I'm scared!
「たいさ〜、見て見てっ!!」
呼ばれて振り向いたロイはギョッとした。ロイの後ろに立っていたのはかぼちゃの顔をした男だったので。
「…ハボック?」
言われて、かぼちゃの陰から顔を出したのはハボックだった。
「びっくりしました?」
子供のように笑うハボックに苦笑して、ロイはハボックが手にしたかぼちゃを見つめた。
「ジャック・オー・ランタン?」
「そうそう、もうすぐハロウィーンっスから。」
「もうすぐ?まだだいぶあるだろう?」
ハロウィーンはたしか10月の終わりだった筈だ。
「楽しいことは早く始めたほうがいいんスよ。」
そう言って、ハボックは得意げにかぼちゃをロイに差し出した。
「お前が作ったのか?」
「そうっスよ、上手いもんでしょ?」
オレンジ色の大きなかぼちゃは綺麗にくりぬかれ、恐ろしげな目と口が刻まれている。
「なかなかに恐ろしげな顔だな。」
「いいんスよ、これくらいで。悪霊を追い払うんだし。」
玄関に飾ってもいいっスか、と言うハボックにロイは笑って頷いた。
「お祭好きなお前が喜びそうなイベントだ。」
そう言うロイにハボックは楽しそうに答えた。
「ガキの頃、仮装して近所を歩き回りましたよ。『トリック・オア・トリート』って。楽しかったなぁ。あの日だけは夜遅くまで
外を歩いてても怒られないんスよね。いつもは暗くなる前に帰って来いって言われるのに。」
仮装をして歩くハボックはさぞ可愛かったろうと良からぬ妄想をするロイに、ハボックが言った。
「大佐だったら黒猫の仮装っスかね。」
「…どうせやるならドラキュラあたりがいいが。」
そう言ってロイはにやりと笑うとハボックの首筋に口付けた。
「バカ言ってないでくださいよ。」
ハボックが顔を赤らめて首筋を押さえながら言う。
「大体、ガキの頃の話でしょうが。」
唇を尖らせるハボックに口付けたい衝動を押さえてロイは聞いた。
「お前は何の仮装をしたんだ?」
「オレっスか?そっスね、やっぱ幽霊とかドラキュラとかっスかね。」
「それで『トリック・オア・トリート』?」
「そうそう。」
ハボックはそう答えながら、思わずロイから一歩離れた。
「どうした、ハボック?」
そう聞くロイの顔にはチェシャ猫のような笑みが浮んでいる。
「だって、アンタ、碌でもないこと考えてるでしょう?」
「失礼なヤツだな。」
そう言いながらロイはハボックに一歩近づく。するとハボックが一歩後退して。しかし、広さに限りのある部屋の中、
気がつけばハボックは壁際に追い詰められていた。
「たいさっ」
「なんだ?」
「オレ達、ハロウィーンの話をしてたんスよね?」
「そうだな。」
そう答えて、ロイはずいとハボックに顔を寄せた。
「お菓子のように甘いお前を食べるのも、お前にイタズラするのもさぞかし楽しいだろうと思ってな。」
そう言われてハボックは一瞬ポカンとしたが、次の瞬間真っ赤になった。
「それって、トリックもトリートも意味が違うでしょうがっ!」
大体それじゃ、オレがちっとも楽しくないと、喚くハボックを壁に押さえつけてロイはくすくすと笑った。
「私は楽しいぞ。」
「ちょ…たいっ…んっ」
強引に唇を重ねられて、ハボックは身を捩る。歯列を割って入ってきた舌に乱暴に口中を弄られて、ハボックの喉が
ひくりと鳴った。
「んっ…んっ」
シャツの中に滑り込んできたロイの指がハボックの乳首を弾く。びくんと震える体に気をよくして、ロイはシャツをまくり
上げるとハボックの肌に舌を這わせた。
「あっ…あっ…」
ロイの唇がハボックの感じるところを的確に捉え、痕を残していく。ハボックの指がロイの黒髪に差し込まれて、引き
寄せるように力が入った。
「はあっ…たいさ…」
呼ばれてロイは微笑むと、ハボックのズボンを下着ごと引き摺り下ろす。立ち上がるハボック自身に唇を寄せると
ハボックの唇から艶やかな吐息が零れた。
「あ…はあ…」
ちゅくちゅくと唇で擦られて、ハボックは射精感を募らせていく。ロイを引き離そうと髪を掴むが一層深く咥え込まれる
だけで、放しては貰えなかった。
「たいさっ…も、でる…っ!」
「いいぞ、イけ。」
「そ、んな…っ」
首を振って必死に耐えようとするハボックの後ろへ、ロイは強引に指をねじ入れた。
「ひああああっっ!」
衝撃に悲鳴を上げた途端はじけたハボックは、ロイの口中へ熱を放っていた。最後の一滴まで綺麗に舐め取って、
ロイは体を起こすとハボックの髪をかき上げた。目尻を染めて荒い息を吐くハボックにロイ自身がどくんと脈打つ。
「舐めて」
ロイはハボックの口元に手を差し出すと指を舐めるように促した。おずおずと差し出された舌が、ロイの指をぴちゃぴちゃ
と唾液で濡らしていく。強請るようなその視線にロイはうっすらと笑った。
「たいさっ…」
もぞもぞと腰を揺らすハボックにロイはハボックの唇から指を引き抜くと言った。
「ズボンを取るんだ。」
ハボックは言われるままに膝までずり下ろされていたズボンを下着ごと脱ぎ捨てる。ロイはハボックの蕾の淵をそっと
探った。そうしてずぶりと指を差し入れる。
「はあっ…」
喉を仰け反らせて喘ぐハボックを見つめながら更にもう一本指を差し入れた。
「んくぅ…」
とろんとハボックの中心から蜜が零れる。ぐちゃぐちゃとかき回せば、ハボックの腰がもどかしげに揺れた。差し入れた
2本の指を開いたり閉じたりすると、ハボックがいやいやと首を振った。
「やだっ…それっ…」
「なぜ?」
「だって…っ」
普段人目に晒すことのない部分に、ロイが指を動かすたびひやりとした空気が当たって、嫌でも自分が何をされて
いるのか意識しないわけにはいかない。ハボックは真っ赤になって首を振るとロイの頭をかき抱いて唇を重ねた。
必死に舌を絡めて、ロイに自身を擦り付ける。ひやりと空気が掠める部分を早く熱いロイ自身で埋めて欲しくて
ハボックは懸命に腰を揺らした。
「いやらしいな、ハボック」
ロイにそう言われて、ハボックは悔しそうに顔を歪める。それでも欲しいと思う気持ちには勝てず、ロイ自身に指を
這わせた。
「たいさっ…はやくっ…」
強請るハボックにロイはくすりと笑った。途端に不機嫌そうに顔を歪めるハボックに軽く口付けると、ハボックの片脚を
抱え上げ、滾る自身をぐいとその入り口に宛がった。
「ああ…」
ハボックの唇から熱の籠った息が吐き出され、ひくりと入り口が震える。次の瞬間、ロイは一息に宛がった熱をハボック
の中へ突き入れた。
「あああああっっ」
仰け反るハボックの体を引き戻し腰をグラインドさせる。びくびくと震えるハボックの床についたもう一方の脚に手を
かけると、ロイはそちらの脚もぐいと持ち上げてしまった。
「あっあああっっ」
安定を欠いたハボックが、必死にロイに縋り付いてくる。繋がる一点だけで体を支えるムリな姿勢に、深々とロイを
迎え入れさせられて、ハボックは喘いだ。
「くうっ…」
ロイは壁にハボックの背を押し付けるようにして、ハボックを揺すり上げた。何度もこね回されて、ハボックの口から
切れ切れの悲鳴が上がる。
「ひあっ…あっ…ああっ」
青い瞳から止めどなく涙が零れ、喘ぐ唇をロイは強引に塞いだ。上げる声さえ封じられてハボックがロイの体に
縋りつく。粘つく水音が繋がった部分から絶え間なく響いて、ハボックはいたたまれずに緩く頭を振った。深く犯された
体は快感に支配されて、ほんの僅かな動きさえも全てが悦すぎてハボックは熱い息を零す。二人の間で堅く反り
上がったハボック自身が揺すられて擦られる衝撃に白くはじけた。それと同時にハボックのイヤらしく蠢くソコがロイ
自身を締め付ける。だが、ロイは眉を顰めて快感をやり過ごすと更にハボックを突き上げた。
「ああっ…たい…さっ…はやくっ…だ、してっ」
直接的な言葉で強請るハボックにロイはうっすらと笑った。きっとハボックはもう、自分が何を言ったか判っていない
だろう。ロイが強く揺さぶるとハボックは悲鳴を上げる。思うままハボックを蹂躙すると、ロイはハボックの最奥へ白い
熱を放った。
力なく床に座り込んで、ハボックはロイを恨めしげに見上げた。ロイは涼しい顔でかぼちゃを手に取ると目を眇めて
眺めている。
「も、ホントにアンタって信じらんない…」
気だるい体に服を身につけることすら儘ならずにハボックは膝を抱えた。
「お前だってその気になってただろうが。」
ロイにそう言われてハボックは思い切りロイを睨みつける。そんなハボックに顔を寄せてロイが囁いた。
「お菓子のように甘いお前を堪能したところで、今度はお前にイタズラしようか…?」
ギョッとしてズボンを引き寄せるハボックにロイはくすくすと笑う。気だるい体を叱咤して慌てて身繕いをするハボックを
ロイは楽しそうに見つめた。今度はどんな風にイタズラを仕掛けてやろうかと考えて、不穏な空気を撒き散らすロイを
ハボックはハロウィーンの悪霊より性質が悪いとウンザリとため息を零すのだった。
2006/9/5
「秋ですね企画ss」第一弾はロイハボ、ハロウィーンネタで。何と言われようと突き進むぞってんでエロ、頑張りました。ハロウィーンの時、子供達が「Trick
of treat!」と言って回った時、近所の人は「I'm scared.」と答えてお菓子をあげるのですが、ハボにとっては別の意味でscaredってことで(笑)