star festival extra


「結局今年はお前も短冊書かないのか?」
「そうっスね。一応用意はしたんですけど」
 そう言ってハボックは袋から短冊を取り出した。ロイは手を伸ばしてそれを取って言う。
「赤、青、黄、白はともかく黒じゃ願い事書けないんじゃないのか?」
「シークレットな願い事を書く為ってことで」
「なんだ、それは」
 眉を顰めるロイにハボックが言った。
「もともとこの5色って木・火・土・金・水を表してるらしいっスよ」
「ふーん」
ロイは適当な相槌を打つと黄色の短冊を取ってハボックに差し出す。
「ほら」
「なんスか?」
「書け」
 そう言われてハボックは顔を歪めた。
「え、いいっスよ。今年はオレも書きません」
「別に私に気を使うことはないぞ、ほら、書け」
「いいです。オレの願いは大佐が叶えてくれますし」
 ハボックの言葉にロイが短冊をひらひらと振りながら言う。
「願いがわからなければ叶えようがないだろう」
「大丈夫です」
 頑として短冊を受け取ろうとしないハボックにロイはむぅと顔を膨らませた。
「願いを言わないヤツの願いなんてかなえてやるもんか」
 そう言うとロイはソファーに寝そべってハボックに背を向けてしまう。子供っぽいその仕草にハボックはくすくすと笑うと、ロイの為にアイスオレでも淹れようかとキッチンにむかった。
(つか、もう叶ってるんだけどね)
 入口のところで肩越しにロイを見やりながら、ハボックは幸せそうに笑ったのだった。


2007/07/07