Chocolate for you


「おお〜っ、いい感じじゃね?」
 ヒューズは冷蔵庫から取り出したものを見つめて歓喜の声を上げる。型から取りだしたそれを上下左右あらゆる方向から見て満足げに頷いた。
「うん、どこから見ても完璧ッ!これならきっとアイツも喜んでくれること間違いなしッ!」
 ヒューズは髭面に満面の笑みを浮かべる。用意してあった箱に出来上がったものを丁寧に納めると、蓋を閉め可愛らしくリボンで飾り付けた。
「よし、準備オッケー!待っててくれ、ジャン!愛しのマースくんが今行くからなッ!」
 ヒューズは手にした包みを高々と突き上げて気合いを入れると、家を出てハボックが待つイーストシティへといそいそと出かけていった。


「よお」
「中佐」
 扉を叩く音にアパートの玄関を開ければ、笑みを浮かべて立っている恋人の姿にハボックも笑みを浮かべる。脇によけてヒューズを通すと、鍵をかけ後を追うように中へと入った。
「本当に来たんスね」
「ああ?行くって言ったろ?」
「そりゃそうっスけど」
 ヒューズが脱いだ上着を受け取ってハンガーに掛けながらハボックは言う。
「仕事、忙しいんじゃないんスか?」
 中央勤務のヒューズの忙しさはよく知っている。幾ら来たいという気持ちがあってもタイミングよく思うようにはいかないのではと思っていただけに、今回の訪問は嬉しいと言うより驚く気持ちの方が大きかった。
「忙しくたって行くって言ったら行くんだよ。────だって……今日はバレンタインデーだろ……?」
 ヒューズはハボックの腕を掴んでグイと引き寄せるとその耳元に囁く。耳に吹き込まれる低い声にゾクリと身を震わせたハボックは、慌ててヒューズの腕から逃げ出した。
「チョコ!一応用意しておいてよかった」
「一応ってなんだよ、一応って」
「だって、本当に来られるかなんて判んないし……そりゃ勿論渡したかったっスけど」
 ハボックはそう言って棚から綺麗にラッピングしてある箱を取り出す。恥ずかしそうに目尻を染めて、ヒューズに箱を差し出した。
「ハッピーバレンタイン、中佐。いつもありがとうございます。これ、日頃の感謝を込めて」
「ジャン、お前なぁ」
 精一杯の感謝を込めて差し出されたチョコの包みにヒューズは眉を寄せる。
「違うだろ、“愛してる、マース!これ、オレだと思って食って!”だろ?」
「なっ、なに言ってるんスかッ!」
 ブチューッとキスの真似事までしてみせるヒューズに、ハボックは真っ赤になる。
「もう……ッ、そんなこと言うならあげません!」
 差し出したチョコ引っ込めてプイとそっぽを向くハボックに、一頻り笑ったヒューズは腕を伸ばしてハボックを引き寄せた。
「怒んなって。……くれるんだろ?それ」
 当然貰えるものと自信満々言う男をハボックは悔しそうに睨む。それでもヒューズの胸に手にしたチョコを押しつけた。
「仕方ないからあげます」
「仕方ないから貰ってやる────って、嘘ウソ!ジャン君、むくれないで!……くれよ、ジャン」
 軽口を叩けば途端にチョコを引っ込めようとするハボックの手をヒューズは慌てて掴む。掴んだ手を引き寄せ指先にキスしながら囁けば、ハボックがカアアッと紅くなった。
「馬鹿ッ」
「アイタタ……、ハハ、サンキューな、ジャン」
 手にしたチョコの箱をグイグイと顔に押しつけられ、ヒューズは苦笑する。それでも箱を受け取ってにっこりと笑ってハボックの手の甲に大袈裟に口づけた。
「……どういたしまして」
 礼を言われてハボックは紅い顔のままそう呟く。照れて視線をさまよわせる様が可愛くて、ヒューズはハボックを引き寄せ唇を重ねた。
「ん……中、さ……」
「中佐じゃねぇだろ……」
 甘ったるく鼻を鳴らしてキスをする合間に囁きあって、きつく抱き締めあう。互いの服を少しずつ落としながら場所を移して寝室へ行くと、ヒューズはハボックをベッドに押し倒した。
「あっ」
 ボスンとベッドに倒れ込んで、ハボックはヒューズを見上げる。上半身裸でボトムだけ身につけたヒューズは、ハボックのボトムに手をかけると下着ごと引き下ろした。
「ッ!」
 瞬く間に全裸に剥かれて、ハボックは羞恥に頬を染める。それでも今日はバレンタインと思えば、抵抗することなくヒューズのなすがままに任せた。
「ジャン」
 ヒューズは低く名を呼んでハボックに口づける。ハボックの長い脚の間に己の体をねじ込んで脚を閉じられないようにして、ヒューズは間近からハボックを見つめた。
「俺もチョコ持ってきたんだ、お前にやろうと思って」
「え……?本当っスか?」
 思いがけない言葉にハボックは目を見開く。バレンタインデーを一緒に過ごせるだけでも嬉しいのにちゃんとチョコも用意してくれたのだと聞けば、胸が熱くなってハボックは泣きそうな顔でヒューズを見た。
「すげぇ嬉しいっス……」
「そっか?」
 ヒューズは手を伸ばしてベッドサイドに落とされたシャツのポケットから箱を拾い上げる。見上げてくるハボックの前でリボンを解くと箱の蓋を開けた。
「ハッピーバレンタイン、ジャン!俺の愛がいっぱい詰まったチョコレートだ!」
 満面の笑みでヒューズは箱をハボックに差し出す。受け取ってくれるのをウズウズして待っていたヒューズは、いつまでたってもハボックが差し出した箱を受け取ろうとしないのを見て首を傾げた。
「ジャン?」
 ほらほら、と催促するように差し出された箱の中身をハボックは凝視したまま固まっている。暫くしてギギギと音がしそうな強張った動きで、ハボックはチョコに向けていた視線をヒューズに移した。
「なんスか、これ」
 感情を伺わせない平坦な声でハボックはヒューズに尋ねる。見つめてくる空色にヒューズはエヘヘと笑った。
「なにって、嫌だなぁ、ジャン君、空っ惚けて!散々見てるくせにッ!」
 このこのっ、照れちゃって!とクネクネする男をハボックは見上げる。普段は垂れ気味の目を吊り上げて、ハボックは言った。
「勘違いだと困るんで、一応なにか言って貰えます?中佐」
「勘違いって……ああ、そうか。ジャン君、いっつも見るより先に突っ込まれちゃうからあんまり見た記憶がないんだねッ!これはね────」
 と、ヒューズはハボックの耳元に唇を寄せる。
「俺のペ・ニ・────」
 スと最後の一文字を言う前に、ハボックが箱を掴むと放り投げようとするのをヒューズは慌てて止めた。
「あっ、こら!なにするんだ、ジャン!」
「なにするんだ、じゃねぇッ!アンタ一体なに作ってんだッッ!!」
「なに作ってるって……ナニ?」
 ヤダァ、ジャン君ってば、と手を口元にあててウフフと笑うヒューズにハボックは怒りのあまり二の句が継げない。言葉が出ずに口をパクパクとさせるハボックに、ヒューズは小首を傾げて言った。
「なんだよ、ジャン。嬉しくて声も出ないってか?」
「────なわけねぇっしょ!馬鹿ッッ!!羞恥心ってもんがねぇんスかッ、アンタッッ!!」
 一体どうしてチョコレートで己のイチモツを作ろうなどという考えが浮かぶのだろう。そもそもこのチョコを作るための型をどうやって作ったのかと思えば、ハボックは自分の方が羞恥のあまり死ねそうだと思った。
「あ、お前、今どうやってこのチョコの型をとったんだろうって思っただろう?」
「えっ?」
 その途端心を見透かされたようにそう言われて、ハボックは顔を赤らめる。そんなハボックにニヤリと笑ってヒューズは言った。
「決まってんだろ?そりゃもうジャン君のあれやこれや想像してだな」
「言うなッ!馬鹿ッッ!!」
 己の恥ずかしい姿を想像しながらいきり勃ったブツの型をとる恋人の姿など、とてもじゃないが想像したくない。ギュッと目を瞑った顔を交差させた腕で隠すハボックを見下ろして、ヒューズはニヤリと笑った。
「まあ、そんなしてジャン君が一番好きな状態のところをチョコにしたわけよ。嬉しいだろ?」
「嬉しいわけねぇっしょ!」
「なんで?離れててもいつだって俺のが拝めるわけだぜ?これを見ながらなら自分でやっても興奮すること間違いなし!ちょっとくらいなら舐めてもいいぜ?」
 いいだろう?と自慢げに言うヒューズをハボックは信じられないものを見るように見る。
「ほんっと、アンタって信じらんない!馬っ鹿じゃねぇのッ?」
「なんだと?」
「こんなもん作って贈ろうなんて……ッ!この、ヘンタイ髭オヤジッ!!」
 本気でそう怒鳴るハボックをヒューズは目を眇めて見つめる。ヘンタイ、馬鹿、阿呆と口汚く罵るハボックを暫くの間無言で見下ろしていたヒューズは、唇の端を上げて笑った。
「随分ひどいこと言ってくれんじゃねぇか、ジャン。そこまで言うからには覚悟が出来てんだろうな?」
「────えっ?」
 低く囁くように言われて、ハボックはハッとしてヒューズを見上げる。自分に圧し掛かるヒューズが物騒な笑みを浮かべていることに気づいて、慌ててその下から抜け出そうとした。だが、身を捩って逃げようとするハボックをヒューズは易々と押さえ込む。ハボックの顔に己のそれをズイと近づけて、見開く空色を間近から覗き込んだ。
「俺がヘンタイならお前も負けず劣らずヘンタイだってこと教えてやる」
 ヒューズはそう言うと箱の中から己のモノを模したチョコレートを取り出す。それでピタピタとハボックの頬を叩いて言った。
「よく出来てんだろ?これ。本当に俺のと変わんないか、その体で試してやるよ」
「────冗談っしょ……?」
 幾ら何でもそんなことはしないだろうと、ハボックは半ば縋るように尋ねる。だが、次の瞬間ヒューズが浮かべた笑みにハボックは猛然と暴れ出した。
「やだッ!絶対やだッッ!!」
「暴れんなよ、ジャン。嫌がることねぇだろ?愛する俺のイチモツチョコだぜ?バレンタインにゃぴったりだろうが」
「ふざけんなッッ!!絶対嫌っス!!」
 そう怒鳴ったハボックは渾身の力でもって暴れる。振り回したハボックの拳がヒューズの頬にヒットし、かけていた眼鏡が吹っ飛んだ。
「あっ?」
「ツゥッ!」
 流石にそんなことをするつもりはなかったハボックが一瞬怯む。殴られた頬を手で押さえて、ヒューズはハボックを見下ろした。
「イテェな、ジャン」
「だ、だって……ッ、アンタが変なことしようとすっからっしょ!」
 殴ってしまったのは悪いと思うものの、そもそもの原因はそっちだろうと必死にいい募るハボックをヒューズはじっと見つめる。その物騒な瞳に何も言えなくなって唇を震わせるハボックに、ヒューズはニィと笑った。
「恋人の愛情を素直に受け取らずにこんなことをする悪いコにはお仕置きが必要だな」
「中、さ……」
「中佐じゃねぇっていつも言ってんだろ」
 ヒューズはそう言うと凍り付いたように身動き出来ないハボックの両手をリボンで束ねてベッドヘッドに括りつけてしまう。長い脚を大きく押し開き、双丘の狭間でひっそりと息づく蕾を指の腹で撫でた。
「やッ、やだッ、触んなッ」
「なんでだよ、いつものことだろ?なんで今日は嫌なんだ?ジャン」
「だってッ」
 ハボックは引き攣った声で叫んで、顔のすぐ脇に置かれた卑猥な形をしたチョコレートを横目で見る。カラカラに乾いた喉に何度も唾を飲み込んで、ハボックは言った。
「やだ……お願い、やめて……」
「やめる?なにを?」
 ヒューズは白々しく言って蕾を撫でる。ビクビクと震えるハボックを見つめながら、指先をグッと押し込んだ。
「イッ……!」
 潤いのない秘部に指先を押し込まれて、引き攣る痛みにハボックが顔を歪める。グチグチと掻き回すようにして強引に指をねじ込まれて、ハボックは悲鳴を上げた。
「痛いッ!いたァ……ッ!」
 白い内股を痛みに震わせて泣き声をあげるハボックに、ヒューズは片眉を跳ね上げる。フンと鼻を鳴らして指を引き抜けば、ホッと弛緩するハボックの脚を更に大きく開き秘部に顔を寄せた。
「ヒッ!」
  両手の親指で尻を割り開くようにして蕾を押し開くとピチャピチャと舌を這わせる。熱い粘膜を舌先で押し開き、ぬめぬめと舐め回した。
「ヒィッ!やめてッ、嫌ァッ!」
 普段はジェルを使っているところを舌で舐め回されて、ハボックは羞恥に泣きじゃくる。それでも這い回る舌は羞恥と共に快感をもかき立てて、ハボックは嫌々と首を振りながらも喘いだ。
「嫌じゃねぇだろ?ダラダラ涎垂らしてんじゃねぇか」
「アッ!」
 そう言ってヒューズはハボックの楔を指で弾く。まだ触れられてもいない楔は既に高々とそそり立ち、先走りの蜜をタラタラと零していた。
「やだ……ホントに、嫌……ァッ」
 ヒクッと泣きじゃくって言うハボックに構わずヒューズは舌を蕾の中に押し込む。唾液を流し込みヌチャヌチャと舐め回してたっぷりと濡らすと、ヒューズは漸く顔を上げた。
「あ……ふ……ちゅうさ……」
 ハボックは涙に濡れた空色でヒューズを見上げる。ヒューズはニッコリと笑ってチョコレートのブツを取り上げた。
「こんくらい濡らせばもう痛くねぇだろ?まあ、ちょっとくらい痛くてもジャン君は痛いの好きだし、構わねぇよな?」
「ちゅうさ……っ」
 言って優しいとさえ言えるような笑みを浮かべるヒューズにハボックはふるふると首を振る。唇を震わせ涙の滲む声で呼ばれれば、ヒューズはゾクゾクして低く笑った。
「挿れるぜ……?」
 囁くように言って、ヒューズはチョコのイチモツを濡れそぼった蕾に押し当てる。目を見開いて必死に首を振るハボックを見つめたまま、ヒューズは押し当てたチョコをグッと突き入れた。
「ヒ……ッ」
 ひんやりとしたチョコレートの塊をズブズブと押し込まれてハボックは目を剥く。つるんと丸い先端やカリのカーブ、くびれたクレの形と恐ろしいほど本物と変わらぬ、だが血の通わない玩具と呼ぶには悪趣味な甘い菓子に貫かれて、ハボックの唇から悲鳴が上がった。
「ヒィィッッ!!」
 ヒューズは一気にチョコを押し込むと今度は強引に引き抜く。狭い肉筒が旨そうに菓子を咥え込むのを見て、ヒューズはクスクスと笑った。
「相変わらずジャン君のココは食いしん坊だなぁ。すっげぇ旨そうに食ってるぜ?」
「アアッ!やめ……ッ!ヒアアッッ!!」
 ガツガツとチョコレート製の玩具で突き上げられて、ハボックがビクビクと震える。何度も激しく突き入れ掻き回せば、チョコの表面が溶けて甘い香りが漂い始めた。
「ああ、お前のココ、旨そうに舐めてやがる。だんだんチョコが溶けてきた」
「ヒ……やだ……ッ」
 本来排泄器官である場所に食べ物を突っ込まれた上、溶けたチョコが己の中で甘い香りを発しているという事実に、ハボックは怯えてガタガタと震える。それでいて掻き回される後孔から沸き上がるのは紛れもない快感で、ハボックはそんな己の体の反応を受け入れられず、ボロボロと泣きじゃくった。
「嫌ァッ!こんなの、ヤダ……ッッ」
「でもイイんだろう?お前のココ、こんなんなってんじゃねぇか」
「アヒィッ!」
 言うなりヒューズにそそり立った楔を掴まれて、ハボックは喉を仰け反らせて喘ぐ。チョコの玩具で蕾を掻き回され、そそり立った楔を容赦なく扱かれて、ハボックは息も絶え絶えになりながら喘いだ。
「クぁ……ッ!ヒィ、ン……ッ」
「気持ちよさそうだな、ジャン……こんなもんで感じるなんて、お前も相当ヘンタイだよな?」
「違……ッ」
「違わねぇよ、……ほら!」
「アアアっっ」
 突き入れたチョコでグリグリと前立腺を押し潰されて、ハボックが背を仰け反らせて嬌声を上げる。ベッドヘッドに繋がれた腕をグイグイと引っ張って身悶えるハボックの蕾に埋めたチョコで思い切り奥を抉れば、ハボックが腰を突き出すようにして熱を放った。
「あ……あ……」
「なんだよ、イっちまったのか?ヤァらしいなぁ、ジャン君」
 達してピクピクと震えるハボックの蕾をヒューズは楽しそうに掻き混ぜる。そうすれば感じ入った吐息を零すハボックにヒューズが言った。
「お前があんまり旨そうに舐めるからだいぶ溶けてきたな」
「……え?」
「嫌だなァ、ジャン君。俺のこんなにしちまって」
 表面が溶けて段々とただの棒状になってきたチョコを見てヒューズはクスクスと笑う。部屋に漂うチョコの甘い香りが随分と強くなっていることに気づいて、ハボックは目を見開いた。
「や……ッ、もうやめて……ッ」
「お前のココ、スゴいことになってるぜ?チョコでベタベタだ。そんなに必死になって舐めなくてもいいのに」
 蕾に埋め込まれたチョコを掻き回すたび溶けたチョコがとろとろと溢れてハボックの白い肌を茶色く汚す。ヒューズは溶け出たチョコをハボックの内腿に伸ばすようにして塗りたくった。
「チョコ塗れ……旨そうだ」
 ククッと喉奥で笑ってヒューズはチョコを塗った脚に舌を這わせる。チョコを舐めとる舌の動きに、ハボックはビクビクと震えて喘いだ。
「もうヤダ……こんなの、嫌ァ……」
「なんで?バレンタインにチョコを贈りあうんだ。恋人同士としちゃあ凄く自然だろ?」
「うう、うー……っ」
 愛してるぜと囁く声にハボックが嗚咽を零す。チョコでグチョグチョと蕾を掻き回しながら、十分楽しんだことだしそろそろ勘弁してやるかとヒューズが思った時。
「あ」
 入口からぎりぎり抜けないところまで引き抜いたつもりのチョコの玩具がヌポッと抜けてしまって、ヒューズは思わず声を上げる。手にしたチョコの長さが三分の二程になっているのを見て、ヒューズは目を見開いた。
「折れた」
「……え?」
「ジャン君があんまりキュウキュウ締め付けるもんだから、先っぽ折れちまったよ」
 そう言ってヒューズが手にした玩具をハボックの目の前に翳す。その長さが明らかに短くなっているのを見て、ハボックはわなわなと唇を震わせた。
「な、中に残っ……、とってッッ!!早くとってッッ!!」
 チョコの塊が体の中に残っているなど、考えただけで恐ろしさのあまり叫び出しそうになる。繋がれた腕をチョコが残るソコに伸ばそうとするように、ハボックは力任せにリボンを引っ張った。
「ヤダヤダッ!馬鹿ァッ!!とれよッ、とれったらッ!!このヘンタイ髭ッッ!!」
「おい……」
 体内に異物が残る恐怖に半ばパニックに陥っているのだろう、ボロボロと泣きながら口汚く罵るハボックをヒューズは目を眇めて見る。白濁混じりのチョコに塗れた下肢の様にペロリと舌で唇を舐めた。
「そうだな、中に残ってんの、塊のまま取り出すのは大変だから溶かしてからとってやるよ、ジャン」
「え……?溶かすって、どうやって……?」
 このまま体温で溶けるのを待つとでもいうのだろうか。不安そうに見上げてくる涙に濡れた空色に、ヒューズはニッコリと笑った。
「俺ので掻き混ぜて溶かしてやるよ。めちゃくちゃに掻き混ぜて中にたっぷり注げば溶けんだろ?そしたら指突っ込んで掻き出してやる」
 そう言うヒューズをハボックは目を見開いて見つめる。その視線の先、ボトムを弛めたヒューズが凶悪なほど漲った己を取り出すのを見て、ハボックは激しく首を振った。
「ヤダッッ!!中のとってッ!!」
 とってくれと懇願するハボックにヒューズは優しく笑ってチョコと白濁に塗れた長い脚を抱え込む。圧し掛かってくる男を大きく見開いた目で見上げて、ハボックは囁いた。
「おねがい……ちゅうさ、やめて……」
「可愛いなぁ、ジャン……愛してるぜ」
 ヒューズは優しく笑って涙に濡れたハボックの頬に音を立てて口づける。ハボックの脚を大きく開くようにして胸に押しつけるとチョコが溶けでている蕾に楔を押し当て、次の瞬間ズブズブと突き入れた。
「ヒィィィッッ!!」
 悲鳴を上げるハボックを押さえつけて、ヒューズは容赦なく突き上げた。
「う、わ……堪んねぇッ!チョコがネチャネチャして……すげぇイイッ!!」
「い、やァ……ッッ!!」
 ヒューズが突き入れる度中に残ったチョコが溶けて内壁を汚す。溶けだしたチョコが泡だって犯している蕾の隙間から零れてくる淫猥な眺めに、ヒューズの楔がググッと大きさを増した。
「ヒ……ッ」
「興奮するぜ……ッ、なあ、ジャン……」
「ヘンタイ……ッ!馬鹿ァッッ!!」
「なに言ってんだ、お前のココ、どうなってるよ?」
 ヒューズは面白がるように言って、そそり立ったハボックの楔を指で弾く。嬌声を上げて喉を仰け反らせるハボックを、ヒューズは激しく突き上げた。
「アヒィッ!!ん、アアッッ!!」
 激しく突き上げ掻き混ぜれば部屋中を甘いチョコレートの香りが満たす。その甘い香りの出所が己の体の奥底だと思うとハボックは羞恥と恐れに小刻みに体を震わせた。だが、それと同時に下腹から沸き上がる強烈な快感に、ハボックは大きく口を開けて喘いだ。
「善さそうだな、ジャン」
 突き入れる度喘ぐハボックの蕾が、悦ぶように締め付けてくる。ハボックが口でなにを言おうと、その躯が快感に溺れきっているいるのは疑いようがなかった。
「ちゅ……さ、も……嫌ァ……」
 ボロボロと涙を零してハボックが訴える。ヒューズは零れる涙を指先で拭って言った。
「じゃあ、口に出して言ってみな?チョコ突っ込まれてグチョグチョにされると気持ちイイってな」
「あ……」
「ほら、ジャン……言えって。……イイんだろ?」
 ヒューズは軽く掻き混ぜながら囁く。時折前立腺を掠めるように突き上げてやれば、ハボックがビクビクと震えた。
「ジャン……」
「────イイ」
「なにが?」
「……チョコ、突っ込まれて……グチョグチョに、され、んの……」
 弾む息の合間に切れ切れに告げるハボックにヒューズはニンマリと笑う。
「もっとグチョグチョされたい……?」
 耳元で囁けばハボックがコクコクと頷いた。
「グチョグチョにされたい……シて、ちゅうさ……」
「イイ子だ」
 ヒューズは低く笑ってハボックに口づける。長い脚を抱え直すと、ヒューズはガツガツと激しく突き入れた。
「ヒィッッ!!ヒィ、ヒ────ッッ!!」
 ヒューズの激しい動きにあわせるように甘い香りが繋がる部分から立ち上り、茶色い泡が零れる。ヒューズはハボックの最奥へ思い切り突き入れるとブルリと体を震わせた。
「クゥ……ッ!」
「アッ、アアアアアッッ!!」
 ドクドクと注ぎ込まれる熱にハボックが目を見開く。ヒューズに少し遅れて熱を迸らせたハボックは、仰け反らせてびくびくと震わせた躯をガックリとシーツに沈めた。


「中佐なんて大っ嫌いっス」
「なに言ってんだよ、あんなに悦んでたくせに────アイタッッ!!」
 言った途端に思い切り枕で顔を殴られて、ヒューズは情けない声を上げる。ヒューズを殴った枕を抱き締めそっぽを向くハボックを、ヒューズは笑って背後から抱き締めた。
「ジャンくーん、機嫌なおして〜」
「知りません」
「そんな冷たい……、愛してるぜ、ジャン」
 ヒューズは耳元に囁いて抱き締める腕に力を込める。チュッチュッと耳元や首筋にキスを降らせながら愛してると囁かれて、ハボックはため息をついた。
「……今度こんなことしたらぶっ殺しますからね」
「ん……次はちゃんと食べられるのを持ってくる」
 そう言えば躯の向きを変えて抱きついてくるハボックを抱き返しながら。
(次は俺のとで二本刺しをやろう)
 ハボックに知られたらぶっ飛ばされそうな事を考えるヒューズだった。


2014/02/13


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

おぎわらはぎりさまからいただきましたv
「チョコ製の卑猥な物を作ってハボに使う鬼畜な豆か髭」……ですv
豆にするか髭にするかとっても迷いましたが、やはりここは鬼畜髭で(笑)ブツの型とる髭なんて、ハボじゃなくても想像したくありませんが(爆)と言いつつ、ノリノリで書いてしまいましたよ(笑)
おぎわらはぎりさま、楽しいリクをありがとうございましたv