sunflower
「大佐、なんか花屋が来てますけど。」
司令室の扉のところでハボックが言った。その手には大輪の向日葵の花束が抱えられている。
「大佐の注文だって、オレ、代わりに金払ったんで返してください。」
ハボックは不機嫌そうにロイに花束を押し付けると手を差し出した。
「そうか、悪かったな。」
ロイは財布を取り出すとハボックに花代を渡す。そうして花束を抱えたまま執務室へ入ると扉を閉めてしまった。
「デートかね?」
その背を見送っていたブレダが言うのをハボックはわざと聞こえないふりで、黙って席に座ると書類に手を伸ばした。
勤務時間が終わって司令部の入り口に車を回したハボックは、なかなか出てこないロイに苛々と煙草の煙を吐き出した。
『デートかね?』と言うブレダの言葉が耳に木霊してハボックはぶるぶると頭を振る。ハボックと付き合いだして、ロイが
女性と出かけることは殆んどなくなったが、それでもどうしても断れない付き合いもあり、そんな時胸を占める感情に
ハボックは正直吐き気を覚えた。この人は自分のものだと言い切る勇気もないくせに、一人前に嫉妬だけはする自分が
ハボックはイヤだった。きっと今日のあの花束も女性への贈り物だろうと思うとしくしくと胸を焼く想いに唇を噛み締める。
これからロイをその女性とのデートの場所へ送っていかなければならないのだと思うと堪らない。ハボックが暗いため息
を吐いたその時、ロイが花束を抱えて、司令部の入り口から出てきた。青い軍服の裾をなびかせて、大きな花束を片手
に抱えて立つその姿を、ハボックはカッコいいと思う。階段を下りて車の側まで来たロイの為に扉を開けた。そうして、
自分は運転席に回ると、ルームミラー越しにロイに尋ねた。
「で、どちらまで?」
そう聞いてくるハボックにロイは怪訝そうな顔をする。
「どちらって、家に決まっているだろう。」
「え、だって花束…」
デートじゃないんスか、と言うハボックにロイはどさりと背もたれに体を預けると腕を組んだ。
「誰がそんなことを言った。早く車を出せ。」
私は腹が減ってるんだ、とぶつぶつ言うロイにハボックは首を傾げて、アクセルを踏んだ。
家に着いてロイを降ろした後、車を停めて家に入ってきたハボックをロイは片手に花束を抱えて待ち構えていた。
「大佐、ホントによかったんスか?」
「何がだ。」
「だって、それ、デートの相手に渡すつもりだったんじゃ…」
そういうハボックにロイは呆れたため息を漏らす。
「どうして恋人がいるのに、他の女性と花束を持ってデートしなくてはいけないんだ。」
「え、でも…」
訳がわからないと言う顔をするハボックにニヤリと笑ってロイは花束を差し出した。
「これはお前にだ。」
差し出された花束を殆んど条件反射的に受け取って、ハボックはぽかんとした。
「はい?」
「花屋で向日葵を見たとき、お前のようだと思った。だからお前の為に買ったんだ。」
そう言って面白そうに覗き込んでくる黒い瞳にハボックの顔がみるみるうちに赤くなる。
「な、え、だって、そんな」
花束を抱きしめてしどろもどろになるハボックにロイはくすりと笑うとハボックの顔を引き寄せて唇を合わせる。
「まったく、私を何だと思っているんだ。」
ロイはニヤニヤと笑いながらハボックの頬を撫でる。
「こんなつれない恋人に惚れてる自分が可哀想になってくるよ。」
そう言って耳を甘く噛まれてハボックはぞくぞくと駆け上がる快感に思わずロイに縋りついた。
ベッドの上と言わず周りと言わずばら撒かれた向日葵の中でハボックは背後からロイに抱え込まれて、その蕾にロイの
指を咥え込まされていた。
「は…あ…」
くちゅりと中をかき回す指に無意識に腰を揺らすハボックにロイはくすりと笑うと傍らの向日葵の花を取り上げた。
「やはりこれはお前の花だな。」
そう言って黄色い花びらの部分でハボックの背をすっと撫でる。
「ひっ…」
思いがけない刺激にハボックの体がびくんと跳ねた。ハボックはうっすらと涙を浮かべた目を肩越しにロイに投げかける
と恨めしげに言った。
「ヘンなことせんでくださいよ…っ」
ロイはニヤニヤと笑うと今度は手にしたそれでハボックの中心をするりと撫で上げた。
「ひゃあっ」
「こんなもので感じるなんてイヤラシイやつだな。」
「ア、ンタね…っ」
真っ赤になって睨み上げてくるハボックにロイはぞくぞくして、さわさわと花びらで愛撫を続けると同時に沈めた指をぐちゅ
ぐちゅとかき回した。
「ひっ…やめっ…」
ぽろぽろと涙を零しながら悶えるハボックにロイは薄く笑った。ハボックの後ろから指を抜くと堅く立ち上がった自身を
押し当てる。そのままぐいと押し上げるとずぶずぶと押し入っていった。
「あああ―――っ」
ずり上がるようにして逃げようとする体を強引に引き戻して乱暴に突き上げる。ロイの太いモノで柔らかい壁をぐちゃ
ぐちゃと擦り上げられて湧き上がる快感にハボックは喘いだ。ロイの手が前に回り蜜を零すハボック自身を握り締める。
「んあっ…あ、ああっ…」
柔らかい先端を押し広げられるようにして擦り込まれハボックの体ががくがくと震えた。
「ハボック…」
背後から圧し掛かってくるロイに耳元で囁かれてハボックの体をぞくりと快感が駆け上がる。きゅっと締まる蕾にロイは
思わず呻いた。その刺激をやり過ごすとロイは思い切りハボックを突き上げる。
「んああああっっ」
溜まらず白濁した液を吐き出したハボックの耳元をぺろりと舐めて、ロイはハボックの耳の中へ囁きを吹き込んだ。
「すごくイイよ、ハボック…」
「あ…」
びくんと体を震わせてハボックは目元を染める。含んだロイに甘く噛み付くソコにロイはうっとりと微笑んだ。ハボックの
腰を高く抱え上げるとがんがんと突き上げていく。
「ああっ…たいさ…っ…たい、さぁ…っ」
イヤらしく纏わりつくハボックの襞にロイの熱が更に膨れ上がった。
「やっ…も、おおきく…ない、で…っ」
喘ぎながら泣くハボックは昼間の彼からは想像もつかない姿で、自分しか知らないハボックにロイはますます興奮した。
繋がったまま強引にハボックの体を反すと、ぐるりとかき回される刺激にハボックは熱を吐き出してしまう。
「あああああっっ」
酷いと、泣きじゃくるハボックの涙を唇で拭ってロイはハボックの脚を抱え上げると一層激しく抽送を繰り返した。
「ひあっ…ああっ…も、ツラ、イっ」
ふるふると首を振るハボックを容赦なく突き上げてロイはハボックの中をその熱で焼き尽くした。
ぐったりとベッドに沈み込むハボックの顔を掌で撫で回して、ロイはうっすらと微笑んだ。その時ゆっくりと開いた青い瞳に
吸い込まれそうな錯覚にロイは思わず目を瞑る。
「たいさ…」
ハボックの声にロイの瞳が開かれる。もう体は疲れきってこれ以上はムリだと訴えているのに、もっともっとシテ欲しくて
ハボックはロイの背に手を回した。
「ハボック…?」
「オレって欲張り…」
不思議そうな光を宿すロイの瞳にハボックはその胸元へ額を寄せた。
「休みたいし、もっとシタイ…」
そっと呟くハボックにロイは一瞬目を瞠ったが、次の瞬間ニヤリと笑った。
「だったら、何もしなくていいぞ。」
私が全部シテやる、そう囁いてくるロイにハボックの顔が赤くなる。
「アンタね…っ」
ロイの腕から抜け出そうともがくハボックの体を押さえ込んでロイはその唇に口付けた。
「好きだ」
耳元で囁くロイの声にハボックは思わず目を閉じた。圧し掛かってくるその体にそっと腕を回して、ハボックはロイを引き
寄せるとゆっくりと唇を合わせていった。
2006/8/11
大きくて太陽の匂いのする向日葵はやっぱりハボの花だと思うのですよ。しかーし、すぐエチの時の小道具に使う癖を改めないと…。ますますロイがヘンタイになってしまう(滝汗)