| Sダイエット |
| 「大佐、ちょっと太ったんじゃないっスか?」 「えっ?」 コーヒーを執務室のロイの机の上に置きながらハボックが言う。書類を書いていたロイはその言葉に走らせていたペンを止めた。 「太った?……そうか?」 ロイはそう言いながら自分の体を見下ろす。体を右に捻り、左に捻ってロイは言った。 「別に服がきつくなってもいないし……気のせいだろう?」 肩を竦めてそう言うとロイはコーヒーに手を伸ばす。だが、なにも言わずに見下ろしてくるハボックに、ロイはカップに口をつけたまま眉を顰めた。 「服着てちゃ判んないっスけど」 ハボックはもごもごと言いにくそうに言う。 「その……夕べ、久々に見て思ったから」 夕べと言われてロイは目を瞠る。このところロイは毎晩のようにパーティに呼ばれていた。おかげでハボックに触れる機会がなく、いい加減我慢の限界だったロイはパーティの後ハボックのアパートに押し掛け、寝入り端だったハボックを叩き起こして事に及んだのだった。 「ここんとこ美食続きだったからじゃないっスか?」 ハボックはほんの少し恥ずかしそうにしながら言う。これから演習だからとハボックが出ていくと、ロイは改めて自分の体を見下ろした。 「太った……だと?」 ロイとて軍人であるからにはきちんと鍛えている。正直己の体には結構自信がある方だ。それなのに、久しぶりに肌を合わせた恋人に太ったなどと言われるとは。 「……屈辱だ」 低く唸ったロイは机の抽斗にしまい込んでいたお気に入りの洋菓子店のチョコクッキーを全てゴミ箱に放り込んだのだった。 「おい、ハボ。お前大佐に何か言ったのか?」 「え?」 演習後シャワーを浴びて濡れた髪を拭きながら司令室に戻ってきたハボックは、突然ブレダにそう言われて目を丸くする。キョトンとして見下ろしてくる瞳に、ブレダは背後の執務室をペンで指して言った。 「すっげぇ機嫌わりぃんだよ。お前、何か言ったろう」 「何かって……」 言われてハボックは首を捻る。特にロイを怒らせるような事を言った記憶はなく、腕を組んで悩むハボックを睨んでブレダは言った。 「とにかくお前、何とかしろよ。書類にサイン貰うんだって大変なんだから。中尉が戻ってくる前に大佐の機嫌直しとけ」 「えーッ、そんな無茶なッ」 「うるせぇ、大佐の事は全面的にお前が担当なんだからな」 ブレダは言うだけ言って司令室を出ていってしまう。その背を恨めしげに見送ったハボックは執務室の扉に視線を移してため息をついた。 「機嫌直しとけって言われたって、理由も判んないのにどうしろって言うんだよ」 夕べは久しぶりにロイとセックスした。寝入り端を起こされた時はほんの少し腹がたったが、ハボック自身最近ゆっくりロイと過ごす時間が持てず淋しかったのだ。正直夕べの急な来訪は嬉しかったし、ロイも満足していた筈なのだが。 「……別に変なこと言ってないよな」 ごく偶にセックスの最中、ハボックが口にしたことにロイが腹を立てることはあったが、夕べは特になにも言っていないと思う。さっきコーヒーを持っていった時も特に変わった様子はなかったと思えば、ハボックは首を捻るしかなかった。 「訳判んねぇ……」 ハボックはため息混じりにそう言ったが、確かにロイを不機嫌のまま放置しておくわけにはいかない。もう暫くすれば外出中のホークアイが戻ってくると、ハボックは髪を拭いていたタオルを肩にかけて執務室の扉をノックした。 「大佐?」 遠慮がちに扉を開き、ハボックは中の様子を伺う。空っぽの椅子を見てハボックが目を見開くのと、突然腕を掴まれて部屋の中に引きずり込まれたのがほぼ一緒だった。 「な……大佐っ?」 自分を引きずり込んだのがロイだと判ってハボックはホッとすると同時に怪訝そうにロイを見る。じっと見つめてくる黒曜石に、ハボックは困ったように視線をさまよわせた。 「あの……腕、離して貰ってもいいっスか?」 引きずり込まれた時のまま掴まれている腕をそっとロイの手から取り戻そうとしてハボックは言う。だが、ロイは腕を離すどころかグイと引き寄せてハボックの顔を間近に覗き込んだ。 「いいところに来たな、ハボック。相手をして貰おうか」 「相手?」 一体なにの相手をしろと言うのだろう。ロイの言っている意味が判らず小首を傾げるハボックを、ロイはいきなりソファーに突き飛ばした。 「うわっ?」 不意をつかれてハボックはソファーに倒れ込む。ハボックが起き上がる 「ちょ……っ、なにするんスかッ?!」 「この体勢ですることといったら決まってるだろう?」 ロイは言ってハボックの上着に手をかける。ボタンをかけていないそれを毟り取り、シャツを捲ろうとする手をハボックは慌てて押さえた。 「なにバカなこと言って……ッ、ここ、どこだと思ってんのッ!!」 真っ昼間の執務室で事に及ぼうとするロイを必死に押し返してハボックが叫ぶ。そうすればロイがニヤリと笑って言った。 「抵抗、いいじゃないか、服を脱がす時に抵抗されると187kcalの消費だ。普通に脱がせるより175kcalも多い」 「はぁっ?なに言って……ちょっと、ヤダッ!!」 気がつけば己の両腕を頭上に押さえ込んだロイの手がボトムにかかっている。片手で器用にベルトを外しボトムを脱がそうとするロイに、ハボックは必死に身を捩って抵抗した。 「やだっ、誰か来たら……ッ」 扉に鍵をかけた覚えはない。いつ何時だれかが入ってくるか知れず必死に抗うものの片手で瞬く間にボトムをずり下げるロイに、ハボックは泣きたくなった。 「も……なんでそんなとこで無駄に器用なんスかッ」 普段は意外なほど不器用なくせに暴れる長身を片手で押さえ込みながら、空いた片手で服を脱がせる器用さを脱がされる立場のハボックが罵ればロイはしれっとして答えた。 「両手でブラを外すと8kcalだが片手で外すと12kcal、歯で外すと85kcalなんだ」 「はあっ?ブラってなに?……んっ、んん───ッッ!!」 訳が判らず喚く唇をロイが塞ぐ。深く深く口づけられて呼吸もままならず、酸素不足で開いた唇にロイの舌が潜り込んできて、ハボックは深い口づけに半ば意識が朦朧としてロイに縋りついた。 「ぅ……んふ……」 口内をロイの舌が好き勝手に蹂躙する。きつく舌を絡められてピクピクと震えれば、漸く長いキスが終わってハボックはなだれ込んでくる空気にゼイゼイと息を弾ませた。 「大……さ」 「軽いキスなら17kcal、ディープキスは65kcalだ」 「え……?」 なにやらさっきからやたらと数字が聞こえてくるが、朦朧とした頭ではハボックにはほとんど意味が判らない。ぼんやりとロイを見上げれば、にんまりと笑ったロイはハボックのズボンを下着ごと剥ぎ取ってしまった。 「ヤダっ!!」 流石に霞みがかっていた意識がシャンとして、ハボックは身を縮める。ロイはソファーに丸くなるハボックの体を俯せに返すと、引き締まった腰をグイと引き上げた。 「わ……ッ」 いきなり腰を引っ張られて、ハボックはたまらずソファーの座面に顔をこすりつける。ロイは白い双丘を指で割り開くと、その狭間に舌を差し入れた。 「やっ!」 ピチャピチャと這い回る濡れた感触に、ハボックはびくびくと震えてソファーに爪を立てる。潜り込んでくる舌は羞恥と同時に抱かれる事になれた体に快感を呼び覚まし、ハボックは金髪を振り乱して喘いだ。 「やだ……ッ、も、や……っ、たいさ…ァ」 こんなところで仕掛けてくるロイが信じられない。必死にやめてと訴えたが、下肢に加えられる愛撫は激しさを増すばかりでハボックは涙を零して息を弾ませた。 「挿れるぞ……」 耳元で低く囁く声がして、ハボックはハッとして肩越しにロイを振り返る。その途端蕾に押し当てられる熱い塊に、ハボックはギクリと身を強張らせた。 「や……待って、たいさ……ッ」 このまま突き入れられたら声を抑える自信がない。 「そっち……そっち向かせてッ、キス……ッ!」 せめて嬌声をあげる唇をロイのそれで塞いで欲しいと、強請る間もなくロイの楔がハボックの蕾を押し開いて一気に押し入ってきた。 「ひゃ……ヒャアアアアッッ!!」 ズブズブと潜り込んでくる熱い楔にハボックの唇から高い悲鳴が迸る。己の耳に飛び込んできた甘ったるい悲鳴に、ハボックはカアアッと顔を染めるとソファーに顔をこすりつけた。 「やっ、アッ……ッ!た……さッ!そっち、向かせて……ひゃんッッ!!」 必死に声を噛もうとすればするほど、甘い声が止まらない。ボロボロと泣きじゃくりながら己を呼ぶハボックの耳を軽く噛んで、ロイはその耳に囁いた。 「正常位だと12kcalだがバックだと326kcalなんだ」 「え……?なに……、ッッ、ヒャアアンッッ!!」 ガツンと感じる部分を抉られて、ハボックは背を仰け反らせて嬌声を上げる。 「お前のイイところを見つけると92kcal」 「な……なに言って……ッ、ヒィッ!!やめ……ッ!ヤアッ!アアアッ!!」 ロイの言うことを理解しようとするものの、そのたびにきつく突き上げられて思考が霧散する。もう、なにも考えることが出来ずハボックはロイに攻められ高みへと追い上げられていった。 「だ、め……ッ!イくっ、大佐ッ!」 甘い喘ぎ声の合間にハボックが訴える。その瞬間ロイの楔がガツンと最奥抉り、ハボックは高い嬌声と共に熱を吐き出した。 「アアアアアッッ!!」 背を弓なりに反らせ、咥えたロイをきゅうきゅうと締め付ける。そうすれば、キツい締め付けに堪えきれずロイが低く呻いてハボックの中に熱を吐き出した。 「……ッッ!!あ……ああ……ッ!!」 「……15kcal」 体の奥を灼かれてビクビクと震えるハボックの耳に低いロイの声が聞こえる。二人して詰めた息を一気に吐き出して、ロイとハボックはハアハアと息を弾ませてソファーに沈み込んだ。 「……ひでぇ、たいさ……ッ」 涙に滲んだ声でハボックがロイを詰る。全く押さえることの出来なかった声はおそらく部屋の外にだだ漏れだったろう。幾ら二人の関係を皆が知っているとはいえ、事の最中の声を聞かれるのは堪らなかった。 「も……抜いてっ」 「まだダメだ。二度目の勃起で36kcalだからな」 そう囁かれてハボックは目を丸くする。肩越しに圧し掛かってくる男を見上げてハボックは言った。 「さっきから数字言ってるの、なんスかっ?」 「消費カロリーだ。セックスをするとダイエットになるというの、お前知らんのか?」 「はあっ?」 なにを言っているのだとハボックが睨めばロイが答える。 「お前、私が太ったと言ったろう?なら私がダイエットするのにつき合え」 「つきあえって、セックスでダイエットなんて……アアッ!!」 言い終える前に繋がったまま強引に体を反されてハボックは悲鳴を上げる。ロイは、ハボックの脚を揃えるとそのままの状態で長身をソファーに押さえつけるようにして突き上げ始めた。 「ちょ……ッ、やっ、ヒッ……アッ!!」 こんな風に突き上げられたら与えられる衝撃を逃がす余裕がない。ガツガツと突き上げる動きがそのまま快感中枢を直撃するようで、ハボックは涙を零して喘いだ。 「やだァ……ッ!!大佐…ッ、嫌ッ!ヒゥッ!ンアアッ!!」 「このイタリアン・シャンデリアなら912kcalなんだ」 「ッッ!!馬鹿……ッッ!!」 正直ロイの消費カロリーよりも精神的なダメージも加わった自分の方が痩せるんじゃないか。ハボックの頭をそんな考えがよぎったが、それも束の間激しくなる突き上げにハボックは嬌声を上げ続けた。 「ヒッ!あんっ!たいさッ!やああんッッ!!」 容赦なく突き入れられてハボックは喘ぐ。ゾクゾクと背筋を快感が走り抜け、ハボックは一際甘い悲鳴を上げて熱を放った。 「ヤアアアアッッ!!」 「くぅ……ッ」 ハボックに少し遅れてロイも熱を放つ。最奥を濡らす熱にゾクゾクと身を震わせて、ハボックがロイにしがみついた時。 ダンッ!!と執務室の扉が外から思い切り殴られるのと同時に冷たい声が聞こえた。 「なにをしているんです、貴方たちは……ッ」 「ッッ?!うそっ、中尉ッ?」 「もうそんな時間かッ?」 氷点下の冷気を纏ったホークアイの声にロイとハボックはワタワタと起き上がる。少し乱暴に引き抜かれて零れそうになった悲鳴を必死に飲み込んで、始末も出来ないままボトムを身につけるハボックの耳にロイの声が聞こえた。 「彼女の父親がノックして慌てて着替えると1281kcal、妻だと3521kcal、中尉だともっと消費してそうだな」 身支度を整えながらここでシて正解だったと呟くロイの声に、ハボックの顔がみるみるうちに険しくなる。 「大佐の馬鹿ァッッ!!ド変態ッッ!!太ったっていうならオレがその腹、ナイフで削ってやるッッ!!」 「うわッ、馬鹿っ、やめろっ、ハボック!危ないじゃないかッ!!」 「いい加減にしなさいッッ!!」 その腹出せ、出さないで揉める二人の上に、執務室の扉を叩き開けたホークアイの銃弾が容赦なく降り注いだのだった。 2011/06/14 |
| いつも楽しいネタを教えて下さるSさんが「こんなサイトがあったよ」と教えてくださいましてね。エッチでこんなことするとどれくらいカロリーを消費するかって言う奴なんですが、面白かったので思わずネタにしてしまいました(笑)体位別だと正常位12kcal、69(寝)78kcal、69(立)112kcal、手押し車216kcal、バック326kcal、そしてイタリアン・シャンデリアはダントツ912kcalなんだそうな。しかし、イタリアン・シャンデリアってどんな体位?って思わず調べてみたところ、正常位で脚を開かない奴らしい……ヤリにくそう(爆)そして、ひと喘ぎするごとに3kcal、射精すると15kcal……ハボック、喘がされてイかされまくると結構なカロリー消費(笑)二度目の勃起は20代だと36kcalだけど30代は80kcal……大佐、微妙なところです(笑)ちなみにベッド外勃起は816kcalで普通にベッドでいちゃいちゃすると18kcalだそうなので、ベッド外で無理矢理だとそれだけで随分消費カロリーが違うようですよ(苦笑)しかし、これ、どうやってカロリー計算してるんだろう。その辺が一番気になったり(苦笑)相変わらず阿呆な話ですみません(汗) |