whatever you do



「と、いうわけでね、君、キンメル大佐のとこ行ってくれる?」
「…は?」
 ロイがセントラルに出張で留守のある日、将軍に呼び出されたハボックが一体何事かと将軍の部屋に赴いた所、掛けられた言葉は全く想像もしていないものだった。
「向こうもちょっと急いでるらしいんだよね。そうでなければこんな強引なことは言ってこないと思うんだけど」
「ちょ、ちょっと待ってください。それ、大佐…マスタング大佐は了承してるんスかっ?」
「うん、彼なら大丈夫。だからとりあえず身の回りのものだけ持ってすぐ出発して欲しいんだ。頼むよ」
 将軍はあっけにとられるハボックを尻目にいつもの調子でのらりくらりと話を進めた。
「大丈夫って…マスタング大佐が了承したってことっスか…」
 ハボックは突然ふって沸いた異動の話よりなにより、ロイがこの人事を了承したらしいということに酷くショックを受けたのだった。


 がさがさと荷物を纏めるハボックの向かいの席でブレダが信じられないという顔をしてハボックに言葉をかける。
「おい、本当に大佐がOK出したのかよ」
「知るかよ、将軍がそういうんだからそうなんだろ」
 ブレダが言うのにハボックは苛々と答えた。
「なぁ、大佐が帰ってくるのを待ってからの方が良いんじゃないのか?」
「…急ぎなんだってよ」
 ハボックはブレダに答えながらも、その気持ちはもうぐちゃぐちゃだった。大佐が目指すものの為に自分も出来る限り役に立ちたいとそう考えて、ずっと付いてきた。これからも付いていくつもりだった。それなのに、突然、こんな形で放り出されるなんて考えてもみなかった。それも、直接言われるのならともかく、出張に行ってる間にだなんてまるでもう顔を見るのも嫌みたいではないか。出張へ出る前の晩、一緒に過ごした時のロイはなんら変わらないように見えた。だがあれも最後のお情けだったのかと思うとハボックは情けなくて涙が出そうだった。
「じゃあな、ブレダ。お前とは長い付き合いだったけど、これでもうお互い顔つき合わさなくてすむな」
「ハボ…」
 投げやりなハボックの言葉にブレダは返す言葉がなかった。
「ま、せいぜいあの人の役に立ってやってくれよ」
 オレはダメだったけどさ、と吐き捨てるように言うハボックにブレダは思わずその肩を掴んだ。
「やっぱり、大佐が帰ってくるまで待てよ。ほんの2、3日だろ?そんなに慌てていかなきゃいけないものでもないだろ?」
「前の護衛官が大怪我でリタイアして、すぐにでも代わりのが欲しいんだってさ。いいじゃん。オレのこと必要だって 言ってくれてるんだし。少なくともここじゃ用無しなんだからさ」
「大佐に直接言われたわけじゃないだろう?!ちゃんと確かめて…」
「確かめて本当に用無しだって言われたら、オレ、立ち直れねぇよ…っ」
 振り絞るようにして吐かれたその言葉にブレダは言葉をなくす。ハボックがどれほどロイに心酔していたかわかるだけに何を言ってもただ上面を滑り落ちていくだけでブレダはただただ昔からよく知る男の傷ついた顔を見つめるしかなかった。


 アパートに戻って最低限必要なものだけ持つと南方行きの列車に飛び乗った。今頃ロイは中尉を連れてセントラルでの仕事をこなしている所だろうか。それとも、あの食えない眼鏡の親友と語りあっているのだろうか。何れにせよ、きっと自分のことなど欠片も思い出したりはしていないに違いない。いや、それとも、そろそろ厄介払いができたと喜んでいる頃だろうか。ハボックは長いため息を付くと座席に凭れて目を閉じた。


 もう、日が暮れようとする頃、ハボックは南方司令部の門をくぐった。直接司令室へと向かえばそこには今度のハボックの新しい上司、ハズバンド・キンメル大佐が待ち構えていた。
「待っていたよ、ハボック少尉。私がここの司令官、ハズバンド・キンメル大佐だ」
 鷹揚に笑いかけてくる上司にハボックは無言で敬礼を返す。キンメルはハボックを上から下までじっくりと眺めると嬉しそうに言った。
「いや、君の噂は聞いているよ。体術、銃の腕ともトップクラスだそうだな。これで私も安心して背後を任せられる部下に恵まれたと言うことだな」
 そう言いながらワザとらしく笑うキンメルは30代後半、金髪に緑の瞳の恰幅の良い男だった。普通に見れば威厳のある上官といった所なのだろうが、ハボックから見ればただ自分の権力を振り回したいいけ好かないオヤジでしかない。
(こんなヤツの護衛をこれから毎日やらなきゃいけないのか)
 ハボックは思ってげんなりする。その内自分の態度に腹を立ててまたどこかに飛ばされるに違いない。これまで何だかんだといいながらそれなりに順当に出世してきたがこれからは多分自分の持ち味も発揮できぬままにくさっていくしかないだろう。
(別に、出世したいわけじゃないからいいけど)
 自分が望んでいたのは唯一つだ。それが叶わなくなった今となっては後はどうでもいいと思うハボックだった。


 数日たってセントラルでの出張を終えてロイがイーストシティに戻ってきた。いつもなら出張後は煩いくらいに纏わりついてくる金色の犬が今日は迎えの車すら運転してこない。不審に思ったロイが司令室に入って目にしたのは綺麗に片付いて主のいなくなった机だった。
「…ハボック少尉はどうした?」
 眉を顰めて机を凝視したまま問うロイに司令室の面々が顔を見合す。
「ハボックなら南方司令部付護衛官として異動になりましたけど…」
 ブレダが代表して答えるのにロイが目を見開いた。
「なんの冗談だ?」
「大佐の了承を得ているって将軍が…」
 違うんですか、と言うブレダに答えず、ロイは司令室を飛び出していた。廊下を駆け抜けノックもせずに将軍の執務室の扉を開ける。
「将軍っ、どういうことですっ?!」
 すごい形相で飛び込んできたロイを見上げて将軍はのんびりと口を開いた。
「ああ、君か」
「ハボックを南方へ異動させたってどういうことです?!私はそんな人事を了承した覚えはありませんが!」
「キンメル大佐がどうしてもハボック少尉を自分のとこに呼びたいと言ってね」
「だからって勝手にされては困りますっ!」
 将軍は背もたれに身を沈めると言った。
「うん、君が出張中だから戻ってきたら交渉してと言ったんだけど」
 そう言ってロイを見上げる。
「どうしてもすぐに欲しいと言って、君の了承は後で取るとか言うんでね。まぁ、ちょっとお試し期間で貸し出すのもいいかと思ったんだよ。」
「勝手に人の部下を貸し出さないでいただきたい…っ」
 人の悪い笑みを浮かべてしゃあしゃあという将軍を睨んでロイは言葉を搾り出した。
「ほら、キンメル大佐って、君にすごいライバル意識むき出しでしょう。君んとこの優秀な部下を引っこ抜いて自分のとこに持って行きたいんだよ。それで君に対抗できると思ってるのさ」
 可愛いもんじゃないの、などという将軍をロイは漆黒の瞳に怒りを燃え上がらせて睨みつけた。普通の人間なら竦み上がってしまうところだが、この海千山千の将軍には通用しないらしい。
「まぁ、そんなにカリカリしなさんな。…ほら、これ」
 将軍はそんなロイの様子を楽しげに見ながら1枚の書類を差し出した。それはハボックの南方司令部への異動を発令するための書類だった。
「それ、まだ人事に出してないから」
 ロイは書類を手に目を見開く。
「ハボック少尉はまだ君のもんだよ」
 ロイは将軍の顔をまじまじと見つめると次の瞬間敬礼を返し、慌しく部屋を飛び出して行った。


 将軍の執務室を飛び出したそのままの足で、ロイは南方への列車に飛び乗った。護衛も連れず行き先も告げずに行動することは、司令官として褒められた行為でないことはよく判っていた。だが、ロイはこのままハボックの帰りを待っていることなどとても出来なかった。それにしても、確かに異動と言われれば否やといえる立場にないとはいえ、自分の帰りを待って確認することをどうしてハボックがしなかったのかとロイは思う。よく考えれば自分がハボックを手放すはずがないことくらい判りそうなものなのに、あっさりと南方へ行ってしまったハボックにロイは腹を立てていた。そして、よりによってハボックを自分のもとから奪っていこうとしたキンメルに対しては腸が煮えくり返りそうなほど怒っていた。
「…燃やしてやる…」
 物騒な言葉を口にしてロイは列車の揺れに身を任せた。


 朝、官舎に車で迎えに行き司令部まで連れてくる。外出時は勿論、司令部内での会議の時ですらキンメルはハボックを連れまわした。あの焔の錬金術師の下で腕を鳴らしていた部下を今では自分のものとして使っているということを周りに見せ付けることで、自分がロイ・マスタングより優秀であると主張したいかのようだ。ハボックはあまりの馬鹿馬鹿しさに何もいう気になれず、ただ命じられるままに任務をこなすだけだった。夜はキンメルを送り届けると宿舎がわりのホテルに戻る。大した仕事をしているわけではないのに、奇妙に疲れが溜まった体を引き摺るようにして部屋に入るとハボックはベッドに体を投げ出した。南方へ来てからはあまり食欲もわかず、夜は殆んど食事を取らずにアルコールで体を眠らせる日々が続いていた。もう、いっその事テロでも起きて、前の護衛官のように大怪我でもすれば楽になれるかもしれないとハボックは腕で顔を隠すようにして深くため息を付いた。


 その日、ハボックはいつもの通りキンメルについて会議に出席していた。くだらない会議にうんざりして欠伸をかみ殺すのにも疲れた頃、廊下で言い争う声がしたかと思うと、荒々しく扉が開いてすらりとした人影が会議室の入り口に現れた。その人物を見上げたハボックは目を見開いたまま凍りついてしまう。そこに立っていたのは忘れたくても忘れられないハボックがたった一人心惹かれた人だった。
「たいさ…」
 ぽつりと唇から零れた呟きが聞こえたかのように、ロイは居並ぶ軍服の中から目当ての人物を見つけ出すとヒタとその眼差しをむける。その視線に操られるようにハボックはふらふらと立ち上がった。
「ハボック、帰るぞ」
 ロイはそう言うとハボックの返事を待たずに踵を返した。ハボックは弾かれるようにその姿を追った。ハボックが扉にたどり着いた頃になってようやくキンメルが声を上げた。
「待ちたまえっ」
 その声にロイが肩越しに振り向く。
「ハボック少尉は南方司令部付護衛官として異動になっているんだ。勝手なことをされては…」
「勝手なことをしたのはそちらでしょう」
 ロイは冷たく言い放った。
「私の出張中を狙って人の部下を掻っ攫うような真似をしたのは誰です?そんなに南方司令部というのは人手不足なんですか?」
「しかし、もう異動の書類は受理されて…」
「これの事ですか?」
 ロイは手にした書類をピッとキンメルの方に投げてよこした。キンメルはそれを手に取り顔色を変える。
「ハボック少尉の異動はありえませんよ。これまでも、これからもね」
 そう言ってロイは発火布を嵌めた指をパチリと鳴らす。キンメルの手の中の書類がボッと燃え上がり、キンメルは悲鳴を上げて書類を放した。そんなキンメルにロイは冷たく笑うともう話す事はないとばかりに会議室を後にする。ハボックは慌てて会議室を出るとロイの後につき従った。眦を吊り上げて前を見つめたまま歩くロイになんと言葉をかけてよいか判らず、ハボックは唇を噛み締める。司令部の建物を出るとロイはハボックを振り向かずに言った。
「荷物はあるのか?」
「え、ああ、ホテルに軍服とかがちょっと…」
 ロイはちっと舌を鳴らすと、すぐに取って来いと言い、そう言われて慌てて駆け出そうとするハボックの腕に手をかけた。
「待て、私も行く」
 またどこかに行かれてはかなわんからなと呟くロイにハボックは苦く笑った。


 宿舎代わりのホテルの部屋に入るとハボックは慌てて荷物をカバンに詰め込む。ロイは腕を組んで壁に寄りかかってそんなハボックの様子を見ていたが、徐に口を開いた。
「どうして私の帰りを待たなかった?」
 そう言われてハボックは荷造りする手を止める。
「だって、大佐の了承は得てるって…」
「そんな言葉を信じたのか?」
「でも、そう言われたら信じるしかないでしょうっ?」
 ロイは組んだ腕を解くとハボックに一歩近づいて低く言った。
「そんなに私の元から逃げたいのか?」
「んな訳ないでしょうっ!」
 責めるように言うロイにハボックはかっとなって怒鳴った。
「オレの方こそ、こんな形で放り出されるほど使えないヤツだと思われたんだと、そう思って…っ」
「お前は私を信じていないのか?!」
「そんなこと…っ」
 ロイはハボックの襟首を掴むとその空色の瞳を睨みつけた。
「たとえそれが将軍の言葉だとしても、私以外の口から出た言葉を簡単に信じるな。お前は私の言うことだけを信じていればいいんだ」
 ロイの言葉にハボックが目を見開く。
「そうしないから今回のようなことになるんだ」
 私が出張から帰って、どんな気持ちだったと思っているんだと囁くロイにハボックは泣きそうになった。
「たいさ…」
 そう呟いてロイに回そうとした腕を思い切り跳ね除けられる。
「私は怒っているんだっ」
 そう言って見上げてくる瞳は怒りとそして、何がしかの感情に溢れて黒く濡れていた。ハボックはそんなロイに愛しさがこみ上げてロイの体をかき抱いた。
「離せっ」
 身を捩って逃れようとするロイを抱きしめてハボックは強引にその唇を塞ぐ。歯列を割り開き舌を忍ばせるとロイのそれを絡めとり、きつく吸い上げる。口中を余す所なく弄ればロイの体から力が抜けていった。
「ごめんなさい」
 ロイの体を強く抱きしめてハボックは囁く。
「ごめんなさい、たいさ…」
 折れんばかりに抱きしめられてロイはハボックの背に回した腕に力を込めた。覗き込んでくる空色の瞳を見返して、ロイは囁いた。
「二度とこんなことをしてみろ」
 燃やしてやると、囁くロイに泣きそうな顔で微笑んでハボックはもう一度「ごめんなさい」と呟いた。そうして再びロイに口付けていく。今度は積極的に答えてくるロイの舌を絡めとり、お互いの口中を嘗め回す。口付けを交わしながら二人共に邪魔な軍服の上着を脱ぎ捨てた。ロイがハボックの首に腕を回して深く口付けてくる間にハボックは器用にロイのベルトを外すとズボンを寛げる。膝辺りまで下がったズボンをロイが鬱陶しげに脱ぎ捨てるとハボックはその体を抱き上げて寝室に運びベッドの上に下ろした。ハボックが服を脱ぎ捨てる間にロイも自分でシャツを脱ぎ捨て素肌の腕をハボックの体に絡めていった。
「今日は積極的っスね…」
「ウルサイ」
 嬉しそうに言うハボックをねめつけてくるロイは、だが、その目元が赤く染まった状態では全く迫力に欠けるというものだ。ハボックはロイの髪をかき上げるとその額にキスをした。そして、そのままその唇を目元に頬にこめかみにと滑らせていく。その白い項をきつく吸い上げると綺麗な紅い印が浮かび上がった。ハボックは目を細めてその印を見つめると舌を這わせていく。滑らかな肌に思うまま印を刻んでいくたびロイの体がぴくりと震えた。堅く尖った乳首に舌がたどり着きハボックはソレに甘く噛み付いた。もう片方を指で円を描くように捏ねればロイは熱い吐息を零した。
「あ、あんっ、ハボ…っ」
 ぴちゃぴちゃと音を立てて乳首を嘗め回すハボックの髪をロイはもどかしげに掴んだ。
「う、ふ…、ああ…っ」
 胸への刺激ですっかり立ち上がった自身に早く触れて欲しくてロイは腰を揺らめかせた。その様子にハボックがうっすらと笑う。
「どうしたんですか、たいさ…?」
 ロイの望むことなど判りきっているのにわざとそう聞けばロイが悔しそうに睨みつけてきた。
「ハボック…っ」
「はっきり言ってくれないと判らないっスよ?」
 意地悪く言うハボックにロイは唇を戦慄かせる。何度か瞬きすると消え入りそうな声で言った。
「触って…っ」
 ハボックはうっとりと笑うとロイの望むとおり立ち上がった中心をきゅっと握り締める。やわやわと扱いてやればロイが身を仰け反らせて喘いだ。
「はあっ、あ、ああっ」
 柔らかい先端をくちくちと指で捏ねるとじわりと蜜が溢れてくる。それを塗りこめるように棹をしごくとロイの脚がぴくぴくと痙攣した。
「ひあっ、ああ、ハボ…っ」
「気持ちイイの…?」
 耳元でハボックが囁くとロイは夢中で頷いた。
「ね、口でしてホシイ?」
 ぐちぐちと刷り上げながら囁いてくるハボックにロイは腰を突き上げて強請った。強請られるままにハボックはロイの中心をねっとりと口に含んだ。じゅぶじゅぶと唇で擦り上げ袋をやわやわと揉み上げる。刺激を与えるたびに漏れ出てくる蜜をハボックは残らず舐め上げた。
「あ…は…ぅん…っ、ハボックぅ…っ」
 ゆらゆらと腰を揺らめかせながら名前を呼んで来るロイにハボックの心が温かくなっていく。もっと気持ちよくしてやりたくてハボックは夢中でロイの中心に舌を這わせた。
「は…ああ…っ、も、ダメ…っ」
 ロイは凄まじい射精感に襲われてハボックを引き離そうとする。だがハボックは一層深くロイをくわえ込むと強く吸い上げた。
「あ、あっあっ、イク…っっ」
 ロイはびくびくと体を震わせてハボックの口中に熱を解き放った。ハボックは一滴残らずソレを飲み干すと抱えたロイの脚を更に押し開いて、その奥の蕾に舌を這わせた。達したばかりの敏感な体に与えられる刺激にロイの体を快感が走り抜ける。
「ひゃあっ、ああっ、いやっ、ハボ…っ」
 押し返そうとするロイの指には力が入っておらず、寧ろハボックの髪に縋りつくようだ。ハボックは唾液を流し込んだ蕾につぷりと指を沈めた。そうして熱い襞を押し開くように指を蠢かせる。
「ああっ、や、いやっ」
 首をふって体をずり上げようとするロイの腰を掴んで引き戻すと、ハボックは沈める指の数を増やしていった。中でばらばらに動かしてやればロイの体が跳ねた。
「あっ、あんっ、ああっ、ハボっ、もう…っ」
 早くもっと太いものでかき回して欲しくてロイは腰を揺らめかせた。
「ハボっ、も、いいから…っ、はやく…っ」
 必死に強請ってくるロイにハボックは相変わらず意地悪く問い返す。
「早く、なに?言って…?」
「あ、おま、えっ、いい加減にし、ろっ」
 焦らされてロイはハボックの髪を引っ張る。その仕草が可愛くてハボックはロイの脚を抱え上げた。
「挿れますよ…?」
 耳元で囁かれてロイは無我夢中で頷いた。入り口に熱い昂りを押し当てられて息を詰める。じわじわと狭い器官を押し広げられてロイは熱い吐息を漏らした。すっかり収めきるとハボックは汗に濡れたロイの前髪をかき上げ、頬を撫でまわした。うっとりと見上げてくるロイの視線にロイに埋めたハボックが更に嵩を増した。
「あっ、やぁっ、おおき…っ」
 ロイは喉を仰け反らせて喘ぐ。ハボックは小さく笑うとロイの腰を押さえつけてゆっくりと抽送を始めた。熱い塊がロイの最奥を犯し、次の瞬間には入り口ギリギリまで引き抜かれる。熱い襞が強引にすられる感覚にロイの中心が瞬く間に上り詰めた方と思うと白濁した液を吐き出した。
「あああああっっ」
 仰け反るロイを引き戻してハボックはガンガンと突き上げる。達したばかりの襞はその刺激をあまりに強く受け止めてロイは体中を駆け巡る快感にぼろぼろと涙を零した。
「ああっ、やあっ、も、やめ、て…っ」
 強すぎる快感にロイは泣き叫んでハボックに縋るが、その仕草は却ってハボックの熱を煽った。
「たいさ、たいさ…っ」
 ハボックはロイを呼びながら思い切りその体を突き上げる。ロイの中心から熱が迸り二人の腹を濡らした。
「たいさ、すごくイイ…っ」
 ハボックは両手でロイの双丘を割り開きぐぐっと体を押し入れた。
「やああああっっ」
 信じられないほど奥をハボックの熱に犯されてロイは溜まらず悲鳴を上げる。締め上げてくるその感覚にハボックは熱い飛沫を叩きつけた。
「ひ…っっ」
 ロイは最奥を焦がされて体を仰け反らせるとびくびくと震えた。降りてきた唇に自分のソレを塞がれて息苦しさにロイはハボックの腕に縋った。長い口付けの後、漸く唇を解放されるとロイはハボックをかき抱いて囁く。
「まだっ、もっと…ハボ…っ」
 いやらしく腰を振るロイにハボックはうっとりと微笑んだ。
「仰せのままに…」
 ハボックはロイに望まれるままその体にのめり込んでいった。


気がつけば、もうすっかり夜の帳も下りて、部屋は暗闇に沈んでいた。ロイは優しく髪を撫でてくるハボックの胸元に顔を埋めるとホッと息を漏らす。
「たいさ…?」
 気だるい体を摺り寄せて、ロイはハボックに囁いた。
「2度と私の側から離れるな…何があってもだ」
「…Yes, sir…」
 ロイの言葉にハボックは答えるとその体を幸せそうに抱きしめた。


2006/7/27


なつきさまからのリク「他の上官からハボがスカウトされ、それをロイが丁 重にお断りする」でした。でも何か微妙にリクと違うような…。スカウトって言うより強引に引き抜かれてるし、丁重にお断りせずに乗り込んで奪い返してるし、そ、それにただ二人が将軍に遊ばれているような気が…。大体将軍の口調、忘れちゃったのでいい加減だし(←確認しろっ)それになんと言ってもこんな人事異動絶対ないよっっっていうくらい突っ込みどころ満載ですしね…。そうそう、タイトルは命令文の文頭につけて「いいか」とか「絶対に」とかそんな意味です。「絶対に」なんなのかはご想像でってことで…。だってタイトル、思いつかなかったんだもの(殴)
なつきさま、こんなのになってしまいました。なつきさまに限りお持ち帰り可でございます。勿論返品していただいても…。力不足で申し訳ないです。リクエスト、ありがとうございました!!