first anniversary Havoc×Roy
「じゃあ、大佐。出張行ってきますんで。オレがいない間ちゃんと…。」
ハボックはボストンバッグを持ち上げながらロイの背中に向けて言う。頑なにハボックを拒む姿に言いかけた
言葉を飲み込むと小さくため息をついた。
「行ってきます。」
ハボックはもう一度それだけ言うとリビングを出て行く。少ししてドアから出て行く音とガチリと鍵のかかる音
がした。
「…っっ!」
ロイは硬いその音に慌てて玄関まで飛び出す。だが、扉を開けることも出来ずに唇を噛み締めたままハボック
の足音が遠ざかっていくのを聞いていることしか出来なかった。
一体何が原因だったのか。もうそれがなんだったのかも思い出せないような些細なことだった気がする。ほんの
ちょっとした言い回しが気に入らなくて、気がついたときにはハボックに酷い言葉を投げつけていた。それでも
普段なら苦笑しながら宥めてくれるハボックも、あまりのロイの言いように流石にムッとしたようで彼にしては
珍しく黙り込んでしまった。多分、あの時「言い過ぎて悪かった」と一言言えていたならこんなにこじれることは
なかったに違いない。いや、こじらせているのはロイだけだ。あの後、ハボックは何度か仲直りしようと声を
かけてきてくれていた。だがそのたび、ロイはハボックに背を向けて、或いは乱暴に席を立つことでハボックを
拒んできたのだ。そうして今日。
仲直りできぬままハボックは1週間の出張に出かけてしまった。きっとハボックは自分がいない間のことを
あれやこれや言い残していきたかったに違いない。だが実際には頑なに拒むロイに何も言わずに言ってしまった。
2人が付き合い始めてから、きっとこんな事は初めてに違いない。
ロイは硬く閉じられた扉にコツンと額をつけるとぽろりと涙を零したのだった。
ホークアイとともに会議から戻ってきたロイは司令室の扉を開けて無意識に金色の頭を探す。そうして求める
物が見つけられない事に小さく落胆の吐息を吐いた。
「一人いないだけですのになんだか随分広く感じられますわね。」
ホークアイがそう言うのにロイは大袈裟に肩を竦める。
「図体ばかりでかくて煙くさいのがいないからな。」
空気が綺麗でいい、とロイが呟くのにホークアイがくすりと笑った。その笑みがなんだか全てを見透かしている
ような気がして、ロイは慌てて執務室へと逃げ込む。パタンと扉を閉じるとそのまま背を預けてため息をついた。
(今頃何をしてるんだろう。)
ロイは窓の外に見える空を見やってそう思う。綺麗に晴れ渡った空はハボックの瞳の色と同じで、嫌でも
今ここにいない男を思い起こさせた。
(きっと清々してるんだ…)
喧嘩をしてからずっと、家に帰っても気まずいままだった。だからロイはわざと行きつけのバーに居座って
夜遅くにならなければ帰らないようにしていた。ハボックが心配しているのは判っていたが、ハボックと一緒
にハボックの作った料理を食べることが我慢できなかったのだ。食べるとも食べないとも言わぬまま夜遅く
帰るロイの為にも、ハボックは食事を用意していてくれた。だが実際には食べられることのない料理は
一体どうなっていたのだろう。ロイはそんなことを考えて首を振った。そうして窓に近づくとブラインドを下ろして
窓いっぱいに広がる空色を締め出してしまったのだった。
仕事を終えてロイは家に戻ってくると鍵を取り出して家に入る。ひんやりと人の気配のない家に知らずと
ため息が零れた。
(前はいつもこうだったじゃないか。別に気にするようなことじゃない。)
ロイはそう思ってリビングへと入っていく。パチリと灯りをつければ白々と照らされた室内が見知らぬそれ
のようだった。ロイはソファーに上着を投げるとドサリと腰を下ろした。さっき会食で食べたものが胃にもたれて
ムカムカする。こんな時いつもならハボックがハーブティなど淹れてくれるのだ。
『消化がよくなりますから』
そう言ってハボックが差し出してくれるカップからは爽やかな香りがして、それだけで気分が違うのだが。
「……。」
ロイは一つため息をつくと軍靴を脱ぎ捨てて、足をソファーの袖に載せだらりとソファーに横たわる。
何の気なしにあげた視線の先に壁にかかったカレンダーが入ってきて、その中に一つ大きな紅い丸が
数字の周りに描かれていた。
『たいさ、覚えてます?オレ達が付き合い始めてからこの日で1年経つんですよ。』
お祝いしましょうね、ハボックはそう言ってカレンダーに大きな丸印をつけたのだった。
ハボックに言われるまでもなく、ロイだってその日でハボックと付き合い始めて1年目だということはとっくに
判っていた。ずっとずっと好きだったのだ。それでも生来の性格が邪魔をしてどうしても素直になれず、
なかなか自分の想いを伝えられなくて苦しい思いをしていたあの頃。一体どういう神の気紛れかハボック
から好きだと打ち明けられた時は息が止まりそうなほど嬉しかった。お互い想いあっていること確かめ合い
口付けを交わし、ハボックと一つに融けあった時はもう死んでもいいと思ったほどだ。それから暫くして
一緒に暮らすようになり、時には喧嘩もしたけれどそれでも概ね旨くやっていけたのは、いつでもハボックが
ロイの我が儘を赦してくれていたからだ。いつだってロイの言い分を笑って聞いてくれて、時には優しく
諭しながらロイを甘やかしてくれていたから。
『たいさ』
自分を優しく呼ぶハボックの声がロイの脳裏に蘇る。今、ハボックはセントラルに出張中だ。ロイはカレンダー
に描かれた紅い丸を見つめた。お祝いをしようと言っていたものの、結局その日ハボックはセントラルだ。
きっとこんな風に印をつけたことなど忘れてヒューズと楽しく酒でも酌み交わすのだろう。
(いいんだ、いない方が…。)
いなければ一緒にその日を祝えなくても言い訳が立つ。だってハボックはいないのだから。決して祝いたく
なくてそうしないのではないのだ。ロイはそんなことを考えながらふと浮んだ考えにギクリと体を強張らせる。
もしもハボックが、ヒューズにもうイーストシティには戻りたくないと言ったら、このままセントラルにおいて欲しい
と言ったらどうしよう。ロイはふと浮んだ考えにぶるりと体を震わせる。ヒューズはことのほかハボックが気に
入っていた。ハボックがそう言ったなら自分の下に置こうとするかもしれない。このままハボックが帰って
来なかったら。そう思った瞬間胃がきゅうっと縮まり、ロイは慌てて洗面所に駆け込むとぐぅっとせり上がって
きたものを吐き出した。ざあざあと水を流してロイは胃の中のものを粗方出してしまう。ロイは涙の滲む目で
排水溝へと吸い込まれていく水の流れをただぼんやりと見つめていた。
「中佐。欲しい資料ってこれっスか?」
ハボックはセントラルシティの軍司令部のヒューズの執務室におざなりなノックとともに入っていくと、持っていた
ファイルを差し出した。
「おお、サンキュ。」
ヒューズは書いていたペンを置くとファイルを受け取って軽くウィンクする。ハボックは懐から煙草のパッケージを
取り出して火をつけると、煙とともにため息を吐き出した。
「まったく、そんな資料を取りに行くのにオレを使わんで下さいよ。」
ハボックがそう言えばヒューズがにやにやと笑う。
「ま、いいじゃないか。立ってる者は親でも使えっていうだろ。」
「オレはアンタの親じゃありませんし、ぼーっと立ってたわけでもありません。」
眉を顰めてハボックはそう言うと、ヒューズをじっと見つめた。
「なんだ?愛の告白か?」
「…いっぺん死んでみます?」
ギリと煙草のフィルターを噛み潰してハボックはそう言うと、ヒューズの机の灰皿に煙草を押し付ける。そうして
新しい煙草を取り出しながらヒューズに聞いた。
「ねぇ、どうして大佐ってああも意地っ張りなんスかね?」
「なんだ、また喧嘩か?」
「喧嘩っつか、何が気に食わないだかよくわかんないんですけど。ずっと怒ってるんですよね。」
も、どうしたもんだか、とぼやくハボックにヒューズがにやりと笑って言う。
「抱いちまえばいいだろ。」
「なっ…!」
「耳元で優しく囁いてちょっと強引に抱いてやれば、ロイだってそうそう怒っちゃいられないだろ。」
「あんたねぇ…っ」
ハボックは真っ赤になってヒューズを睨みつけた。だがヒューズはそんなハボックの視線などものともせずに
煙草を取り出すと火をつける。
「結局はお前さんが甘やかすからだろう。」
「別に甘やかしてるつもりはないっスけど。」
ハボックの答えにヒューズはあんぐりと口を開けると大袈裟に驚いて見せた。
「あれで甘やかしてない?!誰がどう見てもベタベタの甘々だろうが。」
「なんスか、それ。」
ハボックは不服そうに唇を尖らす。そんなハボックにヒューズは苦笑すると言った。
「まあ、あんだけ我が儘言うのもお前さんにだけだけどな。」
「え?中佐には言わないんスか?」
「言うかよ。大体アイツ結構ドライだからな。ああいう態度を取るのはお前にだけだよ、少尉。」
そう言われてハボックは空色の瞳を見開く。
「お前になら何を言っても赦してもらえると思って甘えてんのさ。あのロイが、だぜ。」
はじめてみた時はたまげたぜ、と言って煙草の煙を吐き出すヒューズを見つめていたハボックだったが、やがて
口を開くと言った。
「中佐、一つお願いがあるんスけど。」
そう言うと問いかける視線を向けてくるヒューズに向かってハボックは話を始めたのだった。
ハボックが出張に出かけて5日が過ぎようという頃。ロイは執務室のカレンダーを見て書類を書いていた手を
止める。印はついていなくてもその日が何の日なのかは言わずと知れていた。結局ハボックが出張に出てから
ただの一度も連絡はなかった。普段なら出張先からうるさいほどに連絡が入ってくるというのに。もっともホーク
アイ宛てに定例の連絡はあるようだから、決して連絡をしてきていないというわけではないのだが。
「……。」
ロイは細くため息を吐くと書類に目を戻す。見下ろす書類の文字がちかちかとちらついて、ロイは背もたれに
寄りかかると両方の目頭を指で軽く揉んだ。その時、ノックがしてホークアイが執務室へと入ってくる。ロイの
様子を見ると、僅かに眉を顰めてそれから小さくため息をついて書類を抱えなおすと言った。
「大佐。今日はもうお帰りください。」
「何を言ってるんだ、中尉。まだ今日が締め切りの書類は片付いてないぞ。」
「見れば判りますわ。でも大佐、今日、鏡をご覧になりましたか?」
言われてロイはどうだったかと頭を捻る。顔を洗った時に覗いたような気がするが正直あまり覚えていなかった。
「酷い顔色です、大佐。今日はもう、家で休まれてください。」
「だが仕事が…。」
「どうしても今日中でなければいけない書類だけ今目を通していただいて、それが済んだら家で休んでください。」
ホークアイはそう言うと書類の山を手早くチェックしていく。そうして差し出された数枚の書類にロイが目を通して
サインをするのを見届けると、ロイを促した。
「今、警備兵に車を回させますから、今日は家でゆっくりなさってください。」
そう言われてロイは仕方なしに立ち上がるとのろのろと執務室を出たのだった。
ロイは家に戻るとのろのろと中へと入っていく。上着を脱ぐことすら面倒で、ロイはドサリとソファーに身を投げ
出した。本当は司令部で書類を見ていたほうがよっぽどマシだった。家に戻ればそこはハボックの名残り
ばかりが目に付いて否応なしに思考がそちらに向いてしまう。ソファーに寄りかかったロイはカレンダーの
印を目にして乱暴に立ち上がると小物入れからペンを取り出した。そうしてカレンダーの前に立つとペンの
キャップを取り外す。紅い印の上に黒いマジックの先を近づけると思い切り×を書こうとして。
一体どれほどペンをカレンダーに寄せていただろうか。ロイはペンを持っていた手をだらりと下げると、カレンダー
にコツンと額を寄せた。
「ハボックのバカ…。」
この期に及んでもやっぱりハボックを詰る言葉しか出てこない自分にいい加減嫌気が差して、ロイは深いため息
を吐くとずるずると床に座り込んだのだった。
そうして明るかった部屋の中がオレンジ色に染まり、いつしか闇に沈んでいっても、ロイはぼんやりと床に
座ったままだった。あの時喧嘩をしなければ、せめてハボックから電話の1本もあったろうか。一緒に過ごす
ことはできなくても、少なくとも電話を通して優しい時間を過ごすこともできたかもしれない。ロイは膝を抱えると
深いため息を零した。ハボックが好きだ。好き過ぎてどうしていいか判らない。好意をまっすぐに向けてくる
ハボックのように自分もそうできたらどんなにか楽だろう。だが実際にはハボックを前にすると意地悪な言葉
が口をついて出る。我が儘を言ってしまう。そうしてハボックが笑って赦してくれることでしかハボックが自分を
好きでいてくれることを確かめることが出来ないのだ。
「やなヤツ…。」
ロイはぼそりとそう呟いた。こんな自分と1年間も付き合ってくれたことの方が不思議なのかも知れない。
付き合い始めた日が別れる日になったっておかしくない。ロイがそう思ってぎゅっと膝を抱え込んだ時。
バンッッ!!
乱暴に扉が開く音がしてロイはビクリと体を震わせる。膝を抱えたまま闇を透かしてみているとバタバタと
足音がしてカチリと電気がついた。
「たいさっっ?!」
「…ハボック?」
突然明るくなった部屋に目を瞬かせて見上げた先にはハボックが肩で息をしながら立っていた。
「アンタ、いるなら灯りくらいつけてくださいよっ!司令部に電話したら調子が悪くて帰ったって言うし、灯りも
つけないでそんなとこで、一体なにやってるんスかっ?!」
一気に捲くし立てるハボックをロイはぽかんとして見つめる。
「たいさ?どっか痛いんですか?大丈夫っスか?」
返事をしないロイにハボックは荷物を放り出すとロイの側に片膝をつき、心配そうにロイの顔を覗き込んだ。
「たいさ?」
「な、んで?」
「え?」
目を見開いてハボックを見つめたロイは掠れた声で尋ねる。
「出張は明後日までだろう?」
そう言われてハボックはああ、と頷くと答えた。
「できるところまでやって、後はヒューズ中佐に押し付けてきました。エリシアちゃんの好きなパウンドケーキと
一緒に。」
「押し付けてって、お前…。」
驚いたように呟くロイにハボックは決まり悪そうに眼を逸らす。
「あー、だってほら、せっかくの1周年に喧嘩したままなのイヤだったし、それにやっぱり…。」
とハボックはそこまで言うとロイの瞳をまっすぐに見た。
「一緒に過ごしたかったし。」
そう言って照れたように笑うハボックにロイは胸が苦しくなる。
「えと、この間はごめんなさい。オレもちょっと煩く言いすぎたと思うし、これからはもう少し気をつけるから、だから
これからもオレと――」
ハボックはそこまで言ってロイの瞳からポロポロと涙が零れている事に気がつくとギョッとして目を見開いた。
「えっ、たいさ、どうしたんスかっ?オレ、ヘンなこと言いました?え、ちょっと…うわ、どうしよ…。」
わたわたと慌てるハボックの首に腕を回すとロイはハボックに口付ける。
「っっ??!」
驚いて固まったハボックから僅かに唇を離すと、吹き込むように囁いた。
「ハボ、好き…っ」
ロイの言葉にハボックの空色の瞳が見開かれる。
「好き…好きだ…っ」
そう囁きながら縋りついてくるロイを暫く呆然として見つめていたハボックは、やがて優しく微笑むとその細い体
をしっかりと抱きしめた。
「オレもたいさが好きです…」
そう言って零れる涙に唇を寄せる。
「これからもオレと一緒にいてください。」
その言葉に答えるように口付けて来るロイを今度はしっかりと受け止めてハボックは深く口付けを交わした。
舌を絡めてお互いの口中を探りあう。長い長い口付けの後でくたりと凭れかかってくるロイの体をヒョイと抱え
あげるとハボックはリビングを出た。
「ハボっ」
「イヤだって言わないでくださいね。」
ハボックはそう言うと階段を上がり寝室へと入っていく。月明かりの差し込むベッドの上にロイをそっと横たえると、
上着を脱ぎ捨ててロイの上にのしかかった。
「たいさ…」
そう囁いてロイの顔を上から見下ろせば黒い瞳がゆらゆらと揺れてハボックを見つめていた。ロイは手を伸ばすと
ハボックの頭を引き寄せる。
「ん…。」
ぴちゃりと音がして2人の舌が絡み合った。ぴちゃぴちゃと音を立てて互いの口内を舐めまわす。ロイの唇の
端から唾液が銀色の糸になってロイの頬を伝って零れていった。ハボックはその糸を辿るようにロイの頬に
舌を這わせる。そのまま形の良い耳にたどり着くと、ぴちゃと音を立てて舌を差し入れた。
「あっ」
ぴくんと震えるロイに薄っすらと微笑んで、ハボックはぬちゃぬちゃと舌を這わせる。穴に差し入れたかと思うと
柔らかい耳たぶを甘咬みし、すっかりと唾液で濡れそぼつまでロイの耳を舐めまわした。ようやく満足してそこ
から顔を上げれば、もうそれだけですっかり感じ入った様子のロイが目に入ってハボックはうっとりと笑う。
一度身を離すとロイの服のボタンを外し、力の抜けた体から剥ぎ取っていった。ロイの服を全部脱がせ、自分
もまだ見に纏っていた物を脱ぎ捨てると、改めてそっと抱きしめる。直に触れる肌にロイはぞくりと肌が粟立つ
のを感じた。
「たいさ…たいさ…」
ハボックは囁きながらロイの肌に舌を這わせていく。時折きつく吸い上げられて、痛みとともにじわりと広がる
快感にロイは甘い吐息を零した。
「ん…ぅふ…」
ハボックはぷくりと立ち上がった乳首をきゅっと摘みあげる。途端にびくんと大きく揺れる体に、何度もそこを
こね回した。
「あっ…あんっ…んんっっ」
そんなところを弄られて感じるなど、ハボックと肌を合わせるようになるまで知りもしなかった。乳首をこね回されて
ロイの中心からはとろとろと先走りの蜜が零れている。無意識に腰を揺らすロイの耳元にハボックは楽しそう
に囁いた。
「気持ちイイ?」
「あっ…ちが…っ」
「だってこんなにコリコリになって…こっちだってぐちゃぐちゃだし…。」
ハボックは片手の指を大きく広げると親指と小指で硬く立ち上がった乳首を刺激する。そしてもう一方の手で
そそり立つロイの中心を握り締めるとゆっくりと扱き出した。
「あっ…やっ、いやっ」
胸と中心を同時に弄られて、全身に広がっていく快感にロイは身悶える。真っ赤になって首を振るそのさまを
ハボックはじっくりと眺めてごくりとつばを飲み込んだ。ロイの太腿に手を当てるとぐいと押し開く。
「あっ、やっ!」
イヤらしく蜜を零す中心を曝け出されてロイは身を捩った。だが、ハボックの強い力に思うようにはいかなかった。
ハボックはそそり立つソレに唇を寄せるとぺろりと先端を舐める。
「ひっ!」
びくりと跳ね上がる体を押さえ込んでハボックはロイ自身を深く咥え込んだ。じゅぶじゅぶと唇で擦り、舌を
絡ませる。くびれた部分にわざと歯を当ててやると、先端からとろりと蜜が零れた。つるりとした先端の部分を
舌で押しつぶすようにして小さな穴を広げてやる。ぶるぶるとロイの体が震え、耐え切れない喘ぎが上がった。
「あひ…や、も…でるっ」
ロイはシーツを握り締めて足先をきゅっと丸めるようにして力を込めると、必死になって射精感をやり過ごそう
とする。だがきつく吸い上げられてもう堪らずにハボックの口内へと熱を迸らせた。
「あっあああっっ」
びくびくと体を震わせながら熱を吐き出してしまうと、ロイはベッドに沈み込んだ。吐き出された熱をごくりと
飲み込んで、ハボックは荒い息を零すロイの顔を見つめる。目元を赤らめてぼうっと宙を見つめるロイの頬
に指を滑らせながらハボックは囁いた。
「たいさ…かわいい。」
そう囁かれてぼんやりとハボックを見つめれば、ハボックは唇についた白濁を舌を出してぺろりと舐める。
その様にロイの顔がかあっと紅くなった。ハボックはそんなロイの頬にチュッと音を立ててキスをすると
するりと指をロイの蕾に這わせる。ぴくんと震えるロイの顔を覗き込みながらハボックはロイに言った。
「いいっスか…?オレもう限界なんスけど。」
欲望に濡れた蒼い瞳で見つめられてロイは僅かに目を見開いたが、小さく頷く。ハボックは嬉しそうに
笑うとロイの口元に指を差し出した。ロイは舌を差し出すとハボックの指に這わせる。荒い息を零しながら
懸命に指をしゃぶるロイの表情をハボックはゾクゾクとしたものを感じながら見入っていた。ロイの唾液で
たっぷりと濡れたと判ると、ハボックはわざとロイの体を指で辿りながら目指すところへと進んでいく。臍の
周りをくるりと廻り、再び立ち上がり始めたロイ自身の根元からツツツと棹を辿って先端をくにゅんと押しつぶして
また棹を伝って降りていく。やわやわと袋を揉みしだくとつぷりと戦慄く蕾へと指を差し入れた。
「あっ!」
いっぺんに根元まで突き入れられて、ロイはビクッと体を震わせる。ハボックは沈めた指を楽しそうにかき回すと
2本、3本と次々と入れる指を増やしていった。
「あっあっ」
ぐちぐちとかき回されてロイは無意識に腰を揺する。ハボックは差し入れた指を乱暴に引き抜くとロイの脚を
高く抱え上げた。そうして滾る自身をひくつく蕾に宛がうと一気にずぶずぶと突き入れていく。
「アッアア―――ッッ!!」
貫かれる衝撃にロイは悲鳴を上げながら白濁を撒き散らした。脳天を突き抜ける快感に蕩ける体を容赦なく
揺さぶられて、ロイは啼きながらもがく。
「い、やぁっ…ひっ…ひあっ…ああっ」
入口までずるりと引き抜かれた熱い塊りが、次の瞬間には体の最奥を抉り、熱を吐き出したばかりのロイ自身
は瞬く間に硬度を取り戻して二人の間でたかだかとそそり立っていた。
「たいさ…たいさぁ」
ハボックは喘ぐロイの顔中にキスを降らせながら乱暴にロイを突き上げる。纏わりつく熱い襞にぞくぞくと
背筋を快感が走りぬけ、ハボックは顔をゆがめた。
「あっ…あひぃ…んああっ…ハボぉ…っ」
啼きながら腰を揺らめかせ、ロイは何度も熱を吐き出す。そそり立った自身から白濁が迸る快感に、ロイの
唇から唾液がたらりと零れた。
「ハボ…ク…っ、なかに…だして…っ」
熱い熱で体の中心を焼き尽くされたい。ロイは自分を犯す男に縋りつくとイヤらしく腰を振りながら強請る。
その姿に流石に抗う術を持たず、ハボックは乱暴にロイを突き上げると、ロイの望むままその最奥に熱を
叩きつけたのだった。
ぽかりと浮き上がった意識に、今自分がどこで何をしているのか判らず、ロイは目を瞬かせた。優しく髪を
なでる感触に視線を上げればハボックが優しく微笑みながら自分を見つめている。ロイはそっと手を伸ばすと
その空色の瞳に指を這わせた。何度も行き来する指先にハボックはくすぐったそうに笑う。
「ハボ…。」
「なんスか?」
「ずっと側にいて…?」
「イヤっつっても離れませんから。」
そう囁かれてロイは嬉しそうに微笑むとゆっくりと口付けていくのだった。
2007/5/28