どっち?その後  Roy × Havoc ver.


「ハボック、お前、いい加減に諦めたらどうだ…っ」
 グイグイと力任せに押し合いながらロイがハボックに言えば
「ずぇったいに、嫌っス…っ」
 とハボックが答える。ロイはワザとらしくため息をつくと言った。
「あのな…この私がお前に抱かれてアンアン言ってる姿が想像つくか…っ?」
「そ、それは…」
 確かにそう言われればこの天下の女タラシ、焔の錬金術師であるロイ・マスタング国軍大佐が男に組み敷かれて喘ぐ姿など全く想像がつかない。
「で、でもっ!それを言うならオレがアンアン言ってる姿だって想像つかないっスよっ!」
 そんなの気持ちワルイじゃないか、とハボックがそう言えばロイは平然として言った。
「そんなことないぞ。私の下で喘ぐお前の姿……可愛いじゃないか」
 そう言ってだらしなく弛められたロイの顔はとても世の女性達に見せられたものではない。一体どんな想像をしたのか、聞くのが恐ろしくてハボックはブンブンと首を振った。
「可愛いわけないでしょっ!と、にかくっ、オレが下なんて考えられないっスからっ!!」
 そう喚いて必死に押してくるハボックにロイはチッと舌を鳴らす。
「どっちがより考えられないかと言えば私の方に決まってる。もう、諦めて下になれ、ハボック」
「ヤダって言ってんでしょっ!!」
 頑として折れないハボックにさして太くもないロイの堪忍袋の緒はあっけなく切れてしまった。ギッとハボックを睨みつけると低い声で言う。
「もういい、大人しく言うことを聞けば優しくしてやったのに。お前にはしっかり教え込まないとダメらしいな」
「え?」
 ロイの言葉にぎくりとしたハボックが一瞬怯んだのをロイは見逃さなかった。気がつけばベッドに押さえ込まれてロイを見上げる体勢になっていたハボックは焦って身を捩る。だがロイは、いとも容易くハボックの両手を束ねると手近にあったバスローブの紐で縛りベッドヘッドへと括りつけてしまった。
「ちょっ……なんスか、これっ!!」
「お前が大人しくしないからだろう」
「ヤダッ、ほどけよっ!!」
 もがくハボックの顎を掴むとロイがにんまりと笑う。
「大人しく言うことを聞くならほどいてやってもいいぞ」
「嫌っス」
「……可愛げのない」
 ソッコーで拒絶するハボックにロイは思い切り顔を顰めた。だが次の瞬間薄っすらと笑うと言う。
「まあ、いい。それなら私の好きにさせてもらうまでだ」
「なに言って…んっ、んん―――っっ!」
 ロイはそう言うとハボックに深く口付ける。舌を絡め歯列をなぞり、口内を思うままに蹂躙すればハボックが熱い吐息を零した。
「んふ…んんっ…ぅんっ…」
 逃げ回るハボックの舌を楽しむように追い掛け回し、時に強引に絡めとる。長い口付けにハボックの唇の端から唾液が糸を引いて零れた。
「んん…ぅふう…んぅ…」
 いつしか力の抜けたハボックからようやく唇を離せばハボックは目元を紅く染めてぼんやりと宙を見上げている。その無防備な表情にロイはくすりと笑うとハボックのシャツに手をかけた。胸が出るまでTシャツを捲くり上げ、その胸に息づく飾りを曝け出す。ロイがねっとりと舌を這わせればびくんとハボックの体が跳ねた。
「あっ?!」
 ロイは片方を甘く噛みながらもう片方を指でぐりぐりと捏ねる。そんなところを弄られるなんて考えもしていなかったハボックは必死に身を捩った。
「ヤダっ!」
 キュウときつく摘まれると同時にチロチロと舌先で愛撫される。両腕を頭上に拘束されて無防備に曝した胸に施される愛撫に、ハボックはいつしか快感を覚え始めていた。
「あ……う、そだろ…っ」
 こんなところを弄られて感じるのは女だけだ、そう思っていたのに今自分が感じているのは紛れもない快感。ハボックは荒い息を零しながらなんとかロイの手から逃れようと身を捩った。
「いや、だっ……も、触るな…っ」
「感じるのか、ハボック」
「ちがっ……」
 だが、頬を染め荒い息を零していてはそうだと言っている様なものだ。なにより布地を押し上げるハボック自身がその快感を如実に伝えていた。
「素直になれ……」
 ロイはそう囁いてハボックの胸を弄り続ける。すっかりと色を増したそこはもう、痛いのか気持ちがいいのか、ハボックにも判らなくなってきていた。
「も、ヤダ…っ」
 力なく首を振るハボックの耳元にロイが囁く。
「素直になるんだ、ハボック…悦いんだろう?」
 囁く声にすらゾクゾクと体を震わせてハボックは瞳を閉じた。途端にカリと爪を立てられて嬌声を上げる。
「ハボ…?」
「あ…イイっ…や、だ…なんで…っ」
 女でもないのに、とほろりと涙を零すハボックにロイはそっと口付けた。唇が殆んど触れる距離で名を呼べば、ハボックが薄っすらと目を開ける。目の前に広がる漆黒にハボックはごくりと唾を飲み込んだ。
「感じて当然だ。私がシテるんだからな」
 悦いだろう、と囁かれてハボックはこくこくと頷く。ロイはそんなハボックに小さく笑うとハボックのズボンを下着ごと剥ぎ取った。押さえるものをなくしてぶるんと飛び起きるようにそそり立つ自身に、ハボックは恥ずかしくて体を縮める。だがロイはそんなハボックの脚を掴むと思い切り大きく広げた。
「ヤダぁっっ!!」
 欲望を曝されてあまりの恥ずかしさにハボックは悲鳴を上げる。フッと息を吹きかけられてハボックは胸を仰け反らせて喘ぐと先端からとろりと蜜を零した。
「あ…っ」
 ヒクヒクと震える棹にツツツと舌を這わせ、くれをなぞり鈴口を舌先で押しつぶす。じゅっと音を立てて先端に吸い付けばハボックが息を飲んだ。
「ひっ…やっ…」
 じゅぶじゅぶと擦られて瞬く間に追い上げられていく。
「ヤダ…でちゃう…っ…ダメっ…あっあああっっ」
 悲鳴のような声と共にハボックが吐き出したものをロイはわざと喉を鳴らして飲み干した。聞こえてくる音にハボックはもう恥ずかしくて消え入りたくて、嗚咽を零す。ロイは体をずらしてハボックの顔を覗き込むとその金色の髪をそっと撫でた。
「可愛いハボック…全部私のものだ…」
 ロイはそう言ってハボックの涙を唇で拭う。それからハボックの脚を持ち上げるとM字型に折り曲げ、ハボックの胸につくほど押し付けた。奥で戦慄いている蕾を目にするとニンマリと笑いゆっくりと唇を近づけていく。指で押し開いたそこに尖らせた舌先をぬるりと差し入れた。
「ひっ…ひいっ!」
 突然の濡れた感触にハボックが悲鳴を上げる。だが、ロイは構わずに唾液を流し込みながらぬちゃぬちゃと舐め回した。
「ヤダっ…たいさっ…やめてっ、やめてくださ…っっ」
 信じられない行為にハボックが泣きながら許しを請う。だがロイはそんなハボックの声になど耳を貸さずにたっぷりと唾液を流し込むと、長い指をつぷりと差し入れた。
「い…っ?!」
 突然押し込まれたものにハボックは目を見開いて背を仰け反らす。ぐちぐちとかき回されて、ハボックは身を強張らせてヒクヒクと震えた。
「い、やあ…っっ、やめ…!」
 ハボックの抗議の声にもロイは構わず舌を這わせながら指の数を増やしていく。柔らかく解されたそこはロイの指を3本も飲み込んでも傷つくことなくヒクヒクと蠢いていた。
「た、いさっっ」
 ハボックは涙を零しながら必死に首を振る。もう、これ以上は自分がどうなってしまうのか判らなくて怖くて仕方がない。しゃくりあげるハボックに優しく口付けるとロイは耳元で囁いた。
「私が好きか、ハボック…?」
 優しい声音で聞かれて、ハボックは頷く。
「言って」
 だが言葉でと強請られてハボックは震える息を吐くと呟いた。
「ス、スキ……」
「だったら私を信じられるな?」
「……え?」
「私がお前を傷つけるような事をするはずがないだろう?気持ちよくしてやるだけだ……」
「たいさ……」
 ロイはハボックの涙を唇で拭う。
「大丈夫だから私の言うとおりにするんだ」
 いいな、と吐息と共に言葉を耳に吹き込まれてハボックはただ頷いていた。ロイはそんなハボックにうっとりと笑うと沈めていた指を引き抜く。びくんと震えるハボックの拘束した腕を解くとロイはハボックの脚を高く抱えあげた。
「挿れるぞ……」
 囁くと同時にロイはグッと腰を突き入れる。途端に強張るハボックの体に、ロイは掲げた脚を擦ると囁いた。
「力をぬけ、ハボック……」
「……んなの、ムリ……っ」
 グイグイと押し入ってくる熱に狭い器官を強引に押し開かれて、ハボックは痛みと恐怖とで震え上がった体をどうすることも出来ない。ハアハアと荒い息を零すハボックの中心にロイは手を這わすとゆっくりと扱き出した。
「い、やっ…ヤダ…ぁ…」
 後ろを無理矢理に押し開かれながら前を快感で溶かされていく。ハボックは自分の体に施される様々な感触に、どうしていいか判らずボロボロと涙を零した。その時、馴染ませるように揺すったロイ自身がハボックの中の一点を掠める。
「ひ…っ?!」
 大きく跳ねる体にロイは僅かに目を瞠るとニヤリと笑った。
「ここか」
 そう呟いて先ほど掠った部分を狙って何度も突き上げる。
「ひゃっ…ヒイッ…い、やっ…ヤアアッッ!!」
 唐突にこみ上げてくる快感にどうすることも出来ずハボックは熱を迸らせる。ロイはハボックの脚を押し開くと更に奥を穿った。
「ひああっ……あっあっ……」
 背を仰け反らせて逃げをうつ体をロイは無情にも引き戻す。引き戻した体に捻じ込むように己を突き入れればハボックが熱を放った。
「アッアア―――――ッッ!!」
 痛みも違和感をも打ち消す強烈な快感。指の先までその快感に支配されて、ハボックはもう、どうしていいか判らなかった。
「ヒッ……ああんっ…た、いさぁ……っ」
「いい子だ、ハボック……」
 しがみ付いてくる体を深々と犯してロイが笑う。全てをロイに支配されて、ハボックはどうすることも出来ずに快楽に身を委ねていった。


「信じらんねぇ……」
 くたんと力なくベッドに身を投げ出してハボックは呟く。その声を聞きとがめたロイがくすりと笑うと言った。
「何が信じられないんだ?」
「だって、あ、あんな……」
 絶対考えられないと思っていたのに信じられないところに突っ込まれた挙句、感じまくってしまった。真っ赤になって黙り込んでしまうハボックの髪をかき上げるとロイはその耳元に囁く。
「これから毎日悦い思いをさせてやる。私の形を覚えこませて私なしではいられなくしてやるからな」
「なっ…バカ言ってんじゃねぇっ!!」
 あらぬところを擦りながら不穏なことを言うロイに、思わず敬語を忘れて怒鳴ってしまったハボックの言葉には目を瞑ってやるとロイは笑った。
「バカかどうか、すぐ判るさ」
 そう言って笑うロイの黒い瞳に、自分の行く末を映し出してハボックは息を飲む。ロイはそんなハボックにうっとりと笑うとゆっくりと圧し掛かっていった。


2007/10/15


「どっち?」のその後ロイハボ版でございます。同じロイでもコイツを押し倒すのはハボックには絶対ムリだと思われます(苦笑)