裸 その後


 執務室に引き摺り込まれたハボックはロイの机にダンッと押さえつけられる。痛みに顔を歪めながらもハボックは肩越しにロイを睨みつけた。
「誤解だって言ってんでしょっ?そんなにオレが信じられないんスかっ?!」
「信じてないわけじゃない」
「じゃあ、なんでっ?!」
 正直ハボックだってあの雑誌を見たときはぶっ魂消たのだ。一体どこのどいつがこのふざけた写真を投稿したのか、名誉毀損で訴えてやろうかと思ったほどだ。だが、冷静になって考えたとき、この写真を投稿したのが誰かということより、この写真を目にしたときのロイの反応に対してどうするかを考えるのが先決だと、ブレダに相談していたところだったのだ。もっとも結局の所相談する間もなくこうして責められる事態になっているのわけだが。
「信じてるならなんでこんなことしてんスかっ?!」
 なんかもう、情けない気持ちでいっぱいになってハボックは喚く。じっと見つめてくる黒い瞳に泣きたくなったハボックが尚も言い募ろうとした時、ロイが口を開いた。
「恋人の体も見分けられないようじゃ愛が足りないと言われたからな」
「は?」
「もう二度とそんなことを言わせない為にもじっくり見させてもらおうじゃないか」
 そう言ってにんまりと笑うロイをハボックはポカンとして見つめる。するりと腰を撫でてきた手にハッと我に返るとハボックは身を捩った。
「何考えてんスかっ、アンタっ!!ここ、どこだと思ってるんですっ?!」
「私の執務室だが」
「判ってんならやめてくださいよっ!ドアの向こうにブレダたちだっているんスよっ?!」
「今日、中尉は直帰だから心配するな」
「そういう問題じゃねぇっ!!」
 喚きたてるハボックにロイは眉を顰めるとその体を表に反す。
「うるさいヤツだな、そんなにブレダ少尉たちに聞かせたいのか?」
「な…っ」
 ハボックが絶句する間にロイはハボックの上着のボタンを瞬く間に外してしまった。中に着ていた黒いTシャツの裾を捲り上げるとハボックの胸を曝す。
「確かに、お前のほうが筋肉のつき方に無駄がないな」
 そう言ってするりと脇腹を撫でるロイにびくりと体を震わせてハボックは腕を突っ張った。
「やっやめてくださいっ!」
「写真との違いを確かめてるだけだろう?」
 ロイはそう言うと手のひらを広げて左右の胸を丸く撫でる。鍛えられた胸筋の中ほどにある乳首がロイの手のひらに擦られてぷくりと硬さを増した。
「あっ…ちょっ…やめっ」
「乳首の色も違う」
「なっ…ヘンなこと言わんで下さいよッ!!」
 ロイの言葉にハボックは顔を真っ赤にする。ロイは堅く尖った乳首をキュッと摘み上げた。
「あっ!」
「流石に硬さまでは比べられんか」
「馬鹿言ってないで…っ…ぅんっ…はっ」
 くりくりと指先でこね回されて、ハボックは腕で顔を覆う。ロイはそんなハボックの様子にくすりと笑うとズボンに手をかけた。ベルトを緩め下着ごと擦り下ろそうとするロイにハボックは慌ててその手を掴む。
「ちょっとっ!そんなとこ、写真に写ってなかったでしょっっ!」
「ギリギリの所までは写ってただろうが」
 ロイはそう言うと下着をハボック自身が飛び出るギリギリの所まで下げた。金色の繁みが下着から覗くのをじっと見つめるとロイは言う。
「お前のほうが淡い色合いだな」
「そんなもん、比べんで下さいっっ!!」
 恥ずかしさのあまり憤死しそうになってハボックは喚いた。ロイは下着から覗く金色を指の腹でさわさわと撫ぜる。
「全部見せるより却っていやらしく見えるぞ」
「だから見るなよっ!」
 真っ赤になって身を捩るハボックの下着が、下から持ち上げられるように膨らみを増している事に気がついてロイはにやりと笑った。
「興奮してきたのか?」
「ちが…っ」
「膨らんできてる」
 ロイはそう言うと下着の上から膨らみを撫でる。すると瞬く間にそれは嵩を増して下着を押し上げてきた。
「あっ…触んなっ」
 ハボックの言葉を無視して何度も撫で上げれば膨らみは益々大きくなり下着に染みが浮んでくる。ロイは下着の脇から指を差し入れるとハボックの中心に直に触れた。すっかり堅くなって存在を主張するそれにロイはくすりと笑う。
「きつそうだな」
 ロイは言いながら棹に添って指を滑らせる。先端までたどり着くと先に開いた小さな穴を指先でぐりぐりと捏ねまわした。
「あっ…やっ…」
 手の甲で目元を隠して喘ぐハボックをロイは楽しそうに見つめる。ズボンに手をかけると下着ごと引き摺り下ろした。
「あっ!!」
「ここもじっくり見ておいたほうがいいだろう」
 万が一と言うこともあるしな、などと言いながらロイはハボックのズボンを剥ぎ取ってしまう。明るい執務室で下肢を曝け出されてハボックは悲鳴のような声でロイを呼んだ。
「たいさっ!!」
「あんまり大声出すと外に聞こえるぞ」
 ロイの言葉にぎくりと身を震わせて口を噤むハボックを満足そうに見下ろすとロイはハボックの片脚を持ち上げる。机に背を預けるようにしているハボックの手を持ち上げた脚に添えさせると言った。
「しっかり持っているんだ」
「…っっ」
 真っ赤になりながらもどうすることも出来ずに片脚を胸に引き付ける様にしてハボックは掴む。ロイは曝け出された中心を指の先ですぅっと撫で上げた。
「んっ…」
「意外と色が薄い…。エラが張って…」
「言うなっっ!!」
 涙声で訴えるハボックにロイはくすくすと笑う。涙の滲む目元にそっと口付けると言った。
「じゃあ、触って確認するだけにしよう」
 ロイはそう言うとハボック自身を丁寧に指で辿っていく。とろんと零れる蜜を掬うとぺろりと舐めた。
「んっ…」
 先端に触れられてハボックの唇から喘ぎが零れる。ロイはとろとろと溢れてくる蜜を棹に塗りつけるようにしながら指を下へと滑らせた。そうして奥まった場所でひくついている蕾に到達するとつぷりと挿し入れた。
「ひあっ!」
 逃げようとする体を押さえつけてロイは指を根元まで挿し込んでしまう。ぐちぐちとかき回せたハボックの唇から荒い呼吸が零れた。
「はっあっ…もっやめっっ」
 ハボックの言葉に、だがロイは指を引き抜くどころか逆に本数を増やしていく。3本もの指を根元まで挿し込まれて高々とそそり立たせた中心から蜜を零すハボックにロイは笑みを浮かべた。
「随分よさそうだな、ハボック」
「あっ…たいさぁっ」
 ハボックの空色の瞳がすっかりと情欲に染まって色を濃くしている事にロイは満足げに笑う。ぐちゃぐちゃとかき回していた指を引き抜くと、ロイはハボックの耳元に囁いた。
「どうして欲しい、ハボック…?」
 耳元に囁く声にぞくりと身を震わせてハボックは濡れた瞳をロイに向ける。
「この奥は目で確かめるどころか指でもムリだな…」
 ロイはそう囁くとハボックの耳にくちゅりと舌を挿し入れた。びくんと震えるハボックの腿にそろりと指を這わせればハボックの唇から感じ入ったような声が零れる。
「ハボック…?」
 促すようなロイの声にハボックは下ろしたままだったもう一方の脚に手をかけ胸に引き寄せた。荒い息を零しながらロイに強請る。
「たいさので…確かめて…」
 欲に掠れた声でそう強請りながらハボックは引き上げた両脚をM字型に大きく広げた。そのしどけない姿にロイはにんまりと笑うと己を取り出す。
「いいとも…お前が望むならな」
 ロイはそう言うとハボックの蕾に己を押し当てた。ハボックの喉がひくりと鳴るのを見ながらずぶずぶと熱い塊を突き入れていく。
「あっあっあっ」
 割り開かれる感触にハボックは目を見開いて喉を仰け反らせた。柔らかい肉を堅く滾ったもので擦られて、その衝撃だけでハボックは熱を吐き出してしまう。
「ああっあっア―――ッッ」
 一気に奥まで貫かれて脳天を突き抜ける快感にハボックは悲鳴を上げた。脚を抑えていた手をロイの肩に載せて圧し掛かってくるロイを受け止める。
「ああったいさぁっ」
「しっかり確かめてやる…」
「ああっ…そ、んな…深すぎ…っ」
 抉るように突き入れるロイの動きに零れる声を止められず、ハボックは喘いだ。
「ひゃあっ…あっあっ…あんっ…イイっ…やっ…また、イくっ…!」
 ロイの肩に爪を立ててハボックはブルブルと体を震わせる。だらしなく開いた唇から唾液を零して快感に震えるハボックの体を、ロイは容赦なく突き上げた。
「ひいっ…やめっ…ああっっ」
 涙を零しながら身悶えるハボックを思うまま攻め立ててロイは、その最奥へと熱を叩きつけたのだった。


 書類を書いていたブレダはフュリーがガタンと乱暴に立ち上がる音に顔を上げる。フュリーは真っ赤な顔で前屈みに股間を押さえると小さな声で言った。
「すっ、すみませんっ、ちょっとトイレに…っ」
 恥ずかしそうにそう言うと前屈みのまま小走りに司令室を出て行く。ため息をついてそれを見送ったブレダは傍らのファルマンを見た。ブツブツとなにやら言っているファルマンの手元を見ると小さな本のようなものが目に入る。
「般若心経…」
 その本のタイトルを読んでブレダはげっそりとした。
(ハボ、お前…まる聞こえだっつうの…っ)
 執務室から微かに漏れ聞こえる親友のあられもない声に、ブレダはぐったりと机に突っ伏したのだった。


2007/8/7

スイマセン、やっぱり書いてしまいました。「またかー」と思ってらっしゃる方も多いだろうな…(汗)基本的に好きなんですね、えっち。ハボを啼かせるのがスキなんですーvえへへ//////