a voice to whisper to a gap of his heart  後編



 服を全て剥ぎ取られてロイはベッドに組み敷かれていた。ハボックの指と舌がロイの乳首を弄って、ロイはびくびくと体を震わせた。ぷっくりと立ち上がって色を増したそこを爪で引っかかれ、甘く噛まれるたび甘い痛みが体を走り、中心に熱が集まっていく。既にロイの性器は硬く立ち上がり、とろとろと蜜を零していた。ハボックの歯がカリとロイの乳首を噛むと、ロイの体がびくんと跳ねた。
「ひあっ」
 ぐりぐりと潰すようにこねられ、きゅっと引っ張られる。執拗に加えられる愛撫にロイは涙を零して身悶えた。
「ヒッ…ひゃあっ」
「言って下さいよ…どんな風に弄られたかったんです、中佐に?」
「あっあっ」
「こんなにビンビンに乳首おったてて、女みたいっスね…」
 言うと同時にハボックは両方の乳首を指先でぎゅっと引っ張った。
「ヒィッ…!」
 とろりと零れる蜜にハボックが呆れたように呟く。
「へぇ、アンタ、痛いのがいいんだ…中佐は知ってるんスか?アンタが痛くされて悦ぶ体だって」
「ちが…っ」
「違わないでしょ、嘘はダメっスよ、嘘は」
 ハボックはそう言うとロイの乳首をギリと噛み締めた。
「ヒアアッッ」
 ロイは体を仰け反らせると、その中心から白濁を迸らせた。そんなロイにハボックは楽しそうに笑う。
「ほうら、イッたじゃないっスか」
 ハボックはロイが放ったものを掬い取ると、ロイの脚を大きく左右に開き、その奥まった蕾へ塗りたくった。そうしてつぷりと長い指を突き入れる。
「ンあっっ!!」
 びくっと跳ねる体を押さえつけてハボックは笑った。そうして乱暴にかき回すと荒い息を零すロイの顔を覗き込む。
「色っぽい顔…。その顔で中佐に迫ればよかったのに」
 ハボックの指が襞を擦る度、ロイの体がびくびくと跳ねた。
「そうしたら抱いてくれたかもしれませんよ?アンタのココに」
 とハボックは沈めた指をぐいと奥へ突き入れる。
「中佐がぶち込んでくれてぐちゃぐちゃにかき回して…」
「あっ…はあっ…アアッ」
 ハボックの指がロイのいい所を擦り上げる。
「アッ…やっ…い、イくぅ…っ!」
 ロイは白い喉を仰け反らせるとびくびくと熱を吐き出した。はあはあと荒い息を零すロイにハボックは囁いた。
「想像しちゃいました?中佐に突っ込まれた自分の姿」
「いうな…っ」
「でも、カワイソウに…。アンタの大事な中佐はもう全部、後から来た女のものになっちゃいましたね」
 ハボックの言葉にロイの心の中でずっと押さえ込んできたものがあふれ出す。一度溢れてきたものはもう、留めることはできず、昏く渦巻く濁流となってロイを飲み込んでいった。
「あ…ああっ…ヒューズッ」
 ロイはハボックに縋りつくと大声を上げた。
「ずっとずっと好きだった…っ!なのに、なんでっっ!!」
「じゃあなんで言わなかったんです?」
「言えるわけないだろうっ…!」
「なんで?盗られて泣くくらいなら言えばよかったじゃないっスか」
 まあ、オレには関係ないけど、とハボックは言うと、ロイの双丘に指を這わせた。
「これからココにオレのをたっぷり突っ込んであげますよ」
「な…に?」
 ロイの涙に濡れた瞳がハボックを見上げる。今までからかうような色を湛えていたハボックの瞳が昏い蒼に染まり、ロイを見下ろしていた。
「中佐のことなんて思い出せなくしてあげます…」
「あ…」
「オレだけでいっぱいにして…」
「…」
「オレだけのものに…」
 ぞくりと、ロイの背を悪寒に似たものが走り抜ける。途端、ロイは我武者羅に暴れだした。
「やだっ!はな、せ…っっ!!」
 ハボックは無言のままいとも簡単にロイの抵抗を封じ込めるとその脚を抱え挙げる。熱く滾った塊りが奥まった箇所に押し当てられた瞬間、ロイの唇から悲鳴が迸った。
「いやあああっっ!!」
 ずぶずぶと押し入ってくる熱に、ロイの瞳が見開かれる。ハボックは根元まで一気に押し入れると、乱暴に抜きさしを始めた。じゅぶっじゅぶっと濡れた音が響き、ロイの唇から熱い喘ぎが上がった。
「アッ…ヒアッ…んふぅ…」
「たいさ…」
「ああっ…んあああっっ」
 繋がった部分から湧き上がる快感に頭がぼうっと霞み、ロイは目の前の男に縋りつく。そうして、無意識に呟いた。
「…ヒューズ…」
 その途端、乱暴に最奥を突き上げられ、首筋に咬みつかれる。悲鳴を上げたロイの瞳にハボックの姿が写し出された。
「オレを見ろよっ!!」
「ひああっっ」
 ガツンと突き上げられ目の前が紅く染まる。
「アンタを抱いてるのはオレだっ!!」
「あ、アア――ッッ」
 最奥を突かれてロイの中心から白濁が迸った。びくびくと震える体をハボックは情け容赦なく突き上げる。ぽろぽろと零れる涙を唇で拭い、ハボックはロイの耳元に囁いた。
「もう、中佐はアンタのものにはならないんだよ…だから忘れちまえよ」
「あ…」
 ロイの視界いっぱいにハボックの蒼い瞳が広がっていき、そこでロイの意識はぷつりと途切れた。


「あっ…ああっ」
 東方司令部のあまり人の来ない場所にある小さな会議室の中で、ロイはその身の奥にハボックの熱を受け入れていた。あの日以来、時間も場所も構わずロイはハボックを求めた。ハボックの腕の中にいる間だけロイは何もかも忘れていられた。ハボックの熱に穿たれている瞬間だけは心に開いた穴が塞がれるような気がして、ロイは貪欲にハボックを求めた。
「ああっも、と…もっと…っ」
 上半身の衣服は全く乱れぬままに下半身は一糸まとわぬ状態でロイはハボックの腰に脚を絡める。もっと深く交わりたくて、ロイは自ら腰を突き出した。その動きでハボックにより深くを犯され、ロイはびくびくと震えながら熱を吐き出す。それを追うようにハボックもロイの中に熱を吐き出し、2人は荒い息をはきながらお互いの体をかき抱いた。そうして暫くするとゆっくりと体を離す。ずるりと抜け出る感触にロイはぶるりと体を震わせた。無言のまま衣服を整えるロイにハボックは囁くように言った。
「明日、行くのやめたらどうです?」
 びくりと肩を震わせて、だがロイは首を振った。そのまま何も言わずに出て行くロイを、ハボックは昏く沈んだ瞳で見送っていた。


「結婚おめでとう、ヒューズ、グレイシア」
 ロイはそう言って二人に向かって微笑んだ。
「ありがとうございます、マスタングさん。セントラルにいらした時はぜひ我が家に遊びにいらしてください」
 幸せそうに微笑むグレイシアにロイは頷くとヒューズを見た。
「幸せにな、ヒューズ」
「ああ…お前も…」
 ヒューズは労わるような視線でロイを見つめる。ロイはさり気なくその視線から目を逸らすと、喜びに顔を輝かせるグレイシアに話しかけるのだった。


 結婚式場を後にしたロイはホテルに戻らず、場末のバーの片隅で安酒を煽っていた。
 もう何もかも終わってしまった。自分のもとには何一つ残っておらず、ロイにとってはもう何もかもがどうでもいいと思えた。このままイーストシティにも戻らず、どこかごみ溜めに頭をつっこんで死んでしまってもいいとさえ思える。
 ロイがそんなことを考えながら次々と酒を煽っていると、見知らぬ男が話しかけてきた。なにやら必死に話しているがロイの耳には意味をなして届いてはこない。ロイの態度に業を煮やした男は、いきなりロイの腕を掴むと立ち上がった。引かれてふらりと立ち上がった拍子にロイが手にしていたグラスが落ちて粉々に砕ける。だが、その音ですら、ロイの耳にはどこか遠い世界の音のように微かにしか聞こえなかった。店の外へ連れ出され、狭い路地へと引きずり込まれる。酒臭い男の唇が近づいてきてロイのそれを塞ぎ、男の荒れた手がロイのシャツの中へ入り込んで、その肌を撫で回しても、ロイにはそれが現実のものとして感じることが出来なかった。男が何か下卑た言葉を囁く。そうしてその手がロイのズボンにかけられ剥ぎ取られようとしたその時。
「汚い手でその人に触んじゃねぇよ」
 低い声が聞こえたと同時にロイに覆いかぶさっていた男の体が壁に叩きつけられた。声の聞こえた方を振り向いたロイは色をなくした世界の中で、明るく輝く金色の髪をみつけた。
「ハボック…」
「帰りましょう」
 そう言って差し出された手を、ロイは掴む。
「もう、いいでしょう?」
 ハボックはそう言うとロイを抱きしめてその耳元に囁いた。
「これからはオレを見てよ」
 心に開いた隙間を埋めるように染み入ってくる声に、ロイは泣きながらハボックに縋りついていった。


2007/1/18


35000打リク第二弾、銀四郎さまより「ヒュに失恋した傷心のロイに付け込むハボでハボロイの無理やりエロ」でございました。私には物凄いチャレンジでしたよー。ヒューズが好きなロイなんてー、痛いです〜。かなり頑張ったつもりですが、銀四郎さま、いかがでしたでしょうか。ハボ、黒くなってましたか?最後、どうにもやっぱりハボロイで幸せにしたかったのですが、今回はこれでいっぱいいっぱいでしたー。楽しんでいただけたらよいのですが。
銀四郎さまに限りお持ち帰り自由です…。よ、よろしければ(滝汗)