act.14  good figure



「ちょっと、アンタ、それ、どうしたんスかっ!」
 執務室に入るなりロイを見てそう言ったハボックにロイは怪訝そうな顔をする。
「それ?」
「オーバースカートっスよっ!」
 首を傾げるロイにハボックが大声を上げる。
「なんでつけてないんスかっ?」
 そう聞かれてロイはああ、と答えた。
「さっきコーヒーを零してしまってな。場所が微妙だったんで外したんだ」
 茶色い染みだと微妙なところってあるだろ、とまじめな顔をして言うロイにハボックは脱力する。汚したと言うなら仕方がないが、しかし、とハボックは思った。
(なんつーか、目の毒…)
 オーバースカートを外したロイはその細い綺麗なシルエットが丸判りだ。抱きしめたくなるような腰つきにハボックは視線を彷徨わせた。
「ハボック、次はA6会議室で会議だったな」
 資料を持ってついてきてくれと言うロイにハボックは軽く首を振ると慌てて執務室を出て行くロイの後を追う。ファイルの山を一抱え持って、ハボックはロイが階段を上がりかけた所で追いついた。ホッと息をついて何気なく顔を上げたハボックの目の前には。
 形の良いロイのお尻が揺れていた。
「―――」
 目を見開いたまま、逸らすこともできずにロイの後について機械的に階段を登っていたハボックだったが。
「おっと」
 階段に足を引っ掛けたロイが慌てて手をついた拍子に突き出した尻に。
 ボスン。
 見事に顔を打ち付けていた。
 「あっ…ごめ、ハボック…?」
慌てて振り向いたロイの目に空色の目を見開いたままふわあっと後ろに倒れていくハボックの姿が映り。
「えっ、ちょ、ハボっ!」
 慌てて伸ばしたロイの腕も間に合わず、ハボックは凄まじい音を立ててファイルを撒き散らしながら階段を落ちていったのだった。


2007/2/23