下着6


「中佐、見て見て!結構イイと思いません?コレ」
「おお、レザーかよ。後ろはTバックかぁ、中々だな、少尉。それより俺のはどうよ」
「ぎゃはは、ポーチ型っスかぁ!ちょっとエロいっスよ、中佐!」
 そんな事を言いながらハボックとヒューズはお互いの下着を見比べている。ハボックは黒のフェイクレザーで出来たフロント編み上げタイプのTバックショーツを、ヒューズは色は白と大人しめながらイチモツだけを包み込み、後は細い紐で腰に止めているポーチタイプのTバックショーツをつけていた。さっきから二人はマスタング家のリビングで下着をとっかえひっかえしてはぎゃあぎゃあと楽しげに騒いでいるのだ。
 ロイはソファーに座り込んで本に視線を落としたまま二人には決して目を向けないようにしていた。男同士の下着の見せ合いっこなど見たくもない。その上迷惑な男どもは平気な顔でスパッと下着を脱いではアレだコレだと穿き替えているのだ。盛り上がって騒いでいる連中はいいだろうが、正直ついていけない身としては目のやり場に困るというのが本音だった。
「ねぇ、大佐ぁ!」
「なぁ、ロイ!」
「「見て見て!!」」
 ぎゃあぎゃあと騒ぐ二人を無視して必死に本に目を向けていたロイだったが、二人が呼ぶ声についうっかり顔を上げてしまう。
「「ゾウさん!!」」
 ロイが顔を上げたその目の前でハボックとヒューズが肩を組んで腰を突き出している。ハボックは空色のトランクスにゾウの顔がついたものを、ヒューズはピンクのTバックにゾウの顔がついた、いずれも鼻の部分にイチモツを挿れるデザインになっている下着を着けていた。
「可愛いでしょっ」
「ゾウの親子だよ〜んvパオ〜ンッ」
 そう言いながら腰を振っている姿にロイはあんぐりと口を開ける。次の瞬間真っ赤になるとクッションを投げつけた。
「バカモノッ!!恥を知れっ、恥をッ!!」
 そう言ってゼイゼイと肩で息をするロイにヒューズとハボックは手を握り合って唇を尖らせる。
「大佐、冷たいっス」
「そうだよぉ、さっきから本ばっかり読んでちっとも相手にしてくれないしぃ」
 ねーッ、と見詰め合って首を傾げながら言う二人をロイは睨みつけた。
「そんな馬鹿な事に付き合ってられるかっ」
 フンッと鼻を鳴らしてまた本に視線を落としてしまうロイにヒューズが言う。
「そんな事言わねぇでよ、ロイも下着見せっこしようぜ」
「あ、それはダメっス。大佐の下着姿はオレだけのものっスから」
 ヒューズの言葉にハボックがシレっとして言った。ロイが顔を紅くして何か言おうとする前にヒューズが口を開く。
「んじゃ、せめてどんなの着てるか教えろよ」
「今日はねぇ、ピンクの苺ちゃんの筈っスよ。サイドを紐で止めるタイプの」
「ワオ!苺ちゃんっ!なぁ、少尉ー。オジサン、それちょっと見たいなぁ」
「んー、色違いのなら引き出しに入ってますからそれなら見せてあげてもイイっスけど」
「いや、やっぱり中身がないとさぁ」
「き、さ、ま、ら――――ッッ」
 キャイキャイと勝手に騒ぎ立てる二人にロイはふるふると震えると発火布を嵌めた手を突き出したのだった。


2008/10/10