| 夜の闇、銀の月 |
| 夜中にぽかりと目が覚めた。海の近くの宿は遠く低く海鳴りの音が聞こえる。オレに寄り添って眠る人を起こさないようそっとベッドから抜け出すと煙草に火をつけて窓の外に目をやった。カーテンの隙間から見える海は闇の中で黒くうねって空から月が零す銀色の滴をその波間に散らしている。その光景を見つめるうち、オレはどうしてもあの艶やかに濡れる黒い瞳を見たくなって煙草を灰皿に押し付けると眠るその人の肩に手を置いて静かに揺さぶった。何度か揺さぶると長い睫が震えてゆっくりと目蓋が開いた。その黒い瞳を向けられてホッと息が漏れる。 「どうした、眠れないのか?」 低い声でそう問う彼の眦にそっとキスを落とす。何度も何度も。そんなオレを彼は目を細めて見つめていたがそっと腕を伸ばすとオレの首に手を回した。そのまま引き寄せられて唇を合わせる。次第に深くなっていく口付けに息が上がって行った。 「大佐…」 口付けの合間に何度も呼ぶオレに彼が笑う気配がした。 「そんなに呼ばなくてもここにいるだろう」 そう言われても呼んでいなければいなくなってしまうような不安に駆られて呼ぶことを止められない。 「ハボック」 来い、と唇の動きだけで誘う彼に抗えずにその体に覆いかぶさっていった。しなやかな体を包む邪魔な布をむしり取るように脱がせていく。露わになった肌を強く吸い上げて所有の印をつけて行った。乳首に甘く噛み付けばびくりと大きく体が震えた。舌先でねっとりと舐め上げ、空いたほうの手でもう一方を捏ね上げる。何度も繰り返すとうっすらと涙を浮かべてオレを押し戻そうとした。 「そ、こばっかり、しつこい…っ」 もう待てないとばかりに腰を押し付けてくる彼に思わず笑みが零れる。彼の口元に指をやると自ら口を開いてオレの指をしゃぶった。たっぷりと唾液をまぶしたそれを彼の後ろにまわしゆっくりと彼の中へ沈めていく。 「う、ふ…っ」 ゆっくりとかき回してやれば体を震わせてシーツを蹴った。その脚を膝裏に手をあてて折り曲げると指を沈めたそこに視線をあてる。ふっと息を吹きかけると彼が息を呑むのがわかった。舌を差し込んで唾液を流し込みながら沈める指の数を増やしていく。ぐちゃぐちゃと濡れる音が響いて彼が小さく首を振った。 「ハボック…っ」 はやく、とねだるのをそのままに尚も彼の中をかき回した。耐え切れずに泣く彼に激しい欲情が沸き上がるのを止められない。酷いと訴えてくる彼の中から指を引き抜けば震える喘ぎが漏れた。胸に着くほど脚を折り曲げると彼の中へ自身を埋めていった。息を吐いて圧迫感を逃そうとする彼の唇を自分のそれで強引に塞ぐ。息苦しさに彼が自分の背に爪を立てるその痛みを心地よく感じて一層深く口付けた。深く埋めたものを入り口ぎりぎりまで引き抜いては最奥まで突き立てる。熱い襞が逃すまいと絡み付いてくるのが堪らない。彼と繋がるその部分に指を這わせてオレを咥え込む為にいっぱいに開いたそこを何度も指の腹で擦った。 「い、やだっ…、やめ…っ」 そうされるのを嫌がって彼がオレの肩を叩く。そうすることでますますオレの欲を煽っていることに気づかずに。入り口を擦っていた指をオレ自身が埋まっているそこに強引に差し入れていく。 「や、ハボ…っ、ムリ、だ…っ、あ、あぁ――っ」 背を仰け反らせて逃げようとする体を押さえ込んで無理やり差し込んだ指で熱い襞を擦ってやればぼろぼろと黒い瞳から銀色の滴が零れ落ちた。 「指…っ、ぬい、て…っ」 辛いと訴えてくる彼を可哀想だと思うと同時にもっともっと啼かせたくなる。相反する気持ちに想いをかき乱されて震える唇に噛み付くような口付けを落とした。彼の嗚咽が喉の奥に流れ込んできて頭の芯が痺れていく。もう一度絡みつく襞を引っ掻いてそこから指を抜くと乱暴に抜き差しを始めた。 ぐちゃぐちゃと濡れる音と彼の熱い喘ぎ声と遠く響く海鳴りの音と。 それらが頭いっぱいに広がって目の前の彼しか見えなくなっていく。 しなやかな体を抱きしめてオレは彼が意識を失うまで何度も何度も己の欲望を彼に叩きつけていった。 2006/6/2 |
友人に「空の青〜」を見せたら「綺麗だけど清純すぎ!続きは??」と言われてしまいました。清純ってアナタ…(汗)と言うわけで、夜の二人と相成りました。 |