act.13  tongue3


「中佐、大佐ってオレのこと嫌いなんですかね…」
 休憩所のソファーに座ってそう呟くハボックにヒューズは肩を竦めた。
「さあなー。でも気に入らないヤツを側近に置いとくようなヤツじゃないと思うぜ」
「だって、すぐ、オレのことからかって反応楽しむようなことするし…」
 がっかりとうな垂れるハボックに、ヒューズは立ち上がりながら言った。
「ま、そんなに悩むほどのことでもないだろ。ともかくオレはロイのブリザードが吹き止むまで他んとこ回ってくるわ」
 じゃな、とハボックの悩みなど歯牙にもかけず、軽快に歩み去ってしまうヒューズをハボックは恨めしげに見送った。
「あ〜あ…オレ、大佐のこと、怒らせてばっか…」
 ずっとずっと好きで役に立ちたくて頑張ってきたが、ここのところどうにもロイを不機嫌にさせることしかしていないような
気がする。
「さっきも大佐が言ったこと、出来なかったし…」
 ハボックはそう考えて、思わず舌を差し出してきたロイの表情を思い出して慌てて首を振った。
「でも、あれってヘタしたらキス…」
 そう思うと自然と緩む顔を、ハボックは慌ててぺちぺちと叩いた。
「何考えてんの、オレ。大佐はそんなことちっとも考えてないのに」
 はああ、とため息をつくとハボックはぼうっと宙を見上げた。
「キス…したいなー…」
 そう呟くと目を閉じてロイを思い浮かべる。それからはああああと長いため息をつくとうな垂れた。
「ダメ、高嶺の花だもん」
 そう囁くとハボックは自分の膝の上で頭を抱え込んだ。


2007/1/24