栗飯


「もうっ、少しは手伝ってくださいよ。」
ハボックが水を張ったボウルから栗を拾い上げてそう言った。ダイニングの椅子に座ってハボックが剥いた栗の数を
数えて、量が少ないと文句を言った自分にハボックはボウルをずいと押し付ける。
「栗の皮むくの、大変なんスからね。」
それなのに勝手なこと言って、とぶつぶつ言いながらそれでも手を休めないハボックに思わず笑みが零れる。
「大体、栗ご飯食べたいって言ったの、アンタでしょ?」
一緒に買い物に出た先で初物だと店先に並んだ栗をみて、思わずハボックに栗ご飯が食べたいと強請った。面倒くさい
とぼやきつつ、それでもこうして作ってくれるから、嬉しくて思わずハボックを抱きしめた。
「わわっ、ちょっと、危ないっスよ!」
ナイフを持った手を体から離すようにして後ろから抱きすくめる自分を振り返る。その青い瞳に思わず欲情して、耳元に
囁いた。
「お前が食べたい…」
ハボックは思い切り嫌そうに眉を顰めると手にしたナイフをかざす。
「栗の代わりに剥かれたいですか?」
物騒なことを言うからぱっとハボックの体から手を離した。ハボックはため息をつくと栗を手に取り黙々と皮を剥いていく。
大きな手で小さな栗を器用に剥いていくのを飽きず眺めていた。
「見てるんなら手伝ってくれればいいのに…」
ぼそっと呟くのを聞こえないふりで、テーブルに載せた腕を枕にして顔を伏せると横目でハボックの姿を追った。
コチコチと時計が時を刻む音と、ハボックが栗をボウルから取り出す水音、ナイフで皮を剥いていく微かな音と。
そんなものを聞いている内にだんだん目蓋が重くなって、いつしか眠りに落ちていた。

ふわりと肩に布が掛かる気配にゆっくりと意識が浮上する。薄く目を開ければ、ハボックが鍋に研いだ米と栗を入れる
のが見えた。塩と酒を加えて蓋を閉じると火にかける。ゆっくりと体を起こせばハボックがこちらを振り向いて笑った。
「目、覚めました?」
「もう、出来たのか?」
「アク抜きしたからこれから炊くところっスよ。」
そう言って、ボウルやらナイフやらを手早く洗って片付けていく。
「ちょっと一息入れてからメシの用意しますね。」
そう言いながらダイニングを出て行くハボックの後を付いてリビングに来ると、ソファーに座るハボックの横に腰掛けた。
「ちょっと、なんスか?」
警戒して体を離そうとするハボックの腰に手を回してぐいと引き寄せる。
「一息入れるんだろ?」
そのまま圧し掛かって首筋に唇を寄せるとハボックが暴れた。
「ちょっ…これじゃ一息いれることにならないでしょっ」
「気にするな。」
「気にします…って、ちょっと、やめっ」
ハボックの抵抗を封じ込めてズボンをくつろげると中へ手をしのばせる。ゆっくりと揉みしだけばハボックの体がびくりと
震えた。
「やっ、あっ」
「頑張って、栗剥いたご褒美。」
「な、に、バカなこと、言って…っ」
もがくハボックの唇を塞いで中心を弄る手の動きを早めて行く。熱い吐息が交わす唇の間から零れて、縋りついてくる
ハボックの指先に力がこもった。
「んっんっ」
びくびくっと体が震えてズボンの中に差し入れた掌に熱が吐き出される。ゆっくりと弛緩する体を抱きしめて耳元に
囁いた。
「悦かった?」
「〜〜っっ」
真っ赤になって押し返してくるハボックから素早くズボンを剥ぎ取ってしまう。
「たいさっ」
ハボックの抗議を無視して脚を押し開くと、その奥まった蕾へ舌を這わせた。
「ひあっ」
慌てて閉じようとする脚を押さえつけて奥まで舌を差し入れる。ねっとりと中を舐ればとろりと中心から蜜が零れた。
「あっあっ…やだっ」
顔を腕で覆って喘ぐハボックの蕾へ指を差し入れる。くちゅりとかき回せば開かせた脚がぴくぴくと震えた。腕の隙間
から覗くうっすらと染まった肌にぞくりと欲情して、沈めた指を引き抜くと滾る自身を押し当てた。突き入れる瞬間の
顔が見たくて顔を覆う腕を強引に外させる。うっすらと涙の浮んだ青い瞳にどくんと自身が嵩を増した。次の瞬間
ぐっと一気に根元まで突き入れた。
「あああああっっ」
喉を仰け反らせて喘ぐハボックの脚を抱え上げてガンガンと突き上げる。容赦なく揺さぶればハボックは悲鳴を上げて
すがり付いてきた。
「あっあっ…たいさ…っ」
名前を呼んでくる唇を塞いで、その口内を弄った。自分の背に回されたハボックの腕に力がこもる。ぐちゅぐちゅと
いやらしい水音が室内に響き渡った。
「んっ…あっ…も、やだ…っ」
ぐいとハボックの脚を持ち上げれば精一杯に入り口を広げて熱い塊りを咥え込む、ハボックのイヤらしい唇が見えた。
「美味そうに咥え込んでるな…」
そう囁くとハボックの顔が歪んだ。
「ばかっ…見るな…っ」
「ぎゅうぎゅう締め付けてる…」
「やだあ…っ」
「イヤラシイ…」
そう呟いて繋がる部分を指で辿ると、ぎゅうっとハボックのソコが締まった。何度も擦ればそそり立ったハボック自身から
白濁した液が迸った。
「あ…っ」
こんなことで達してしまった自分を信じられないとばかりに目を見開くハボックの脚を押し開いて、最奥まで突き上げる。
その熱く熟れるハボックの中へ、滾る想いを吐き出した。

覚束ない足取りでキッチンまで行ったハボックは鍋の蓋を取るとがっくりとうな垂れた。
「焦げてる…」
後ろから覗き込む自分を睨みつけてハボックはぼやいた。
「苦労して剥いたのに…」
「上の方だけなら大丈夫なんじゃないか?」
「焦げ臭いっスよ。」
「なんとかなるだろう?」
「じゃあ、アンタ食ってください。」
そう言うハボックに顔を顰めれば思いっきり睨まれた。
「アンタの所為でしょ。」
「悦んでたくせに…」
ぼそっと呟けば、手にした蓋で頭を殴られた。
「〜〜っっ」
声もなく蹲る自分を置き去りに、ハボックは足音も荒くキッチンを出て行ってしまう。ダンダンと階段を上がる音がしたと
思うと、2階で乱暴に扉が閉まった。暫くして立ち上がると、鍋の中の栗をひとつ摘んで食べてみる。
「なんだ、美味いじゃないか。」
そう呟いて、もう1つ口に頬張ると恋人を宥めるべく2階へと階段を上がった。


2006/9/12


秋企画テーマ「栗」でロイハボバージョンです。栗ご飯って美味しいんですけど、あの皮剥くのがねぇ。皮むき使っても結構大変ですよね。まぁ、手間書けた分
美味しいですけど。ハガレン世界に炊飯器、あるのかなぁと考えたのですが、炊飯器じゃ失敗しないので敢えて鍋で作ってもらいました。焦がすと焦げてない
部分も焦げ臭くて食べられないと思います(←経験者)いつでもロイに酷い目に合わされるかわいそうなハボのお話でした(苦笑)