傷 その後 Roy×Havoc ver.
ロイが寝室の扉を開けると、月明かりに照らされたベッドの上ではハボックが俯せに寝そべって煙草を吸っていた。
扉が開いたのに気づいてちらりとロイを見ると嬉しそうに目を細める。ロイはゆっくりとベッドに近づくと長々と寝そべる
ハボックの側に腰を下ろした。
「起きたのか?」
そう言いながらハボックの髪を撫でる。月光を弾いて、蜜色の髪は色を失って銀鼠(ぎんねず)に見えた。
「だって、たいさ、いないんスもん。」
ハボックは唇を尖らせてロイを見上げる。体をねじって自分の髪を撫でるロイの背を見ると僅かに目を瞠った。手を
伸ばして灰皿に煙草を押し付け、ベッドに起き上がる。そうしてロイの体を背後から抱きしめた。
「ハボック?」
不思議そうに聞くロイには答えず、ハボックは体を離すとロイの背を走る紅い傷に舌を這わせる。ピリとした痛みに
ロイは微かに息を飲んだ。
「痛いっスか?」
「そうされればな。」
そう答えるロイにハボックが笑う気配がする。何度も傷跡に舌を這わせてハボックが言った。
「こんな傷があったら浮気できないっスね。」
ハボックは丁寧に舌を這わせながら囁く。
「女の子にこんなの、見せられないでしょ?」
楽しげなハボックにロイは答えた。
「別に傷なんてなくたって浮気なんてしないさ。」
人聞きの悪い、そう言うロイの傷にハボックは歯を立てる。チクリと痛みが走って、ロイは顔を歪めた。
「おい。」
「うそつき。」
ハボックは再び傷に舌を這わせながら言う。
「オレ、知ってるんスからね。この間カフェのオネエサン、食事に誘ってたでしょ。」
「社交辞令だろう。」
「どうだか。」
向こうはその気でしたよ、と言うハボックの腕をロイはグイと引く。ベッドに押さえつけると非難の色を湛えるハボックの
瞳を見下ろした。
「ヤキモチか?」
「べっつに…っ」
そう言ってそっぽを向くハボックの顎を掴んで自分の方を向かせると、ロイはにんまりと笑って言う。
「ヤキモチか、ハボック。」
そう言ってやれば空色の瞳が悔しそうにロイを睨んだ。そんなハボックにロイはゾクゾクとしてその首筋に唇を寄せる。
きつく吸い上げて紅い花びらを散らすと耳元に囁いた。
「かわいいな、ハボック。」
「そんなんじゃないって言ってんでしょっ!」
人の話聞けよ、と押し返してくる手を、ロイは一まとめにすると片手で頭上に押さえつける。もがくハボックに構わず
ロイはその首筋にきつく唇を押し当てた。
「んっ…あっっ」
ちくりとした痛みにハボックは眉を寄せる。
「痕…つけないでって言ってんのに…っ」
「今更。」
ハボックの抗議にロイはくすりと笑って何度もきつく吸い上げた。ハボックの白い肌にはもう、数え切れないほどの
花びらが散らされていて、ロイの言うとおりハボックの抗議は今更でしかなかった。
「私のものに印をつけて何が悪い?」
ロイはそう言ってハボックの乳首をねぶる。舌を絡ませ押しつぶし吸い上げながら、もう一方は指先でぐりぐりと押し
潰しながら指でつまんで引っ張った。
「あっあっ…っ」
びくびくと体を震わせて喘ぐハボックの脚の間に己の体をねじ込む。片脚を持ち上げてしっとりと濡れた蕾に自身を押し
当てるとゆっくりと体を繋げていった。
「んっ…あ…も、ムリ…っ」
さっきまで散々に含まされていたソコはロイの形のまま従順に押し開かれていく。震える吐息を吐く唇を塞ぐと、ロイは
ハボックの舌をきつく絡め取った。
「ん…く…」
押さえ込んでいた腕を離して脚を抱え直すと乱暴に突き上げる。ハボックの体を折りたたむように体を倒して、ロイは
繋がるそこを凝視した。
「みるな…っ」
ロイの視線を感じたのだろう、ハボックは顔を真っ赤に染めて言う。だが、それに構わずロイはそこを見つめ続けた。
体を奥深く進めればロイのことを誘い込むようにすぼまり、引き出せば紅い入口が捲れあがって卑猥な色を見せる。
「イヤラシイ口だ。」
楽しそうにそう囁けばハボックのそこがきゅうと締まった。
「感じるのか?」
そう言えば荒い息を零しながらハボックがロイを睨む。ロイが抱えた腰を揺すってやると、ふっとその目を伏せ「苦しい」
と呟いた。ロイが畳むように抱きしめていた腕を緩めるとホッと息が零れる。だが、その途端抉るように突き上げられて
ハボックは悲鳴を上げた。
「あああっっ…も、やめ…あああっっ!!」
どくんと吐き出したそれはもうだいぶ粘り気を失っており、ハボックは震える指でロイの肩を掴む。うっすらと水の膜を
張る深い湖の底の色をした瞳をロイはねっとりと舐めた。
「んっ…ふ…」
そんなところに性感帯などあるわけないのに、そうされることでズクンと下肢に熱が集まる。その熱を誤魔化すように
ハボックはロイの背に爪を立てた。ロイは背に走る痛みにうっとりと笑って腰を揺すりあげる。そうすることで更に背に
痛みが走ってロイはくすくすと笑った。
「そんなに印をつけたいか?」
そう聞けばハボックがロイを見上げる。唇の端を持ち上げるとロイに言った。
「オレのモノなんでしょ?」
違うのかと挑む瞳にロイは楽しそうに笑う。ハボックはムッと唇を歪めるとロイの体をグイと押しやった。その勢いのまま
体を起こし、体勢を入替える。繋がったままロイの体を跨ぐようにしてベッドに座り込めば、自重でロイを深く咥えこむ
ことになり、ハボックは悲鳴のような息を零した。ハボックは少し驚いたような目をするロイに笑うと腰を揺らし始める。
ぐちゅぐちゅとイヤラシイ音を立てながら自分の体の上で快楽を貪るハボックの姿にロイはごくりと喉を鳴らした。
「ハボック…っ」
ガツンと突き上げればハボックが背を仰け反らせて喘ぐ。桜色に染まった肌でロイの散らした花びらが色を増して、
悶えるハボックは咥えたロイをギュッと締め上げた。
「く…」
危うく熱を吐き出しそうになったロイは眉を寄せてハボックを睨む。そんなロイの瞳にハボックは嬉しそうに笑った。だが
続けざまに突き上げられてハボックはロイの腹の上に手をついて短い息を吐く。ハボックの腰を掴むとロイは乱暴に
揺すった。
「ああっ…ひああっっ!」
「ったく、可愛げのない…。」
そう呟くロイの顔は楽しげに笑っている。ハボックは何か言い返そうとしたが、その途端ガツンと突き上げられて悲鳴を
あげた。
「ひううっっ!!」
ロイは体を起こすとハボックの体を抱きしめる。ハボックの腕が自分の体に回されるのを感じて、ロイは嬉しそうに笑っ
た。
「ん…あ…た、いさぁ」
小刻みに揺すってやればハボックの表情がうっとりと蕩ける。その喉もとに唇を寄せて歯を立てた。
「ひ、あん…っ」
ハボックの唇からため息のような吐息が零れそそり立った自身から蜜が滴る。歯を立てた箇所にねっとりと舌を這わせ
ればハボックの体がぴくぴくと震えた。
「ハボック…。」
耳元に囁く声にハボックはぞくんと震えてロイの瞳を見る。その強い光を放つ黒い瞳を見つめてうっとりと笑う蒼い瞳に
ロイは更に奥を穿った。
「ああんんんっっ」
ハボックはロイの肩に顔を寄せるとその鍛えられた肉に歯を立てる。ロイはそこに走る痛みにうっすらと笑うと、ハボック
の腰を持ち上げ次の瞬間強引に引き下ろしながら下から突き上げた。
「―――ッッ!!」
悲鳴にならない声を上げて、ハボックが立てた歯に力をこめる。口の中に広がる錆びた味にハボックは引き瞑った瞳
をあけるとそっと唇を離した。
「喰っても構わんぞ。」
楽しそうに言うロイにハボックも笑う。ロイの頭を引き寄せて唇を合わせながら囁いた。
「今日はオレを喰ってくださいよ…。」
口の中に微かに広がる血の味に、ロイはかあっと頭に血が上るように感じて、ハボックの体をベッドに押し倒す。脚を
抱えあげて情け容赦なく突き上げればハボックの中心から熱が迸った。
「アアッアアア――――ッッ!!」
ハボックの手がロイの滑りロイの背を痛みが走る。グラインドするように突き上げるとハボックの唇から切れ切れの悲鳴
が上がった。
「た…さぁ…っ…もっと…オレのこと…くって…」
「そんなこと言って…後悔しても知らんぞ…」
ロイが眉を寄せてそう囁けばハボックがふわりと笑う。
「しないっスよ…こうかい、な、んて…っ」
そんな囁きを聞けば、ロイの箍が外れるのなんて簡単なことで。
「ひゃあああっっ!!」
嵩を増したロイ自身に深々と貫かれて、ハボックは啼き狂わされていった。
ふわりと意識を取り戻したハボックはゆっくりと自分の体に視線を落として思い切り顔を顰める。体中に散った花びらに
堪らずシーツを引き寄せた。
「もう…訓練の後、シャワー浴びられないじゃん…。」
こんな姿を部下達に見られた日には恥ずかしくて憤死しそうだ。自分を抱きしめて眠る男を恨めしげに見上げたハボック
は、その肩にくっきりとつけられた歯型に気づいて目を瞠った。
「うわ…すげぇ…。」
つけたのは自分のはずなのだが、まさかここまでバッチリとついているとは思わなかった。まじまじと見つめていた
ハボックは嬉しそうに笑うと唇を寄せる。チュッとキスをして顔を上げれば面白そうに自分を見つめる黒い瞳と目が
合った。
「何見てんスか?」
「満足したか?」
「それ、どういう意味…。」
ヘタに答えれば墓穴を掘りそうでハボックは黙り込む。ロイはそんなハボックを見つめると楽しそうに言った。
「私も下士官用のシャワールームを使うかな。」
「え?」
「この熱烈なマーキングを見たらアイツらも諦めるだろう?」
背中にも随分つけてくれたようだし、と笑うロイを見つめながらハボックの顔が引きつる。
「絶対やめてくださいっっ!!」
本気でやりかねないと焦るハボックをロイは愛しそうに抱きしめると唇を寄せていったのだった。
2007/9/9
ハボロイverだけ書いてロイハボは書かずにいたのですが、「ロイハボverではまた違った風になるんでしょうね」ってコメント頂いちゃいまして、そうなると
書かずにいられないのが萌えの塊な私のサガでして(苦笑)うふふ、お互いいっぱいマーキングつけたらよいよvv