H×R in はろうぃーん


「あっ、たいさってばかわいいっっ!!」
 ドアを開けた途端響いたハボックのでっかい声にロイは思い切り顔を顰めた。
「うるさいな、でかい声をだすな」
 そう言って振り向いたロイの頭には可愛いウサギの耳が揺れている。ハボックは部屋の中に入るとウサギの耳をつんつんとつついた。
「猫もいいけど、ウサギ、似合いますねぇ。あ、尻尾もついてるんだ」
 ハボックはそう言うと、膝丈のズボンのお尻に付いたまあるいモコモコした尻尾を握り締める。
「ばかっ、触るなっ!」
 赤くなって身を捩るロイをハボックは不思議そうに見つめた。
「なんで?ズボンにくっついてるんでしょ?」
「うるさいっ…触られるとなんだかヘンな感じがするんだから仕方ないだろうっ」
 へええ、という顔をするハボックの姿をロイは見つめていった。
「お前こそ似合ってるぞ。犬か?」
 ロイにそう言われてハボックはがっくりと項垂れる。
「一応、狼なんスけど…」
 森の仲間達なんスから、というハボックにロイはくすりと笑った。街のハロウィーンイベントで東方司令部代表のロイたちのテーマは「森の仲間達のダンスパーティ」だ。ロイのウサギにハボックの狼、ホークアイは森の知恵袋フクロウで、ブレダがクマ(狸にしろと言われたが、本人が頑として拒んだ)、フュリーのリスにファルマンの狐。誰が言い出したか判らないがおかげでこの2週間、ハボック達は仕事が終わればダンスの特訓でかなり参っていたのだった。
「それも今日で終わりですね、よかった…」
 ホッとしたように言うハボックにロイは残念そうに言った。
「私は残念だがな」
 そう言うロイをハボックは不思議そうに見つめる。
「お前が踊る所を見るのは好きだったからな」
 うっすらと笑ってそう言われて、ハボックの心臓が飛び跳ねた。
「たいさっ」
「わっ、何をするっ!」
 突然抱きしめられてもがくロイの耳元でハボックは囁いた。
「アンタを食いたいっス…!」
 そうしてロイの首筋に舌を這わせながらふわふわの尻尾を握る。
「ばっ…か!これから、本番だろうっ」
「んじゃ、本番すんだら食わせてくれます……?」
 真剣な顔をしてそういうハボックにロイは頬に血が上るのを感じた。それでも強気に微笑むとハボックに向かって言う。
「上手に踊れたらな」
 その言葉にハボックの顔がぱっと明るくなった。
「約束っスよ!」
 そう言うと、ハボックはロイの手を取りイベントに向かう為部屋を出て行った。


2006/10/31