豆騎士 初空月編 2


「んっ、……ちょっ、大しょ……んんッ!」
 最初の内はされるがままキスを受け止めていたハボックだったが、あまりにしつこく繰り返されるそれにいい加減辟易してエドワードを押し返す。それでもまだ唇を寄せてくる少年に、ハボックは顔を背けて言った。
「いい加減にしろよ、大将!もういいだろッ」
 確かに久しぶりの再会でハボックも嬉しいとは思う。とは言え、こんなところでキスを繰り返せる程羞恥心がない訳ではなかった。
「ほら、もうどいて。帰ろう」
 ハボックはそう言うとエドワードを押しのけて体を起こそうとする。だが、起こしかけた体を、エドワードは地面に押し戻した。
「やだ、まだ全然足りねぇ……つか、――シよ?」
 エドワードはそう言って腰を押し付けてくる。布越しに感じる熱い昂りに、ポカンとしたハボックは次の瞬間真っ赤になってエドワードを押し返した。
「なっ、なに考えてんだよッ、大将っ!」
「なにって……ナニの事」
「な……ッ」
 まん丸に見開く空色にエドワードはニンマリと笑う。押さえつけたハボックの股間に手を差し入れ、布地ごとギュッと握り締めた。
「ヒャッ?」
「シようぜ、少尉」
「バカバカバカッ、やめ……ッ」
 股間を弄る手を振り払おうとする前に揉み込むように握られてハボックは息を飲む。何度か握り締めれば忽ち手の中で息づく楔に、エドワードはクスクスと笑った。
「少尉だってその気になってんじゃん」
「弄られたら反応して当たり前だろッ」
 若い男なのだ、直接刺激されたら勃たない方がどうかしている。
「さ、触んなッ」
 これ以上弄られたら堪らないと、ハボックは必死に身を捩る。だが、執拗に絡んでくる手をどうしても振り払う事が出来ず、ハボックは急速に集まってくる熱に息を弾ませた。
「や……っ、ホントにやめろったら!――――大将ッ!」
「あんまりデカい声出すと誰か見にくるかもしれないぜ」
「ッ?!」
 何とかやめさせようと声を張り上げればそう囁かれて、ハボックはギョッとして辺りを見回す。生い茂る草の間に横たわっているとはいえすぐそこは遊歩道になっており、いつ人が通るか判らなかった。
「そう思うならもうやめろよッ」
 人目につく危険があると判っているならどうしてこんな事をするんだとハボックはエドワードを睨む。そうすればエドワードはしれっとして答えた。
「ヤりたいから」
「な……っ」
「それにこの方が少尉、興奮するだろ?」
「するかッ!バカッ!!」
 まるで自分が望んでいるかのように言われて、ハボックは真っ赤になって怒鳴る。その途端、エドワードは顔を上げ辺りを見回しながら言った。
「あれ?今の少尉のデカい声で向こうから誰か来るみたいだ」
「ッッ!!」
 そう言いながら首を伸ばすエドワードを、ハボックは慌てて腕を伸ばして引き寄せる。少年の頭を胸に抱き締めて、ハボックは必死に息を潜めた。
「も、行った……?」
 少ししてハボックは震える声で尋ねる。すると、エドワードがクスクスと笑って答えた。
「デカくなってんぜ?やっぱ興奮してんだ。ヤーラシイ、少尉ってば」
「ひッ」
 揶揄するように言いながら楔を握られてハボックは悲鳴を上げかける。確かにエドワードの言うとおりハボックの楔は嵩を増して熱く息づいていた。
「馬鹿ァ!」
 ハボックは羞恥のあまり真っ赤に染まった顔を腕で隠す。そんなハボックを見下ろしながらエドワードは容赦なく布地ごと楔を揉み込んだ。
「んっ、あ……ッ、やだ、やめて……ッ!」
 腕で顔を隠したまま微かに震えながらそう訴えるハボックの姿に、エドワードはゾクゾクする。懇願を無視して愛撫を続ければ、ハボックがガタガタと体を震わせ足で地面を蹴った。
「ホントにやめて、大将っ、でないと……ッ」
「でないと、なに?」
 ハアハアと息を弾ませて訴えるハボックの腕を無理矢理押さえ込み顔を覗き込んでエドワードは尋ねる。そうすればハボックは空色の瞳に涙を滲ませてエドワードを見た。
「――――出ちゃう」
 震える声でハボックは囁く。だからやめてと訴えたが、返ってきた答えにハボックは目を見開いた。
「いいよ、出して」
「ッ?!いい訳ないだろッ!!」
 下着の中に吐き出せばボトムまで汚してしまうのは目に見えている。そんな状態でアパートまで帰れる筈もなく、ハボックは必死に首を振った。
「いいじゃん、少尉が俺のもんだって街中に知れて」
「よくないッ!離せ……、アアッ!!」
 離してくれるどころか一層キツく揉まれてハボックは身を仰け反らせる。躯を突っ張らせ必死に耐えようとするハボックを見下ろしてエドワードは言った。
「下着の中に出すのが嫌ならこうすれば?」
「――――え?」
 エドワードは言って、射精を耐えて躯を突っ張らせるハボックのボトムに手をかける。抵抗する隙を与えず、下着ごとボトムを剥ぎ取った。
「ッッ!!やだァッッ!!」
「いいのかよ、デカい声出して。今人来たらヤバいんじゃねぇ?」
「ッ!」
 耳元にそう囁かれてハボックは息を飲む。身を強張らせたまま身動き出来ないでいるハボックの楔を右手で握り締めると、エドワードはゆっくりと扱きだした。
「あ」
「もう汚す心配ないだろ?遠慮なくイっていいよ、少尉」
 そう言って覗き込んでくる金目にハボックは目を見開く。絡んでくる鋼の指に、ハボックは瞬く間に追い上げられていった。
「あ……クッ、ぅんッ!大しょ……やめて……ッ」
「なんで?下着汚れないだろ?」
「そういう問題じゃ……ッ」
 不思議そうに言う少年にハボックは必死に首を振る。ハッハッと短く息を吐き出してハボックは言った。
「イく、からっ、やめてッ」
「いいよ」
 涙ながらに懇願されて、エドワードは興奮して楔をなぶる手の動きを速める。ハボックはビクビクと躯を震わせると大きく目を見開いた。
「イくイくイくッ!!も……ッッ!」
「少尉」
「んッ!――――アアアッッ!!」
 ビクンと大きく躯を震わせたと思うと、ハボックが背を仰け反らせる。それと同時に張り詰めた楔が弾けて、鋼の手を濡らした。
「は……ア……ッ」
 ビクビクと震えた体ががっくりと沈み込む。ハアハアと息を弾ませる唇にエドワードはチュッとキスを落とした。
「すげぇ一杯出たな、しかも濃いし。もしかして溜まってた?」
 楽しそうにそう尋ねられてハボックは真っ赤になる。プイと顔を背けて言った。
「も、いいだろッ!服、返せッ」
 こんな人目につくようなところでと思うと消えてしまいたい程恥ずかしい。一刻も早くこの場を立ち去りたくてそう言ったハボックに、エドワードは身を寄せて言った。
「何がいいんだよ、これからが本番だろ?」
 エドワードはそう言って熱に濡れた右手を双丘の狭間に差し入れる。奥まった蕾に触れてくる硬い感触に、ハボックは目を見開いた。
「うそ、だろ……?こんなとこでシないよな……?」
「なんで?」
「ここ何処だと思ってんだよッ?!」
 丈の高い草が茂っているとはいえ、基本的には身を隠す場所もない屋外だ。すぐそこには遊歩道も通っていて、誰か来れば気づかれてしまうのは間違いなかった。
「構わねぇよ、見たい奴には見せればいいじゃん」
「な……ッ」
「俺は少尉が欲しい、今すぐ」
 低く囁いて見つめてくる金目に、ハボックは身動き出来なくなってしまう。息を詰めてエドワードを見つめていれば、蕾に触れていた指がグイと押し入ってきた。
「あッ」
 ビクッと震えてハボックはエドワードを押し返そうとする。だが、それに構わずエドワードは指を一本根元までねじ込んだ。
「く……ッ」
「力抜いて、少尉」
「やだ……やめて、大将」
「やめない」
 きっぱりと告げる言葉にハボックは顔を歪める。ゆるゆると首を振って震える声で懇願した。
「アパートに帰ろ……?アパートでなら、大将の言うこと、な、なんでも聞くから……ッ」
「俺は今ここで少尉が欲しいの」
「んあッ!」
 グチュグチュと鋼の指を動かされてハボックは身を捩る。ハアハアと息を弾ませ涙の滲む瞳を見開くハボックの表情に、エドワードはゴクリと唾を飲み込むともう一本指をねじ込んだ。
「ヒィ……」
 狭い蕾をエドワードは強引に割り開く。ねじ込んだ指を開くようにして、グチョグチョと掻き回した。
「は……大しょ……」
「力抜けって……もう一本挿れるぜ?」
「や……ッ」
 容赦のない宣告にハボックは目を見開いて首を振る。だが、エドワードはそれに構わず更にもう一本指をねじ挿れた。
「アヒィ……ッ、裂けちゃうッ!」
 久しぶりのセックスは快感よりも痛みが勝る。だが、痛いと訴えるハボックの様はエドワードを煽るばかりだった。
「ひゥ、んあッ!や……大将、頼むから……ッ」
 痛みと羞恥でハボックはボロボロと泣きじゃくる。そんな顔を見ればもう堪らなくて、エドワードは蕾を嬲っていた指を乱暴に引き抜いた。
「アアッ!」
「挿れるぜ、少尉……」
 興奮に掠れた声で囁きながらエドワードはボトムを緩める。待ちきれないと言うようにブルンと飛び出た楔を先走りの蜜を絡めるように数度扱くと、ハボックの脚を胸に着くほど押し開いた。
「たいしょ、やだ……ッ」
 押し当てられる熱に、ハボックが目を大きく見開いて首を振る。だがそんな仕草もなんの役にもたたず、エドワードは押し当てた楔をグイと突き入れた。
「あ」
 ズブズブと狭い内壁を強引に押し開いて猛る牡が突き進んでくる。ハボックは腕を伸ばすとエドワードの首に絡めて引き寄せた。
「少――――、んんッ」
 乱暴に合わさった唇から悲鳴がなだれ込んでくる。零れる悲鳴を押さえようと必死に唇を合わせてくるハボックに、エドワードは興奮しきってガツガツと乱暴に突き上げた。
「んんんッ!んっ、ンーーーッッ!!」
 突き上げるたびハボックがくぐもった悲鳴を上げ、熱い内壁が嫌がるように絡みつく。強引に押し込み引き抜けば、まだ若いエドワードは忽ち高ぶってぶちまけたい衝動に駆られた。
「出すぜ、少尉ッ」
「ッ?!ダメッ!!」
 囁く声にギョッとしてハボックはエドワードを押し返そうとする。だが長い脚を胸につくまで押し広げられ猛る凶器で串刺しにされている状況では、身を捩る事も出来なかった。
「ダメッ、大将、出すなッ!!」
 こんな所で中出しされては堪らない。エドワードの肩口を叩いて必死に駄目だと訴えたハボックの制止は、少年には全く届かなかった。
「ッ、クゥ……ッ、少尉……ッ!」
「ッッ!!や、だァッ」
 ドクドクと躯の奥底に大量に注がれる熱に、ハボックは目を見開いて身を強張らせる。エドワードはブルリと躯を震わせると、大きく息を吐いた。
「やっぱ少尉ん中、気持ちイイ……ッ」
 満足そうに呟いたものの、押し包んでくる熟れた内壁の感触に若い牡はすぐに勢いを取り戻す。ムクムクと膨れ上がる楔が狭い肉筒を押し開く感触に、ハボックはギクリと身を震わせた。
「少尉、もう一回」
「バカッ、もう抜けッ!」
「でも、少尉イってないじゃん。俺のでイかせてやるな?」
「いいッ、しなくていいッ!!」
 自分だけ先にイってしまったのがほんの少し恥ずかしく、ハボックを己のモノでイかせてやれなかったのが悔しい。エドワードはハボックの脚を抱え直すとゆっくりと突き上げ始めた。
「は……、やっぱ二発目って堪んねぇ、すげぇイイ」
 己の吐き出した物がグチョグチョと音を立て掻き回される感触が堪らない。潤滑油代わりのそれにエドワードは激しく腰を打ちつけた。
「ヒィッ、くぅッ!」
「今、少尉のイイとこ突いてやるから」
 必死に声を噛むハボックに構わずエドワードは探るように腰をグラインドさせる。そうすればある一点でハボックの躯が大きく跳ね上がった。
「ヒャッ?!」
「ここか」
 エドワードはニヤリと笑って反応があった箇所を執拗に突き上げる。前立腺をガツガツと突かれてハボックはガクガクと躯を震わせた。
「や、やめ…ッ、ヒィンッ!」
 制止しようと口を開けばイヤラシい声が零れてしまう。ハボックは顔を歪めてイヤイヤと首を振った。
「お願……やめ……、ひゃあんッ、アッアッ、んああッッ!」
 声を押さえようにも執拗に前立腺を突かれ押し潰されて、ハボックの唇から絶え間なく嬌声が上がる。イヤラシい自分の声が恥ずかしく堪らないと思えば思うほど零れる声は湿度と温度を上げて、ハボックは消えてしまいたくなった。
「あ……。ダメ、本当に……」
 その上、射精を求める感覚かわ湧き上がってきて、ハボックは目を見開く。必死にエドワードを押し返しながらハボックは訴えた。
「イっちゃうっ、やめて、大将ッ」
「いいじゃん、一緒にイこう」
「駄目だったら!服が……ッ!」
 そう言うハボックの言葉にエドワードは二人の腹の間を見下ろす。成人男性のモノにしては色が薄いハボックの楔が、パンパンに張り詰めて今にも弾けそうに震えていた。確かにここで熱を吐き出せば二人とも服が大変な事になるだろう。エドワードは小首を傾げて考えると、近くに丸めて放り出してあったハボックの下着を掴んだ。
「こうしておけば大丈夫だろ?」
 エドワードはそう言ってそそり立つ楔を下着で包み込む。ふわりと楔を包む感触に、ハボックは何か言う前に再びガツガツと突かれて忽ち追い上げられていった。
「ッ、あ…ッ、くは、ァ……ッ!大しょ……ッ!」
 二つに躯を折り畳むように苦しい体勢で攻め立てられ、快感と苦痛でここがどこか一瞬判らなくなる。ガツンと一際キツく突き上げられて、ハボックは目を見開き喉を仰け反らせた。
「ヒャアアッッ!ッッ!!」
 背筋を突き抜ける快感のまま、ハボックは熱を吐き出す。それと同時に躯の奥底に熱がぶちまけられるのを感じて、ハボックはビクビクと震えた。
「少、い」
 ハボックの中に二度目の熱を吐き出して、エドワードはハボックの躯を抱き締める。苦しい体勢に呻くハボックの唇を強引に塞ぐとその熱い口内を貪った。
「すき」
 そう囁いて間近から大好きな空色を覗き込めば、ハボックが頬を染めて睨んでくる。
「このエロガキ……っ、こんなとこで好き勝手しやがって」
 射精の快感が過ぎれば頭上に広がる青空がやけに広く見えてここが外だと思い知らされた。
「だって好きなんだから、仕方ねぇじゃん」
「エロガキ」
「少尉も俺の事好きだろ?」
 まるで疑う事なく自信満々に尋ねてくる様が憎らしい。それでも、自分がこの十も年下の少年に心惹かれているのは事実だから仕方なかった。
「なぁ、少尉。好きって言って?」
「絶対やだ」
「えーッ!なんでだよッ?」
「オレの下着グチャグチャにした上に中に出しやがって」
「下着グチャグチャにしたのは少――――」
「もう絶対言わねぇッ!さっさと抜けッ!」
 ハボックは真っ赤になってエドワードの躯をグイグイと押す。だが、エドワードは体を離すどころか身を寄せてきた。
「なぁ、もっかいする?――ッてぇッ!」
 言った途端思い切りひっぱたかれてエドワードは顔を歪める。無言のまま睨んでくる空色に流石に拙いと身を引けばハボックは長い脚を引き寄せ身を縮めた。
「あ」
 その途端こぷりと溢れ出る感触にハボックが身を震わせる。そんなハボックに背後からしがみついてエドワードが言った。
「なぁ、少尉。初日の出一緒に見てくれるんだろ?」
 そう言う声に肩越しにチラリと振り返れば金色の瞳が期待に満ちた光をたたえて見つめている。ハボックはハァと大きなため息をついた。
「なんでこんなのがいいんだろ」
 ぼそりと呟けばエドワードがハボックの首にしがみついてくる。
「好きだぜ、少尉」
「知らん」
「少尉もオレが好きだよな」
「知るか」
「なあなあ、少尉」
 プイとそっぽを向く真っ赤に染まった首筋に、エドワードは嬉しそうに口づけた。


2013/03/04