女体2


「どうだ、ハボック、見ろッ」
 そう声が聞こえて雑誌を読んでいたハボックはため息をつく。今度は一体なんなんだと思いつつ、ハボックは雑誌から視線を上げた。
「はいはい、なんス、か……」
 ちょっぴりめんどくさそうな響きを声に乗せて顔を上げたハボックは、ロイの姿を見てあんぐりと口を開ける。その明らかに度肝を抜かれたという表情のハボックに、ロイはしてやったりとばかりにニヤリと笑った。
「どうだ、凄いだろう」
 腰に手を当てて仁王立ちしたロイはグイと胸を突き出す。いつもはなだらかな曲線を描いているロイの胸は大きな膨らみを見せていた。
「どっ、どうしたんスか、それッ?!」
 ソファーに背を張り付けるようにしてびっくり眼で見上げてくるハボックにロイは自慢げに言う。
「女性になる薬を錬成したと言ったろう。これはその改良版だッ」
「改良版……」
 ハボックは呟いてしげしげとロイを見た。確かにこの間のほとんどあるかないか判らない胸とは比べものにならないほど、今日のロイの胸は大きく膨らんでいる。だが、それ以外の腰回りや太股はいつもの細いロイのままで、そのアンバランスな姿は一種異様だった。
「それが改良版なんスか……?」
「ふふふ、これなら文句なしにボインだろうッ」
 思い切り引いているハボックの気持ちなど気づかずにロイが笑う。ハボックの手を掴むと自分の胸に引き寄せた。
「遠慮せずに触っていいぞ、ハボック」
「えっ?いや、別にオレっ」
 触りたくねぇし、と言う前にロイはハボックの手を胸に押し当ててしまう。巨大な胸を無理矢理掴まされて、ハボックは目を見開いた。
(か、固い……)
 大きな胸は木の実のように固い。柔らかさの欠片もないその胸にハボックはひきつった笑いを浮かべた。
「どうだ、お前の好きなボインだろう?」
 にっこりと笑うロイにハボックはなんと答えたらいいか判らない。ロイの気持ちは嬉しい、嬉しいが、だがしかし。
「好きなだけ触っていいからな」
そう言ってメロンのように丸まるとした固い胸を押しつけてくるロイに。
「オっ、オレっ、用事思い出しましたァッ!!」
這々の体で逃げ出すハボックだった。


2010/01/19