豆騎士 右手編その後のその後


「あー、疲れたァ」
 旅の途中で立ち寄った宿のベッドにドサリと倒れ込んでエドワードは呟く。そうすればポケットに入れておいたペンがゴリとその存在を主張して、エドワードは手を突っ込んで太字用のマジックペンを出した。
「少尉、元気してっかな」
 くるくると器用に指の間でペンを回して、エドワードは遠くイーストシティにいる恋人の事を思う。そのペンを見ていれば羞恥に震えるハボックの顔が思い浮かんで、エドワードはだらしなく顔を弛めた。


「へぇ……じゃあ、少尉ってばこのペンを尻に突っ込んで善がってたんだ」
「よっ、善がってなんて────」
「違うの?」
「ッッ!!」
 そう聞かれて絶句して目を逸らすハボックの顔をエドワードは覗き込む。キュッと唇を噛み締めて顔を真っ赤に染めるハボックを見れば、自分より十ほども年上にも関わらず可愛くて可愛くて堪らなかった。
「ねぇ……やって見せてよ」
「えっ?!」
 間近から覗き込むようにして囁けばハボックがギョッとしてエドワードを見る。見開く空色を見つめて、エドワードは囁いた。
「このペンを俺の右手だと思って突っ込んだんだろ?どういう風にやったのか、見せてよ、少尉」
「ヤだよッ!!」
 エドワードのオネダリに、当然といえば当然の答えが返ってくる。ふるふると首を振るハボックに圧し掛かって、エドワードは手にしたペンをハボックの目の前に翳した。
「俺がいない間少尉がどうしてんのか、知りたいんだ……ねぇ、このペンでどうやったの?」
「知らないッ!もう忘れたッ!」
 ペンを見るのも恥ずかしいというように、ハボックはギュッと目を瞑って声を張り上げる。エドワードはそんなハボックをじっと見つめていたが、ハボックのボトムに手をかけるとグイと引き下げようとした。
「なっ?!なにすんだよッ?!」
「んー?やって見せてくれないって言うなら俺がやってみようかなって」
「ッ?!冗談言うなッ!!」
「冗談なんかな訳ないだろ」
 エドワードは全体重をかけるようにしてハボックをソファーに押さえ込むと下着ごとボトムを剥ぎ取ってしまう。色の薄い楔をキュッと握れば、ハボックの躯が大きく震えた。
「やっ、やだッ!!」
 直接触れられればろくな抵抗も出来なくなる。零れてくる先走りを塗り込めるようにクチュクチュと扱かれて、ハボックは息を弾ませて力の入らない手でエドワードを押し返した。
「やっ、んっ……んんっ」
「少尉、可愛い……」
 頬を染めて息を弾ませるハボックを見下ろして、エドワードはゴクリと喉を鳴らす。煽られるままに扱く手の動きを早めれば、エドワードの下でハボックの躯がビクビクと震えた。
「……ッ、たいしょ……イくッ、も、イくッ!!」
「いいよ、イって」
 ハアハアと息を弾ませてハボックが縋るようにエドワードを見る。それににんまりと笑って手の動きを早めれば、エドワードの手の中で楔がググッと膨れ上がった。
「やっ……見んなッ、あっ……アアアッッ!!」
 エドワードの視線を感じてハボックは羞恥に顔を歪めながら達してしまう。エドワードの手の中にもったりとした青臭い液体を吐き出して、ハボックはぐったりとソファーに沈み込んだ。
「かぁわいいッ、少尉」
 そう言って紅い頬に派手な音を立ててキスすれば、ハボックが紅い顔で睨んでくる。それにニヤリと笑って、エドワードはハボックの熱で濡れた手でペンを掴んだ。ペンに白濁を塗し、手に残る白濁を蕾に塗りたくる。そうすれば、ハボックがギクリと身を強張らせた。
「大丈夫だって、一度は挿れたんだろ?」
「やだ……大将、やだ……」
「少尉がこれで感じるとこ、見たいんだよ」
「やだッッ!!絶対イヤだッ!!」
 ニッと笑って言ったエドワードは珍しく激しく拒絶されて目を丸くする。一瞬押し黙って、だが、こんな風に拒絶されればかえって挿れてみたいという気持ちが強くなって、エドワードはハボックの脚の間にペンを持った手を差し入れた。
「大将ッ!!」
「挿れるぜ」
 低く囁けばハボックの瞳が大きく見開く。怯えた子供のような瞳で見つめられて、エドワードはゾクゾクしながら蕾に押し当てたペンをグッと押し込んだ。
「ヒ……ッ」
「大丈夫、ゆっくり挿れっから、力抜いてて」
「や、だァ……ッ!!」
 グーッとペンを押し込んでいけばハボックが顔を歪めて喉を仰け反らせる。腕を掴んでくるハボックの指が食い込むほど力が入るのを感じながら、エドワードはペンを奥深く押し込んだ。
「うわ……すげぇヤらしい眺め……ッ」
 ペンを押し込んでしまうと、エドワードはハボックの脚を押し上げ恥部を覗き込む。ヒクヒクとヒクつく蕾がペンをがっぷりと咥えているのを見て、エドワードはゴクリと唾を飲み込んだ。
「ぬ……抜いてッ」
「まだダメ」
 震える声でハボックが懇願するのにあっさりと返して、エドワードはペンの端を掴む。グリグリと容赦なく掻き回せばハボックの唇から悲鳴が零れた。
「ヒィィッ!!やめてッッ!!」
「こうやって遊んだんだろ?少尉」
「違……ッ!アアッ!!」
 ゴリゴリとペンで前立腺を押し潰されてハボックは大きく躯を跳ね上げる。ハアハアと息を弾ませて、ハボックは涙の滲む瞳でエドワードを見上げた。
「お願い、大将ッ、も、抜いてッッ!!こんなの嫌だッ!!」
「そんなこと言って、少尉の、すっげぇ涎垂らしてんじゃん」
「言うなッ、ヒィッ!!」
 言うと同時にグリグリとペンを押し込まれハボックは悲鳴を上げる。ふるふると首を振って縋るようにエドワードを見上げれば、金目の少年はフムと考える仕草をした。
「そうだなぁ、抜いてやってもいいけど、じゃあ、オネダリしてくんない?」
「オ、オネダリ……?」
「そ。俺の右手で犯して欲しいって」
 そう言えばハボックが目を瞠る。シャイなハボックにはこうしてペンで犯されるのも右手で犯してと強請るのも堪らなく恥ずかしく、ハボックは小さく首を振った。
「ふぅん、まあ、俺はいいけど。少尉のヤらしい顔見られればなんでも」
 エドワードは言いながら沈めたペンをゆるゆると動かす。その刺激にハボックがビクビクと躯を震わせた。
「ペンでこのままイっちゃう?」
「やだッ!」
 意地悪く尋ねればすぐさま答えが返ってくる。
「じゃあ言えよ。俺の右手で犯してって」
「大将っ」
 エドワードは言いながらペンを小刻みに揺らした。その上更にそそり立った楔に手を伸ばす。軽く扱けばハボックが逃れようと身を捩った。
「素直じゃねぇなぁ、少尉」
 なかなか強請る言葉を口にしないハボックに、少年はムッと唇を尖らせる。
「いいよ、素直じゃない少尉にはお仕置きすっから」
「えっ?」
 言うなりエドワードは髪を結んでいたゴムを取りハボックの楔の根元に巻き付けてしまう。慌てるハボックを押さえつけ、エドワードはペンを乱暴に動かし始めた。
「ヒィッ!!ヒィィッッ!!やめ……ッ、やめてッッ!!」
「だって、少尉、素直じゃねぇんだもん」
 エドワードは冷たく言い放つとグリグリとペンで前立腺を押し潰す。そうすればハボックの唇から一際高い悲鳴が上がった。
「いた……ァッ!!は、破裂する……ッ!!」
「大丈夫だって、大袈裟だなぁ、少尉は」
「たいしょ……ッ、解いてっ、イかせてッ!!」
「じゃあ、言えって」
 そう言ってエドワードはハボックの顔を覗き込む。息を飲んで口を噤むハボックを見て、ペンをグチョグチョと動かした。
「ヒィ……ッ!!」
「少尉?」
 涙を零しながらハアハアと息を弾ませるハボックをエドワードは低く呼ぶ。そうすれば、ハボックが何度も唾を飲み込んで漸く言葉を口にした。
「大将の右手で犯して……ッ」
「どうやって犯して欲しい?」
「ッ?!」
 必死の思いでそう口にすれば畳みかけるように聞かれて、ハボックは目を見開く。それでも軽くペンを動かされ、ハボックはビクンと震えて言った。
「指で……メチャクチャに掻き回して欲しい……」
「こんな風に?」
「ッッ!!ペン、ヤだァッッ!!指っ、指がいいッ!!」
 言って激しくペンを動かせばハボックが悲鳴を上げる。それを聞いてエドワードは漸く満足すると沈めていたペンをグイと引き抜き、代わりに指をズブズブと埋めた。
「ヒャアアアアッッ!!」
「うわ、すっげぇ、絡みついてくるッ!」
 熱い内壁がキュウキュウと締まって指を包み込むのを感じれば、エドワードは顔を輝かせて言う。グチョグチョと激しく掻き回せばハボックの躯が面白いように跳ねた。
「ヒャウウッッ!!ヒアアアッッ!!」
「少尉、すっげぇヤらしい」
 高い嬌声をあげて身悶えるハボックをエドワードは食い入るように見つめる。手を伸ばして戒めていたゴムを取れば、ハボックが大きく目を見開いた。
「ヒィィィィッッ!!」
 嬌声と共に背を仰け反らせたハボックが熱を吐き出す。キュンキュンと蕾が収縮して鋼の指を締め付けるのを感じて、エドワードは堪らず己のボトムに手を伸ばした。前を弛め乱暴に指を引き抜くとハボックの脚を抱える。そのままヒクつく蕾に己を押し当てると、一気に根元まで突き立てた。
「アアアアアッッ!!」
 ガツガツと興奮のままに突き上げればハボックがガクガクと震える。絡みついてくる熱い肉壁を容赦なく擦り上げ、エドワードは荒い息の合間にハボックに口づけた。
「んんッ」
 強引に口づけられハボックが目を見開く。苦しげにもがく躯を押さえ込んで激しく揺さぶったエドワードは、ブルリと震えて熱を吐き出した。
「ッッ!!」
 ドクドクと白濁を注ぎ込まれてハボックの躯が小刻みに震える。そそり立った楔から漏らすように白濁を垂らしたハボックががっくりとソファーに沈み込んだ。
「少尉……ッ」
 ぼんやりと宙を見つめるハボックにエドワードは何度も口づける。自分に意識を向けさせようと、沈めたままの楔で熟れた中を掻き回せば、ビクリと震えて空色の瞳がエドワードを見た。
「少尉……すっげぇ、可愛かったぜ」
 チュッチュッとキスしながら囁けばハボックが恨めしそうにエドワードを見る。そんな表情すら興奮を煽られて、エドワードは堅さを取り戻しつつある楔でハボックの躯を揺さぶった。
「ひ……ッ、も、無理……ッ」
 弱々しくもがけば中に埋められた楔が嵩を増すのを感じる。怯えたように圧し掛かる少年を見上げれば、エドワードがニンマリと笑った。
「また暫く会えないからさ、たっぷりシてやるからな、少尉」
「大将…ッ、やめ……ッ、ひぃぃんッ!」
 弱々しい懇願も少年を煽るばかり。ハボックはすっかり盛り上がった少年の良いように啼かされ続けるしかなかった。


 そして。
「なんだよ、これ」
 散々自分のことを好きにしていった少年が残していった置き土産を前に、ハボックはふるふると震える。今、ハボックが前にしたテーブルの上にはエドワードが記念にと持っていったマジックペンより更に二周りは太いペンが置いてあった。
「大将のバカ……ッ!!」
 ハボックは真っ赤な顔でそう呻くと、ペンを取り抽斗に放り込む。そのまま寝室に飛び込むとブランケットの中に潜り込み、エドワードをの事を罵り続けた。


 その頃。
「今度は指じゃなくて俺のに合わせたペン、置いてきたしッ!次に会うのが楽しみだぜ、少尉っ」
 エドワードは楽しげにそう言うと、手にしたペンにチュッとキスしたのだった。


2012/06/28


この話は無料配布本「小さな暴君とお人好しな騎士の話」に掲載された「豆騎士 右手編」「豆騎士 右手編その後」の続きです。