ranger
ハボックは森の中を歩きながらあたりに目を走らせる。目当てのポケモンを探して随分長いこと森を歩いているが、一向
にちょうどいいポケモンにめぐり合えない。
「くそー、早いとこあの落石、なんとかしないとなのに…。」
ハボックはまだなりたてのポケモン・レンジャーだ。そのため、まだ与えられるミッションは簡単なものが多い。今回は
フォルシティへ向かう途中のクロッカトンネルが落石で塞がれてしまったため、その落石を取り除くのが目的だ。ハボック
はそのために協力してくれるポケモンを探しているのだが、なかなか思うようなそれにめぐり合えずに苛々していた。
「ちくしょー、ハリテヤマとかいねぇかなぁ…。」
ぶつぶつ言いながら森を歩くハボックはふと木々の間に何かの影を見つけてそちらへ足を向けた。
「なんだろう…」
そう言って枝の間から顔を出したハボックの目の前を焔が走り抜けた。
「うわっちっ!」
前髪を焦がされてハボックは思わず尻餅を付く。
「何だ?!」
きょろきょろと辺りを見回すハボックの耳によく響くテノールが聞こえた。
「何をしに来た?」
「えっ?」
辺りを見回すが誰の姿も見えない。ハボックは低く身構えながら視線を走らせた。すると木々の間に立つほっそりとした
姿が目に入った。
「お前は…っ?」
二本足で立つ姿はまるで人間のようだ。だが、その頭には尖がった耳がそして、尻の辺りから細く長い尻尾が生えて
いる。
「ポケモン…?」
見たことのない、と思った途端、ハボックの好奇心がムクムクと湧き上がる。
「キャプチャしてみたいかもっ」
そう言うとハボックはキャプチャ・スタイラーを取り出した。その生き物にむけて差し出すと叫ぶ。
「キャプチャー・オン!」
すると長い光がスタイラーから伸びて生き物の周りを取り囲む。その生き物は片眉をぴくりと上げるとパチリと指を鳴ら
した。その途端、焔が燃え上がり光を断ち切る。
「あっ、こらっ、じっとしてろっ」
勝手なことを言うハボックに生き物は不愉快そうに言った。
「なんでじっとしていなきゃならんのだ」
「げっ、口きいたっ!さっきの声、お前かよっ」
口をきくポケモンなんて滅多にいるもんじゃない。ハボックはますますキャプチャしたくなってもう一度スタイラーをむける。
だが、何度やっても簡単に焔で断ち切られてしまい、ハボックはがっくりと膝をついた。
「なー、頼むからキャプチャさせてくれよ…。」
哀れっぽく言うハボックにそれはニヤリと笑って答える。
「キャプチャされるとどうなるんだ?」
「え、あ、いや、一回だけオレに協力してくれるようになるんだけど…。」
情けない顔で見上げてくるハボックに歩み寄って言う。
「別に協力してやらんでもないが。」
「えっ、マジ?!」
目を丸くするハボックにくくくとそれは笑う。
「お前のような情けないヤツは見たことない。」
ぐっと言葉に詰まってハボックは眉を顰めたが、あの焔で落石を吹き飛ばしてもらえるならオッケーだと納得して答えた。
「んじゃ、協力してもらえます?」
「名は?」
偉そうに聞いてくるのに
「オレはハボック。アンタは?」
と返せば
「ロイ。」
と短い答えが返ってきた。
「何を協力して欲しいんだ?」
「クロッカトンネルの落石を取り除きたいんだけど、その焔で吹き飛ばせます?」
「造作もない。」
自信満々な様子に苦笑してハボックはロイをじろじろと眺めた。ほっそりとした体は全体的に艶やかな黒い毛で覆われて
おり、顔と手足の先だけが白い。ゆらゆらと揺れる尻尾が猫のようだ。口をきくことを差し引いてもとてもポケモンとは
思えないほど綺麗な生き物で、ハボックは思わず見とれてしまった。
「なんだ…?」
不躾に見つめるハボックの視線にロイは目元を染めてハボックを睨む。ロイの声にハッとしたハボックは思わずロイと
見詰め合ってしまい、途端にどぎまぎと心臓を跳ね上げた。
(何、ポケモン相手にドキドキしてんの、オレ?)
自分の気持ちがよくわからず、ブルブルと頭を振るハボックにロイは楽しそうにくすりと笑った。
ハボックはロイと共にトンネルの入り口までやってくるとその奥を指差した。
「この奥が落石で塞がれてる。ここはフォルシティへのたった一つの道なんだ。早く通れるようにしないとみんな困ってる。」
「任せろ。」
そういうとロイはすたすたとトンネルの中へ入っていく。ハボックは後について中へ入ると落石の様子を見回した。あまり
強い衝撃を与えると逆にもっと埋まってしまうかもしれないと思ったハボックはロイに一言言おうとそちらを見た途端
ギョッとする。ロイは落石に向かって腕を伸ばして、今にも指を鳴らそうとしているところだった。
「えっ、ちょ、ちょっと待っ…」
ハボックが慌てて声をかけようとするのにロイはギクリとして振り向く。その途端燃え上がった焔が積みあがった落石と
床の間を吹き飛ばした。下が抜け落ちたようになったことで、一気に積みあがった岩が崩れてくる。
「うわわっっ」
ハボックは咄嗟に立ち尽くすロイを引き寄せて身を伏せた。ガラガラと崩れる音がやんで恐る恐る目を開けたハボックの
目に崩れた岩とぽっかりと空いた通路が見えた。
「あぶねぇ…」
ぽつりと呟くハボックにロイは怒鳴った。
「お前がいきなり声をかけるからいけないんだ!」
「アンタが何も考えずに焔をぶちかますからでしょうが!」
「なんだとっ?」
ロイはムッとすると勢いよく立ち上がった。だが、呻き声を上げるとその場に蹲る。
「怪我、したんスかっ?」
見ると、足首の辺りに飛んだ岩の破片が当たったらしく、血が滲んでいる。
「大したことない。」
そう言って立ち上がろうとするロイをハボックが引き止めた。
「見せて。」
傷に触れられてロイは低く呻いた。ハボックはロイを抱え上げると出口に向かって歩き出す。
「お、下ろせっっ」
ロイが慌てて暴れるのをしっかりと抱きしめてハボックは言った。
「こんなんじゃ歩けないでしょう?オレの所為で怪我したんだし、ちゃんと手当てさせて下さい。」
そう言ってすたすたと歩き続けるハボックにロイは頬を染めて押し黙った。
フォルシティの宿に着くとハボックはカバンから取り出した薬でロイの足を手早く手当てする。細い足首に包帯を巻いて
ハボックはすまなそうにロイを見つめた。
「ごめんなさい。せっかく協力してくれたのに、怪我させてしまって。」
「…別にお前の所為じゃ…」
「でも、オレが声かけたから…」
「いちいち真に受けるな。」
そっぽを向いてそういうロイにハボックは苦笑する。
「でも、綺麗な脚に傷つけちまったから…」
そう呟いて、ハボックは自分の言葉にギョッとした。
「何言ってんだ、オレっ?」
思わず叫んでロイを見れば真っ赤な顔をしてハボックを見つめていた。その表情にハボックもみるみる内に赤くなって
行く。
(何、オレ、ドキドキしてんのっ?そりゃ、綺麗だけど、だけど相手はポケモンでっ)
ロイを見ると黒い瞳が真っ直ぐに見上げてきてその視線にどきりとする。
(拙い、オレ、まさか、でも…っ)
最初に見た時から綺麗な生き物だと思った。キャプチャしたいと思ったのももしかしてもしかすると。
「ハボック」
呼ぶ声に心臓が跳ねた。視線を合わせて「しまった」と思ったときはもう目を逸らすことが出来なかった。いつの間にか手を
伸ばすとロイを引き寄せていた。
(ちょっと待て、だって、もしかすると)
混乱するハボックはロイを抱きしめながら必死に考えた。
(これって、一目惚れ…?)
そう思ったとき、胸に抱いたロイがきゅっとハボックの胸元を握り締めた。思わず見下ろしたロイの黒い瞳に引き寄せ
られるように、ハボックはその唇に口付けていた。
触れてしまったらもう止まらなかった。ロイをベッドに押し倒すとその体に愛撫を加えて行く。ハボックの指先が滑るたび
ロイの体がぴくぴくと跳ねた。そのしなやかな脚の間に手を滑り込ませると、そこには息づいて半ば立ち上がりかけた
ロイの欲望が隠されていた。ハボックはロイの脚を大きく開かせるとそこへ舌を這わす。くちゅくちゅとしゃぶられてロイは
体をしならせた。
「あっ、やっ、な、なに…?」
おそらくこんな風に弄られたことも自分でしたこともないのだろう。ハボックに与えられる快感にロイは黒い瞳からぽろ
ぽろと涙を零しながら身を捩った。
「いやっ、やっ、こんな…っ」
急速に高まる射精感にロイはびくびくと体を震わせた。一際強く吸い上げられてロイはハボックの口の中に熱いものを
放った。
「あああああっっ」
熱を吐き出して、呆然と宙を見上げるロイの顔にハボックはキスを降らせた。
「ロイ、かわいい…。」
そう言ってロイの顔を掌で撫でる。
「アンタの中に入ってもいい…?」
「え…?」
ハボックの言葉が理解できずにぼんやりと見返すロイにハボックは微笑むとロイの脚を抱え上げ、その奥まった蕾に
舌を這わせ始めた。
「ひゃあっ」
ロイはいきなり押し当てられた濡れた感触に身を竦ませる。ずり上がって逃げようとする体を押さえつけてハボックは
たっぷりとその中へ唾液を流し込んだ。そして、自身を取り出すとゆっくりとロイの中へ沈めて行く。
「ひっ、あ、あ、あ」
体を仰け反らせて逃れようとするロイを引き戻してハボックは一気に最奥まで体を推し進めた。
「やああああっっ」
目を見開いてぽろぽろと涙を零すロイにハボックは何度も口付けた。
「ロイ…ロイ」
口付けの合間に何度も名前を呼ぶ。やがてロイの瞳がハボックを映し出すとハボックは優しく微笑んだ。
「すき…」
そう言って深く口付けるとゆっくりと抽送を始めた。
「んあっ、はあっ、あん…っ」
痛みだけでない体の中心から溶け出すような快感を感じてロイは自ら大きく脚を開いて、もっと奥へハボックを受け入れ
ようとする。そんなロイの様子にハボックは嬉しそうに笑ってロイの最奥を犯していった。ハボックが何度目かに突上げた
時、ロイの中心から熱が迸り、それを追うようにハボックもロイの中へ熱を放っていた。
ハボックの胸に顔を埋めながらロイはホッと息を吐いた。初めて与えらた快楽はロイの心も体も溶かし、ロイはうっとりと
目を閉じる。ハボックの体温を心地よく感じながらロイは尋ねた。
「キャプチャされなければポケモンは人間の側にいてはいけないのか?」
問われてハボックは目を丸くする。
「そんなことはないと思うけど…。でも、普通はリリースしてやるものだから…」
「側にいてはダメか?」
黒い瞳に見つめられてハボックはどきりとする。
「…いいんスか?オレと一緒に来てくれるの?」
うっとりと頷くロイにハボックはそっとキスを落とすとしなやかな体をぎゅっと抱きしめた。
2006/7/21
ポケモン映画、見てきましたー。ポケモンレンジャーのジャック・ウォーカーがかっこよかったんだってばっ!
…だからってなにかいてるんでしょうね、私(冷汗)つい、ハボがポケモンレンジャーでほのお系ポケモンのロイを
キャプチャしたりしたら楽しいのにっとか思っちゃったもんで〜。こんなの書いておいて「私、パロディは嫌いです」と
言っても誰も信じてくれませんよね…。でも、マジな話、ハボロイに関してはパロは苦手なんですよ、ホントにっ!
特に女体化とかね…。まぁ、とにかく、ポケモン、面白かったので書いてみましたー。訳わかんない話ですみません(脱兎)