写真屋
 
 
 俺の名はケン。普段は東方司令部の広報部で軍の広報誌を作る仕事をしている。
 そんな俺の趣味と実益を兼ねた裏稼業が東方司令部に勤務する軍人達の写真をとってブロマイドとして売りさばくことだ。これは意外にも好評で、その売り上げは広報部の裏金として使われることもあるほどだ。
 日々写真屋として奔走している俺だが、今日はこの腕前を存分に発揮する時だ。というのも年に一度のイーストシティフェスティバルだからだ。しかも今年はあのハボック少尉が司令部で出す御輿の上に乗ると言う。
 ハボック少尉は俺のブロマイドの中でもダントツの売り上げを誇る司令部のアイドルだ。その希少性もあってブロマイドは発売と同時に完売という人気ぶり。そのハボック少尉が御輿に乗るのだ。それも法被に褌という出で立ちで。これを撮らずしてなにを撮るというのだ。
 写真を撮るにあたって唯一の障害と言えば哨戒機能つきハボックセンサー内臓のマスタング大佐だが、あの憎たらしい大佐は今日は御輿のすぐ傍で少尉に群がってくる有象無象を排除するのに手一杯のはず。
「それならば望遠カメラでお宝写真を好きなだけ撮り放題ってもんだ」
 懸命に声を張り上げるハボック少尉の顔、汗に濡れた体、上手くすれば褌からホロリなんかも撮れるかもしれない。
「ふ、ふふふ
 俺は期待に満ちみちた笑いを浮かべると、カメラを手にフェスティバルの会場へと向かったのだった。



2008/09/07