「……どういうつもりっスか?」
 ハボックは己を見下ろす常盤色の瞳を睨み上げる。普段の飄々としたとぼけた表情からは想像がつかないほど苛烈な光を宿す空色に、だがヒューズはまるで動じずに答えた。
「別にどういうつもりも何もねぇよ」
「何にもなくてこんなことするんスかっ、アンタ!」
 そう怒鳴って飛び起きようとした体は、ベッドに括りつけられた鎖でむなしく引き戻される。ハボックは今、着ていた服を全て剥ぎ取られ全裸に剥かれてベッドに縛り付けられていた。
 上司の親友でもあるヒューズはセントラル勤務であるにも関わらずしょっちゅうイーストシティにある東方司令部に顔を出していた。来れば必ずロイのところへ来ていたからハボックもヒューズの事は知ってはいたが、正直本音の見えないこの男がハボックは苦手だった。顔を合わせれば差し障りのない会話はするもののただそれだけ。だから飲みにいかないかと誘われたときは内心びっくりしたのだ。それでも断る理由も見つけられず、誘われるままホテルのヒューズの部屋で酒を交わし───。
 気がついたときには全裸で両腕をベッドヘッドに括りつけられていたというわけだった。
 確かに親しいつきあいをしていたわけではなかったが、特に仲が悪いと言うこともなく、それだけにハボックはヒューズが自分にこんな事をする理由が全く判らなかった。理不尽な仕打ちはハボックにヒューズに対する怒りをかき立てる。それでも気づかぬところで彼の怒りを買うようなことをしたかと理由を尋ねれば、返ってきた『何もない』という言葉に、ハボックは怒りに震えてヒューズを睨みつけた。
「ふざけんなッ!とっとと解けッ、この変態ヤロウっ!!」
 ギッと垂れた目を吊り上げてハボックが怒鳴る。ギシギシと腕を括りつける鎖を鳴らすハボックを見下ろしてヒューズが言った。
「理由がいるっていうならお前のその可愛げのなさが嫌いってことか?」
「な…っ」
 これまでもハボックの態度を気に入らないと言った上司は多かった。明らかな嫌がらせを受けたこともあったが、こんな仕打ちは初めてだった。
「その可愛げのないお前をロイが大事にしてるっていうのが気にいらねぇ」
 そう言われてハボックは驚きに目を瞠る。そうすればヒューズが面白そうに笑った。
「俺が知ってるのが意外って顔だな。知ってるとも。ロイが散々話して聞かせてくれたからな」
「……ッ?!」
「アイツが本気の相手が出来たっていうから誰かと思えば選りにも選ってお前だなんて。目ぇ覚ませって言っても聞くどころかデキちまった。よっぽどエロい躯してるのか?え?少尉」
 侮蔑の言葉にハボックは何も言わずにヒューズを睨みつける。ヒューズは喉元から胸の中心へと指を滑らせながら言った。
「どうやってロイを誑し込んだのか、躯に聞いてやろうか?」
 その言葉にハボックが大きく目を見開く。流石にこのままでは拙いと思ったのだろう、がむしゃらに括りつけられた腕を引いて暴れるハボックにヒューズが言った。
「泣いて赦しを乞うなら赦してやってもいいぜ?少尉」
 そう言うヒューズにハボックは一瞬動きを止める。キッとヒューズを睨んで言った。
「誰がっ、アンタなんかにッッ!!」
「だろうな」
 その答えを見越していたとヒューズは楽しそうに笑う。
「だったらお望み通り躯に聞いてやるよ、少尉」
 ヒューズはそう言ってハボックの胸の飾りを摘む。ビクッと震える躯に笑みを浮かべるとグリグリと押し潰した。
「…ッ!!ッッ!!」
「へぇ、男のくせに胸で感じるのか」
 嘲笑うように言うヒューズをハボックは唇を噛んで睨みつける。ヒューズが執拗に胸を弄ればビクビクと躯を震わせながらも声を上げようとしないハボックに、ヒューズは昏い笑みを浮かべた。
「そのやせ我慢、どこまで続くのかね」
 ヒューズはそう言ってハボックの脚に手をかける。ハッとしたハボックが抵抗する前に脚の間に躯をねじ込むと、脚を押し広げた。
「勃ってきてるじゃねぇか。胸弄られて勃たせるなんて」
 淫乱だな、と嘲るように言うヒューズをハボックは悔しそうに睨む。それでも更に乳首を攻められれば目をギュッと閉じて声を飲んだ。ビクビクと震えるハボックをヒューズはじっと見つめていたが、不意にハボックの腿に手を当てるとグイと押し上げる。
「…ッ?!」
 奥まった蕾を曝け出されてハボックはヒュッと息を飲んだが声は出さなかった。
「いっつもここに突っ込んで貰ってんのか?」
 ヒューズはそう言って曝け出した蕾に指を這わせる。指の腹で何度か撫でた後、グッと指を押し込んだ。
「……ッッ!!」
 潤いのないそこに無理矢理指をねじ込まれてハボックは身を仰け反らせる。強引にねじ込む指を増やせばビクビクと震えるものの、決して声を上げようとしないハボックをヒューズは忌々しげに見下ろした。
「強情な野郎だな。いい加減にイヤラシい声を聞かせろよ」
 そう言ってもハボックは唇を噛み締めて首を振るだけだ。ヒューズはカッとなってハボックの脚を胸につくまで押し上げ、取り出した楔で一気に貫いた。
「───ッッ!!〜〜〜ッッ!!」
 潤いの足りない器官を一気に貫かれてハボックが背を仰け反らせる。躯を引き裂く痛みにボロボロと涙を零しながら、それでもハボックは一切声を上げなかった。
「この……ッ」
 痛みをこらえて揺さぶられるままに涙を零すハボックをヒューズは殊更乱暴に犯す。ガツガツと突き入れた楔がある一点を掠めた時、不意にハボックの躯が跳ね上がった事に気づいてヒューズはニヤリと笑った。
「ここか」
「ッッ!!……ッッ!!」
 ハボックの反応が変わった場所を執拗に突き上げ押し潰す。涙の零れる目を見開きガクガクと躯を震わせるハボックを見下ろしていたヒューズは、不意にハボックの顎を掴みグッと力を込めた。
「…ぅッ?!」
 力任せに掴まれて薄く開いた唇にヒューズは指をねじいれる。そうすれば噛み締めることを阻まれたハボックの唇から甘い声が零れた。
「んあっ!!アッ!!ひゃあんッ!!」
「く……っ、イイ声が出るじゃねぇか」
「やっ!……あっあっ!!」
「その声でロイを煽ってるってわけだ」
 ヒューズは嘲笑うように言いながら容赦なく突き上げる。
「んく…っ、んあああッ!!」
「ほら、もっとそのイヤラシい声を聞かせてみろッ」
 ねじ込まれた指を噛み切る事も出来ずにハボックは、罵るヒューズに揺さぶられるまま嬌声を上げ続けるしかなかった。


2010/05/14