halloween cat


「大佐、用意できました?」
ハボックはそう言うと部屋の中を覗き込んだ。ハボックの声に振り向いたロイは足首まですっぽり隠れるフード付き
コートを羽織って部屋の中央に立っていた。
「…あ、ああ。お前はもういいのか?」
そう聞かれたハボックもやはり足首まで隠れるフードのついたコートを羽織っている。
今日はハロウィン、誰が言い出したのか、今となっては定かではないが、今夜は司令室のメンバーが集まって仮装
パーティが開催されることになっていた。場所は司令部近くのこぢんまりしたレストランを貸しきって、そこに各々趣向を
凝らした衣装をつけて集まる事になっているのだ。ロイとハボックも早々に仕事を切り上げると、一度家に戻って衣装を
つけた。せっかくの仮装パーティなのだから、現地に着くまではお互いの仮装を見ないほうが楽しいだろうと、二人は
互いに自分の仮装するものに関しては一切喋らず、当日もわからないように衣装がすっぽり隠れるコートを身に着けて
いたのだった。
「それじゃ、いきましょうか。」
ハボックはそう言ってロイを促すと日が暮れた街へと繰り出した。

通り沿いの家や店にはかぼちゃのランタンが飾られ、魔女や幽霊のディスプレーが置いてあったり、窓ガラスにスプレー
を使って描かれていたりしていた。ハボックとロイは、ハロウィンに浮かれる街を楽しみながらレストランへの道を歩いて
いく。可愛い仮装をした小さな子供達が家々の扉を叩いては「トリックオアトリート」と楽しげに叫んで、お菓子を手に
入れていた。
「やっぱいいっスね、ハロウィン。」
「仮装して回った口か?」
「ええ。友達みんなでいろんな格好して。楽しかったなぁ」
青い目をきらきらさせてそう言うハボックを見つめて、ロイはくすりと笑う。さぞかし大騒ぎだったのだろうと、ロイは
小さい頃のハボックを想像して楽しそうに目を細めた。賑やかな通りを抜けると目的のレストランへと辿りつく。カランと
ドアベルを鳴らして中へ入れば、もうメンバーは集まってきていた。
「遅えぞ、ハボ。」
そう言うブレダは包帯を全身に巻きつけたミイラ男の扮装だ。さぞかし山ほどの包帯が必要だっただろうとハボックは
思ったが、懸命にも口には出さずにおいた。
「仕方ないだろ。司令部を出ようとしたところで電話が鳴ったんだから。」
「そんなのほっときゃいいんだよ。」
などと平気でそんなことを言うブレダに苦笑して、ハボックはコートを脱いだ。コートの下から出てきたのは、黒い
タキシードにマントをつけた、普段のハボックからは想像もつかないような紳士な出で立ちだった。ハボックはポケット
から牙を取り出すと口にはめる。
「おっ、ドラキュラかよ。」
「なかなかだろ?」
そう言って両手を広げるハボックは自分で言うとおり、なかなかの男前だった。鍛え上げられた体にフィットしたタキ
シードがとてもよく似合っている。そこへかぼちゃの着ぐるみを着たフュリーと、幽霊の扮装をしたファルマンが
やってきた。妙に似合っている二人に、ハボックは笑い出しそうになるのを唇を噛み締めて必死に耐える。その時
背後から聞こえたヒールの音にハボックは振り向いて目を瞠った。そこには。
太ももの付け根までスリットが入って、くもの巣柄の広い襟のついた黒いワンピースを着て、網タイツをはいた魔女の
衣装をつけたホークアイが立っていた。
「ちゅっ、ちゅういっ?」
普段のストイックな雰囲気からはとても想像できないような色っぽい姿に、男達は一斉にざわめき立った。
「すげぇ、色っぽいっスね、中尉!」
「そう?」
ハボックのストレートな言葉にホークアイは微かに頬を染めて首を傾げた。普段はとても拝めないその姿に、男どもが
パーティをしようと言いだした誰かに心の中で感謝を捧げたのは言うまでもない。そのホークアイはきょろきょろと部屋
の中を見回すと、部屋の片隅に隠れるように立っている人へ声をかけた。
「大佐、何をやってらっしゃるんです?」
ハボックと一緒に店に来たはずのロイはまだコートを着たままの姿で部屋の隅のほうに隠れるように立っている。
ロイは声をかけられても曖昧に笑うだけで、みんなが集まっているところへ出てこようとはしなかった。ハボックは
大股でロイに近づくとその腕を取る。
「なにやってるんスか、アンタ。もう、みんな衣装のお披露目してるんですから、アンタもいつまでもコートなんて着て
 ないで。」
「いや、私の仮装は大したことないから、見せるほどのものでもないよ。」
コートを脱がそうとするハボックの手から逃れるように、両手でコートをしっかりと巻き込むロイにハボックはムキになって
そのコートを剥ぎ取ろうとする。
「何、今更恥ずかしがってるんスかっ」
「だから大した仮装じゃないって言ってるだろっ!」
ハボックはなかなかコートを脱ごうとしないロイに目を細めると、えいっとばかりにロイの両脇に手を突っ込み、こちょ
こちょとくすぐった。
「わわっ」
思わず力を緩めたロイからハボックはコートを奪い取る。コートの下から現れたロイの姿に誰もが目を丸くした。
全体的に黒っぽい毛足の短いフェイクファーの衣装を身に着けたロイの頭の上には三角の猫耳が。お尻の少し上の
辺りからは黒い長い尻尾が生えている。
「ねこ…」
ロイはハボックの手からコートを奪い返すと真っ赤になって喚いた。
「これはだなっ、ヒューズのヤツがっ」
「中佐が?」
「何かいい仮装がないか相談したら送ってきたんだ…」
パーティ前日の夜になってようやく届いた衣装に、ロイはヒューズに相談したことを心底後悔したが、それから買いに
行く時間もなく、結局仕方なしにそれを着てきたのだった。
「大の男がこんなものを…」
と、ロイは呟いていたが、そこにいる誰もが「違和感なさすぎっ」と思っていたのは間違いない。

なんだかんだでそれぞれに趣向をこらした衣装に身を包み、昔の思い出話に花など咲かせて、美味しい料理と旨い酒
に舌鼓を打っているうちに、ハロウィンの夜は更けて、明日は通常勤務ということをホークアイに思い出させてもらった
面々は、三々五々帰路についていった。ハボックはドラキュラの仮装のままコートを着ずに歩いていたが、流石にロイは
来た時と同じように頭まですっぽりコートに包まって歩いている。
「結構面白かったっスね。」
ハボックが上機嫌でそういえば、ロイは「まあな。」と返した。ちらりとハボックを見上げればマントを翻して颯爽と歩いて
いる。自分の衣装は気に入らなかったが、ハボックのこの姿を見られただけでもいいか、とロイはこっそり思った。
家に帰ってコートを脱ぎ捨てソファーの上にどさりと腰を下ろすと、ロイは思い切り伸びをする。その姿を見て、ハボックは
クスクスと笑った。
「ホントに猫みたいっスね。」
そういうハボックをロイは小首を傾げて見上げる。その仕草にハボックのいたずら心に火がついた。
「ね…今日はこのままシません?」
「は?」
「だからね、アンタは猫のまんまで、オレはドラキュラのままで。」
ソファーに座るロイに圧し掛かるようにしてにんまり笑って言うハボックを、ぽかんとして見つめたロイは、次の瞬間
真っ赤になって怒鳴った。
「バカか、お前はっ!なんだってそんな恥ずかしいことしなきゃならないんだっ!」
「まあまあ、そう言わずに。」
ハボックは楽しそうにそう言うと、ロイの体をさっと抱え上げる。突然の事に逃げる間もないままに横抱きに抱えられて
ロイはジタバタと暴れた。
「ばかっ!おろせっ!」
「ああもう、暴れないでくださいよ。」
落ちたらどうするんですか、とぼやきながらハボックはさっさと2階への階段を上がると寝室の扉をあけた。ロイの体
ごとベッドにダイブするとハボックはロイの体をベッドに押さえ込んだ。
「それじゃあ、カワイイ猫ちゃんをいただきますっ」
ハボックはそう言うと、猫の仮装をしたままのロイに口付ける。
「んーっ、んんっっ!」
逃げるロイの舌を絡めとり強く吸い上げては口中を弄る。深い口付けにロイは息も絶え絶えになって体の力が抜けて
いった。ハボックはフェイクファーのシャツの裾を捲り上げると露わになった乳首に口付ける。舌と指を使って執拗に
弄ればロイの唇から絶え間なく喘ぎ声が上がった。
「ヤラシイ猫だなぁ。」
「ばか…っ」
笑い混じりにハボックに言われて、ロイは耳まで真っ赤になった。黒いフェイクファーから覗く白い肌を飾る熟れた果実
にハボックは喉を鳴らしてむしゃぶりついた。散々にソコを味わった後、ハボックはロイの白い肌を強く吸い上げては
花びらを散らして行く。ひくひくと震えるロイに満足そうに笑うと、ハボックはロイ体を俯せに反すとそのズボンを下着ごと
膝の辺りまでずり下げた。
「あっ」
逃げようとする腰を引き戻して、ハボックは白い双丘を押し開くと舌を這わせる。くちゅくちゅと音を立てて這い回るソレ
に、ロイは熱い吐息を零してシーツに顔を埋めた。ハボックはロイの蕾に舌を這わせながら、脱がせたズボンについた
長い尻尾を無意識に弄っていたが、長く柔らかいソレが、ズボンに付いた辺りはゴムのような質感を持っている事に
気がついた。ハボックはロイの後ろから顔を上げると、ズボンから尻尾を取り外す。ムニムニとその感触を確かめると
ニヤリと笑って解したロイの蕾へその先端を押し当てた。
「…え…?」
ピクリと震えるロイの双丘の狭間へ、ハボックは手にした猫の尻尾を差し込んで行く。ハボックの唾液でたっぷりと
湿らされたソコは、ぬぷぷと音を立てながら、黒い尻尾を飲み込んでいった。
「ひ…やだ…っ」
「すご…ホントに猫みたいだ…」
ぼそりと呟くハボックの声に何が埋め込まれたのかを察して、ロイは身悶えた。
「やだっ…ハボ、とって…っ」
四つに這ったまま白い双丘の間から黒い艶やかな尻尾を生やしたロイの姿は酷く淫猥で、ハボックはごくりと唾を
飲み込んだ。背後から圧し掛かるようにしてロイの中心を愛撫しながら、もう一方の手で尻尾を軽くひっぱる。すると
ソレは抜けるどころかきゅっと締まった蕾にがっちりとくわえ込まれて、まるで本当の尻尾のようだった。
「とって…っ、とって、ハボ…っ」
ポロポロと涙を零しながら訴えるロイにハボックは意地悪く囁いた。
「何言ってるんスか。がっちり咥え込んで放さないくせに。」
そうして、尻尾をくいくいと引っ張りながらロイの中心を追い上げて行く。ロイの唇から零れる呼吸がせわしくなり、
ロイはぶるぶると震えると熱を吐き出してしまった。
「あああああっっ」
ハボックに腰を高く支えられたまま、ロイは顔をシーツに埋めて泣きじゃくった。そうして横目でハボックを見上げると
消え入りそうな声で囁く。
「こんなの、ヤダ…っ、お前、のがイ、イっ」
ロイの言葉にハボックの心臓がどくんと跳ねた。ハボックはロイから体を離すと、ベッドに座り込んでロイを手招いた。
「じゃあ、アンタの中に入れられるようにアンタが大きくしてくれます?」
意地の悪い提案にロイは目を見開いたが、それでも体を起こすとハボックの脚の間に体を入れ、ズボンの中から
ハボック自身を取り出した。半ば立ち上がったソレに口を寄せると舌先で先端に溢れてきていた蜜を掬い取り、じゅぶり
と咥えこんだ。
「ん…ぅん…んふ…」
必死にハボックのものを頬張るロイの双丘に収まる黒い尻尾をハボックは手を伸ばして掴むと、くんくんと軽く引っ張る。
じゅぶじゅぶとハボック自身を唇で擦り上げながら、引っ張られる尻尾に合わせて腰を振るロイの姿に、ロイの口中で
ハボック自身が大きく膨れ上がった。ハボックはロイの髪を引っ張って顔を上げさせると、その唇に口付ける。
「よく出来ました。ご褒美上げますよ…」
ハボックはそう囁くと白い双丘に埋まった黒い尻尾を強く引っ張った。ぬぷん、と音を立てて抜け出したソレに、ロイが
悲鳴を上げる。ハボックは尻尾を放り投げると、ロイの体を引き起こし、ベッドに座る自分の上に跨がせて、一気に
貫いた。
「んあああっっ」
喉を仰け反らせてハボックを受け入れて行くロイの体を引き寄せると、ハボックは悲鳴を上げるロイの唇を強引に
塞いだ。ロイの頭を支えながら、まだつけたままの猫耳を指で探る。乱暴に突き上げればロイ自身から白濁が
迸った。それでも容赦なく達したばかりの体を揺すりあげれば、ロイは必死にハボックに縋り付いてくる。
「う…んっ…ハ、ボっ」
「たいさ…たいさ…」
ハボックは縋りついてくる体を抱きしめると、その最奥へ熱い飛沫を放った。

「たいさ、猫耳、似合いますね。」
ハボックは腕の中のロイの頭に付いたままの飾りを弄りながら囁いた。ロイはジロリとハボックを睨むと手を上げて耳を
はずしてしまう。
「取っちゃうんですか?」
似合うのにもったいないと、さも残念そうに呟くハボックの耳を思い切りつねり上げてロイは呟いた。
「来年は絶対仮装しないからな。」
「え〜〜っっ、来年も猫、やってくださいよ。」
「絶対にヤダッ」
やって、やってと、でかい図体で甘えるように言うハボックを押しやりながら、ロイはこんなものを送ってきたヒューズを
どうやって懲らしめてやろうかと頭をめぐらせるのだった。


2006/10/30


ハロウィーンネタでロイハボverだけ書いて放置しておりましたら「ハボロイも!」とのリクを、ハロウィーン前日に頂きまして、慌てて書きました。
す、すみません…お下劣な話で。別にハロウィーンにかこつけなくてもいいような話ですねー。ははは(滝汗)