パラレルその後


ハボックは暫く地面にへたり込んでいたが、やがて首を振ると立ち上がった。ロイに手を差し出すとその体を引き上げる。
「司令室、戻りましょうか。」
「ハボック?」
まるで何もなかったかのように言うハボックにロイは尋ねるように名を呼んだ。ハボックは腰に手を当てて少し体を
反らして肩越しに振り向くと苦笑する。
「ここでヘタっててもどうにもなりませんし。それに、多分こっちの世界のオレもアンタを探しに出て来たんじゃないかと
 思うんスよね。中尉の性格がそんなに変わんないなら、アンタ、早く戻んないとヤバイんじゃないっスか?」
ハボックの言葉にロイはギョッとしてハボックを押しのけた。
「バカっ、そういうことは早く言えっ!」
そうハボックに怒鳴ると司令部の建物の中へと走って行く。
「バカだって…ひでぇ。」
これでも一応パニクってるのに。ハボックはポケットから煙草を取り出して火をつけるとゆっくりと歩き出した。

「建物の構造とか、変わんないんだ。」
ハボックはそう呟きながら司令室へと廊下をぶらぶらと歩く。正直ここが自分の世界ではないだなんて、とても信じられ
なかった。司令室に辿りつくとその扉を見上げる。普段見ているものと何も変わらないそれに、ハボックはため息をつく
とノブに手を伸ばした。
「ハボック少尉。」
扉を開けた途端、すぐそこにいたホークアイが振り向く。
「大佐を連れ戻してくれてありがとう。おかげで少しは仕事がはかどりそうよ。」
そう言って微笑むホークアイにハボックは軽く敬礼を返すと空いている椅子に手を伸ばした。みんな机についているし
空いているのはここだけだから自分の席はここなのだろうと思って腰を下ろす。見覚えのある灰皿が置いてあって
少しホッとしながら煙草を押し付けると向かいの席のブレダが言った。
「おい、ハボ。明日のヤツ、どうなった?」
「えっ?あ、明日のヤツ?」
突然そんなことを言われてもさっぱりわからない。ウロウロと視線を彷徨わせるハボックにブレダが眉を寄せた。
「お前まさか忘れたとか言うんじゃないだろうな。」
忘れたというより知らないんだけど、と思いつつへらりと笑ってみせる。
「えと、なんだっけ…明日のヤツ、って。」
最近ちょっと物忘れが激しくて、なんていいワケをしているとブレダがため息をついた。
「大佐に言って年代物のボトル、あけてもらうって言ってただろ?お前、まさか一人で飲ませてもらうつもりだったん
 じゃ…。」
「まっ、まさかっ。ごめん、ちょっと忘れてて…それって、家にあるヤツ、だっけ…。」
何とか話を見極めようと聞いてみるものの語尾が小さくなってしまう。冷汗を流しながらそう聞くハボックを胡散臭そう
に見ていたブレダは咥えていた煙草を揉み消すと席を立った。
「ああ、もういいわ。お前が言い出したんだろ、この間大佐の書棚の中からいい酒見つけたらから、大佐に強請って
 あけてもらおうって。忘れてんならもういいわ。」
ブレダはそう言って書類を手に司令室を出て行ってしまう。
「あ、あのっ…」
その背に慌ててハボックは声をかけたがピシャリと締められた扉に言葉はむなしく宙に消えた。
(うわ…ごめん、この世界のオレ…)
思いもよらずブレダを怒らせてしまった事に、ハボックは本来ここにいるべき男にこっそりと詫びる。なんだか泣きたい
気持ちになった時、執務室の扉が開いてロイが出てきた。
「大佐、なにか?」
またサボられては困るとばかりにホークアイが声をかければロイはそれに向かって軽く手を振る。それからハボックを
見ると言った。
「ハボック、コーヒーを頼む。」
その声に顔を上げればロイの漆黒の瞳と視線が合う。一秒の何分の一か目を合わせると、ロイは視線を外して執務室
へと戻ってしまった。
「アイ、サー。」
ハボックは閉じられた扉に向かってそう呟くと、のろのろと立ち上がって給湯室へと出て行ったのだった。

コンコンと叩くと同時に扉を開ける。そうして入ってきた背の高い姿にロイはくすりと笑った。
「返事を聞く前に入ってくるのは同じなんだな。」
「えっ?あ、失礼しました…っ」
そう言われて僅かに頬を染めるとハボックは慌てて答える。「どうぞ」と呟くように言うとロイの前にカップを置いた。
「何かあったのか?」
カップに手を伸ばしながらそう聞けばハボックがうな垂れたまま答える。
「なんかブレダと約束してたみたいで…。判んなかったから怒らせちゃいました。」
そう言うハボックにロイは手を伸ばした。蜂蜜色の髪に触れ、視線を上げたハボックの空色の瞳を覗きこむ。
「お前…ホントにハボックじゃないのか?」
こうして触れる髪も見つめる瞳も、自分が知っているそれと何一つ変わらない。それなのに別人だなんて、ロイには
俄かには信じられなかった。
「…すみません。」
だが、そう言って再び視線を落としてしまう男から感じる何かがロイの気に障る。ボタンを1つ掛け違ってしまっている
かのような、そんな違和感。ハボックは髪に触れるロイの手からするりと抜け出すと小さく笑った。
「失礼します、サー。」
そう言って敬礼すると執務室を出て行く背中を、ロイは信じられぬ思いで見つめていた。

席にもどって書類を取り出してみる。書いてある内容はわからないことはないが、だが見覚えのないそれにハボックは
本気で泣きたくなった。
(どうしよう…これからどうしたらいいんだろう。)
リン、と鳴り出した電話にビクリと体を震わせる。恐る恐る手を伸ばして受話器を取れば、耳の中に聞き覚えのある声
が聞こえてきた。
『よお、少尉。』
「ヒューズ中佐?」
そう答えながら、ああ、ここにもヒューズ中佐がいるんだ、などと思ってしまう。何事もないように当たり障りのない答え
を返しながら、ハボックはただ一人知らない場所に取り残されたような、そんな心細さを感じていた。

「ハボック、車を回してくれ。」
「Yes, sir!」
答えて席を立つハボックをロイはじっと見つめる。その視線を感じたのか振り向いたハボックは、だがすぐ視線をそらす
と部屋を出て行ってしまった。ロイは帰りの挨拶を寄越す部下達に手を上げて答えると司令室を出てハボックの待つ
外へと向かう。司令部の建物を出れば、ハボックが夕日にその金髪を輝かせてぼんやりと立っていた。カッカッと靴音
を響かせて近づくロイにハボックは顔を上げると小さく微笑んで車の扉を開ける。ロイを乗せると運転席に回り、ハンドル
を握った。黙って車を走らせるハボックにロイが聞く。
「道、わかるのか?」
「街並みは変わんないっスから。」
ハボックはそう答えて暫く黙っていたが、やがてぽつりと言った。
「不思議っスよね。アンタも司令部のみんなも、回される書類もかかってくる電話も、何一つ変わりはしないのに、でも
 オレはこの世界じゃ異邦人なんスよ。どこか違う。ほんの少しベクトルの向きが違うっつうか…。」
ハボックはそう言うとまた黙り込んだ。ロイはそんなハボックになんと言葉をかけたらいいのか判らず、車内を沈黙が
支配する。やがて車はロイの家の前に着き、ハボックは車を回すとロイを下ろした。鍵を開け、中へとロイを通すと
帰ろうとするハボックの腕をロイが掴む。
「どこへ行くんだ。」
「司令部に戻ります。」
「どうして?」
「どうしてって…。」
ハボックは困ったように笑うと口を開いた。
「オレんち、どこかわかんないし、だったら司令室のソファーででも寝ようかなって。」
「お前の世界では私とお前は一緒に住んでないのか?」
そう聞かれてハボックは僅かに目を開く。
「住んでます、ケド。」
でもまさか自分がここに泊まるわけにはいかないだろうとハボックは思う。だって自分は彼のハボックではないのだから。
「司令部、戻りますから。」
ハボックはそう言って笑うと自分の腕を掴むロイの手を外そうとした。だが、逆にロイはハボックの腕をギュッと掴むと
縋るような視線を向ける。
「頼むからここにいてくれ。」
「たいさ…。」
縋りつく視線にハボックは思わず目を見開いた。
(うわ…大佐のこんな顔、すげぇ新鮮かも。)
こんな泣きだす一歩手前みたいな顔、自分が知ってるロイなら絶対にすることはないだろう。ハボックはパチパチと
数度瞬くとにっこりと笑って言った。
「判りました。じゃあ、車、裏に止めてきますから。」
ハボックがそう言えばロイがホッとしたような表情を浮かべる。そっと手を外すロイに頷いてハボックは車を裏に回す
べく外へと出て行った。

ハボックはきょろきょろと家の中を見回す。いつも自分が住んでいるそれと寸分変わらぬ作りに感心したようにため息を
もらした。それから心配そうに自分について歩いているロイを見下ろす。
(なんか、小動物っぽい…)
顔かたちは自分が知っているロイと変わらない。だが、その醸し出す雰囲気がまるで違う。
(隣りんちの猫みてぇ。)
猫のくせに淋しがりやで甘ったれの黒猫を思い出してハボックはふわりと笑った。
「メシ、オレが作っていいっスか?」
「え?ああ、頼む。」
「んじゃ、勝手に冷蔵庫漁らせてもらいますね。あ、でもその前に風呂。」
ハボックはそう言うとパタパタと風呂場に向かう。湯を張る準備をするとリビングに戻りロイに言った。
「風呂、すぐ沸きますからそうしたら入っちゃってくださいね。その間にメシ、作っておきますから。」
「うん。」
「味付け、アンタの好みじゃないかも知れませんけど、それはカンベン。」
そう言って笑うハボックの顔をロイはじっと見上げる。金色の髪も空色の瞳も自分が知っているハボックと変わらない。
だが。
(何でだろう、コイツの方がずっと柔らかい感じがする。)
別に女っぽいとか、そういうわけじゃない。ただ自分が知っているそれよりずっと柔らかく優しい感じ。
「大佐、風呂。」
そう言われて慌ててリビングを出ていく後姿にハボックはくすくすと笑った。

風呂を使って出てくれば、きちんと用意されている着替えにロイはもしかしてハボックが戻ってきたのではないかと思う。
だが、キッチンを覗けばそこにいるのは自分の知らないハボックで、ロイはほんの少しがっかりした。それでも、漂って
くるいい匂いにロイはごくりと喉を鳴らすと席につく。ハボックはロイの前に料理の皿を並べると自分も席に着いた。
「どうぞ。口に合うか、わからないっスけど。」
自信なさそうに笑う顔は自分の知らないものだ。なんだか手を伸ばして抱きしめてやりたい衝動に駆られながらロイは
フォークを手に取ると食事を始めた。
「…おいしい。」
ちょっと濃い目で甘い味付けはいつも自分が食べているそれとは違ったけれど、それでも美味いものは美味い。ロイが
笑ってそう言えばハボックが目元を染めて笑った。ハフハフと熱い料理を必死に頬張る姿はなんだか微笑ましくて、
ハボックはここに来て初めて心の底から微笑を浮かべる。
((カワイイ…))
互いに相手の事をそう思っているなどとは思いもせずに、二人はニコニコと笑いながら楽しく食事を続けたのだった。

「あっ、大佐っ、この書類、急ぎっつったじゃないっスか!」
執務室の書類の山から見つけ出したそれにハボックが唇を尖らせる。
「ごっ、ごめん。」
慌ててハボックの手から書類を受け取ると目を通し始めるロイをハボックはほんの少し頬を膨らませて見下ろしていた。
書類に目を通しながらチラリとそんなハボックを見上げたロイはこっそりとため息をつく。
(カワイイ…隣りのうちの犬みたいだ。)
この間からその体を抱きしめて金色の髪をワシワシとかき混ぜたい衝動に駆られているロイは、今もまた思わず伸ばし
たくなる手を必死に握り締めて耐えていた。自分の世界のハボックと平行世界のハボックが入れ替わってしまってから
今日で一週間が過ぎた。最初は随分と戸惑っていた様子のハボックも、だいぶこの世界に慣れた様子で、とりあえず
日々の任務をこなしている。時折ポカなどしているようだが、そこはのらりくらりとかわして、そういうところはどちらの
ハボックも変わらないようだった。
「大佐、今日はまっすぐ帰宅?」
ロイがサインした書類を受け取りながらハボックが言う。ああ、と頷けば嬉しそうに笑うハボックにロイは再び伸ばしたく
なる手を必死にこらえたのだった。

食事を終えて、リビングに席を移してハボックの作ったパンプキンプリンを食べながら他愛もない話をしていたハボック
は、ふと目に付いた写真に席を立つとその写真を覗き込む。
「この間から聞こうと思ってたんスけど、これってアンタのハボック?」
そう言ってハボックが手にした写真立てにはいつか二人で海辺に出かけたときに撮った写真が入っていた。
「え?ああ、そうだな。」
そんな風に聞かれることがなんだか不思議でロイは写真を見つめるハボックを見上げる。その顔が淋しそうに翳った
のに気づいてロイはハボックを呼んだ。
「どうした?」
「あ、すみません。その…。」
言いにくそうに言葉を濁すハボックを促すようにもう一度名を呼ぶ。ハボックはため息をつくと視線を逸らして答えた。
「大佐、どうしてるかなぁって…。」
呟くように言う言葉にロイはハッとする。自分を異邦人だと言ったハボックの言葉を思い出してロイは立ち上がると
ハボックを見つめる。その視線に気づいてハボックはロイを見ると困ったように笑った。
「すみません、それを言うならアンタのハボックだって心配っスよね。」
その言葉にロイはハボックに近づくとその腕に手を添える。ぴくりと震えて見下ろしてくる空色の瞳にロイは腕を回して
ハボックの体をギュッと抱きしめた。
「すまない、何もしてやれなくて。」
そう言えばハボックの体が僅かに震える。どうしたら彼を元の世界に帰してやれるのか、向こうに行ってしまったこの
世界のハボックを取り戻せるのか、ロイにはどうしたらいいのか全く判らなかった。そのままギュッと互いの体を抱き
締めているとハボックの手がロイの頬に添えられる。厚い胸に寄せていた顔を上げるとハボックの唇が降ってきた。
「ん…。」
くちゅ、と音を立てて唇を重ねる。啄ばむように繰り返していた口づけがいつしか貪るようなそれに変わり、二人は互い
をきつく抱きしめながら深く唇を合わせ舌を絡め合っていた。
「んふ…んっんっ…」
きつく舌を絡め、お互いの口中を探りあう。ようやく唇を離せば二人の間を銀色の糸が繋いだ。
「たいさ…ちょっとだけ、いいっスか?」
ハボックはそう言うとロイの体を壁に押し付ける。ベルトを外しズボンをくつろげると下着ごと引き摺り下ろした。
「ハボ…っ」
「黙ってて…。」
ハボックはそう囁くとロイ自身に手を添える。舌先を伸ばして棹を舐めるとくれを唇で擦るようにしながら先端を咥え
こんだ。
「あっ…ぅんっ…ハボ…っ」
じゅぶじゅぶと擦られてロイは荒い息を零す。眉を寄せて自分のモノを咥えるハボックの表情にゾクゾクとして、ロイは
ハボックの髪を掴むとグイと己を突き入れた。
「んんっっ」
喉奥に突き入れられて苦しそうな息を漏らすハボックにロイは更にきつく抜きさしする。うっすらと涙を浮かべるハボック
の口内にロイは熱を吐き出した。
「んっ…んくぅ…っ」
髪を掴んでロイはハボックが吐き出されたものを飲み込むまで離してやらなかった。やっと唇を離すことを許されて息を
弾ませるハボックを見つめながら、ロイは自分の中にこんな凶暴な気持ちが潜んでいたことが信じられなかった。
暫くそうして互いを見詰め合っていたがやがてロイはハボックに手を伸ばすと囁く。
「ベッドに…。」
ハボックはロイの手をとって立ち上がると、その体をそっと抱きしめた。

「はあっ…はっ…」
「ん…ふあっ…」
服を全て脱ぎ捨てベッドの上に向かい合って座ると、二人は互いのモノを扱きあう。先走りの蜜で手を濡らしながら
高めあい、絶頂が近くなると自然と舌を絡めあった。
「んっ…んんっ」
「あふ…ぅんっ」
互いの唇を貪りきつく舌を絡めあううち互いの手の中の自身が震え、ほぼ同時に熱を吐き出す。
「んん――ッッ!!」
「んくうっ!!」
びゅくびゅくと噴き出す熱に互いの腹を汚すと、合わせていた唇をゆっくりと離した。頬を染めながら黙って見つめあって
いたが、またそっと唇を合わせる。熱で濡れた手を互いの蕾に這わすとつぷと指を差し入れた。
「んあっ」
「ひうっ」
くちくちと蕾を探りあい、互いの棹に手を這わせる。差し出した舌先を舐めあいながら夢中で互いの奥を弄りあった。
ロイはハボックから手を離すとハボックの手も離させる。物足りないような尋ねるような視線を向けるハボックの
胸を押してベッドに倒すとハボックに背を向ける形でその体を跨いだ。
「た、いさ?」
「じっとしてろ…。」
起き上がろうとするハボックにそう言ってロイは、そそり立つハボック自身を己の蕾に宛がうとゆっくりと腰を下ろして
いった。
「あ、あ、あ…」
「んっ…くあ…たいさぁ…っ」
ずぶずぶとハボックをその身に受け入れてしまうとロイは荒い息を零しながら少し休む。それからハボックの脚を開か
せるとその奥で戦慄く蕾に指を3本、一気に突き入れた。
「ひあああっっ!!」
ハボックの唇から悲鳴が上がるのに構わず、ロイはハボックを咥えたソコを揺らめかしながらハボックの蕾をかき回す。
「ああっ…ひっ…た…さっ…た、いさぁっっ」
「うっ…ふああっ…ああんっ…ハボっ…ハボォ…っ」
いつしかハボックの手がロイの腰に添えられ、ハボックはロイに蕾をかき乱されながらもロイを激しく突き上げる。二人
は無我夢中で互いの体を貪りあったのだった。

行為を終えて二人で支えあうようにしてシャワーを浴びるとベッドに戻りそっと抱きしめあう。さっきまでの熱が嘘のよう
に穏やかな気持ちで抱き合うと、ハボックはロイの髪に顔を埋めるようにして言った。
「オレ、アンタに会えてよかったっス。」
そう言うハボックをロイは尋ねるように見上げる。ハボックはロイの黒い瞳をじっと見つめると言った。
「だって、例えどこの世界でも、オレはアンタに出会ってアンタを好きになるんだって事がわかったから。アンタの側に
 いられるんだって判ったから。」
それが判って嬉しいのだ、とそう言うハボックをギュッと抱きしめてロイも言う。
「私もお前に会えてよかった。」
そう言って微笑むと二人はそっと唇を重ねたのだった。

それから2日ほどが過ぎて、ハボックはまた仕事をサボって抜け出したロイを探しに外へと出る。木陰でまどろむロイの
姿を見つけて近寄ろうとした時。
ゴオオッッと突風が吹いてハボックは思わず顔を庇った。グラリと揺れる感覚がして必死に踏ん張ったハボックが
ゆっくりと目を開けると、もうそこにはロイの姿はなかった。
「…たいさ?」
あたりを見回していると建物の中から飛び出してくるロイの姿が目に入る。駆け寄ってきたロイに思い切り抱きしめら
れて驚いたハボックは目を瞠り、そうしてうっとりと笑ったのだった。


2007/10/17


「パラレル」のその後でございます。ありがたい事に受け×受けで続きをと言うお言葉を戴きましたので、調子にのって書いてみました。しかし、別カプの片方だけ
を一緒に出すって難しい…!攻め受け二人でワンセットなんだってつくづく痛感しました(苦笑)エッチシーン、最初は普通に受けハボに受けロイを食わせるつもり
だったのですが、気がついたらこんなんになってましたー(汗)いかがでしたでしょうか。少しでもお楽しみいただけたら嬉しいです。