。覚悟しといてくださいよ…。」
そうしてハボックはロイの後を追う様に会議室を後にした。
206/8/19
拍手リク「お預けロイ、ハボに用ありでなく、ロイがアノ状態で軍議とかに出なきゃならない」でしたー。な、なんかリクの部分はエライ短かったような…。す、すみません〜〜。力が及びませんでした、ご勘弁下さい(ぺこぺこ)しかも我慢できないのはロイなのかハボなのか一体どっちなんでしょう??「He」じゃなくて「They」かしら…。