sweet sweet potato
「おいっ、凄い煙だぞっ!」
「仕方ないっスよ、落ち葉焚きなんスから。」
ちゃっかり口にマスクを当てているハボックに文句を言って盛大に咳き込む。さっきからハボックが次々と落ち葉を
くべる所為であたりはもくもくと凄い事になっていた。
「お、落ち葉焚きってこんなに煙がでるもんなのかっ?」
げほげほと咳き込みながらハボックに聞けば
「大佐、知らなかったんスか?」
などと呑気な返事が返ってくる。
「知ってたらやってもいいなんて言うもんか。」
そう思い切り嫌味ったらしく言った所で、ハボックには全くこたえた様子がなかった。
「最初のうちは凄い煙が出るんスよ。オレの田舎ではこの時期になると結構落ち葉焚きやりましたけどね。」
そう言いながら更に落ち葉をくべるハボックを思わず恨めしげに睨みつけてやる。その視線に気づいたハボックが
くすりと笑うと近寄ってきて手を伸ばしてきた。
「大佐、涙目になってる。」
そう言って伸ばした手でそっと滲んだ涙を拭ってきた。
「もう少ししたら熾になりますから。」
それまで我慢してくださいね、と笑うからつられて笑い返した。
とりあえず大量の煙から逃げて風上へ回ると、木の幹に寄りかかって本を広げる。時折爽やかな秋の風が吹く中、
ぱちぱちと火の爆ぜる音を聞きながらページを捲った。
一体どれくらい時間が立ったのだろう、ふと目を上げれば山盛りだった落ち葉はすっかり嵩が減って、埋もれたその
中心に赤い熾がちろちろと見えるだけになっていた。さっきまでうろうろしていたハボックの姿が見えず、どこへ行ったの
だろうとその姿を探して視線をめぐらせれば、家の中からトレイを持ってハボックが出て来るのが見える。
「大佐、ちょっと一服しませんか?」
そう言ってハボックはトレイを置いた。
「さて、そろそろ出来てるかな…」
そう言いながら手近の枝を拾うと、ハボックは熾をかき回す。そうしてアルミホイルに包まれた細長いものを見つけ
だすと手にしたタオルで包んで取り上げた。両手にそれを持って戻ってきたハボックはトレイの空いている所にそれを
置く。
「何だ?」
と聞けば
「まあまあ」
と曖昧に答えて、煤で汚れたアルミホイルを剥がしていった。その中から現れたのは。
「焼き芋…」
「そ、美味いッスよ。」
ハボックはそう言うと手にした芋を真ん中から半分に折った。
「はい。」
本を置いて差し出された芋を受け取る。ほくほくと湯気を上げるそれはしっとりと金色に蒸かされて、すごく美味しそう
だった。そっと口にすると自然な甘みが広がる。
「美味い。」
「でしょ?」
にっこりと笑うハボックも綺麗な金色で。引き寄せられるように甘い唇に口付ける。
穏やかに晴れ渡る青空の下、大切な金色とゆったりとした時を過ごした。
2006/9/7
ただ芋を食べる二人の図。なんだかな(笑)ロイ→ハボ風味でお届けしております。
以前、どこかの公園で落ち葉で焼き芋を焼くってイベントに参加したんですが、も〜〜〜っ、凄かったんですよっ、煙が!!あんなに凄まじい煙が出るとは思ってなくて、風下なんかに行こうものならマジ死にそうでした。服も凄い煙くさくなったし。熾になるまでに大量の落ち葉がいるし、時間はかかるし、焼き芋焼くのに何で
こんなに苦労してんだろうって思いました。焼き芋も熾になった所に放り込むのでこれまた時間がかかり…。出来上がったのはちょっと生っぽい所もあったりして、
でも面白かったですけどね。2度はやろうと思いませんけど(苦笑)