技能五輪 その後のその後
「おっ、帰ってきた。」
「お疲れ様でした、お2人とも。」
司令室の扉を開けた途端かかる声にハボックとフュリーは顔を見合わせる。小さく頷き合うと中へと入っていった。
「残念だったなぁ、絶対イケルと思ってたのに。」
そう言ったブレダにフュリーが答えようとした時執務室の扉が開いてロイが出てくる。
「あっ、大佐。ただ今戻りましたっ」
慌てて敬礼するフュリーにロイは頷くと言った。
「残念だったな、フュリー曹長。」
「ご期待に添えなくて申し訳ありませんでした。」
ロイの言葉に頭を下げるフュリーにロイが言う。
「今回は残念だったが是非この経験を今後に生かしてくれたまえ。」
「はいっ」
そう答えて敬礼するフュリーの顔を改めて見て、ロイは僅かに目を瞠った。
「メガネを変えたのか?よく似合っている。」
「ありがとうございます。」
フュリーは答えてチラリとハボックを見る。うん、と頷くハボックにフュリーが嬉しそうに笑った。
「どこに行ったんだ、アイツ…。」
ロイは姿の見えないハボックを探して司令部の廊下を歩いていた。たった3日とはいえ離れていたことで、ロイは無性
にハボックに会いたかったし、それに。
「なんだか妙に仲良くなってた気がする…。」
元々ロイの直属の部下達は仲がいい。ハボックとブレダは幼い頃からの友人だから当然として、他の2人も含め暇な
時には楽しげに話していたり、仕事の後も連れ立って飲みに出かけたりしているようだ。だからハボックとフュリーが
仲がいいのも普段からのことではあるのだが、さっき一緒に立っていた2人は今まで以上に仲良く打ち解けている
ようにロイには見えたのだ。
「気のせい…だろうな。」
無理矢理そう思おうとした、その時。ロイの耳に聞きなれた声が飛び込んでくる。ロイが廊下の角から覗き込むと
窓の近くで話し込むハボックとフュリーの姿が見えた。
「よかったな、大佐が似合うって言うんだから間違いないぜ。」
「ええ、少尉に選んでもらったおかげです。」
そう言って楽しげに笑い合う二人にロイは目を見開く。
「大事にしますね、このメガネ。」
「っつっても、オレは選んだだけだし…結局弁償しなかったし。」
「選んでもらっただけで十分ですよ。ありがとうございます。」
フュリーに言われてハボックが照れくさそうに笑った。親しげにフュリーのメガネのかけ具合などを直してやるその姿
にロイの胸がキリリと痛む。ロイは仲睦まじく笑いあう二人の姿をそれ以上見ていられずに踵を返すと廊下を走って
いったのだった。
「あー、やっぱりホテルなんかより断然落ち着きますよね。」
家につくなりハボックはそう言うと思い切り伸びをする。食事は済ませてきたからコーヒーでも淹れようとキッチンに
行きかけたハボックは、ロイがリビングの入口で突っ立ったままなのに気づいて声をかけた。
「大佐?どうかしましたか?」
そう聞いても何も答えないロイにハボックは首を傾げると近づいていく。
「大佐?どうし――」
「本当は帰ってきたくなんてなかったんじゃないのか?」
ハボックの言葉を遮ってそう言うロイにハボックはきょとんとした。
「はい?今なんて――」
「本当はここに帰らずにフュリーと一緒にいたかったんだろうっ!」
俯いていた顔を上げてそう怒鳴るロイにハボックは目を見開く。まん丸に見開かれた空色の瞳を見つめてロイは言葉
を続けた。
「フュリーと一緒にいたかったんだろうっ!私なんかよりよっぽど素直で可愛いからなっ!」
「…アンタ、突然なに言い出すんです?」
急に喚きだしたロイにハボックはわけが判らずそう言う。そんなハボックにロイは苛々と怒鳴った。
「フュリーと一緒にいたいならそうすればいいんだっ、ムリにここに帰ってこなくたって…っ」
「ちょっと待ってくださいよ。いつオレがフュリーと一緒にいたいなんて言ったんスかっ!」
ロイの言葉にムッとして言い返すハボックにロイの黒い瞳に涙が盛り上がる。喚いた挙句泣き出してしまったロイに
ハボックは慌てた。
「えっ、ちょっ…ど、どうしたんスかっ?ワケ判んないんスけどっ!」
「うるさいっ!お前なんてだいっきらいだっ!!」
ロイはそう怒鳴るとリビングを飛び出していってしまう。階段を駆け上がるロイをハボックは急いで追いかけた。
「待って!たいさっ、待ってくださいっ!」
バタバタと音を立てて階段を駆け上がり、ロイが寝室の扉を閉める寸前に体をぶつけて扉を押さえる。寝室に逃げ込む
ロイを追って中へ入るとハボックはロイの腕を掴んだ。
「離せっっ!!」
「ヤですよっ、離せるわけないでしょっ!」
「離せって言ってるんだっ、この浮気者っ!」
「はあっ?オレがいつ浮気したっつうんですかっ!」
涙を零しながら喚きたてるロイに、ハボックも思わずムッとしてロイの腕を捻り上げる。そのままもつれ合うようにベッド
に倒れ込むと、ハボックはロイをベッドに押さえつけた。
「浮気者ってなんスか、聞き捨てならないっスよ、それっ。」
ハボックはロイを押さえ込んだまま低い声で言う。自分はいつだってロイのことしか考えていないのに突然そんな風に
言われてハボックは頭にきていた。
「フュリーがすきなんだろうっ!」
「だからなんでオレがフュリーをスキだなんて言ってんスかっ!ワケわかんねぇっスよ!」
喚くロイにハボックも怒鳴り返す。ロイはボロボロと涙を零しながらそれでもハボックを睨みあげた。
「フュリーのメガネっ!お前がプレゼントしたんだろうっ!」
「…は?」
「似合うって言ってたじゃないかっ、フュリーだってお前に貰っためがね大事にするって…っ」
「えっ、ちょ、ちょっとたいさ。」
「聞いたんだからなっ!ろ、廊下のっ窓のところでっ」
ロイの言葉にハボックは今日の出来事を頭の中で必死に巻き戻していく。やっとロイのいっているであろう場面に行き
当たってハボックはロイを見下ろすと言った。
「待って、たいさ、それ誤解っスよっ」
「誤解なもんかっ、見てたんだぞ、私はっ…あんな嬉しそうにして…」
「あーっ、も、ちょっとたいさ、オレの話聞いてくれます?マジ誤解っスから、オレの話――」
「ウルサイッ!」
ロイはそう怒鳴ると思い切り膝で蹴り上げる。それがたまたまロイを押さえ込むハボックの急所に当たってハボックは
声もなくロイの上に突っ伏した。痛みに悶えるハボックの下から抜け出してそのままベッドから下りようとしたロイは
グイと足を掴まれてベッドに倒れる。振り向けばハボックが痛みに顔を歪めながら物凄い顔でロイを睨んでいた。
「ア、ンタねぇっ!使い物にならなくなったらどうしてくれるんスか…っ」
「離…っ」
「もうっ、オレが好きなのはアンタだけだって、なんでわかんないのっ?!」
ハボックはそう言うとロイをベッドの中央に引き戻し強引に口付ける。
「んっ、んんんっっ」
首を振って逃れようとするのを押さえ込んで舌を絡ませきつく吸い上げた。口内を弄り歯列をなぞり、舌を絡ませれば
ロイの体から徐々に力が抜けていった。
「好き…たいさ、好きっスよ。」
ハボックはそう囁きながらロイの服を脱がしていく。露わになった白い肌に唇を落としては所有のしるしを刻み付けて
いった。ぷくりと立ち上がる紅色の果実に舌を絡めればロイが背を仰け反らせて喘ぐ。ハボックは舌先でチロチロ舐め
てはチュウと吸い上げたりしながら残るもう一方を指でグリグリと押しつぶした。
「あっ…ぅんっ…ああん…」
ビクビクと震えるロイにハボックは薄っすらと笑う。唾液で濡れたソコに歯を立てればロイが嬌声を上げた。
「アッ…ハボ…っ」
「かわいい、たいさ…」
ハボックはそう呟くとロイのズボンを下着ごと剥ぎ取ってしまう。ロイの中心が立ち上がり熱を零し始めているのを見て
うっとりと笑った。ハボックはロイの脚を大きく開くと体の奥で震える蕾を曝け出す。零れた蜜でしっとりと濡れている
ソコを指で押し開くと舌を差し入れた。
「アッ…イヤッ」
ビクッと体を震わせるロイに構わずハボックは両手の親指で蕾を押し開くと、現れた肉襞に舌を這わせる。ぬちゃぬちゃ
と舌を出し入れすればロイの息が熱を上げた。
「イヤッ…やあっ…そ、んなの…やめ…っ」
「イヤじゃないでしょ…すげぇ蜜が零れてきてますよ…。」
立ち上がったロイの中心からは止めどなく蜜が零れて棹を伝わり蕾へと垂れてくる。ハボックはその蜜を舐め取るよう
にしながらロイの蕾を舌で嬲り続けた。
「いや…もうっ…」
ソコばかり嬲られてロイは泣きじゃくる。押し返そうとハボックの髪に添えられた手は力を失いむしろ縋りつくようだ。
ハボックは親指を中へ押し込むようにして左右に開くと更に奥へと舌を差し入れた。くちゅくちゅと舌で肉襞を辿り
唇で吸い付く。ゾクゾクと背筋を駆け上がる快感にロイはハボックの髪を掴むとふるふると首を振った。
「あ、あ…イヤ…や…ダメ…」
ロイは否定の言葉を吐きながら必死に快感から意識を逸らそうとする。だがそうすればする程快感は高まって、ロイ
はビクビクと体を震わせた。
「や…も…」
出る、と思った瞬間、ふるりと震えた付け根の部分をハボックの指で締め付けられてロイは大きく体を震わせる。直前
で熱を吐き出すのをせき止められてロイは苦痛に身を捩った。
「すんません…でも顔射はちょっと…。」
ハボックはそう言って苦笑するとロイから身を離し服を脱ぎ捨てる。ベッドの上に座るとロイの体を引き起こし、背後
から抱え込んだ。
「挿れますよ…」
ハボックはそう言ってロイの脚を開かせ蕾を滾る自身に宛がう。ロイの中心をギュッと指で縛めるとその体を貫いた。
「アッアア―――ッッ!!」
ずぶずぶと押し入ってくる熱にロイは背を仰け反らせて嬌声を上げる。そのまま乱暴に突き上げられて、ロイの背を
快感が駆け上がった。
「アッアッ…やんっ…ああんっ」
激しい突き上げにロイ自身が解放を求めて震える。だが、ハボックの指に縛められたソレは熱を放つことを赦されな
かった。
「ヤッ…離し…やああんっっ」
ロイは必死にハボックの指を外そうとするが快感に力の抜けた指では思うように行かず、ロイは涙を零してハボックに
強請った。
「ハボ…イきたいっ…イかせて…っ」
「じゃあ、さっきの、取り消してください。」
「え…?」
「オレのこと、浮気者って言ったでしょ、あれ。」
ハボックはそう囁きながらロイを乱暴に突き上げる。泣きながら身悶えるロイの耳元で言った。
「取り消して。」
「と、取り消すっ…とりけすからっ…達かせてっっ」
泣きじゃくりながらそう言うロイにハボックは笑うと思い切り突き上げる。その奥に熱を叩きつけながら縛める指を
離せばロイが後を追うように熱を迸らせた。
「アアアアアッッ!!!」
体の内側を熱で焼かれながら自身も熱を吐き出す、その目も眩むような快感にロイは嬌声を上げ続けた。
「え?壊した?」
ロイは力の入らぬ体をハボックの胸に預けてそう聞く。ハボックはロイの髪を弄りながら答えた。
「ええ。置いてあるの気がつかなくて上に座っちゃったんスよね。フレームはひん曲がるしレンズはヒビ入っちゃうしで。
フュリーが力を発揮できなかったの、オレの所為なんスよ。」
ハボックはその時のことを思い出したのか辛そうに眉を寄せると続ける。
「あんなことにならなければ優勝できてたかもしれないのに。オレ、すげぇ申し訳なくて…せめて弁償するって言ったん
スけど、買いに行くの付き合ってくれるだけでいいって。フュリー、色々迷ってたからこれなんてどうかなって勧めて
みたら気に入ってくれて…ただそれだけっスよ。」
「…そうだったのか。」
「それなのにアンタときたらオレのこと浮気者だのなんだのって…!」
ジロリと睨まれてロイはウッと言葉に詰まる。それでも必死に睨み返すと言った。
「だってお前、私にはハンカチ1つ選んでくれないじゃないかっ」
「アンタが前にオレのセンスは信用できないって言ったんでしょうが!」
ハボックにそう言われてロイはキョトンとする。そのロイの様子にハボックは顔を顰めると言った。
「覚えてないんスか?オレ、あれ以来、絶対アンタにもの薦められねぇって思いましたもん。」
そんなことを言われてもロイにはさっぱり覚えがない。ため息をつくハボックにロイは決まり悪そうに言った。
「そんな悪気があったわけじゃないんだ…だから、その…」
「いっスよ、別に。アンタの方がセンスいいのはわかってますから。」
ちょっと拗ねたような顔をするハボックにロイは遠慮がちに言う。
「今度…ジャケットを買おうと思ってるんだ。一緒に行って見立ててくれないか?」
「別にそんなムリしなくても――」
「私もお前に選んでもらいたいんだっ!」
ハボックの言葉を遮ってそう怒鳴ったロイはまじまじと見つめられてたちまち顔を紅くする。ウロウロと視線を彷徨わ
せるロイにくすりと笑うとハボックは言った。
「いいっスよ。オレに選ばせてください。」
「ほんとかっ?」
子供のように顔を輝かせるロイにハボックは微笑む。
「ほんとっスよ。アンタに一番似合うの、選んであげます。」
「約束だからなっ」
頬を染めて念を押すロイにハボックは約束と言う代わりにそっと口付けたのだった。
2007/11/14
「技能五輪」その後のその後。ハボロイでって言うコメントをいただきましたので書いてみましたー。なんかロイが勝手にヤキモチ妬いて拗ねてるだけ
の話になっちゃった…。フュリーのこと、燃やそうかどうしようか迷ったんですけど、燃やすタイミングを逸したのでこんな感じで…。
お楽しみいただければ〜。