| 下着3 |
| シャワーを浴びる為に着替えを出そうとしたロイは下着の入っている引き出しをあけたまま凍りついてしまう。普段とは違う見慣れぬ布地の群れにロイはそっと手を伸ばした。 「ナンダコレハッッ!!」 一瞬アメストリス語を忘れてしまったかのようなカチコチと固まった言葉で怒鳴ると、ロイは片っ端から下着を引き出していく。いつも穿いている下着を一枚も見つけられないまま引き出しを空にしてしまったロイはふるふると拳を握り締めて叫んだ。 「ハボーーーック!!!」 「なんスかぁ?」 その声に答えてハボックがのっそりと顔を出す。ロイは真っ赤な顔でハボックを睨むと言った。 「私の下着を返せッ!!」 「下着?そこに入ってるっしょ?」 「これのどこが下着だッ!!」 そう言ってロイが投げつけたのは。 白いシースルーのフリルが3段もついたティーバックショーツ。 苺のガラも可愛い両サイドを紐で止めるサイズ小さめショーツ。 豪華なレースをあしらったサイドストリングの黒いティーバックショーツ。 エナメル素材のオーバックショーツ。 その他色々。 「大体これは男物じゃないだろうっ」 「男物っスよ。ちゃんとメンズコーナーにありましたもん」 「なっ………これが?」 ハボックの言葉にロイは投げ捨てた下着を拾い上げてマジマジと見つめる。かわいらしい苺柄はとてもメンズとは思えなかった。 「レディースが混じってたんじゃないのか?」 「フロア違うし、それに色違いでいっぱい並んでたっスからメンズで間違いないと思いますよ」 「誰が穿くんだ、こんなもの」 「大佐っ」 ニコニコッと笑って言うハボックをロイが怒鳴りつけるより一瞬早くハボックが言う。 「だって、アンタが最近刺激がなくてつまらないって言ったんスよ?」 「べっ、べつにそれはこういうことではなくてっ!!」 確かに自分はそう言ったがそれはそういった意味ではないとロイが言おうとした時、ハボックがズイと顔を寄せて言った。 「ねぇ、大佐。実はオレ用も買ったんスよ、セクシーショーツ」 「えっ?お前にも?」 「そ。ちょっと見てみたくないっスか?」 下から覗き込むようにして言われてロイは顔を赤らめると仰け反るようにして答える。 「べっ、別に私はお前の下着など見たくないぞっ」 「そんなこと言わずに…結構セクシーっスよ、オレ」 「だから私は見たくないとっ」 「あー。そんな事言うなら誰かオネエサンにでも見てもらおう。せっかく穿いたんだし」 うん、と言わないロイにハボックは唇を突き出して言うと部屋から出て行こうとした。その背に向かってロイが慌てて叫ぶ。 「バカっ!そんなもの私以外のヤツに見せるなッ!!」 その途端振り向いてニマアと笑うハボックにロイが「しまった」と口を押さえても、もう後の祭で。 「今夜は下着の見せっこしましょうね、大佐」 満面の笑みを浮かべて言うハボックに何とか逃げる術はないものかと思う反面、ちょっと見てみたいかもなどとうっかり思ってしまったロイだった。 2008/10/07 |