想想抱占、抱被占  後編


 降りしきる雨の中をハボックの手を引いて家に戻ってくるとロイは玄関の扉をあける。全身ずぶ濡れの体で入っていいものかと躊躇するハボックにロイは言った。
「いいから、そのまま浴室まで行きなさい。脱衣所じゃなくて中まで入ってから脱いだ方がいい」
 言われてハボックは頷くと、なるべく水を撒き散らさないようにして浴室へと入っていく。ロイはセントラルヒーティングのスイッチを入れるとハボックの後を追って浴室へと入った。中へ入ると濡れた服が脱げずにもがいていたハボックがギョッとしたようにロイを見る。
「えっ、大佐も一緒に入るのっ?」
「待ってたら風邪をひくだろうが」
 ロイはそう答えて湯船に湯を張るべく蛇口を捻る。
「え、あ、じゃあ、オレが後から入るから…」
 そう言って慌てて出て行こうとするハボックの腕をロイは掴んだ。
「そうしたらお前が風邪をひくだろう。男同士なんだから恥ずかしがることないじゃないか」
 ロイはそう言ってさっさと服を脱いでしまう。ハボックはどうしてよいか判らずにおろおろと視線を彷徨わせていたが、結局は諦めて服に手をかけた。が。
「ぬ、脱げない…っ」
 雨でべっとり張り付いたシャツの裾を捲り上げて万歳の要領で脱ごうとしたものの、濡れたシャツが上手く頭から抜けてくれない。もがもがともがくハボックをロイはおかしそうに見つめていたが、流石に見ていられずに手を貸した。
「ほら」
 ぐいっと引っ張ってやればようやく抜けたシャツから顔を出してハボックが大袈裟なため息をつく。シャツに擦れて紅くなった首筋にぞくりとして、ロイはつと視線を逸らした。そんなロイに気がつかず、ハボックはなんとかズボンも脱ぎ捨てるとホッと息を吐く。その吐息に視線を戻したロイはすんなりと伸びたハボックの体を眩しそうに見つめた。
「随分大きくなったな」
 そう言って優しく見つめてくる黒い瞳にハボックは魅入られたように身動きできなくなる。
「初めて会ったときはまだこんなに小さかったのに…。きっとあっという間に私より大きくなるな」
「そんなことないよっ」
 ロイの言葉にハボックは思わず大きな声を上げていた。
「オレ、大佐より大きくなんてならないもんっ!」
「どうして?大きくなりたくないのか?」
 突然大声を上げたハボックを面白そうに見つめながらロイが聞く。
「大佐より大きくなんてならないよ、だって…っ」
「だって?」
 言葉尻を捉えて繰り返されて、ハボックは何と答えてよいか判らずに俯いた。ロイはそんなハボックをじっと見つめていたがハボックの肩から腕にかけてそっと触れながら言う。
「お前は私より大きくなるよ。私だってそれなりに鍛えてはいるが人種が違うからな。お前は私より縦も横もずっと大きくなりそうだ」
「やだ、そんなの…」
 泣きそうな声でそう言うハボックをロイは面白そうに見る。
「どうして?おかしなヤツだな」
 ロイはそう言うとハボックから手を離してシャワーを捻った。どぼどぼと湯船に湯が入っていく音とロイが出すシャワーの音の中、ハボックはじっとロイを見つめる。曝された肌の中で筋肉がうねるのを見るうちトクリと心臓がなるのに気づいて、ハボックはもぞと腰を揺らめかせた。
「ハボック、ほら、こっちにおいで。早くかからないと風邪をひくぞ」
 そう言って、温度の調節をしたシャワーを手にしたロイが椅子に腰かけたままハボックを見る。その黒い瞳にぞくりとしてハボックは股間を押し隠すようにして身を引いた。
「オレっ、やっぱり後で入るっ」
「ハボック?」
 そう言って浴室から出て行こうとするハボックの腕をロイが引く。短い悲鳴を上げて体を二つに折り曲げるハボックの様子に、ロイは一瞬驚いたように目を見開いたが、次の瞬間薄っすらと微笑んだ。
「ハボック」
 呼ばれてびくりと震えるハボックの体をロイは引き起こそうとする。
「やっ」
 小さく叫んで益々身を縮めこませるハボックにロイが言った。
「ハボック、体を起こしなさい」
 ロイの言葉に嫌々と頭を振るハボックの名をロイがキツイ声で呼ぶ。
「ハボック」
 苛立ちを含んだようなその声に、ハボックはぎゅっと目を瞑るとゆっくりと体を起こした。股間を隠す様に前に宛てられた手を、ロイがそっとどける。曝されたソコは熱を持ち始めて半ば勃ちあがっていた。
「ご、ごめんなさい…っ」
 そう言った途端、ハボックの目からぽろぽろと涙が零れ落ちる。
「どうして謝る?」
「だって…っ」
 ハボックはロイに両手を取られて隠すことのできないソコを、少しでもロイの目に曝さぬように腰を引いて答えた。
「だって…イヤでしょう、たいさ。…たいさのこと見てこんなにして…。たいさは女の人がすきなのに…」
 気持ちわるいでしょう、と泣きながら言うハボックにロイは笑う。
「気持ちわるいなんてこと、あるわけないだろう」
 ロイはそう言うとハボックの顔を覗き込んだ。
「さっき言ったことを聞いてなかったのか?大好きだと言っただろう?」
「でも…っ」
 泣きながら首を振るハボックにロイはくすりと笑うと言う。
「じゃあいい方を変えよう」
 そうしてハボックの顔を下から見上げるようにして言葉を続けた。
「愛しているよ、ハボック」
 その言葉に目を瞠るハボックの腰を引き寄せると、ロイは目の前の昂りを口に含んだ。
「ひっ…たいさっ?!」
 突然昂る自身を咥えられてハボックは悲鳴を上げる。逃げようとする腰を後ろからガッチリ掴んで、ロイはハボック自身をじゅぶじゅぶとしゃぶった。
「あっ…やっ…やだっ」
 ハボックは必死にロイの髪を掴んで引き剥がそうとするが、瞬く間に追い上げられてろくに力を入れることも出来なかった。
「あっ…やっ…で、ちゃうっ」
 びくびくと体を震わせていたハボックだったが、きつく吸い上げられて耐え切れずに熱を放ってしまう。口に吐き出された熱を全て飲み込んでしまうロイにハボックの顔が瞬く間に真っ赤に染まった。
「のっ、飲ん…っ」
 あまりのことにまともに口も聞けないハボックにくすりと笑うとロイは立ち上がる。金色の髪に指を差し入れるとにんまりと笑った。
「お前のだからな」
 美味しかった、と耳元で囁かれてハボックは顔から火が噴き出そうだった。だが、次の瞬間体を寄せてきたロイのソコが熱く滾っている事に気がついてぎょっとする。ハッとしてロイを見上げれば、ロイが熱のこもった視線でハボックを見下ろしていた。
「私も同じなんだよ、ハボック。お前の姿に欲情してる」
 そう言われてハボックは視線を落としてそそり立つロイ自身を見た。自分のものよりもかなり大きく色も濃いそれにごくりと唾を飲み込むとそっと触れてみる。
「熱い…」
 脈打つそれに驚いたように手を引っ込めたが、ハボックはごくりと唾を飲み込むと跪いて唇を寄せた。
「ハボックっ」
 何をしようとしているかに気づいたロイが慌てて体を引こうとする。だが、ハボックはロイの脚にしがみつく様に顔を寄せると言った。
「オレも大佐にしてあげたいっ…たいさのこと気持ちよくさせてあげたい…っ」
 そう言って必死に見上げてくるハボックの瞳に、ロイは一つ息をついて言う。
「ムリしなくていいから」
 ハボックは頷くと愛しそうにロイ自身をそっと両手で覆う。ゆっくりと唇を近づけると先端にチュッと口付けた。それから舌を出して先端をぺろりと舐める。唇を開いて先の方をそっと咥えればロイが息を飲む気配がした。
「ん…」
 初めての事にどうしてよいか判らないまま、ハボック必死にロイのものを吸ったりしゃぶったりしてみる。荒い息を零しながら懸命に己のものを咥えるハボックの姿にロイはごくりと唾を飲み込んだ。思わず激しく突き入れたくなる気持ちを必死に押さえ込む。ロイは熱い吐息を零すとハボックの頭を押さえてその唇の中から己を引き抜いた。
「気持ちよくなかった…?」
 途中で中断されて、ハボックが不安げに見上げてくる。ロイはくすりと笑うとハボックを立たせた。
「違う、その逆だ。このままじゃイキそうだからな」
「いいのに…。オレだって大佐の」
 飲みたい、と強請るように言われてロイは目の前が真っ赤になる。ハボックの両肩を掴むと俯いてはああと大きなため息を零した。
「たいさ…?」
「まったく、お前は…」
 ハボックはロイの様子に呆れられたのだと思って唇を噛み締める。
「ご、ごめ…」
「煽るな」
「…え?」
 不思議そうな顔をするハボックを見下ろして片手で顔を覆ってロイは言った。
「煽るな、止まらなくなるだろう」
 参ったと言うように視線を彷徨わせるロイにハボックはしがみ付く。
「止まんなくていいよ。オレ、たいさになら何されてもいい…っ」
「…っ!」
 ぎゅうとしがみ付かれてロイはもう我慢が出来なかった。ハボックの顎をすくい上げると噛み付くように口付ける。
「んんっっ」
 唇を塞がれて息苦しさに開いたそこにロイの舌が押し入ってくる。舌を絡め取られ口内を弄られて、ハボックががくがくと体を震わせた。唇を離した時にはくたんと寄りかかってくる体をそっと抱きしめて、ロイはうっすらと笑う。気がつけば湯船からあふれ出していた湯を止めて、ロイはハボックの手を引いた。
「おいで」
 湯船に体を沈めてハボックを呼ぶ。ハボックは恥ずかしそうに、それでも導かれるままに湯船に入るとロイと向かい合って腰を下ろした。
「ハボック…」
 そっと引き寄せられて唇を合わせる。くちゅ、と音を立てて舌を絡ませ互いの口中を貪った。
「んふ…ん…んく…」
 無意識に零れる甘い吐息に気づいて、ハボックは紅くなる。それでも自らロイの頭に手を回すと更に深く口付けた。ロイの舌がハボックの歯列をなぞり舌の裏をくすぐる。動き回るそれが口内を弄る度ぞくぞくと背筋を快感が駆け抜けた。唇を離したロイがハボックの肩口を軽く噛む。
「ひっあっ」
 ぞくんと体が震えてハボックはロイにしがみ付いた。ロイはそんなハボックにくすりと笑うとハボックの胸へと指を這わせる。尖った乳首をきゅっと摘めばハボックがびくぅと背を仰け反らせた。
「やんっ…や、あっ」
 くりくりとこね回されてハボックは嫌々と首を振ってロイの手から逃れようとする。ざばりと湯を跳ね上げて逃げる体をロイは笑って引き戻した。
「こら、逃げるな」
「あんっ…だって…っ」
 胸を弄られてこんなに感じてしまうなんて。女みたいだとハボックは恥ずかしくて仕方なかった。立ち上がって逃げようとするハボックの体を引き寄せると、ロイはぷくりと立ち上がった乳首に舌を絡ませた。
「やっ、いやっ」
 ねっとりと舐め回されてハボックはロイを引き離そうともがく。そんなハボックを見上げて唇を寄せたままロイが言った。
「イヤならやめるが」
 笑いを含んだ艶やかな黒い瞳にハボックはごくりと唾を飲む。切なそうに目を細めるとロイの頭をかき抱いた。
「やめちゃヤダ…」
 甘えるような声にロイがくすくすと笑う。その振動がダイレクトに乳首に伝わってハボックは熱い吐息を零した。
「たいさぁ…」
 ぱちゃんと音を立ててハボックが悶える。ロイはその様子にもう堪らなくなってハボックの双丘を押し開いた。暖かな湯の中でロイの指がハボックの蕾に潜り込んでくる。初めての感触にハボックはロイの頭にしがみ付いた。
「あっ…ああっ」
「ハボック…」
「あっやっ…お湯が、はいって…っ」
 ロイの指が蕾をかき回すたび湯が熱い中に流れ込んでくる。ハボックは怯えてぎゅっとロイの頭を抱きしめた。
「ぶっ」
 ハボックの白い腹に顔を押し付けられて、息苦しさにロイがもがく。顔の向きを変えてなんとか空気を吸い込むと笑いながらハボックを呼んだ。
「私を殺す気か?」
「あっだって…っ」
 止めどなく湯が入ってきそうでとんでもなく不安なのだ。ハボックはロイの頭を抱きしめて言った。
「お湯…っ入ってきて…っ」
 ロイは真っ赤になってそう訴えるハボックを楽しそうに見上げるとにんまりと笑って言う。
「塞いでやろうか?」
「え?」
 ポカンとするハボックの腰をグッと引き寄せて、ロイは滾る自身を押し当てた。柔らかく解れたそこに先端を当てるとぐいとハボックの体を引き下ろす。
「ひっ…あっ?!」
 途端に強張る体をロイは半ば強引に押し開いた。
「あっ…ひぃっ」
 痛みに震えるハボックの指がロイの肩に食い込む。がくがくと震える体を宥めるように擦ってロイは言った。
「力をぬけ、ハボック」
「ひあっ…あっやっ」
 ロイは逃げるハボックの体を引き寄せて乳首に舌を這わせる。ぴくんと震える体を抱きしめてねっとりと舐めあげた。快感に震える体をゆっくりと貫いていく。ようやく根元まで埋め込んで、ロイはハボックをそっと抱きしめた。
「ハボック…」
 濡れた金色の髪を撫でながらロイはハボックの顔にキスの雨を降らせる。
「つらいか…?」
 そう囁かれてハボックはゆるゆると首を振った。
「たいさ…好き…」
 吐息とともに吐き出される言葉にハボックを貫くロイがぐぐっと嵩を増す。押し開かれる感触にハボックが喘いだ。
「あっ…なっ…おっき…?!」
「わるい…抑えがききそうにない…」
 ロイはそう言うとぐっとハボックを突き上げる。
「えっ?…あっ、アアアッ」
 ざぶざぶと湯を乱しながらロイはハボックを揺さぶる。浮力で浮き上がる体を引き戻されると同時に突き上げられてハボックは悲鳴を上げた。
「ああっ…あんっ…あ、ひぃっ」
 痛いばかりだった筈の行為がいつしか快感を生み出していく。ハボックはロイに揺すりあげられるままに嬌声をあげた。
「たいさぁ…ああんっ…ああっ」
「ハボック…っ」
 ぐっと突き上げればハボックがどくんと湯の中に熱を吐き出す。快楽に震える体を容赦なく抉れば、ハボックは啼きながら身悶えた。
「あひ…たい、さっ…も、ヘンになる…っ」
 今まで感じたことのない快感に身も心も支配されてハボックが震える。ロイはハボックの頭を引き寄せると唇をあわせながらその最奥へと熱を叩きつけた。

「大丈夫か?」
 初めての行為と温かな湯にすっかりのぼせ上がってしまったハボックの体をベッドに横たえてロイが聞く。
「ごめんなさい…」
 恥ずかしさと情けなさで消え入りそうな声でそう言うハボックの額にロイはそっと口付けた。
「ムリをさせた」
 そう言われてハボックがふるふると首をふる。そうして伸ばしてくる腕に誘われるままにロイはハボックに体を寄せた。
「オレ、ずっとたいさの側にいていい…?」
「今更何を言ってるんだ」
 くすりと笑ってロイはハボックの髪をかき上げる。
「イヤだといっても離さないからな」
 そう囁く黒い瞳に、ハボックは嬉しそうに笑った。


2007/5/16



日記掲載の「スキンシップ」の続きです〜。やっぱりエロ書きの私としては書かない訳にはいきませんでしたよorz。結局、というかやっぱり子ハボ、食われましたね(汗)。タイトルは「抱きしめたい、抱きしめられたい」をそのまま中国語翻訳にかけたものです。暫くpearlに話をupしていなかったら、漢字タイトルというお約束を忘れてました(苦笑)日記のままスキンシップを中国語訳かけたら「母子感情」ですって!母子って…。いくらなんでもそれではあんまりなので(苦笑)いつもタイトルには苦労させられます…。