| 「ふわぁ……あ」 頭上から聞こえた大きな欠伸にロイは閉じていた目をうっすらと開ける。潜り込んでいたブランケットの隙間から窺えば、ハボックが思い切り伸びをしているのが見えた。 窓から降り注ぐ朝の光を受けてハボックの鍛えられた体が輝いて見える。ハボックが体を動かす度綺麗な筋肉がうねるように動くのを見て、ロイはうっすらと笑みを浮かべほんの数時間前の出来事を思い出していた。 「大佐……大佐ってば」 「……なんだ」 組み敷いた体に指を這わせキスを落としていればハボックがロイを呼んでその黒髪を引っ張る。久しぶりの恋人の体を楽しんでいるというのに、当の恋人から邪魔をされてロイは不機嫌に返事を返した。 「絶対痕つけないで下さいね!」 「何でだ?」 そう釘を刺されて流石にロイが顔を上げる。不満そうに見つめてくる黒い瞳にハボックは答えた。 「明日から演習続きなんで」 「だから?演習とキスマークと何の関係があるんだ?」 「シャワー浴びんのにキスマークついてたら恥ずかしいっしょ!」 「なんで?」 そう返せば本気で判らないという顔をするロイにハボックは脱力する。そう言えば今までもキスマークをつけるなと言ってその理由を判って貰えた 「みんなにキスマーク見られたら恥ずかしいじゃないっスか」 「私と付き合うのが恥ずかしい事なのか?」 「や、そういう事じゃなくて」 ムッと眉を顰めるロイにハボックは慌てて否定する。この男に人並みの羞恥心を求めるのは無駄だと判っていても、やはり常識的な考え方を捨てられないハボックとしては黙って好きなようにさせるわけにはいかなかった。 「だからー」 と、ハボックはロイを納得させられるような言葉を考える。何とかキスマークをつけられるのを回避しようと考え込んでいるハボックに、ロイはクスリと笑った。 本当はハボックがキスマークをつけられるのを嫌がる理由など、ロイにはちゃんと判っている。だが、ロイとしてはハボックに不埒な想いを寄せる部下どもを牽制するためにも所有の証とも言えるキスマークをそれこそ山と刻んでやりたいのだ。 (それに) とロイは思う。ロイはハボックの鍛えられた体がとても好きだった。無駄な肉のない体はとても美しい。女性の柔らかでまろやかな曲線美とは違う、正に使う目的の為に特化された筋肉はその弾力といい形といい、素晴らしいの一言に尽きた。 「綺麗だな、とても」 「えっ?……あ、ちょっと、大佐っ」 いつまでも考え込んでいるハボックに、ロイは我慢出来ずにその筋肉に舌を這わせる。三角筋から上腕二頭筋を辿り、ロイの顔を押し返そうと突っぱねる腕に軽く噛みついた。 「大佐っ」 「まだ痕はつけてないぞ」 抗議の声にロイが言う。そうすれば噛まれていない方の手で、ハボックがロイの額を押しやった。 「痕つけてからじゃ遅いっしょ!」 「煩い奴だな」 ロイは不服そうに言ってハボックの胸に手を這わせる。鍛えられた大胸筋は、グッと掴んでも手に余るほどだった。 「グラマーだな」 「なに阿呆な事言ってるんスか」 クスクスと笑って言うロイにハボックが顔を赤らめる。ロイは胸の筋肉を両側からグイと真ん中に寄せると盛り上がった胸の真ん中を飾る突起に唇を寄せた。 「アッ、んっっ!!」 チュウと吸いつけばハボックが首を仰け反らせて喘ぐ。ロイが舌先でチロチロと舐めたり歯を立てたりすれば、乳首はたちまち赤く色づいてプクリと固くなった。 「くく……女の子みたいだ」 「なっ……馬鹿ッ!……ッ、アッ、くぅん…ッ」 唾液で濡れた乳首にロイの息がかかってハボックはびくびくと震える。ロイは暫くの間ハボックの胸を楽しむと、舌を割れた腹筋へと移動させた。 「すごいな、どれだけ鍛えたらこんな見事な腹筋になるんだ?」 「アッ、アンタだって同じような腹筋してんじゃん…ッ」 着痩せして見えるだけで実はロイの体も見事に鍛えられていることをハボックはよく知っている。筋肉の流れに沿って這わされる舌にピクピクと震えながらハボックは言った。 「こんなに綺麗なのはお前だけだ」 「は……ッ、な、に言って……アッ、やあッ!」 脇腹に噛みつかれてハボックの体が跳ねる。 「痕っ、つけんなッ」 甘ったるく喘ぎながらもまだそんな事を言うハボックにロイはやれやれとため息をついた。 「まったく……いい加減落ちてこい、ハボック」 「ひゃあっ?!」 言うなりロイはハボックの脚を押し開き胸に押しつけてしまう。大殿筋をギュッと掴み左右に押し広げて、ロイは蕾に舌を這わせた。 「ヤアッ!!」 ヌメヌメと這い回る濡れた感触にハボックが高い悲鳴を上げる。小さな唇にキスを落とし舌を差し入れて狭い肉筒に唾液を送り込むように舐め回せば、すっかりと勃ち上がった楔から垂れる蜜がロイの鼻先を濡らした。 「アッ、んあ……ッ、たい、さ…ッ!ああん…ッ」 艶を増す声を楽しげに聞きながら、ロイはハボックの蕾に舌を這わせ指を差し込んでぐちゅぐちゅと掻き回す。流石に鍛える事が出来ない小さな孔をロイは好き勝手に嬲っていたが漸く顔を上げた。 「挿れるぞ、力を抜いていろ」 「あ……」 その声と同時にロイの熱い塊が押し当てられる。一瞬無防備な子供のような表情を見せたハボックの中へ、ロイはグイと腰を進めた。 「アッ……アアアッッ!!」 何度体を繋げようと最初は僅かに抵抗する唇を押し開いてロイは己を飲み込ませていく。背を仰け反らせ目を見開いて震えるハボックの中へ一気に楔をねじ込むと、ロイは満足げなため息を零した。 「すごいな……こんなところの筋肉まで鍛えてるのか?」 「そんなわけ……ないっしょ…っ」 きゅうきゅうと締め付けてくる熱い内壁にロイが笑い混じりに言う。紅い顔で睨みあげてくる空色の目元にキスを落としてロイはハボックの脚を抱え直した。 「動くぞ」 「えっ?……ちょ…まだっ」 「ヒャッ!アアッ!!ま…待って、大…ッ、ヒィィッッ!!」 ガツガツと容赦なく突き上げられてハボックが喘ぐ。今では汗でしっとりと濡れた筋肉が突き上げる動きに合わせてビクビクと震えるのを見て、ロイは楽しそうに笑った。 「かわいいよ、ハボック……」 「ヒャウッ!!アアッッ!!たいさッ、たいさァ…ッッ!!」 ねじ込むようにグラインドさせて突き入れればハボックがたまらず熱を吐き出す。 「アアア…ヤアアアッッ!!」 熱く熟れた体を思うまま揺さぶって、ロイは余すところなくハボックを味わい尽くした。 「はぁ……ふ……」 朝の光の中、ハボックは気だるげに腕を動かし首を回す。そうやって一つ体を動かす度、体にまとわりついた夜の名残を脱ぎ捨てていっているように見えた。ひとしきり体を動かしたところでハボックはベッドの上に身を屈める。ブランケットの中に埋もれるロイに向かって言った。 「大佐、起きて下さい。朝飯食いましょ」 その声にロイが視線を向ければ鍛えられた体が目に入る。朝の光の中で実に健康的に輝くそれに手を伸ばしてロイは言った。 「今夜は綺麗な痕をつけてやろうな」 「はあ?馬鹿な事言ってないでさっさと起きて下さい」 ハボックは伸ばされた手をピシリと払いのけて言う。朝食の準備をするためにロイをおいて部屋を出ていくハボックの背を、ロイは目を細めて見送った。 2011/11/29 |