| 看病 |
| カーテンの隙間から差し込む光が目に入ってロイはベッドの中でもぞもぞと動いた。ふとベッドサイドの時計を見ると針は8時30分を少し過ぎた所だ。 「8時半っっ?!」 ガバリと飛び起きて時計を引っつかんで時間を確かめる。確かに間違いない。だが、ハボックに起こされた記憶はないし、ともかく、このままでは確実に遅刻だ。ロイは慌ててベッドから飛び起きると洗面所へと駆け込んだ。じゃばじゃばと顔を洗い身支度を整えていく。軍服の上着に袖を通しながらロイはふと眉を顰めた。 「ハボックのヤツ、どこにいるんだ?」 昨夜は「明日の訓練に差し支える」と騒ぐハボックを強引に説き伏せて(押し倒してともいう)、それでもロイにしては随分我慢して早めに放してやったのだが、今朝はもう起きたのだろうか、姿が見えない。というより、今更ながら耳をすませてみると、家の中ではロイ以外に物音を立てる気配がない。今日は特に早番とも聞いていないし、ロイに声もかけずに出かけるとも思えない。ロイは洗面所を出ると、足早に階下へと降りて行った。 「ハボック?」 キッチンを覗くが姿が見えない。ダイニングテーブルの上には用意途中の朝食が並べられていた。その様子にロイは不安を掻き立てられてハボックの姿を探す。 「ハボック!」 覗いたリビングのソファーの陰に金色の頭を見つけてロイは慌てて駆け寄った。 「ハボック!」 ソファーの足元にぐったりと座り込んだハボックの体を抱き起こし、ロイはその体を揺すった。 「ハボック、どうしたんだ?!」 ロイの声に薄っすらと目を開いたハボックは目の前のロイの姿を確認すると、にっこりと笑った。 「あ、おはようございます、大佐…」 「おはようじゃないだろうっ、一体どうし…」 そこまで言ってロイはハボックの体が異様に熱いことに気がついた。 「お前、熱があるぞ」 「朝起きたらなんかちょっとフラフラしたんスけど、すぐ治るかなと思って…。でも、あんまり目が回るからちょっと休もうって、ソファーのとこまで来たらすげーぐらぐらして…」 「当たり前だ、なんでこんなに熱があるのに起きてるんだ。とにかく、すぐベッドに…」 「熱?熱なんてあります?ちょっと体がぽかぽかしてフラフラするだけ…」 「それが熱があるというんだ」 ロイは舌打ちするとハボックの体を抱き上げた。くたりと頭をもたせかけてくる体を揺すり上げてロイはハボックを2階の寝室へと運んだ。そっとその体を下ろすと額に手を当てる。そこは酷く熱かった。チッと舌打ちして立ち上がろうとするロイの袖口をハボックが掴んだ。 「オレは大丈夫っスから、大佐、仕事行ってください…」 そう言って微かに笑うハボックをロイは睨みつけた。 「余計な気を使うな」 「でも…」 ロイはナイトテーブルの上の電話をとるとダイヤルを回し、名前とコードを告げると司令室に回線をつなげてもらう。 「中尉?私だ。悪いが今日、私とハボックは欠勤扱いにしてくれ。…理由?ハボックが酷い熱でな。一人にしておけん。 ああ。…急ぎの書類だけ後で誰かに持たせてくれ。…ああ、悪いな、頼むよ、中尉。それじゃ」 チン、と受話器を戻しハボックを見る。 「これでいいだろう?もう何も心配しなくていいから、休め」 「たいさ…っ」 責めるような目で見上げてくるハボックに苦笑して、ロイはハボックの髪をかき上げた。 「私が側にいたいんだ。だから気にするな」 そう言ってハボックの額にキスを落とすと、ロイは洗面所へ向かった。タオルを何枚かと洗面器を取り出し、冷蔵庫から出した氷をがらがらと洗面器にあけた。とりあえずそれをベッドサイドに運び、今度は水と解熱剤を持って再び寝室へと戻った。 「ハボック、着替えられるか?」 そう言って、ハボックの体を起こしてやり、朝起きたときに身に着けたと思しき軍服のズボンやシャツを脱がせるとパジャマを着せてやる。 「本当は腹になにかいれてから薬は飲んだほうがいいんだが」 そういうロイにハボックはロイの胸に頭をもたせ掛けて呟いた。 「とてもなんか食う気になれないっス…」 「だろうな」 ロイはハボックの口に薬を押し込むとグラスの水を口に含んだ。ハボックの顎を掴んで仰向かせると唇を合わせて水を流し込む。 「う…ん」 ハボックの喉がこくりと薬を飲み込んだのを確認すると、ロイはハボックの体をそっとベッドに横たえた。氷水で絞ったタオルを額にのせてやるとそっとその頬を撫でた。 「何かして欲しいことがあったら何でも言ってくれ」 ロイが言うとハボックはうっすらと目を開いて「すみません」と呟いた。そのまま目を閉じるハボックにロイは軽く口づけて部屋から出た。1階に下りると洗濯場に行き、洗濯機の中を覗く。するとそこには後は干せばいいだけの洗い終わった洗濯物が入っていた。 「やっぱり…」 熱があるのに一体何をやっていたんだと、多少ムカムカしながらロイは洗濯物を取り出して行く。庭に運んで一つ一つ干していき、終わる頃にはかなりウンザリしていた。 「アイツ、よくこんなこと毎日やってるな…」 家の中に入って中途半端にだしてあった食材をとりあえずしまい、ロイは椅子に座るとため息をついた。 「病人食ってなにを作ればいいんだ…?」 食欲がないとは言っていたが、少しでも口に出来る時に食べられるものを用意しておいた方がいいだろう。だが。 「どうしろというんだ…」 具合の悪いハボックに栄養のあるものを食べさせてやりたいのは山々だがいかんせん、ロイには料理の才がない。一人で暮らしていた頃はほとんど外食で済ませていたし、ハボックと暮らし始めてからは家事全般ハボックにまかせっきりだった。 「確か、昔ヒューズが置いてった料理本があったはずだが…」 ロイはキッチンの戸棚をかき回してみるがどこにも見当たらない。書斎だったかと書斎の本棚を探してみてもそれらしいものは見当たらなかった。ロイはため息をつくと、ハボックの様子を見に2階へと上がっていった。寝室の扉を開けるとハボックの荒い息遣いが聞こえた。ベッドに近寄って顔を覗き込むと、先ほどより赤みの増した顔に汗が酷く浮いている。ロイはタオルを絞ってざっと顔を拭ってやると、もう一度絞りなおして額に当てた。 「さっきより上がってるみたいだ…」 ロイが呟く声にハボックが目を開いた。 「たいさ…」 「大丈夫か?」 「みず…」 「待ってろ」 ロイは枕もとの水差しから水を注ぐと、ハボックの体を抱き起こし、口移しで飲ませた。ハボックの体をベッドに戻そうとするとハボックがしがみついてくる。 「ハボック?」 「そばに…」 「ちゃんといるから安心しろ」 そう言って寝かせてやろうとするがハボックはロイに縋りついたまま離れようとしなかった。ぎゅっとロイの首に腕を回したハボックの背中をぽんぽんと叩いてやりながらロイはハボックに囁いた。 「大丈夫だ、ここにいる」 そう言ってハボックの体を横たえると見上げてくるハボックと視線があってどきりとした。熱の為に上気した肌や潤んだ瞳はまるで抱いている時のハボックのようで、ロイは思わずくらりとくる自分を叱咤する。 (何を考えているんだ、私はっ、コイツは熱があるだけなんだ!) 「たいさ…」 ぼんやりと潤んだ瞳で見つめながら舌足らずな言葉で自分を呼ぶハボックにロイはほとんど切れそうになる自制心を必死に手繰り寄せた。伸ばしてくる手を握ってやりながらロイはハボックは病気だと自分に言い聞かせていた。 (くっそーっ、理性を試されている気分だ…っ) 「たいさ…」 「…なんだ?」 「すっげさむい…ていうか、ぞくぞくする…」 「熱が上がってるんだ。苦しいのか?」 問われてハボックはゆっくりと首を振った。腕を伸ばして覗き込むロイの首に手を回しロイを引き寄せようとする。ロイはハボックの頭の横に手を付いて、倒れそうになる体を支えた。 「ハボック」 「そばにきて、たいさ…さむ…」 ロイは少し迷ってからハボックの隣に滑り込んでその体をそっと抱きしめた。ハボックはホッと息を吐いてロイの胸に顔を寄せると目を閉じた。ロイは微かに震える熱い体を抱きしめて理性と戦っていた。眉間に皺を寄せて、熱い息を弾ませるハボックは病気だとわかっていてもあまりに艶っぽくて、思わずその唇を奪ってしまいたくなる。しかも、寒気がする所為だろう、少しでも距離をおきたいロイにハボックの方から擦り寄ってくるので、ロイの理性は今にも焼け切れそうだった。 (私も大概酷い男だとは思うが、ここでキレたらそれこそケダモノだな…) ロイは大きく深呼吸してそう考えた。それでも、ハボックの体を抱きながらいつのまにかうとうとしていたようで、どれ位時間が過ぎたのだろう、ロイは玄関のチャイムがなる音でハッと目を覚ました。いつから鳴っていたのか判らないが、ロイはハボックの腕をそっと外すと急いで階下へと下りて行った。誰何の声に玄関の外から返ってきたのはホークアイの声だった。 「中尉?!」 慌てて扉を開けると、そこに立っていたのは書類ケースと紙袋を抱えたホークアイだった。 「なかなかお出にならないので帰ろうかと思っていたところでした」 玄関の扉をくぐりながらそういうホークアイにロイは苦笑して 「すまなかったな、ちょっとうとうとしてた」 と答えて 「まさか中尉が来るとは思わなかったよ」 と続けた。 「きっと病人食が作れずに困っていらっしゃると思いましたので」 そう言うホークアイの顔を、ロイはまじまじと見つめた。 「キッチンをお借りできればスープをお作りしますが」 鳶色の瞳に優しい光を湛えているホークアイにロイは微笑んで言った。 「助かるよ、中尉」 「急いで作ってしまいますので、その間に書類に目を通してサインをいただけますか?」 ホークアイは書類ケースをロイに渡し、自分は案内されたキッチンへと入りながら言う。ロイは頷いてダイニングのテーブルに座ると、書類を広げた。 「少尉の具合は如何ですか?」 ホークアイは手早く材料を用意しながらロイに聞いた。 「今が一番酷い感じだ。かなり熱が高いな」 「あまり病気と縁のない人だからシンドイでしょうね」 「ああ」 ため息混じりに答えるロイを見やってホークアイは微かに笑った。 暫くして、ロイがペンを置くのと、ホークアイが鍋に蓋をするのがほぼ同時だった。 「もう少し煮込んだ方がよいので、このまま少し置いていただけますか?」 手を拭きながらそう言うホークアイにロイは答えた。 「有難う、中尉。本当に助かったよ」 「いいえ、少尉のことは私も心配でしたから」 そう言ってロイが差し出す書類ケースを受け取る。 「何かお手伝いできることがあればなんなりと仰ってください」 「ああ、ありがとう」 お大事にと帰っていくホークアイを見送って、ロイは玄関の扉を閉めるとホッと息をついた。キッチンに戻り、鍋の中を覗くとおいしそうな野菜スープがことことと音を立てていた。その時、ガタンっと音がして、ロイは慌ててダイニングの方へと顔を出す。 「ハボック!」 ダイニングの扉の辺りで蹲るハボックを見つけ駆け寄った。 「何やってるんだっ」 ハボックの体を抱き起こしその顔を覗き込む。 「たいさ、いなかったから…」 ロイはハボックの髪をかき上げてやりながら言った。 「中尉が書類を持って来ていたんだ。お前のためにと言ってスープを作っていってくれたよ」 少し食べるか、と聞くがハボックは小さく首を振った。ロイは急いで鍋の火を消してくると、ハボックの体を抱き上げる。ベッドへ下ろそうとするとまたもやしがみ付いて離れないハボックにロイはため息をついた。 「ハボック、そんなにしがみ付かなくても側にいるから」 きゅっと首に回した手を引き寄せてハボックが唇を寄せて来るに至って、ロイはギョッとしてハボックを引き離した。 「おま…っ、何して…っ」 「からだがあつくって…」 「熱があるからだ。とにかく大人しく寝て…っ」 荒い息を吐きながら体を寄せてくるハボックにロイは必死に踏みとどまった。 「くっそーーっっ」 ハボックの体を引き剥がしながらロイは泣きたくなった。 「元気な時には絶対こんなことして来ないくせにっ、たく、コイツはっっ!」 元気であれば一も二も無くおいしくいただいてしまうのに、とヘンなところで常識を捨てきれない自分を呪いつつハボックをベッドへ下ろす。 「起き上がったついでに一度パジャマを変えたほうがいいだろうな…」 そう呟いてロイは、新しいパジャマとタオルと熱い湯を張った桶を持ってきた。 「ハボック、着替えるぞ」 パジャマのボタンを外し手早く脱がせ、熱い湯で絞ったタオルで汗に濡れた体を拭いてやる。極めて事務的に手を動かしていたつもりのロイだったが。 「ん…ふ…っ」 ハボックの唇から零れた声に思わず桶をひっくり返しそうになった。2、3度大きく深呼吸して、作業を続ける。新しいパジャマを着せてハボックの体をベッドへ横たえると、はああ、と大きくため息をついた。恨めしげにハボックを見ればいつの間にか眠ってしまったようだった。ベッドの淵に頭を持たれかけるとロイは呟いた。 「1年分の理性を使い果たした気がする…」 精神的に疲れきってしまったロイはそのままいつの間にやら眠りに落ちて行った。 「大佐、大佐ってば」 ロイは軽く揺さぶられて目を覚ました。がばっと顔を上げるとベッドの上で自分を見下ろすハボックと目があった。 「お前…」 「すみません、オレ…」 「もう大丈夫なのか?」 ロイは立ち上がるとハボックの髪をかき上げ額に手を当てる。そこはまだ少し熱いものの先ほど迄の焼けるような熱さはなくなっていた。 「だいぶ下がったようだな」 ロイはホッと息をつくとハボックを見つめた。 「すみません、何か、迷惑かけちゃったみたいで…」 「たまにはいいさ」 恐縮するハボックにロイは笑った。 「中尉が作ってくれたスープがあるんだが、食べるか?」 「中尉、来たんですか?」 さっき言ったことは熱にうかされたハボックには届いていなかったようだ。 「ちょっと鍋を覗いてみたが美味そうだったぞ」 「じゃあ、ちょっと貰おうかな」 そう言ってベッドから降りるハボックの肩にカーディガンをかけてやった。ダイニングに下りてくるとロイは鍋に火をつける。スプーンやら皿やらを出すロイをハボックは椅子に座って面白そうに見ていた。 「大佐がそんなことしてんのって、なんか新鮮っスね」 ハボックはそう言って窓の外へ視線を向けると目を丸くする。 「…洗濯物、干してくれたんだ…」 酷く意外そうに言うハボックにロイはちょっとムッとして答えた。 「私だってやる時はやるんだ」 そう言うロイにハボックは笑って、たまには病気しようかな、などと言う。ロイは思い切り顔を顰めながらスープをよそった。熱々のスープを前にハボックはいただきますと言ってスプーンを手に取る。一口食べてちょっと目を瞠るとがつがつとあっという間に食べてしまった。 「おい…」 その様子にまだ殆んど手付かずの皿を前にロイはあきれて言葉もなかった。 「だって、美味いんですもん」 「だからって、大丈夫なのか?」 「も、平気、平気」 ハボックは笑っておかわりと皿を出す。ロイは苦笑しながら席を立つとスープをついでやった。 「その調子なら大丈夫そうだな」 「朝まで寝たら完璧ですよ」 今度はゆっくり食べるハボックと一緒にロイもスプーンを口に運ぶ。食事を済ますとロイは食器を流しに運んだ。2階に上がるハボックについて行くと一緒に寝室に入った。ベッドに横になるハボックを見下ろすとその髪をかき上げる。 「たいさ」 ハボックの腕が伸びてきてロイを引き寄せるとその頬に軽くキスをした。 「迷惑かけてごめんなさい」 そう言うハボックを妙に真剣な表情で見下ろすロイにハボックは首を傾げた。 「たいさ…?」 「拙いな、ハボック」 「え?」 「今ので限界値を超えた」 「は?」 「お前のせいだからな」 そう言ってロイはハボックを押さえつけた。 「えっ、ちょっ、待ってください、たいさっ」 「待てんな」 「だって、オレまだ治ってませ…」 「朝まで寝たら完璧なんだろう?」 「寝たらって眠ったらってことっスよっ!」 「同じことだ」 「全然ちがいますってっ、ちょっと、オレの話、聞いてます?!」 「聞こえんな」 ぐちゃぐちゃ文句を言う唇をロイは強引に塞ぐ。 「んっ、…ん〜っ」 ハボックの体から力が抜けるまでロイはハボックの口中を思うまま蹂躙する。やがてくたりと力の抜けたハボックから顔を上げると言ってのけた。 「大体、私がどれほど我慢してやったと思ってるんだ」 「我慢?」 「お前、散々私のことを煽ったろうが」 「はあっ?」 「熱に潤んだ瞳で見上げてきたり、荒い息はいて擦り寄ってきたり」 「それって単に熱があっただけなんじゃ…」 「眉間にしわ寄せて色っぽいため息ついたり」 「知りませんよ、そんなことっ」 「とにかく私の理性は限界だったんだ」 それをあんなに可愛く頬にキスしてきたりするから、と言ってロイはシャツの中へ手を忍ばせる。 「だからって、ちょっと、たい、さ…っ」 乳首をくっと摘まれて言葉が跳ねる。ハボックはなんとかロイの腕から逃れようとするが、病み上がりの体は大して力が入らなかった。それをいいことにロイはハボックのシャツを捲くり上げその肌に唇を寄せる。ところどころ強く吸上げながら指先では堅く尖った乳首を玩んだ。 「やぁっ、は、たいさ…っ」 まだいつもより若干熱い体は普段より感じやすくなっているようで、ハボックはわずかな刺激にも跳ね上がる体をどうすることも出来なかった。ズボンと下着を剥ぎ取られ、ろくに抵抗もできないまま脚を大きく開かされる。 「やっ、やだっ、やめ…っ」 ロイの目の前に恥ずかしい部分を晒されてハボックは身を捩った。ロイはハボックの双丘を押し開くように親指を入れると尖らせた舌を差し込んだ。 「ひ…っ」 ぴちゃぴちゃと音を立てて嘗め回せば、立ち上がったハボック自身からとろとろと蜜が零れ出た。舌を這わせながら片手で蜜を零すソレをぐちぐちと扱いてやる。 「いやぁ…っ、や、だぁ…っ」 腰をくねらせて逃れようとするハボックを押さえつけて尚も前と後ろを攻め続ければ、ついに耐えられなくなったハボックは反り返った自身からびゅるびゅると熱を吐き出した。ハボックの吐き出したものを蕾にすりつけ、ロイはつぷりと指を差し込む。びくんと跳ね上がる体を楽しげに見つめながら、ロイはぐちゃぐちゃとかき回した。 「あっ、ああっ、た…さっ、も、やめ…っ」 ハボックはびくびくと体を震わせながらロイに請う。だがロイは楽しむようにハボックの蕾を弄り続けた。何度も奥まった部分を突かれて、ハボックは再び熱を吐き出してしまう。ハボックは指だけで何度もイかされることに耐えかねてぽろぽろと涙を零した。 「う…、くぅ…」 顔を腕で覆って泣くハボックにロイは流石に可哀想になってハボックの下肢から手を離した。そうしてハボックの腕を外させると優しく口付ける。 「すまない、お前があんまり可愛く啼くから…」 そういうロイを睨みつけてくるハボックは涙を薄っすらと浮かべた目元を赤く染めていて、それを目にしたロイはまた煽られてしまう。噛み付くようにキスをするとハボックの脚を抱え上げ、取り出した自身で一気に貫いた。 「あああああっっ」 喉を仰け反らせて喘ぐハボックを引き戻しその唇を塞ぐ。ロイはハボックの脚を押し開くようにして、ハボックを激しく突き上げた。 「ふっ、う…っ、んん…っ」 声を上げることを封じられて、ハボックは苦しげにロイの背をかき抱く。熱い塊に深く身のうちを抉られてハボックは脳天まで突き抜ける快感にびくびくと体を震わせた。与えられる快感に心も体もを支配されてハボックは何も考えられなくなって行く。ロイが望むままに体をくねらせ、含んだロイをいやらしく締め付けた。いつになく激しく乱れるハボックにロイは満足げな笑みを刷いてハボックを攻め続けた。何度もロイの精を注ぎ込まれ、訳がわからなくなるほどイかされて、ハボックは気を失うように意識を手放した。 翌朝。 「眩暈がするっス…」 ぐったりとベッドに沈み込んだままそう呟くハボックの額に手を当てれば、その手を通してかなりの熱さをロイに伝えてきた。恨めしげに見上げてくる視線から目を逸らしてロイはもごもごと口ごもった。 「ちゃんと看病してやるから」 ロイがそう言えば、 「アンタには看病して欲しくありません」 冷たく言い放たれてしまう。 「も、出てってください…」 そう言って頭まで毛布を被ってしまうハボックを、しかしそのまま放っておくわけに行かず、ロイは電話へと手を伸ばしたのだった。 2006/7/20 |
結局のところロイはケダモノだって話…。 |