caution!!
この先はジャクハボ小説になります。「どんなジャクリーンもOK」っていう太っぱらなおねえさまのみお進み下さい。また途中、ぼやかしてはありますがバッチリブツの見える要背後注意な素敵ジャクハボ挿絵もございます。
そういうの、バッチコーイなおねえさまのみレッツスクロール!

     
     
     
     
     
     
     




半身


「どこだ、ジャン…」
 ジャクリーンはそう呟くと崩れ落ちそうなビルの中を歩いていく。その中では人相の悪い男ども――所謂テロリストというヤツだ――が軍部の転覆を狙って蠢いていた。今、ジャクリーンはハボックを助けるべく単身そのビルの中を上へ上へと上って行くところだった。行く手を塞ぐヤツは問答無用でなぎ倒す。黒の潜入服は目立たないがテロリストどもの返り血に汚れそこから上る血の匂いが表情の抜け落ちたジャクリーンを悪鬼じみて見せていた。


 東邦司令部のジャン・ハボック少尉がテロリストの手に落ちたとジャクリーンの元へ知らせが届いたのはハボックが拉致されてから丸一日も過ぎた頃だった。できればジャクリーンに知られずに解決できればという思惑の下、懸命に続けられていた捜索は埒が明かず、結局捜索が開始されてから更に半日が過ぎた頃漸くハボック拉致の報がジャクリーンにもたらされたのだった。
 ジャクリーンの存在は軍の中でも極一部の者しか知り得ないトップシークレットの事項の一つだ。同じ顔した人間がいるという事は色々な面で有利に働く。特にその存在を知らぬ人々の間では。だからジャクリーンは滅多に表に姿を現す事はなかったし、ハボックとすら月に一度程度しか会う事が叶わなかった。だが、ハボックにとってそうであるように、ジャクリーンにとってハボックは何にも変えがたいたった一つの半身だった。神の悪戯か、二つの体に分かたれて生まれ落ちたひとつの魂は互いを強く求め、引き寄せあった。幼い頃から互いの存在以外必要ないと思うほど惹かれあう力は強く、特に影の存在として生きる事を余儀なくされたジャクリーンにとって、ハボックは決して失う事の出来ない光であり温もりだった。もしハボックに何かあればジャクリーンは例え相手が神であろうとも決して赦しはしないだろう。影の世界で生きてきたジャクリーンの戦闘技術は他の追随を赦さず、軍はそれを重宝すると同時に恐れてもいた。ハボックの窮地はジャクリーンのストッパーを外してしまう事に他ならず、だからこそ軍はジャクリーンに知らせずにハボックを救い出そうとしていたのだが。


「ジャン…」
 ナイフで切り捨てた相手の体をドサリと放り投げるとジャクリーンは階段の上を見上げる。ジャクリーンがここまで上ってきた道はテロリスト達の死体で埋め尽くされ、残りはこの階の上のみとなっていた。ジャクリーンはアイスブルーの瞳で階上を見つめたままステップに足をかける。そうしてハボックが捕らえられているはずの場所へと駆けていったのだった。


「いい加減に吐いたらどうだ?」
 男はそう言うとハボックの髪を掴んでその瞳を覗き込む。後ろ手に手錠をかけられたハボックは情報を引き出そうとするテロリスト達の手によって手酷い暴行を加えられていた。容赦なく殴られ、蹴られた体には幾つもの痣が浮かび、恐怖を与えようと滑らされたナイフで切り裂かれたシャツの間からは白い肌を幾筋も血が流れている。ハボックは覗き込む男の顔を睨み返すと血の混じった唾を吐きかける。カッとなった男はハボックの体を思い切りコンクリートの床に叩きつけた。
「グゥ…ッ」
 痛みに顔を歪めながら、だがハボックの心は萎えてはいなかった。勝気に睨みあげてくる空色の瞳に男は顔を歪めるとハボックの腹を蹴り付ける。海老のように体を丸めるハボックの肩を掴んで仰向かせるとニヤリと笑って言った。
「痛めつける方法は幾らでもあるんだぜ。痛みだけとは限らない。逆にお前のようなヤツにはこっちの方法の方がいいかも しれんな」
 男はそう言うとハボックのズボンに手をかける。何をされるのか察したハボックはギョッとしてその身を捩った。
「さっ、触るなッ」
 さっきまでとは違う、怯えた表情に男は笑うと強引にズボンを剥ぎ取ってしまう。傍にいた数人と目配せするとハボックを見下ろして言った。
「喋る気になるまで、俺達全員で可愛がってやる。どこまで我慢できるか、見ものだな」
 そう言って下卑た笑いを浮かべるテロリスト達にハボックの顔から血の気が引く。もがく体を男達が押さえつけ、中の一人が下着に手をかけた。
「ヤダッ…やめろっ!」
 嬲る相手の悲鳴は嗜虐者たちを煽りこそすれ制止の役になどたとう筈もない。ゲラゲラと笑いながらテロリスト達はハボックの下肢をむき出しにするとその足を胸の方へと押し上げ、尻を突き出させた。
「やめろッ…ヤダァッ!」
「綺麗なもんだな、経験はあるのか?」
「可哀想になぁ、ここを出る頃にゃ男なしじゃいらんなくなっちまうぜ」
 テロリスト達は言い合って笑うと白い尻を撫で回す。ヒュッと息を飲むハボックの蕾に指を一本突き入れた。
「…ヒッ」
「狭いな…こんなのに突っ込んだら喰いちぎられちまいそうだ」
 男はそう言うと乱暴にかき乱す。おぞましさと痛みに小刻みに震えるハボックの縮こまってしまっている前に他の男が指を絡めた。
「こっちを弄ってやりゃ少しは弛むだろ。ほらっ、力抜けって。痛い思いすんのはお前だぜ」
 そう言ってゆっくりと扱き出せば萎えていた中心が体積を増していく。弄られて反応してしまう自身に絶望してハボックはすすり泣いた。
「い、やだっ…ヤ…ッ」
「喋りたくなったらいつでも聞いてやるぜ。まあ、やめるかどうかは別問題だけどな」
「2本目が入った。多少きついかもしれんが入れちまうか」
 蕾を嬲っていた男が言えばギラギラと目を輝かせたテロリスト達が頷く。男は乱暴に指を引き抜くとズボンの前を弛め既にカチカチに育ちきった自身を取り出した。まだ受け入れる準備の整っていない蕾に押し当てればハボックの顔が歪む。その表情にゴクリと唾を飲み込むと一気に貫こうとした、その時。
 ヒュッと音を立てて飛んできたナイフがハボックを貫こうとしていた男の背に突き刺さる。自分に何が起きたのか判らぬままドウと倒れる男に他のテロリスト達が扉へと目を向け侵入者を迎え撃とうとしたが、それより早く更に続けざまに二人のテロリストが倒れた。
「なっ、なんだ…っ?!」
「誰…ギャアアッッ」
 浮き足立つテロリスト達をジャクリーンは無言のまま倒していく。その無駄のない動きはまるで舞うようで、ジャクリーンが腕を振るたび死体がひとつ増えていった。
「きっ、きさま、何者ッ」
 ハボックを嬲っていた男が壁を背にジャクリーンを睨みつけるとハボックにナイフを突きつける。ニヤリと笑うとジャクリーンに向かって言った。
「へへ…俺に手を出せるもんならやってみな、コイツがどうなっても――グハッ!!」
 勝ち誇ったように言う男の言葉の語尾が悲鳴に変わる。男は信じられないと言う顔でジャクリーンを見たが、何か言おうと開いた唇は結局音を発する事のないままその体は床へと倒れこんだ。ジャクリーンはほんの数分で物言わぬ死体と化したテロリスト達には目もくれず、ぐったりとしているハボックへと歩み寄る。触れようと伸ばした手が血に汚れている事に気付くとズボンになすり付けて血を落とした。
「ジャン…」
 横向きに倒れた体の肩を引いてジャクリーンはハボックの顔を見る。涙に濡れた白い顔にこびり付いた血をジャクリーンは指先で拭った。その顔からゆっくりと視線を動かして辿っていけば体には無数の痣と切り傷が浮かんでいる。男の手で嬲られた下肢に目をやった時、ジャクリーンの顔が怒りに歪んだ。
「俺以外のヤツにこんな痕、つけさせやがって…ッ!」
 それはハボックを傷つけたテロリスト達への怒りではなく、それを赦したハボックへの怒りだった。その体に傷をつける事を赦したばかりかあまつさえ身の内を嬲る事を赦したことはジャクリーンへの裏切りに他ならなかった。
「う…」
 その時、ハボックが低い呻き声を発して目を開く。自分を覗き込む姿に一瞬体を強張らせたがそれがジャクリーンだと判るとホッとして体の力を抜いた。
「ジャク…オレ…」
 ジャクリーンの姿に安心したように息を吐くとハボックは一度目を閉じてもう一度開く。体を動かそうとして今だ腕を拘束されたままなのに気付くとジャクリーンに言った。
「これ外してくれ、ジャク」
 だが、ジャクリーンはハボックの声が聞こえているのかいないのかじっと見つめてくるばかりだ。無表情な顔の中でそのアイスブルーの瞳だけが強い光を放つのを見て、ハボックはゾクリとしてジャクリーンを呼んだ。
「ジャク…?」
 ひとつの魂から別れて生まれてきたものの、その魂の持つ属性を綺麗に二つに分ける事を神は出来なかったのか、或いはわざとそうしなかったのか、ハボックとジャクリーンにはもって生まれた性格に大きな違いがあった。陽気で人懐こいハボックに反してジャクリーンは人に馴染まず一人でいることを好んだ。そうしてたった一人自分の半身であるハボックに凄まじい程の執着を見せた。
 ジャクリーンはハボックには答えずその空色の瞳をじっと見つめていたが、突然後ろ手に拘束された腕を掴むとハボックを乱暴に立ち上がらせる。肩を押すようにしてハボックの体を壁に押さえつけた。
「ジャク?」
 胸を壁に押し当てられるようにして押さえつけられたハボックは肩越しに振り返りジャクリーンを見る。不安げに揺れる空色の瞳を無視してジャクリーンはむき出しにされたハボックの両脚の間に体を捻じ込むと、双丘のはざまに指を這わせた。
「ジャクッ?!ヤダッ、何す――」
「アイツらにここを弄らせたのか?」
「え…?なに…」
「答えろ、ジャン」
 低い声で唸るように言うとジャクリーンは蕾に指を突き入れる。いつもは硬く閉ざされたそこが指をすんなりと飲み込んだ事に顔を歪めると乱暴にかき乱した。
「ヒッ…アアッ…や、めてっ…ジャクッ…やめ…ッ」
「突っ込ませたのか、あんなヤツらに…ッ!!」
「ちが…っ…ちがうッ、ジャクッ…ヒアッ、アアッ」
 乱暴な指の動きにハボックは壁に頬を押し付け悲鳴を上げる。痛みと徐々に湧き上がってくる快感に首を振ると必死に言った。
「指でッ…指で弄ら…ただけッ…そ、れ以上、なに、も…ッ」
 そう訴えるハボックをジャクリーンはアイスブルーの瞳でみつめる。沈めた己の指に翻弄され涙を零すハボックの蕾を乱暴にかき乱していたが、指を引き抜くとズボンを緩め張り詰めた己を取り出した。ハボックの双丘を引き寄せ、そのはざまを指で割り開くと戦慄く蕾に己を押し当て、一気に貫く。




「ヒアアアアッッ!!」
 ハボックの唇から悲鳴が迸り、逃げようともがく体を引き戻し乱暴に突き上げた。最奥まで突き入れたかと思えば次の瞬間一息に入口まで引き戻す。乱暴な抽送にハボックの内壁が付いていけずに捲れ上がり、ぬらぬらと濡れた紅い肉が覗いた。
「アアッ…ヒィッ…ジャクッ…ジャクゥッ」
 啼き叫ぶハボックを深くきつく犯しながらジャクリーンはハボックの耳元に囁く。
「俺以外のヤツに触れさせるな…指一本だって触れさせたりしたら絶対に赦さない…ッ!」
「ンッアッ…ごめ…ゴメンッ…も、させな…ヒャアッ…だ、からっ……赦し、てッ!!」
 ボロボロと涙を零しながらハボックはジャクリーンに許しを乞うた。だが、抽送は激しくなるばかりでハボックはこみ上げてくる快感に抗えず、ついにびゅるりと熱を放ってしまった。
「アアアッアア―――――ッッ!!」
 高い悲鳴と共に壁に白濁を吐き出したハボックはくたりと壁に身を預ける。力の入らない脚は今にもくずおれそうだったが埋め込まれた楔がそれを赦しはしなかった。ジャクリーンは捻じ込むように己を突き入れながらハボックの口元に手を回す。荒い息を零す唇の中へ己の指を突っ込んだ。
「ンッ…ンンッ」
 ムッと血の匂いが鼻をつき、錆びたような味が口内に広がる。無意識にジャクリーンの指を舌で押し出そうとしたハボックはそれが自分を助け出す為にジャクリーンが倒したテロリストの返り血だと気付いて僅かに目を見開いた。そしてそっと目を閉じるとジャクリーンの指に舌を絡める。
「ンッ…んうふ…ンフッ…ふあっ…」
 鼻から甘い息を吐き出しながらハボックはジャクリーンの指の汚れを舐めとっていった。いつしかジャクリーンの動きに合わせるように腰を揺らし、深く咥え込もうと尻を突き出す。
「んあ…ンンッ…ンン―――ッ」
 程なく熱を吐き出したハボックはジャクリーンの指から顔を離すと言った。
「ジャク…ジャクのほし…オレん中、ジャクで濡らしてッ」
 肩越しにジャクリーンを見上げて強請るハボックの空色の瞳を見つめていたジャクリーンは涙に濡れた頬に手を伸ばす。指の腹で涙を拭うと言った。
「俺が欲しいのか、ジャン?」
「欲しい…ッ、ジャク、ちょうだいッ」
 そう言って悶えるハボックのシャツの中に手を差し入れると、ジャクリーンはその肌を辿っていく。テロリスト達に付けられたナイフの傷を探り当てるといきなり爪を立てた。
「ヒィッ!い、たぁっ…ッ!!」
 痛みに背を仰け反らせるのに構わず、何度も爪を立てれば止まっていた血が再び噴き出し、ジャクリーンの手を汚す。その手を再びハボックの口元へ持っていけばハボックが舌を絡めた。ジャクリーンは空いた方の手をシャツに滑り込ませぷくりと立ち上がった胸の飾りを嬲る。そうする間にもガツガツと突き上げれば耐え切れずにハボックが熱を吐き出した。己の腕の中で悶え、啼き続けるハボックにジャクリーンは尋ねる。
「お前は誰のものだ、ジャン」
 低く囁く声にハボックはビクリと震えると答えた。
「ジャクの…オレの全部…ジャクの、だよっ…だから、ジャクを……ジャクをちょ…だいッっ」
 その言葉にジャクリーンはうっとりと笑うと一層きつく突き上げる。ハボックが何度目か判らぬ熱を吐き出すのと同時にその最奥へと熱を叩きつけた。
「アッア―――――ッッ!!」
 ハボックは高い嬌声を上げてびくびくと体を震わせる。そのままガクリと力の抜けた体をジャクリーンの腕がしっかりと支えた。ジャクリーンは暫くの間そのままでいたがやがてズルリと己を引き抜く。ひくんと震えた蕾から抜き出される楔を追う様に白濁が零れてハボックの脚を伝っていった。ジャクリーンは気を失ったハボックの体を横たえると身支度を整え、テロリストの死体へ歩み寄る。何人かのポケットを探って鍵を探し出しハボックの手錠を外した。手早く服を着せ付けると金色の髪をかき上げてその顔を覗き込む。自分と同じパーツを持ちながら幾分柔らかい印象を与えるその頬に手を添えるとそっと口付けた。
「ジャン…ジャン…」
 口付けを繰り返し何度か呼びかけたが、散々に痛めつけられた上乱暴なセックスを強いられたハボックの瞳は閉ざされたまま開こうとはしなかった。ジャクリーンはハボックの頭を引き寄せると胸に大事そうに抱え込む。微かな呼吸が首筋に当たるのを感じながら目を閉じた。
 いつか自分はハボックを殺してしまうかも知れない。自分がハボックを愛するようにハボックも自分を愛してくれるだろうしそれはきっと生涯変わらない。だが、影の中で生きる自分と違って光の世界で生きるハボックはジャクリーン以外にも大切なものを見つけてしまう。たとえばハボックがその命と引き換えにしてでも守りたいと思い、ほんの僅かでも力を貸したいと願う黒髪の錬金術師。それは愛ではなかったけれどその深い結びつきはジャクリーンの心を乱すには十分だった。
「ジャン…俺のものだ…」
 ジャクリーンはそう呟くとハボックの体を抱き上げ、ゆっくりと歩き出す。その歩む道が破滅へと辿り着くのがいつなのか判らぬままジャクリーンはその場を後にしたのだった。


2008/7/7



先日お邪魔しましたロイハボ絵チャの中で、「みんなでお題、ジャク&ハボもしくはジャク×ハボv怪我したハボを必ずジャクが姫だっこすることv」なんてお題が振られましてね。何かあれよあれよという間にお持ち帰り宿題に(苦笑)しかも「強がりLv3」の正義さまが描き下ろしで挿絵まで描いてくださりまして!本音を言うと先日某素敵さまに萌え〜なジャクハボ小説&イラストを書いて頂いたばかりだったので「どうやって書けば??」状態だったんですが…。こんなジャクリーン、ジャクリーンじゃないやいって言われそうな気、満々なんですがとりあえず自分なりに頑張って書いてみましたー。ああ、でももっと精進しなくっちゃ(汗)でも、正義さまにあのジャクハボ絵を描いて頂いただけでもう「良し!」ってことですよねっ!!あの絵を頂いただけで頑張った甲斐があったと言うものだよ!!
正義さま、ステキなジャクハボ絵を本当にありがとうございました!!